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2006/11/29

ボリビア 農地改革法改正案が議会を通過

ボリビア 農地改革法改正案が議会を通過

 BBCの報道によると11月28日夜、「農地改革法(INRA法)=土地法」の改正案が上院で承認されたとのことである。この法案は11月15日に下院を通過したものの、野党が多数を占める上院の審議停止によって、法案の成立が危ぶまれていたものである。これに対してエボ・モラーレス大統領は上院が否決したときには、行政府の政令によって押し切る可能性もちらつかせていた。しかし、上院における野党の共同歩調が崩れ、議会での承認がなされたようである。
 この改正案の重要な点は土地の「社会経済的機能」の認定にある。土地所有権確定後、2年ごとの調査で、社会的・経済的な機能を果たしていないとされた土地は、国に回収し、土地分配のための用地となされること。また土地取引を毎回INRAに報告することも定められた。しかし大土地所有者側は審査期間を少なくとも5年間とすることを求め、改正案に反対の立場を示していた。そのほか、土地に関する中央政府の関与を大きくした点も大土地所有者側の危惧を強めていた。(現在のところ、メディアの報道による情報であり、法律の文面を見ていないため、正確さを欠くことをお許しください)
  
また先月末からこの法律の採択を求める先住民族によるデモ行進がボリビア各地から進められ、先週末よりラパスに到着しつつあった。こうした社会運動による圧力も今回の上院への承認圧力になった。

BBCスペイン語版WEBサイト、現地新聞Prensa 紙 WEBサイトなどのニュースを元にまとめ。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

*久しぶりのボリビア情報ですが、少しボリビアの動きも追いなおそうと思います。

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2006/11/28

 グアテマラ国イサバル湖のマナティを脅かす鉱山開発

  グアテマラ国のイサバル県で進められている鉱山開発に歯止めがかかる可能性

 国家自然保護区審議会(CONAP)は、グアテマラニッケル会社(CGN)から提出されていたデュルセ川そしてイサバル湖を利用しての重量物の運搬および鉱石の搬出は実現不可能であると決定。この判断に基づき、環境自然資源省(MARN)ではこの決定を承認するかどうか、検討しているとのことである。
 CONAPは環境影響評価報告を分析した上で、今年9月に01-17-2006裁定を発行。この中で、CGNのデュルセ川およびイサバル湖を通じて鉱業資材を搬入しまた鉱石を搬出するという計画は不適切であると判断している。
 CONAPによるとデュルセ川は国立公園に、またイサバル湖は生物回廊に指定されており、保護区法ではこの地域では工業開発は禁止されているとのことである。特に報告書では絶滅の危機にあるマナティへの影響、曳航船および艀によるHydrilla verticillata(アジアからの外来侵入植物)の拡散の可能性などの問題が指摘されている。また観光業への影響も懸念されている。また1996年にも伐採業者が同様のルートを利用しての財の搬出を計画したものの、CONAPが不適切との判断を示し中止となったケースにも言及しているとのことである。

 このCONAPによる裁定は環境自然資源省によって現在分析されているが、MARNがどのような判断を示すかは定かではない。
その背景には今年に入り、CONAPの活動に対して産業界から強い圧力がかかっていることにある。工業会議所は1989年の議会によるCONAP設置に関わる環境法の裁決が適切ではない、環境自然資源省と役割が重複しているなどとして、憲法裁判所に訴えを起こしている。またCONAPの事務局長の交代の背景にもそうした圧力があったと思われている。

 今回の判断はCGNの鉱山開発再開に大きな影響を及ぼすこととなる。再開のための諸資材を河川を通じて搬入することが不可能となれば、道路を拡幅の上で陸路を利用せざるえないが、周辺住民は既に道路拡幅に反対の意向を示しているとのことである。

 以上、次の記事からのまとめ
 インフォプレス 1683号(2006年11月24日)1673号(2006年9月15日)
 http://www.inforpressca.com/
 プレンサリブレ紙 2006年11月27日
 http://www.prensalibre.com/pl/2006/noviembre/27/157284.html

今後、環境自然資源省がどのような判断を下すかが待たれるところであるが、鉱山開発優先の判断を下せば、地域住民、環境保護団体そして国際社会からも強い反発を受けることは間違いないであろう。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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2006/11/22

グアテマラ テレビ番組ビデオ

グァテマラ滞在中に見て以来、入手法を探していたのですが、見つけました。
テレビ・エスパニョーラの番組です。和平協定締結から10年を過ぎたグアテマラの状況を追っています。
リンクのサイトからビデオも見られます。
脚本もダウンロード可

