« 2006年11月 | トップページ | 2007年1月 »

2006/12/22

未来を決める権利は誰のもの! グアテマラでの活動支援のお願い

          「未来を決める権利は誰のもの!」

 開発と権利のための行動センターでは「未来を決める権利は誰のもの!」という視点から、グアテマラにおける鉱山開発の問題を考えるキャンペーンを展開してきました。情報を持ち、判断をし、決定のプロセスに参加していくこと、これがグアテマラでは非常に重要だと考えています。

 <情報>
 現在、日本にいてもグアテマラの鉱山開発問題や自然保護区の問題などについて様々な情報を手にすることができます。米国の支援団体が作ったグアテマラの鉱山開発問題に関するメーリングリストもあります。グアテマラの新聞もインターネットで読むことができます。グアテマラの国会の委員会のニュースなどもインターネットでアクセスできます。行動センターでも鉱山開発関係のニュースや文書の収集サイトを設置しています。

 その一方で、グアテマラの村人たちはどういう状況に置かれているのでしょうか。
 まず多言語社会である一方でスペイン語偏重の社会が築かれてきたグアテマラでは、先住民族の人々の母語であるマヤ系の言語によって、マスメディアのニュースが届けられることはほとんどありません。スペイン語の新聞は町の中心部でわずかに売られる程度で、買える人、読める人は一握りです。その上スペイン語を読める人も限られています。農村部にはテレビもほとんどありません。
 日本では新聞やテレビ、インターネットなどで様々に情報にアクセスすることができますし、市や県の広報も何もせずに手元に届くのと較べてみてください。

 地域の人たちは鉱山の採掘権の認可や自然保護区の設置の問題などを初めとして様々な行政の動きなどをあとになってはじめて知らされることが多く、また自分たちの権利を守るための情報も不足しています。
 そこで、重要なのは地域住民や地域の住民組織とパイプを持った外部の支援組織(民衆組織や先住民族組織といわれるようなもの)を通じた情報です。特に母語であるマヤの言語を用いて、地域を訪問して情報を流してくれる組織の存在が重要となってきます。

 <判断>
 情報を持ってきてくれる人がいて、その人の言うままに話しを聞いて終わる訳ではありません。人が集まって、話しをすれば、そこでいろいろな意見が出され、議論が生まれます。例えばそのときに、ある人は自分の過去の経験に基づいて、「こんな問題があるんじゃないか」、「こんなことができるんじゃないか」という意見をいうかもしれません。
 単に話しを聞くだけではなく、あちこちの経験を知ること、多様な可能性について知ることは非常に重要だと考えています。集まって、自分たちの問題を話しあうことに加えて、他の経験を知ること、他の経験とつながることが、「こんなことができるんじゃないか」という可能性を開くためには重要な点だと考えています。

 <決定のプロセスに参加すること>
 グループの集まりの中で、参加者のなかで、次の方向性を決めていくこと、これも重要なことです。こうした積み重ねが参加を更に強化していきます。マヤの人たちは自分たちのやり方で決定のための手法を定めています。
 こうした動きの中で、鉱山問題に対する「住民による協議」も生まれてきました。そしてこの流れは、自分たちが地方自治体の政治に参加しなければならない、という考えに向かっています。国や多国籍企業に対して自分たちの考えを伝えていくためには、自分たちと連帯している市長が必要だと考えています。
 鉱山開発問題は、中央政府による住民無視の姿勢をあからさまにする一方で、地域の人々はそれに対抗する中で、草の根からの参加と民主主義を強化しつつあるように思えます。


 開発と権利のための行動センターでは「自然資源への権利」というテーマを中心に置きつつ、上のような方向性での活動を継続していきます。
 コミュニティで活動する組織への情報提供や組織間やコミュニティ間での経験交流、組織間の連携強化を支援することを通じて、地域の人々、マヤの人々が「自分たちの未来を自分たちで決めていく」というプロセスを支援していきます。
 皆様からのご支援をお待ちします。

