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2005/11/17

サンティアゴ・アティトランの状況(11月12,13日)

 現地石川さんが、11月12日、13日とサンティアゴ・アティトランの視察に行った報告です。

 (援助の調整などを行っていた)緊急委員会は先月末に解散。その後は自治体がこの役割を負っている。各地区(Canton)から2名ずつの代表を決め、自治体との調整を行うなどしているが、支援の実施主体ということではない。全体としてうまく行っていると言える。政党の利益等も入り込む余地を作らせず、調整もスムーズにいっている。

 <避難所生活> 
 避難所から出ている人もあり。家から泥を出し(これが結構大変で1ヶ月から2ヶ月もかかるとか)、改修し、戻れる人は戻っていく。避難所生活はつらいし、今後のことを考えると、同じ場所に戻るのは危険かも知れないが、家に戻りたい、とのこと。

 現在も避難所生活を続けるのは、本当に帰るところのない490家族。その一人がマリアさん(40代?)。CONIC(先住民族農民全国調整委員会)に参加する女性グループのメンバー。「ここの生活は辛いけれど、私は家も持ち物も全て失って行く先がありません。私は下の子が乳飲み子の時に夫を失い、織物をして子どもたちを育てました。最近では娘2人も一緒に織り、やっと3人で暮らしを立てていたのに、織物の道具も糸も失い、買うお金などありません。この先どうしたらいいのか…。」泣きながら話すマリアさんに寄り添う末娘のアナさんが続ける。
「私たち3人は家で寝ていました。でも午前3時頃、ふと目が覚めると、家の中にすでに土砂が入り込んでいたのです。あわててみんなで近くの兄の家に避難しました。何も持って出る余裕はなかったし、こんなことになるとは思ってもいませんでした。翌朝見てみると私たちの家は影も形もなくなっていました。母は毎日のように泣いているんです。ここでは食事作りや掃除、洗濯の他には何もすることがなくて、座って考え込んでばかりいるからいけないんだと思うんだけれど、本当に何もできることがないんです。」

<仮設住宅>
FONAPAZ(国家平和基金)が建設している仮設住宅は、非常に質素な小屋。細い木材を骨格に、壁と床は厚手ビニールシート(USAIDのロゴがべたべた)、トタンの屋根、各棟2部屋の250棟。5人以下の家族なら1部屋、10人家族なら1棟を使う。強風が吹いたら飛ぶか、雨が入り込まないか、土の上にビニールシートが張ってあるだけの床にスポンジなどを敷いて寝ることになる。悲しい家・・・。
11月20日に大統領が来て竣工式を予定。

<再定住の住居>
 パナバフとツァンチャフ
 カトリック教会が8.4ヘクタールを提供する予定。今の仮設住宅地の隣に位置する場所と思われる。各家族が土地の所有者になる予定。政府は、仮設住宅竣工の翌日から、再定住用のフォーマルな住居442軒の建設を始める予定だが、それまでに教会との土地の契約他が終了できるかどうかは定かではない。11月20日に大統領が来たところで、確定される。住居は、当初政府側は「2部屋+中にトイレ」を考えていたが、自治体からは土地は寄付され土地代金を節約したのだからその分を住居に投資し、これを「4部屋+外にトイレ」にするよう執拗に要求、この要求を通させた。ブロックとトタン板の住居になる。しかし、あと数十軒の住居が不足。この住居建設で、被災者自身が仕事をし、賃金を受けられるように、これから交渉する。女性たちが食事作りなどを請け負うことも考えられる。1年かからずに完成させたい。

 パヌル及び他の3地区
 こちらでも家を失った人たちがある。パナバフとツァンチャフとは反対側に位置するので、べっこに再定住用の土地を確保し、住居建設をする必要がある。こちらに関しては、政府もまだ約束していない。現在購入できる土地を探しているところ。

<その他の援助>
 文化・スポーツ省大臣が10日ほど前に来た時に、織りの道具を要請し、昨日(11月11日)に75人分の腰に巻いて使う織機とウイピル2枚分の糸が供与された。ウィピル1枚は自分用、もう1枚は文化省が高値で売る先を見つけ(?)、その代金で各自が2枚分の糸を購入、その後につなげていく、という計画らしい。女性たちの数は多く、今後もこの援助を続けるよう、文化省他と交渉を続ける。
帯を織るための小さな機を失った女性たちも多いが、これはまだ援助を得ていない。男性たちには、ペダルの織り機を使っていた人もあり、CONICを通してやってきた外国人から、木材を援助してもらったので、これで機を作る予定もある。
 また畑仕事に戻れるよう、農具(マチェテ、鍬、他)も少しずつ提供しているが、まだまだ足りない。回復できない状態になっている畑もあるが、農具さえあれば取り戻せる畑も多い。とにかく、被災者が何もしない状態から脱し、仕事を始められるようにする必要がある。

<プロモーター/普及員、指導員>
 CONICがオックスファムの援助で、5人の保健プロモーターを被災者の中から雇用している。皆若く、一人は家を失っている。大半はツァンチャフに住み、家は失っていなくとも、畑を失うなどの被害を受けている。
 プロモーターのテーマは保健だけに限定されない。現在1人は救援物資センターの補助(食料などの援助が減ってきている)、4人は避難所を訪問し、被災者にインタビューして必要性を聞き出し、これをまとめる、また避難所や仮設住宅の衛生条件などを改善するためのアイディアを出すなどしている。被災者は話したがっているので、聞くことも必要、さらに元気づけることが重要だと語る。自分たちも被災者で、みんなと分かり合え、声を代弁できる。現在台所用品などの供与を準備中。
CONICからは現在、特に農具の必要性についてまとめるよう指示を受けている。オックスファムはアティトラン周辺のサンタ・カタリーナ・イシュタウアカンでも支援を展開。台所用品の供与などを昨日始めたところ。被災者57家族というデータに基づいて物資を持っていったら、実際には290家族だった、というように、まだまだデータが定まらない。ナウアラでは、どこからも支援を受けていない村が2カ所残っていることに気づいたところで、これから支援を始める。
 教員や校長たちの子どもたちとの活動も続けている。避難所で子どもたちにアテンドしている。(しかし、私はこれを見たことがないので様子がわからない。)
よそで聞いた話では、GTZやSOSEP(大統領夫人プロジェクト)などが教員に研修を行い、子どもたちにトラウマが残らないようなケアを実施していくらしい。

 サンティアゴ・アティトランでこれまでに受けている支援としてはオックスファム(英国)+CONICが大きい。オックスファムはCONICへの支援をずっと以前からしており、CONICをカウンターパートとしてソロラ県での援助を展開中。特に水(貯水タンク、配給システム改修など)、衛生に関する支援と、物資(食料他)。Oxfamは災害の直後から現地に入り、支援を始めている。他に大きく展開している支援はないが、トイレ、医療、食料などでの援助を受けている。

 サンティアゴの南部に位置する村への道路改修工事の必要。政府機関からトラクター他の機械4台を借りているが、その燃料代だけでも大変な出費で、カバーしきれないが、これも緊急に必要。

 というように、これからの必要性としては:
*他の3つの地区(Canton)の被災者のための再定住地と住居建設。
*各家族への台所用品などの提供。また、ベッド、イス、テーブルなど最低限の家財道具の提供(板とブロックで簡単に組むだけでも)。
*インフラ改修。
*みんなが仕事に就けるようにすること。民芸品や織りの道具や材料の提供。農具提供。その後の生産手段。とりあえずの賃仕事も。そうしながら長期の生産活動の準備。

 が自治体からは提起された。

 以上

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