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2006/11/14

イシュカンにおけるダム開発の問題(中米 グアテマラ)

イシュカンにおけるダム開発の問題

10月31日、行方不明となっていた電力公社(INDE)の「地域広報担当者」であったオルドン・タセン(Ordón Tazen)が死体で発見された。このタセン氏の死に関しては詳しい情報はなく、適切な捜査がなされ、法的な措置が執られるべきであることはもちろんであるが、ここではここ数年のイシュカンにおけるダム開発の動きを簡単に見直しておく。

 キチェ県北部低地、メキシコとの国境線近くのイシュカンは内戦の中で激しい弾圧が行われたところである。その傷もまだ癒えきらない中で、地域にダム開発という紛争の種が蒔かれた。この地域におけるダム開発は80年代、内戦の時代に計画されたが、内戦の中で先送りにされていた。
 しかしINDEは2006年3月のラテンアメリカリーダーフォーラムにおいて、イシュカンのシャララ(Xálala)におけるダム開発計画を公表、また既にコンサルタント会社と契約して実現可能性調査を行っているとのことである。グァテマラのNGOであるSERJUSによるとこのダムで約7000人、37のコミュニティが影響を受けるとのことである。
 一方、2005年7月に組織された「ダムに反対するグァテマラ人戦線」の代表は、昨年9月に政府に対してダム開発の利害について説明を求めたがいまだ何ら回答はないという。
 
 カトリック教会や野党であるURNG(グァテマラ民族革命連合)に属する市長も含め、コミュニティや市民組織がダム建設に反対する中で、ダム開発推進派と反対派の亀裂が深まっていた。こうした中で、ダム反対派を切り崩すために、コミュニティに入ってダム推進のための説明をし、また反対派の動向を探っていたのがINDEが雇用していたのが「地域広報担当者」であった・・・  

 内戦の時代に政府軍によって数多くの村が焼き払われ、人々が虐殺されたこの地域では政府への不信感は根強いものがある。更にグァテマラの人々は、チショイダムの建設に絡んで400名以上の住民が虐殺されたという暗黒の経験すら有するのである。そしてそのチショイダム被害者に対する補償すらなされていないのである。
またイシュカンでは土地所有権を裏付ける法的書類を欠く住民も多く、そのこともまた建設に同意しても補償を受け取れないのではと危惧する声もあるという。

 いずれにせよ、これまでの歴史を踏まえれば、グァテマラにおける国家による「開発」と地域社会のあり方は更に深く考えなおされるべきであろう。

 開発と権利のための行動センター
 青西
 情報源はInforpress 1681, 1651 y 1655また第二回ダム被害者および水の擁護のための国民戦線の報告(http://chiapas.mediosindependientes.org/print.php3?article_id=121374)

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