 開発と権利のための行動センター
 代表 青西靖夫

************************************
 開発と権利のための行動センターでは、現地での活動のための寄付金をお願いしております。
詳しくはこちら>>>http://homepage3.nifty.com/CADE/news.htm

寄付金口座
◆郵便振替口座:00230-5-131472
◆口座名   :開発と権利のための行動センター
************************************

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006/12/15

ボリビア 農地改革法改正点

 ボリビア農地改革法 改正点概観

 農地改革法(Ley INRA)は1996年10月に施行されたもので、正式には法1715号という。この法律では農地改革国家サービスの組織的構造およびその権限また土地分配制度を定めるものであった。
 今回、2006年11月28日に施行されたのはこの法1715号の改正法であり、法3545号が正式な名称となっている。法3545号では1715号法の条文ごとに、補足、修正を行うという内容となっている。
 
 重要な改正点としては
 第2条において「経済的・社会的機能」を厳密に検証するための規定を追加していること。(旧法第2条の改正)ここには拡大予定地の定義、放牧地の定義、また「環境のための地役権設定」と「経済的・社会的機能」の関係などを定義している。
 第13条において新法の13条では経済的・社会的機能を果たしていない土地の回復の告発を行える主体がこれまで農地監督局だけであったのが、国家農地委員会に所属する農民組織などに幅広く開かれることとなったこと。(法1715号18条第7項の改正)
 第29条において「経済・社会的機能を果たしていない土地」が国有地への回復対象となりうることを明確に記したこと。
 第32条で2年ごとに「経済・社会的機能」の検証を行うこと。
 第34条では、公益のために収用の対象となった土地の分配について、旧法では入札であったものを、「先住民族に限りその要請に基づいて分配するとしている」
また移行措置11項として、「これまでに、また現在実施中の所有権確定手続きにおいて利用可能な国有地とされた土地は先住民族および先住民族コミュニティ、農民コミュニティ、土地なし在地コミュニティあるいは十分な土地を有さない者にのみ分配されるものである、としている。ここでは旧法17条の一般的な土地分配対象規定よりも先住民族を対象とする意向を強めているとともに、originarias sin tierra (土地なしの在地のもの)とすることでoriginariasの定義を狭めているものと考えられる。注:通常Comunidades originariasで先住民族コミュニティを指すものと考えられるが、どうもここでは違う意図で利用されているように思われる。)
 また最終規定2項では農地の取引に関して、INRAに登録すること
最終規定8項では土地所有権の認定に際する、男女の平等も定めている。

 ここまで簡単に改正点を整理してみたが、用語の用法などで慣れない法律用語もあり、間違いもあるかもしれないので、関心のある人は原文で確認頂きたい。まだ間違いなど教えて頂ければ幸いです。

 法律原文はINRAの次のサイトからアクセスできます。
  http://www.inra.gov.bo/portalv2/Docs/Normas/set_normas.aspx
 新法http://www.inra.gov.bo/portalv2/Docs/noticias/uploads/Ley3545.pdf

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫
************************************
 開発と権利のための行動センターでは、現地での活動のための寄付金をお願いしております。詳しくはこちら>>>http://homepage3.nifty.com/CADE/news.htm

寄付金口座
◆郵便振替口座:00230-5-131472
◆口座名   :開発と権利のための行動センター
************************************

| | コメント (0) | トラックバック (0)

グアテマラ移民 拘束

米国の食肉加工会社Swift & Co.に対して、移民局による捜査が入り、1282名が拘束されたとのこと。うち1217名が違法な移民状態、65名が身分証明書の偽造の容疑と見なされているという。このなかに536名のグアテマラからの不正規移民も含まれていたとのことである。
 Swift & Co社のテキサス州カクトゥスの工場では4人につき3名の労働者が不正規に入国した労働者であったと推定されている。グアテマラの他にも、メキシコ、エルサルバドル、ホンジュラス、ペルー、エチオピア、ラオス、スーダンからの移民が拘束されたという。
 
