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2006/10/10

スタン台風から1年

スタン台風から1年

 スタン台風による大雨の被害から一年が経ちました。1年前の10月、グアテマラの西部を中心に4ヶ月分にも匹敵する雨が4-5日の間降り続き、高地ではあちこちで土砂崩れに襲われ、家々が飲み込まれ、また道路が寸断されました。低地では河川が氾濫し、水害に見舞われました。
 ソロラ県のサンティアゴ・アティトランでは、10月5日未明、村の背後にそびえるトリマン火山から崩れ落ちた大量の土砂がパナバフ地区をおそい、いまだ400家族あまりが土砂の下に眠っています。


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今回グァテマラを訪問し、一年後の状況についてサンティアゴ・アティトランのディエゴ市長と話しをすることができましたので簡単に報告させて頂きます。

当初、生存者は教会などに避難していましたが、その後カトリック教会が提供した土地に、国際的な援助などを受けて仮設住宅が設置され、現在も289家族がそこに住んでいるとのことです。しかし仮設住宅は化繊の布を利用した壁など、もともと9ヶ月程度の利用を意図したもので、劣化がみられる上に、ネズミなどもふえつつあり、また泥棒の侵入といった問題もあるとのことでした。そもそも居住者に十分なスペースもなく、トイレも不足しているという問題もあります。
  それに加えて、生活を取り戻すにつれ、住民からは織物をする場所や小さな耕作地、鶏を飼うところを求める声があがるようになりました。また自治体にとってはこれまで無償で提供している電気、水道の料金が負担となっているとのことでした。(水道代約月38万円)

 政府は(今年3月頃から)仮設住宅の山側に、定住のための住居建設を始め、約1500万円近くを投入しました。しかし完成を間近にして、この地域は再び土石流に襲われる危険があるとの調査結果から建設作業は中断されたのです。(そもそもこの地域は過去にも土砂崩れが繰り返されてきたといいます。それは地名にも現れていて、土砂崩れのあったChullは「山崩れ」を意味するし、パナバフ:Panabajのanajは石を意味するといいます。50年前には現在の仮設住宅の地域に土石流が流れ込んだそうです。)

 現在でも650家族(仮設住宅およびそれ以外に寄宿している家族など)が住居を必要としており、政府はこれからあらたに土地を購入すると述べていますが、仮設住宅の住民は政府のこれまでの対応に困惑するとともに反発を強めているとのことです。仮設住宅の住民の75%が、政府がこれから土地購入を進めようという場所(サンティアゴから約3キロ)への移住を拒否する姿勢を示しているといいます。
 また購入予定地の土地価格のつり上げが行われているという問題もあるとのことでした。もともとその地域は400平米あたり、コーヒーが植えてあってもQ5000程度の土地価格であったものが、現在ではQ30milからQ60ミmilまでつり上げられているとのことです。中断した建設地の山側に防護壁を作るという案もでているようですが、非常に大きな建築物となりコストもかさむので実現可能性は高くないようです。

 こうして当初復興のモデルとまでいわれたサンティアゴ・アティトランは、今では復興の失敗のモデルとなりつつあります。家を必要とする650家族のうち、すでに家を得たのは75家族にすぎません。このようにサンティアゴの復興状況は行き詰まっており、とりあえず政府の土地購入の態度をみようという感じとなっています。(ディエゴ市長からの聞き取りのまとめ)
 
 その後の新聞報道(10月6日付プレンサリブレ紙)によると、627戸分の土地購入が実現し、2007年に住居建設が始まることになったようである。


<開発と権利のための行動センターでは、地域のコミュニティの人たちを組織して活動していたCONIC(先住民族・農民全国調整委員会)を通じて緊急の援助活動を展開しました。CONICに6000ドルの援助資金を提供し、この資金でCONICは近隣で食糧を購入し、サンティアゴ・アティトランの教会などへ避難していた被災者に対して提供しました。(その後5月に1700ドル分を被災者食糧援助分として追加投入)
 また行動センターでは12月末に理事の栗田をグアテマラに派遣し、被害の大きかったサンティアゴ・アティトランとサンマルコス県を中心に現状視察を行いました。その後、現地で把握されたニーズに基づいて、災害復興プロジェクトをいくつか立案しましたが、残念ながら資金が確保できず実施は見送りました。(このときの視察をベースに安定的な地域農業の確立のためのプロジェクトが計画され、こちらは2006年10月よりサンマルコス県で開始することとなりました。)>

開発と権利のための行動センター
代表 青西靖夫

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