左にあるorden criminal del mundoにも注目。


開発と権利のための行動センター
青西

Guatemala: Las heridas abiertas
viernes, 22 SEP 2006 ? TVE La 2. 22h30
http://www.rtve.es/FRONT_PROGRAMAS?go=111b735a516af85ccdc4135d9df82c2e123009d61eb00f778b60af793b191c31f8046a272f631c00a290fb498590b5660e6c4963f019330fe6c2f461dca7ab3a9980a64d9734ca22

Se cumplen 10 anos de la firma de los Acuerdos que pusieron fin a mas
de 36 anos de guerra en Guatemala. El balance esta marcado por luces y
muchas sombras.

Los aspectos positivos indudables son la no reanudacion de los
combates, la desmovilizacion de la guerrilla, un regimen democratico
en el que se han alternado gobiernos civiles. Pero estos logros estan
minados por un mal de fondo: se mantienen los problemas estructurales
que dieron lugar al conflicto (el mas largo de America, con 36 anos de
guerra y mas de 250.000 muertos) En este sentido, puede decirse que
los Acuerdos de Paz no se han cumplido, ya que su objetivo es muy
ambicioso, pretenden modificar las estructuras que han hecho de
Guatemala uno de los paises mas pobres y torturado de America.

Diez anos despues de la firma del acuerdo final de paz, las heridas
siguen abiertas. Guatemala aun busca y entierra a las victimas de un
conflicto que se cebo en las comunidades indigenas. De momento, no ha
sido juzgado ninguno de los responsables de aquellos actos de
genocidio ni de la sangrienta represion.

Es cierto que no hay guerra, pero la sociedad guatemalteca sufre la
violencia, ahora relacionada con el crimen organizado y el
narcotrafico, fenomenos presentes dentro de las propias estructuras
del Estado y que contribuyen en gran medida a su debilitamiento.
Por otro lado, Guatemala sigue siendo uno de los paises mas desiguales
del mundo, en el que el 5 por ciento mas rico concentra mas de la mita
de los ingresos y de la tierra. La pobreza, la discriminacion y el
racismo han relegado secularmente a los indigenas al ultimo lugar, a
una especie de pais aparte.

Pese a este escaso avance, el contenido y el espiritu de los Acuerdos
de Paz siguen siendo validos y la unica esperanza para una Guatemala
mas justa y libre.


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2006/11/20

メーリングリストの設置のお知らせ

 開発と権利のための行動センター 会員他の皆様へ

 11月20日に、会員(正会員およびサポート会員)向けにメーリングリストを開設致しました。

 今後このメーリングリストを通じて、ブログに新規掲載した情報、その他現地情報、中南米関係のニュース、イベント案内などメーリングリストにて通知するとともに、会員間での情報交換を促していくこととなりました。

 メーリングリスト参加希望の方はcade-la@nifty.comまでご一報ください。

 また是非この機会にサポート会員等の形でのご入会をお願いします。

 正会員   :会の理念、活動に賛同し、活動を担う会員であり、総会での議決権を有します。
 年会費   :3000円 
 賛助会員(サポート会員)  :会の理念、活動に賛同し、会の活動を賛助することを目指します。
 賛助会費 (サポート会費) :一口3000円(年)  

 郵便振替口座 00230-5-131472
 口座名 :開発と権利のための行動センター

 
 開発と権利のための行動センター
 代表 青西靖夫


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2006/11/16

エストール続報(中米 グアテマラ)

エストール続報

 土地占拠の中止と交渉の再開にむけて

 現地からの情報によると農民組織に参加するコミュニティは、今回のエストールでの混乱を受けて、土地占拠を中止し、交渉による問題解決を求めるとともに、政府に対して、ケクチ民族の権利を全的に尊重しつつ、この地域の(土地所有に関する)法的な状態を調査することを求めています。
 
 また人権擁護委員会(PDH)の地域担当者は、グアテマラのCERIGUA に語ったところによると、「関係当局はエストールにおける約1000家族に対する強制排除において方で定められたプロセスを遵守していないという点で法治国家の原則を侵害している。交渉が必要とされているし、国内・国際法に定められた権利の尊重も求められている。」
 「当局は優越的に振る舞っている。主管判事の令状なしに、暴力的に家族を排除し、更には憲法に定められているところを尊重することなく、週末に実施している。更には警察は二人のリーダーを拘置し、二人の違法逮捕を行っている」
 PDHの地域担当者はこのように述べるとともに、グアテマラニッケル会社の代表、自治体関係者、社会運動リーダーが交渉によってこの事態を解決することが重要だと語っている。
 さらに「被害者は政府がこの地域に鉱山開発の採掘権を認可したことに不満を持っている。ケクチ民族のコミュニティはこの問題について協議を受けておらず、これはILO169号条約に違反するものである」と指摘している。
 2段目以降 CERIGUA PDH: se violó el estado de derechoより抄訳
http://www.cerigua.org/portal/modules.php?op=modload&name=News&file=article&sid=6936&mode=thread&order=0&thold=0