 労働者たちはグアテマラで用いていた本名を語ることはなく、仕事を得るために別名を用いていた。実名はトマス・クス、マリティン・ティニガル、マリオ・ルシュなど(先住民コミュニティ出身であることを想像させるものである。)
 トマスは加工食品を作り、時給13.3ドルを受け取っていたという。マルティン・ティニガルとその息子セバスティアンは時給11.8ドルであった。
 トマスはキチェからメキシコまでコヨーテ(不法入国を手引きする者)に6000ドルを払わなければならず、そのためにトマスは借金をし、グアテマラで家族がその10%の金利で借金の支払いを続けているという。(記事には記されてはいないが、10%は月利であろう!)お金を貯めるために、他の5人と一つのキャンピングカーで暮らしていたという。
 ティニガルは5年前にサクアルパの家を離れ、この会社で働いていたという。毎月妻に200ドルの仕送りをし、このお金で5人の子どもたちを養っていた。長男のセバスティアンは1年前に父のあとを追ってやってきたとのことである。
 2006/12/14 プレンサリブレ紙より抜粋
http://www.prensalibre.com/pl/2006/diciembre/14/158596.html
 この工場のあるカクトゥスの特別レポートがDallas Morning Newsのサイトにあります。
登録しないと読めない仕組みになっていますが、関心のある方はどうぞ。(プレンサリブレ紙が引用している、労働者の話や、現地の教育の話し、危険な労働環境などのレポートがあります。) 

http://www.aldiatx.com/especiales/cactus/index.html (スペイン語)
http://www.dallasnews.com/sharedcontent/dws/news/longterm/stories/cactus.4e62370.html(英語)

 ちなみにSwift & Co.からは日本も牛肉などを輸入しています。米国から輸入されてくる食品を通じて、実はグアテマラともつながっているのです。このカクトゥス工場で屠殺作業やBSE危険部位除去などをグアテマラからの移民の人たちなどがやっているのだろう・・・

 青西

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/12/13

グアテマラ地域住民とCDM

グアテマラ地域住民とCDM

開発と権利のための行動センターのブログ(2006/12/07)で既に紹介しましたが、サンマルコス県での水力発電計画が反対する住民の声に直面しています。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2006/12/post_f8dd.html

 この問題についてインフォプレス1685号(2006/12/8)でより詳細に報告されていますので、そこから抜粋して報告します。
 11月27日、サンマルコス県タフムルコで住民総会が開催され、全会一致でコミュニティに水力発電施設の建設に反対を決議しました。この住民総会はコミュニティ開発審議会(COCODE)の要請に基づいて開催されたもので、1992名が参加したということです。参加者はその議事録をタフムルコの市長に手渡し、地方自治体開発審議会(COMUDE)において、このプロジェクトを拒否し、建設許可証を発行しないことを要請しました。これに対しタフムルコの市長イスマエル・ゴメス氏はこの住民による協議の結果を擁護することを約束したとのことです。
 またサンパブロにおいては、この水力発電プロジェクトに関する住民による協議の開催要請を待つ段階であるとのことです。
 
 現在、サンマルコス県ではトレス・リオス水力発電社がサン・パブロのカヌハ川(ríos Canujá)ネグロ川(Negro) およびタフムルコのクツルチマ(Cutzulchimá )に発電プラント建設計画を持っているとのことである。この計画では流域の9割の水量を取水し、3つの小規模発電施設を通して発電する計画でである。この結果もとの生態系には1割の水量しか残らないこととなるうえに、乾期には更に水量が減ることが予想されている。この建設には約78億円~112億円ほどコストが見積もられている。
 このほかにトレス・リオス社は同じくサンマルコス県のカタリーナとマラカタンの間のカブス川(Cabuz)にも発電計画を持っているという。
 トレス・リオス社はこのプロジェクトの便益として、建設に関わる約260名分の雇用、40名の施設稼働時期の雇用、またこれ以外に約1千万円の基金を財源とする財団法人を設置し、地域の道路整備および開発プログラムを行うとしている。このほかに建設認可に関する支払い、付加価値税、不動産税などを支払うとしている。建設許可に際して、タフムルコには約1700万円の収入が見込まれるようである。
 その一方、サンパブロの人権擁護事務所(PDH)のカルロス・マルティネスによると、サンパブロの40%の住民、タフムルコの25%の住民がこのダム計画から直接に影響を受けるであろうとのことである。
 環境保護団体であるマードレ・セルバのホセ・マヌエル・チャコンによると、このプロジェクトは3つの流域を利用するため3つの環境影響調査を行う必要があるが、一つしかなされていないこと、また政府によって認可された発電量を超えた量について言及しているなどの問題があるという。また下流のマラカタンの住民はこの建設で水がなくなるのではないかと心配しているという。

