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2006/04/21

グアテマラ 土地 先住民族

  グアテマラ全土で再び、農民組織等によるデモ行進

 先住民族組織、農民組織は、ベルシェ政権成立以前から、提案を繰り返し、交渉を繰り返し、合意を形成し、しかしそれが守られないからと再びデモ行進を行い・・・という繰り返しであり、ベルシェ政権は全く問題解決にむけて真剣な姿勢がないと、3月30日にデモ行進を行いました。しかしその後も問題の解決は図られず、今日、4月20日、明日21日と、グアテマラ全土で再びでも行進などが行われています。

 問題は次のように整理できるでしょう
1)内戦の終結にさいして締結された様々な和平協定から10年が経とうとしている(先住民族の権利とアイデンティティー協定は既に11年)にもかかわらず、先住民族の権利は十分に守られておらず、差別撤廃のための取り組みも遅々としており、問題を解決しようという積極的な意志がみられない。

2)近年先住民族コミュニティの意志を無視する形で、全国各地で鉱山開発のための採掘権、あるいは探査権の譲渡がなされている。これに対して先住民族諸組織が抗議の声を上げているが問題解決が進まない

3)和平プロセスの中で設置された「農地銀行」による市場メカニズムを通じた土地の購入売買による、農民の土地アクセスの確保という政策が破綻したこと。大土地所有者に有利な不透明な土地価格設定(そもそも適正な土地価格決定を行うメカニズムも社会的基盤もない)や汚職の問題、農業不適地の購入と売却、、土地購入後の融資や技術支援の欠如からくる経営の破綻、などから、農民の生活基盤の安定のために、新しい農業政策、農地政策が必要とされていること。

4)更には昨年10月のスタン台風の影響で、多くの先住民族農民が被害を受けたものの、十分な支援がないことも、農民の生活の悪化に追い打ちをかけている。

 また既に議会で承認され、最後の関係法の整備に入っている米国・中米の自由貿易協定も農民の生活を脅かすものとみられている。

 こうした中で、新しい「総合的農地改革」ということが語られ始めている。1952年の農地改革が米国の介入で潰されたのち、やっとグアテマラで農地改革という言葉を、公に語れる時代が来たのである。
 私的所有権一辺倒ではなく、土地の社会的機能を考慮し、税制面での対応あるいは必要であれば土地収用なども含め、遊休地や低利用地を農民に移行するための制度を形成することなどが検討されるべきと考えられている。
 また和平協定にも記されているがそのまま放置されている軍事政権下に違法に分配された北部横断帯の国有地の回復なども実施されるべきであろう。
 
 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

 最近の動向としていくつかサイト情報を付記する。

 http://www.lahora.com.gt/06/04/20/paginas/tema.php
http://www.avancso.org.gt/index_noticias.php?id=156
アムネスティ・インターナショナル
 グアテマラ人権状況:最近の土地問題を取り上げた報告が刊行されている。
 (英語) http://www.amnestyusa.org/countries/guatemala/reports.do 
 (スペイン語) http://www.amnestyusa.org/spanish/countries/guatemala/index.do

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