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2007/01/22

グアテマラにおける「先住民族の協議」

「先住民族による協議」:2006年において最も際だった参加のあり方。
 
 インフォプレス紙では、グアテマラにおける住民協議やコミュニティの協議を昨年の市民参加や地方自治体強化という側面から最も重要な出来事と考え、記事を発表しています。
だいぶ長くなりますが、開発と権利のための行動センターのグアテマラでの活動とも関係がありますので掲載します。

 以下 インフォプレス Edición No. 1686 de 05 de enero 2007 http://www.inforpressca.com/mientras/1686_pag10.htm
 2006年の後半期、先住民の参加において最も重要な出来事があった。自然資源の利用に関して、いくつかのコミュニティにおいて「良心に基づく協議」が行われたことによる。こうした協議は、地域住民に関係のある事項に関して表明された住民の意思に対して、中央の行政府や議会が感受性を持っているのかどうかを評価することにもつながった。
 こうした「協議」のすべては、その法的基盤をグアテマラ国が10年前に批准したILO169号条約に求めている。この中では、先住民族のテリトリーに影響するいかなる決定においても当該先住民族への協議を行うことを義務として定められている。
 この点について様々な提案がなされたにもかかわらず、中央政府が、この条約の適用を実現するための、またその結果を公共政策と協議の結果を結びつけるための細則案を提出することはなかったのである。

<事例:2006年における「良心に基づく協議」>・6月25-27日にかけて、ウエウエテナンゴ県のコロテナンゴ、コンセプシオン・ウィスタ、サン・フアン・アティタン、サンティアゴ・チマルテナンゴ、トドス・サントスの6つのムニシピオ(最小行政区)において、そのテリトリーにおける鉱物資源探査のライセンスに関わる協議が行われた。この協議には27360人が参加し、その中でライセンス供与に賛成した者は51名に過ぎなかった。更にこの協議への参加者は2003年に行われた総選挙の投票者よりも7010人も多かった。
・8月29日には同じくウエウエテナンゴ県のサンタエウラリアにおいても鉱山開発に関わる協議が行われた。そこでは、18089人が鉱山に反対し、5人が賛成、62が判断を保留した。
・また11月27日にはサン・マルコス県のタフムルコの、水力発電施設の建設に影響を受けると思われる三つのコミュニティにおいて、「コミュニティによる協議」が行われた。この協議には1192名が参加し、全員一致で発電プラントの建設に反対の立場を表明。
・同じくサンマルコス県のサンパブロでも市長は同一のプロジェクトを巡っての協議要請をコミュニティから待っている。またキチェ県ではプラヤ・グランデ、ウエウエテナンゴ県の他の3つのムニシピオでも鉱山に関わる協議が検討されている。

 無関心の表明
 鉱山・エネルギー省(MEM)は8月23日、5つのムニシピオで実施された協議は法的に効力をもつものではないとの省令を発表。憲法と鉱山法は国内における鉱山開発の促進と開発を公益のために認めていると表明。
 またライセンスの文書はその承認のための通知から5日間の間に異議申し立てを行わなくてはならないと言及。しかしながら、ほとんどのムニシピオでは2-3週間遅れでその通知を受け取っているのである。
 サンタ・エウラリアのケースでは、コミュニティの代表や何人ものアナリストが議会がこの結果を受け取った態度に不満を表明。議会の運営委員はこの結果を見下げ、当てこすっていたという。サンタ・エウラリアは開発など求めないのだな、住民は操られているのだ・・・と
 アナリストは、これは住民は何を必要としているかわかってはいないから、指導し、救ってあげなくてはならない、自身の開発について決める能力がないのだ、という考え方がいまだ続いていることの証しであると考えている。
 またグアテマラ西部国境研究センターのセシリア・メリダはこれらのコメントは分権化や地方権力の強化という点で逆行するものであり、対立につながるものだと述べている。

 以上、抄訳 本文ではこのあとこのコミュニティ開発審議会などに関する記事が続くがここでは省略する。

 以下、開発と権利のための行動センターより グアテマラにおける開発とは植民地期以来、外部から押しつけられるものであった。植民地支配がはじまり、次にはコーヒーの時代がやってきて、土地は奪われ、強権的に道路建設などに先住民族は動員されたのである。一部のエリートのための「開発」は先住民族の人々の頭越しにやってきて、無理矢理押しつけられたのである。
 そして鉱山開発もそのあり方を何も変えてはいない。官報に公示したから適切な手続きを踏んでいるなどということを、官報など届くこともない人々を前に平気で言ってのけるその姿は100年前に人々の土地を「正当」に奪っていった姿と何も変わることはない。

 開発と権利のための行動センター 
 代表 青西靖夫

   「未来を決める権利は誰のもの!」

 開発と権利のための行動センターでは「未来を決める権利は誰のもの!」という視点から、グアテマラにおける鉱山開発の問題を考えるキャンペーンを展開してきました。情報を持ち、判断をし、決定のプロセスに参加していくこと、これがグアテマラでは非常に重要だと考えています。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2006/12/__8442.html
************************************
 開発と権利のための行動センターでは、現地での活動のための寄付金をお願いしております。
詳しくはこちら>>>http://homepage3.nifty.com/CADE/news.htm

寄付金口座
◆郵便振替口座:00230-5-131472
◆口座名   :開発と権利のための行動センター
************************************


 以下は
 開発と権利のための行動センターから10月にグアテマラに行った際、「コミュニティによる協議」のあり方について、サンマルコス県のアフチモルという先住民族組織のハビエル氏に話しを聞いたまとめとして
 
 住民投票(Counsulta de vesino)
これは地方自治体法(Codigo Municipal)に規定があり、実施するかどうかは地方自治体の議会にかけ、2/3以上の同意が必要とのこと。このケースはサカパ県のリオオンドにおける水力発電に関して実施された。

 その他のケースは「コミュニティによる協議(Consuta comunitaria)」と定義される。これについても地方自治体法に関連規定があるが、コミュニティからの要請に基づいて市長はその実施を認める裁定を発行する必要がある。しかしこれは本来的に自動的に認められるべきものと見なされる。
 コミュニティにおいて、この会議を招集するものは補助村長(Alcalde Auxiliar)であり、これは植民地期に作られた制度ではあるが、現在コミュニティの権威を代表し、村内の諸事務を担当する者である。
 コミュニティのレベルにおいて、どのような形で意思表明をおこない、採決をとるか、投票なのか、手を挙げるのか、参加者全員の合意となるのかなどはコミュニティの伝統に任されているものである。これはOIT169号と憲法69条に基づく。
 会議に参加する権利が、18歳以上となるべきかどうかについても明確な定義はない。また政府発行の身分証明書を持っているか、選挙人登録をしているか、などは基本的に「コミュニティーによる協議」において必要とされる要件ではない。
 議事録に、場合によっては身分証明書の番号を記載してサインしている場合もあるが、村の生活の中ではサインをする、あるいは拇印を押すというのは、大きな意味を持つ行為であり、それだけで十分と考えられる。
 本来的にコミュニティの制度に基づいて実施されるものである。

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