開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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2006/11/15

エストール土地問題続報(中米 グアテマラ)

エストール土地問題続報
 
 9月より土地占拠が続いていたエストールで、11月11日、12日と強制的な排除が行われました。
一カ所は11日に新たに占拠に入ったコミュニティが同日ほぼ一時間後に排除されたもの。12日にはその他のコミュニティに対しても強制排除が行われた模様。しかし計何カ所で行われたのかは現時点では明確になっていません。
 強制排除は執行令状を示すこともなく行われるという違法なものです。
 残念なことに、こうした排除の後、バスや市長の所有する住居の一つも住民に焼かれるという事件も起こったようです。
 
 この地域の土地問題は平和的な手段で解決される必要があります。そもそもどのようなプロセスで現在の土地所有が確定されてきたのか?その間、先住民族の権利は尊重されたのか、内戦の間に不法に分配された土地はないのか?和平合意でこの地域(北部横断帯)において、不法に渡された土地は回復されるべきと定められている条項は履行されたのか?鉱山会社への採掘権の認可は正当なプロセスを経たものなのか?現「所有者」は誰なのか?
 こうした問題に取り組むことなく、この地域の土地問題を解決することはできないでしょう。

 開発と権利のための行動センター
 青西

 

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2006/11/14

イシュカンにおけるダム開発の問題(中米 グアテマラ)

イシュカンにおけるダム開発の問題

10月31日、行方不明となっていた電力公社(INDE)の「地域広報担当者」であったオルドン・タセン(Ordón Tazen)が死体で発見された。このタセン氏の死に関しては詳しい情報はなく、適切な捜査がなされ、法的な措置が執られるべきであることはもちろんであるが、ここではここ数年のイシュカンにおけるダム開発の動きを簡単に見直しておく。

 キチェ県北部低地、メキシコとの国境線近くのイシュカンは内戦の中で激しい弾圧が行われたところである。その傷もまだ癒えきらない中で、地域にダム開発という紛争の種が蒔かれた。この地域におけるダム開発は80年代、内戦の時代に計画されたが、内戦の中で先送りにされていた。
 しかしINDEは2006年3月のラテンアメリカリーダーフォーラムにおいて、イシュカンのシャララ(Xálala)におけるダム開発計画を公表、また既にコンサルタント会社と契約して実現可能性調査を行っているとのことである。グァテマラのNGOであるSERJUSによるとこのダムで約7000人、37のコミュニティが影響を受けるとのことである。
 一方、2005年7月に組織された「ダムに反対するグァテマラ人戦線」の代表は、昨年9月に政府に対してダム開発の利害について説明を求めたがいまだ何ら回答はないという。
 
 カトリック教会や野党であるURNG(グァテマラ民族革命連合)に属する市長も含め、コミュニティや市民組織がダム建設に反対する中で、ダム開発推進派と反対派の亀裂が深まっていた。こうした中で、ダム反対派を切り崩すために、コミュニティに入ってダム推進のための説明をし、また反対派の動向を探っていたのがINDEが雇用していたのが「地域広報担当者」であった・・・  

 内戦の時代に政府軍によって数多くの村が焼き払われ、人々が虐殺されたこの地域では政府への不信感は根強いものがある。更にグァテマラの人々は、チショイダムの建設に絡んで400名以上の住民が虐殺されたという暗黒の経験すら有するのである。そしてそのチショイダム被害者に対する補償すらなされていないのである。
またイシュカンでは土地所有権を裏付ける法的書類を欠く住民も多く、そのこともまた建設に同意しても補償を受け取れないのではと危惧する声もあるという。

 いずれにせよ、これまでの歴史を踏まえれば、グァテマラにおける国家による「開発」と地域社会のあり方は更に深く考えなおされるべきであろう。

 開発と権利のための行動センター
 青西
 情報源はInforpress 1681, 1651 y 1655また第二回ダム被害者および水の擁護のための国民戦線の報告(http://chiapas.mediosindependientes.org/print.php3?article_id=121374)