 11月7日にはサンパブロにおいて、サンパブロ、タフムルコの市長、環境保護団体のチャコン、PDHマルティネス、トレス・リオス社社長、所管のエネルギー鉱山省(MEM)副大臣およびCOCODE関係者などが参加しての会議が開催された。しかしここでは水系の利用の許認可権がMEMにあると主張する副大臣とILO169号条約および分権化法に基づく住民の権利をチャコンの主張がぶつかり協議にはならなかったという。
 更にはサンパブロの市長は、サンパブロの55のCOCODESの代表が参加することを要請したという。
 しかしその後、こうした協議に参加することへ関心を示さず、この問題はコミュニティの代表による活動および住民による協議の開催に向いているという。
 記事は、「この調査においてプロジェクトに関する情報を得ることの難しさ、コミュニティ住民や自治体職員の情報を不足を感じたと記している。」 
 またがコミュニティを危険にさらすことなく、利益を確保できるようにCOMUDEにおいて十分に検討される必要があると結んでいる。

 なお12日のプレンサリブレ紙はこの問題に関する情報不足を避けるために、タフムルコ、サンパブロ、マラカタンでは定期的に住民の会議が開催されることとなったことを伝えている。

 ***********************************

 実はこのトレス・リオスの水力発電計画もCDMのプロジェクトとして認可を待つ段階にあることが判明。CDMプロジェクトとしての認可を得るための有効化(Validation)という手続き段階にあります。
http://cdm.unfccc.int/Projects/Validation/DB/OY4SBJZ1MIRQ90913OEMU50O753U8Q/view.html そのためのプロジェクト・デザイン書は2006年7月に作成されていますが、その中でも住民や地域の自治体の理解が得られておらず、遅れてきていると記されている。実際に情報も不足し、住民の同意も得られていないにもかかわらず、今年3月に始めた情報提供キャンペーンの結果、「こうした障害は乗り越えられつつある」と書き込み、このデザイン書はCDMの承認を得るために既に提出されているのです。

 こうした住民無視の態度がグアテマラにおける「開発」の伝統的あり方だといえるでしょう。そして最後はごり押ししていく。かってのようなあからさまな弾圧がなくなったとしても、一握りのエリートが「開発」のあり方を勝手に決めて、押しつけていく手法に大きな変化はない。

 その一方でグアテマラ各地で、住民の声も高くなりつつあります、鉱山開発をめぐる住民投票や住民による協議、先住民族としてILO169号条約の履行を求める声。COCODEやCOMUDEの設置を定めた分権化関連法の存在も含め、「地方自治」、地域住民が未来を決めていく動きは徐々に力を持ち始めています。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫


************************************
 開発と権利のための行動センターでは、地域の先住民族組織や住民組織強化のための活動を行っています。活動実施のための寄付金をお願いします。

詳しくはこちら>>>http://homepage3.nifty.com/CADE/news.htm

寄付金口座
◆郵便振替口座:00230-5-131472
◆口座名   :開発と権利のための行動センター
************************************


