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2004/10/14

農民の強制排除での警察の違法行為を追求(グァテマラ)

 8月31日に行われたヌエバ・リンダ農園からの農民の強制排除に関して、グァテマラの政府機関である人権擁護事務所(PDH)が強制排除に関わった役人などの譴責を求める裁定書を提出。この報告書では、対話の可能性が残されていたにもかかわらず 強制排除が実施されたこと、農民に対して超法規的殺害、拷問、職権の乱用、攻撃、脅迫、略奪などが行われたことなどが指摘されているとのことである。今後、警察庁長官及び警察を管轄する内務大臣などの責任が法的に追及されることとなるかどうかが焦点となる。
またこうした積み上げによって、少なくとも、地域の大土地所有者が強制的かつ暴力的な農民の排除を、「正当な」法的手続きにのっとって扇動することは難しくなるだろう。

 なおこの事件を調査するために議会に設置された委員会の代表は、占拠していた農民のリーダーに元自警団のメンバーがいたことを指摘している。このような形で、農村部にはグァテマラの内戦の歴史が暗い影を落とし続けている。

 (以上、10月13日付けプレンサ・リブレ紙、シグロ・ベインティウノ紙など)
 http://www.sigloxxi.com/detallesnews.asp?pag=njmeja01.txt
http://www.prensalibre.com/pl/2004/octubre/13/99340.html

 この裁定に関して、プレンサ・リブレ紙は「農業問題への危険な流れ」という「危険な」見出しで社説を掲げている。PDHの裁定自体は評価しつつ、「土地への要求や私的所有地の侵害に加えて、武装グループと交渉するという困難が加わる」と述べている。今回武装した農民が含まれていた特別な事例である(それも土地運動ではない)ヌエバ・リンダを例に引きつつ、土地要求の動きを武装蜂起と結びつけようとするのである。そして最後は私的所有権をどこまでも擁護するのであった。
 http://www.prensalibre.com/pl/2004/octubre/13/99302.html

 農民の土地占拠にたいして、私的所有権の侵害として刑法に基づいて一方的に処罰の対象と位置づけるのではなく、農民の基本的な人権、社会的な権利、生存する権利を擁護するという観点から社会的な方策で対処すべきという流れが少しづつ生まれつつあることにグァテマラの伝統的な経済エリートが危機感を感じている証拠であろう。

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