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2006/11/10

エストールにおける土地回復運動

エストールにおける土地回復運動

9月17日よりエストール周辺の7か所で土地占拠が開始された。そのうち一つはエストールの町に住む土地なし住民が住居を建てるための土地を求めて自治体の遊休地の占拠を行ったもの。もう一つはやはり町の土地なし住民が住居建設用地を求めて、所有者の不明確な遊休地を占拠したものである。
 また、エストールから車で1時間ほどのチチパテ近郊のレボルシオン地区とエストールに隣接するパンソスのケブラーダ・セカ地区では鉱山会社が不法に囲い込んだ土地の回復を求めて土地占拠が行われている。

1)チチパテ・レボルシオン地区
 地域住民によると、現在回復運動を行っている土地はもともと彼らの、彼らの先祖のものであったという。この地域で耕作もしていたし、教会も一時は建設したのだという。しかし1960年にニッケル鉱山を開発していたエクスミバル社に土地を奪われ、現在生活しているチチパテの方に移ったという。
 また1980年代には当時土地の分配・登記を担当していた政府機関であるINTA(土地変革局)に対して土地を求める運動を行っていたが、1981年にそうした土地問題の解決に取り組んでいた村のリーダーが暗殺されるという事件も発生している。
 現在150家族が土地を回復するために、組織し土地占拠を行っている。
  
2)アルタ・ベラパス県、ケブラーダ・セカ
 エストールに隣接するケブラーダ・セカもチチパテと同様の問題を抱えている。この地域の人々もエクスミバル社に土地を奪われた上に、ここ4年は耕作する土地がなく、グァテマラニッケル会社(CGN)の土地を借りて農業を行っている状況である。
 そこでこの地域でも65家族が参加して土地回復運動を行っている。
 
3)バリオ・トレス・ケブラーダス
 エストールの町から徒歩30分ほどのところに位置する自治体の遊休地を占拠しているのは、エストールに住む約200家族である。これらの家族はエストールの町に住み、出稼ぎや借地農業で生計をたてているとのことであるが、町の生活は借地であり、家を建てることもできず、また土地を買うとなると6万ケッツアル(90万円)近く必要になるとのことである。(一日の収入は500円程度)
 
4)ラ・ピスタ
ここも町中の土地なし住民約80家族が占拠したものである。彼らが占拠している土地の所有者ははっきりしない。

 問題の所在
 エストールでの土地運動の目的は「土地の回復」と「生きていくための土地の確保」である。
 今回土地占拠が行われている地域は、北部横断帯(FTN)に位置し、軍政時代に開発を名目に、軍人などに不法に土地分配が進められた地域である。また石油資源やそのほかの鉱物資源の存在から多国籍企業の食指も動き、エクスミバル社への採掘権の認可も行われたところである。
 大きな問題は、そもそもこの地域に住んでいた先住民族であるケクチの人々の占有していた土地の権利が認められないままに、土地分配が行われ、土地所有権が不正に確定されていったことにある。またこれらの「私的」所有地も、その境界が明確にされることもなく、多くの場合に不当な囲い込みが行われている。
 更にはこうした土地の上に地下資源の採掘権が重なっているが、こうした採掘権の認可プロセス、また実際の認可面積などにも不透明な部分が多々見られる。そもそも地域住民には知らされることなく採掘権の認可が行われている。
 その一方で、今回の土地占拠に関して、親会社のスカイ・リソース社は「その所有地ではない」との見解を表明しているとのことであり(9月29日インフォプレス)、そもそも誰の土地であるのか?
 実際には誰の土地であるのかわからないままに・・・囲い込まれ、牛がノンビリと草をはむ。

 その一方で「生きていくための土地」を必要とする多くの住民がいる。トウモロコシを蒔き、収穫を得て生きていくための土地、とりあえず生活をするための土地。日々の生活をしていくにも苦労をする人々がいる横で、有刺鉄線で広大な土地が囲われ、数頭の牛が土地を利用しているに過ぎないという現実がある。私的所有権が「生きることに優越するのか?」
 豊かな国であれば、公的な住宅が提供されたり、低利の融資制度が存在したり、また雇用機会も多いであろう。しかしそのような制度が欠如するグァテマラの農村部において、マヤの人々にとっては、まず土地を確保することが最低限の生活の保障であり、生活の基盤である。土地さえあれば、屋根を掛け、またトウモロコシを得ることができる。
 
 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

 5分ほどの映像資料をまとめたビデオはこちらから
>>> http://homepage3.nifty.com/CADE/estor.wmv

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