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/12/12

グアテマラ CDMと地域住民

 CDMと地域住民

 先のブログで紹介したカンデラリア水力発電プロジェクトは、地球温暖化防止のためのCDM(クリーン開発メカニズム)として登録されているされているようである。
 http://cdm.unfccc.int/Projects/DB/DNV-CUK1158743330.88/view.html 更には日本の「電源開発」もこのプロジェクトには絡んでいる。
 https://www.ghg.jp/cdm/outline.html#006

 グアテマラ東部には小規模CDM関連の水力発電ダム計画がいくつかあるようであり、詳細な分析が必要であろう。

 グアテマラではそもそも水に関する権利が法的に明確に規定されておらず、大土地所有者が自らの土地にプラントを建設することで、地域住民との同意プロセスを考慮せずに、水力発電などが計画されている可能性がある。
 既に報告しているキチェ県北部のイシュカンにおけるダム計画、サンマルコス県におけるダム計画、そしてアルタベラパス県と水資源開発が地域住民との紛争を引き起こす可能性も高まっていると言えるだろう。

 トレセ・アグア農園の元農園労働者(農園に囲い込まれてしまった地域住民!!!)には既に補償はなされたと言われているが、詳細は定かではない。少なくともCDMの名の下に、農民が住んでいた土地を離れざるを得なくなったことは間違いはない。

 地域の開発が、農園主や経済エリートの手ではなく、地域住民の声と判断の上でなされる時代が必要とされている。

 開発と権利のための行動センター
 青西

| | コメント (0) | トラックバック (1)

自然資源の開発が住民退去と貧困を招く

自然資源の開発が住民退去と貧困を招く
 グアテマラの週間紙インフォプレスの12月8日号は次のような記事を掲載している。(記事の一部を整理したものである 青西)

 ベルシェ政権下において、巨大プロジェクトが集中する地域や、石油、鉱物資源、水力発電開発、プランテーションなど財界が投資を目論む地域において住民の暴力的な排除が行われてきた。その中で被害を受けてきたのは先住民族や農民であり、こうした排除の中で家や収穫そして家畜を失ってきたのである。自由貿易を促進するための抑圧的な政策の一環であり、そのために人権を侵害し、株式市場での投機のために自然資源を開発しているのであると、アナリストたちの見解は一致している。
 
 2006年3月28日に公表されたアムネスティ・インターナショナル(A.I)の報告書ではいくつもの暴力的な強制排除に関する報告がなされているが、その中に2004年のアルタ・ベラパス県セナウのトレセ・アグア農園での強制排除のケースもある。ここはトレセ・アグア川の流域に位置し、1998年からセカカオ水力発電会社、そして2006年5月からはカンデラリア水力発電会社が操業している。A.Iの報告書によると2001年にトレセ農園はケクチの農民を500人解雇した。うち410人は解雇の代償として劣悪な土地を受け取ったが受け入れなかった90家族は現金での解雇に対する補償を求めて農園内の土地に残ったとのことである。そして2004年5月19日に約500名の警官による暴力的な強制排除が行われた。
 (注:2004年に続発した強制排除に関しては開発と権利のための行動センターでも緊急キャンペーンを展開 >>>http://homepage3.nifty.com/CADE/campaign/Guatemala%20desalojo.htm
このトレセ・アグア農園は70年代に現在の所有者の手に渡り、地域で最も大きい農園の一つであり、コーヒーや輸出向けの植物生産、木材生産などを行っていた。住民は40年以上もこの地域に住んでいたが、農園が取得されたことで農園労働者へと転嫁する。
 
 暴力的な強制排除は警察や軍によって行われているが、これは国家が自由貿易推進を目指す少数のエリートに支配され、先住民族や農民運動が排除されていることを意味している。
 その最も最近の事件がエストールにおけるケクチ住民約500家族の強制排除である。人々は9月17日より平和的な占拠を行っていたが、そこにはグアテマラニッケル会社が採掘免許を受けた土地も含まれていた。
 (注:この件に対し、開発と権利のための行動センターでは緊急の声明文を発表した)

*アムネスティの報告書は “Guatemala: ¿Tierra de injusticia? Casos de llamamiento”


