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2005/01/25

グアテマラ・鉱山開発反対運動への弾圧に抗議

緊急行動を展開中 鉱山開発に反対する住民の運動がグァテマラの軍や警察によって弾圧されました。

  2005年1月11日、サン・マルコス県のマルリン鉱山で利用される予定であった巨大な鋼管の運搬を阻止していたソロラ県ロス・エンクエントロスの農民に対して、警察と軍が介入し、農民側に死者と負傷者が出るという事件が起きました。直径7メートル重さ50トンという巨大な鋼管を搬送するためには、ロス・エンクエントロスの歩道橋を撤去する必要がありましたが、住民はその歩道橋の撤去を認めなかったのです。
 地域住民はこの鋼管が、自分たちの地域での鉱山開発に利用されるのではないかという不安を抱いていました。グァテマラでは近年政府によって鉱山開発が積極的に振興されていますが、地域住民は自分たちの土地でどのような鉱山開発が進められようとしているのかについて正確な情報を持ってはいませんし、鉱山開発ライセンスの承認に先立って、相談を受けているわけでもありません。

 しかしグァテマラが批准している国際労働機関の169号条約の15条第二項は「国が鉱物または地下の資源の所有権、もしくは土地に属するその他の資源についての権利を保有する場合には、政府は、これらの民族の土地に属する当該資源の探査もしくは開発のための計画に着手しまたは認可する前に、これらの者の利益が損なわれるかどうか、またどの程度に損なわれるかを確認することを目的として、これらの民族と協議するための手続きを確立し、維持しなければならない。」と定めています。
 
 サン・マルコス県で開発が進められているマルリン鉱山でも、こうした協議の手続が行われなかったことから反対運動が起こっています。ソロラにおいても既にいくつかの鉱山(開発若しくは探査)ライセンスが認可されていますが、地域住民に対する適切な情報提供も協議も行われてはいません。

 そこでソロラの住民は、自分たちの土地での鉱山開発に反発するとともに、サンマルコスでの鉱山開発に反対する住民に連帯の意志も示していたのです。
 先住民族は、地域住民は、自分たちで開発のあり方を決めることを求めています。情報すら提供しないままに、政府が鉱山開発のためのライセンスを認可することに抗議しています。
 そうした声が聞き届けられないなかで、地域住民は自らの手で自分たちの地域を守らざるを得ないのです。

 今回はこうした住民の声に対して、グァテマラ政府が外国資本の権益を守ることだけを考え、暴力的な対応に出たのです。こうした事態に、抗議行動を展開していきます。

 抗議ハガキ文面例及び関係機関宛名一覧  


 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

 

 サンマルコスの鉱山開発に関するレポート
 現地声明文など(スペイン語)

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2005/01/12

ロスエンクエントロスでの衝突

 1月11日、ソロラ県ロス・エンクエントロスで鉱山開発に利用される巨大な鋼管の運搬を阻止していた農民に対して、警察と軍が介入し、強制排除の際に複数の死者と負傷者が出た模様。直径7メートル、重さ50トンもの鋼管を搬送するためには、ロス・エンクエントロスの歩道橋を撤去する必要があったが、その歩道橋の撤去を地域の住民が認めず、またソロラの首長もどのような目的で利用するのか明確な説明を受けていなかったとして歩道橋の撤去を認めなかった。運送会社はこの運搬を政府に委ねたが、政府は民間企業の利益を代弁し、「法治国家」の名の下に、暴力的な排除を行った。
 通行阻止の後、この資材がサン・マルコス県の金鉱山マルリンで利用するものであることが明らかにされているが、地域住民は納得してない。ソロラの人々も地元での鉱山開発の不安を抱えているからである。
 グァテマラが批准しているILO169号条約に基づく、鉱山開発に先立つ先住民族との協議などが行われないままに、鉱山開発が進められ、それに対して政府は外国資本を導入するためだけに「法治国家」と「国の安定」を口にする。

2005年1月に入り、グァテマラでは鉱山開発をめぐって既にトトニカパン県で鉱山開発関係者と見なされたツーリストが地域住民に一時的に拘束されるという事件も行っている。どちらも鉱山開発に関する情報の不足から来る不安と政府の対応への不信感によって生み出された事件である。地域住民はソロラ県でもトトニカパン県でも鉱山開発が進められる可能性があることを既に知っている。しかし自らの土地でどのような鉱山開発が進みつつあるのか情報を有さないままに、政府によって鉱山開発のライセンスが認可され続け、また動き出した鉱山開発を止めることも出来ない中で、地域住民は自らの手で取りうる対策を取らざる得ないのである。

 今回の事件に対しても「投資家以外」の国際社会の目があることをグァテマラ政府に伝えていく必要があるだろう。

 開発と権利のための行動センター
http://homepage3.nifty.com/CADE/
 青西

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2005/01/02

鉱山問題続報

 12月1日、2日に開かれたグァテマラ政府主催による「鉱業に関するナショナル・フォーラム」のホームページが開設されている。http://www.foromineria.org/portada1.htmそこへのリンクがグァテマラのカナダ大使館のホームページ、「カナダにおける鉱山開発」の脇に貼ってあることからもこのフォーラムの推進者が誰であり、誰が鉱山開発を進めたいと思っているのかが一目瞭然であろう。そしてこの「ナショナル・フォーラム」のページには、参加した11の機関による合意文書が掲載されている。そこには参加と対話を進めるためのフォーラムの開催、情報提供、鉱業政策のための合意形成プロセスの支援などが掲げられている。
 しかしそうした対話も合意形成もなされぬままに、12月の中旬、イサバル県でのニッケル採掘権を有するエクスミバル社に対して、来年失効する免許にかわる新しい鉱山開発免許が認可された。これはエクスミバル社の買収交渉がカナダ資本のスカイ・リソーシーズ社と進んでいたことと歩を一にするものである。 
 もともと官製の鉱山開発のためのフォーラムであることは周知の事実であったが、このあまりに厚顔なやり口には先住民族組織そして地域の住民組織から強い抗議の声が起こることは間違いないであろう。ILO169号条約に定められた事前の協議、そしてグァテマラの人権擁護委員会の裁定を無視するものである。

青西

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