************************************
 開発と権利のための行動センターでは、現地での活動のための寄付金をお願いしております。詳しくはこちら>>>http://homepage3.nifty.com/CADE/news.htm

寄付金口座
◆郵便振替口座:00230-5-131472
◆口座名   :開発と権利のための行動センター
************************************

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/12/07

グアテマラ ダム開発に反対の声

サンマルコス県で水力発電ダムの建設に反対

 サンマルコス県のマラカタン、タフムルコ、サンパブロの約29コミュニティの住民は
トレス・リオスに計画されている水力発電ダムが、これらのコミュニティを水を枯渇させるとして反対の意向を示している。
 ダムはクツルチマ川(Río Cutzulchimá)の9割の水を集めて、パイプで発電装置を設置するクナハ川まで流す計画であるという(Río Canujá)。開発業者は地域にはコミュニティは存在せず、この利用で影響を受ける人はいないはずと述べている。
このプロジェクトは既に設計段階を終えており、建設許可を得るばかりとなっている。しかしサンパブロの住民は、ダムを求めるかどうか、住民による協議を実施することを計画しているとのことである。
 プレンサリブレ紙 12月6日より抄訳

http://www.prensalibre.com/pl/2006/diciembre/06/157911.html

************************************
 開発と権利のための行動センターでは、現地での活動のための寄付金をお願いしております。詳しくはこちら>>>http://homepage3.nifty.com/CADE/news.htm

寄付金口座
◆郵便振替口座:00230-5-131472
◆口座名   :開発と権利のための行動センター
********************************


| | コメント (0) | トラックバック (0)

ボリビア 土地問題

 ボリビア:不透明な土地分配の実態が明らかにされつつある

 11月28日夜、「農地改革法(INRA法)」の改正法、「農地改革の共同的再編法: Ley de Reconducción Comunitaria de la Reforma Agraria 」が上院を通過し、翌29日モラーレス大統領によって公布された。
 大統領は「この法律の承認で、ボリビアのラティフンディオは終わった。我々は大地主を終わらせる手段を手にしたが、これは共に歩み、動くことによってのみ前進することができる」、「農地革命は、単なる土地分配ではなく、機械化および市場とともになくてはならない。」、「この闘争は権力と、テリトリーのための闘争であり、先祖たちからの闘争なのだ。トゥパク・カタリ、バルトリーナ・シサそして命を失った多くのリーダーの闘争なのだ」と語ったという。(政府広報 ABI 11/29)
 
 政府広報(ABI)は11月27日に次のようなニュースも発信している。

「INRA法の改正に反対するものは、強い理由を持っている。重複した不法な土地受け取り、非生産的大農園、そして土地取引。ここ10年間INRAが機能する中で築かれた政治-犯罪の輪の一部である。」
 またこのニュースは土地副大臣の発言として、「ボリビアでは政治階級と土地の集中は強い関連性があり、ギテーラス(Guiteras)、ヘッカー(Hecker)、モナステリオス(Monasterios)などの家族が政治に深く関わり、国の未来を決めていたのは、土地を持つことに由来するものである。」と述べている。

 このほか政府広報はいくつかの大土地所有者の状況を列記している。
●ベニ県のブルックナー家は国家農地改革審議会(CNRA)から無償で126,.554 haを受け取る。しかし所有権登記がなされたのは5,714haのみである。INRAの職員が所有権確定手続きを行おうとしたが、武器を持って脅されたということである。
●Sonnenshein家:21,771haを受け取り、481haのみ測量している。
●Hecher 家:12,498haを無償で受け取り、290,000haの所有権確定を求める。
 Hercher 家はパンド県のアマゾン森林地帯およびそこに存在するコミュニティを含め、占有していることとなっている。しかし所有権が確定された面積は1,562 haに過ぎない。
●サンタクルス県、 Saavedra Bruno 家:5054haを農地改革で受け取るが、倍近い9845haの所有権確定を求める。結果として1544haのみ認められる。
 Luís Saavedra Bruno は農地改革で11074haを受け取るが、所有権確定で測量した面積は73000haに上る。そのうち確定したのは15941haである。
●Oswaldo Monastarios:違法な重複受け取りで13,333haの土地を受け取り、56445haの所有権確定を求め、48,000haが認められる。モナステリオス家は8万ha近くを占有している。

 また同じ問題はボリビアの日刊紙プレンサの12月3日の記事でも告発されている。

 この記事によると、INRA(農地改革局)のデータによるとベニ県では10家族に534,795haの土地が分配されたという。パンド県では同じく10家族が59,151haを、そしてサンタクルス県では15家族が512,085haを受け取ったという。INRA所長のフアン・カルロス・ロハスは、これらのケースが少数者の手に土地が集中していることを示しており、INRAはこれらの土地が利用されているかどうかを検証するという役割を持っている、と述べている。土地の集中はこの3県だけではなく、タリハ県やチュキサカ県でも見られるという。
 記事ではそれぞれの地域でどのような家族に土地が集中しているかを書き出しているが、そこには当然のことながら東部の政治的、経済的な有力者の名字をみることができる。サンタクルスでは次の家族(名字)が記載されている。Saavedra Bruno y Saavedra Tardí o (hijos), los Nieme Monasterio, Justiniano Ruiz, Roig Pacheco, Rapp Martínez, Antelo Urdininea, Keller Ramos, Candia Mejía, Castro Villazón, Ovando Candia, Roberto Fracaro, Agropecuaria OB S.R.L., Sánchez Peña, Larsen Nielsen Zurita y Bauer Elsner.

 INRAではこれらの土地が遊休地となっていないか、社会・経済的機能を果たしているかを、新土地法に基づいて検証することとなる、とのことである。
 既に新政権になり、INRAではパンド県で不法に土地を入手していたブラジル人から28,000haが回復されるケース、国有地を不法に占拠していた 所有者から16,000haが回復されるケースなども出てきている。またこのように所有権確定手続きのなかで回復された土地が既に農民グループに分配されているとのことである。
(ここまで、Prensa 2006年12月3日の記事のまとめ)

 土地分配の面積や土地登記のあり方など、狭い日本に住んでいる感覚からは理解しきれないところがあります。しかし独裁政権期などに土地を受け取り、更に周辺の土地を囲い込んでいく、あるいは違法な土地取引を通じて土地を拡大する、あるいは贈与された土地を転がして利益を上げる、そのようなことが繰り返されてきたのだろうと想像されます。その一方で土地なし農民や、農奴のような農民がいることも現実のボリビアの姿なのです。

土地法の承認プロセスや今後の立憲議会の決議方法などをめぐってモラーレス政権と強く対立しているのは、東部低地の大土地所有者、経済的有力者であり、そこを基盤とするPODEMOSなどの議員です。ボリビア東部低地においては、政治権力、経済的実権、そして国政とのパイプはこうした有力者の手に集中しています。
 一方、政府は既にこうした大土地所有を基盤とする議員や有力者の土地所有状況を明らかにしつつ、対抗していく姿勢を強く示しています。

 今回、議会で承認された新土地法とその履行をめぐって、今後先住民族農民の支持を受けるエボ・モラーレス政権と東部低地を基盤とする有力経済者層との対立が深化していくことも想定されます。また今後、この新土地法の履行の上で政治の場でのコンフリクトから、地域での暴力を伴うコンフリクトが高まることも予想されます。

 ボリビアの農地改革の問題はINRAのデータなどをもとにまたあらためて整理したいと考えています。

 開発と権利のための行動センター
 青西

****************************************
 開発と権利のための行動センターでは、現地での活動のための寄付金をお願いしております。詳しくはこちら>>>http://homepage3.nifty.com/CADE/news.htm

寄付金口座
◆郵便振替口座:00230-5-131472
◆口座名   :開発と権利のための行動センター
****************************************

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年11月 | トップページ | 2007年1月 »