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2007/03/30

先住民族大陸会議 チリのマプーチェ民族の声

先住民族大陸会議 チリのマプーチェ民族の声


バルディミール・パイネクーラはチリのラフケンチェのテリトリーの若いリーダーであり、第三回大陸会議に参加しているマプーチェ組織の派遣団を代表しています。そのインタビューが次のサイトに掲載されていますので、抄訳します。
http://movimientos.org/enlacei/cumbre-abyayala/show_text.php3?key=9610

「ブラジル、ベネスエラ、ボリビア。エクアドルにおける動きは、先住民族組織や運動体が政府機関に参加する可能性を開きつつあります。500年にわたる闘争の後に開きつつあるスペースを利用しなくてはなりません。」

 チリにおいて、政治権力へのアクセスについてどう考えますか?

 チリでは先住民族の、マプーチェの政治的な権力への参加はゼロだと言えます。今日、スペースは開かれた、といいますが、それは相談を受けるだけの参加であり、与えられているだけで、真の参加ではありません。実効的な参加のためのスペースを開いていかなくてはなりません。マプーチェが6割を超える自治体もあるのです。しかし地方政治にすら、首長や市会議員にすら先住民族の参加はありません。第9州にはマプーチェ人口が集中していますが、マプーチェの権力当局者はいません。その点でチリは遅れていますし、マプーチェの参加のための制度は開かれていません。
 
 先住民族の参加という点でバチェレ政権に対して何を望みますか?

 バチェレは大統領に就任したときの、また選挙中のマプーチェに関わる約束のすべてを果たさなくてはなりません。憲法上の承認、169号条約の承認。そこから真の参加のスペースが開くと考えます。来年また選挙が来ます。そこにはマプーチェの参加のスペースが開かれている必要があります。


 この先住民族大陸会議において、国際的な文脈でチリについて、またマプーチェの闘争についてどのようなイメージを持たれていると思いますか?

 チリでは最近になってやっとこうした参加のスペースが開かれてきたに過ぎません。ですからマプーチェのテーマというのは他の先住民族の経験と較べて明確になっていませんし、十分に勘案されてきませんでした。ボリビアの外交官と話しをした際にも、マプーチェの抱える問題について十分な情報を持っていないこともがわかりました。外交の中で様々なことがあるのはわかりますが、先住民族の外交官がチリのマプーチェの抱える問題についてあまり知らないというのは、私たちが適切な活動をしてこなかったともいえるでしょうし、そのために十分な資源がなかったともいえます。
 
 国際的な枠組みではもう少し進んできているように思います。マプーチェの抱える問題を伝えてきた、ラテンアメリカで知られている偉大な指導者もいます。しかし地域的な対立が、私たちの課題が国際社会で取り上げられるのを妨げている点もあります。マプーチェの偉大な指導者たちは、「私たちの問題を議論しよう。しかし外にむけては明確な提案を提起しなくてはならない」と言うべきなのです。私たちよりも先行している先住民族もいます。彼らはよりはっきりした行動計画を有しています。私たちは列車に乗ろうとしているのです。その列車の進む先々に見合った提案をしていくことです。
  
 こうした集まりに参加することは、国家と新しい関係を構築する上で役に立ちますか?

 こうした集まりに参加することは、地域的な運動でえられるものとは異なる見方を与えてくれます。またこうした会議は地域の運動や国に対して影響を持ちうる力のある成果をもたらすことが必要でしょう。例えばチリはいまだILO169号条約に批准していません。この先住民族大陸会議を通じて、チリに対して条約の批准を求めること、憲法上での先住民族の承認を求めていくことを願っています。この大会が運動を生み出していくものと思っています。これまでの国家のあり方にはもううんざりしています。これまでとは異なる新しいことが必要なのです。

 今回の先住民族大陸会議で気がつく点はありますか?

 この会議に参加しているリーダーたちの成熟した姿、取り組むべきテーマに対する真摯たる態度。こうした姿が私たちの運動を強化することにつながると思いますし、ボリビアのような社会的な変革につながるのだと思います。
  
  沿岸地域に先住民族のスペースを確保しようという法案(チリ)の話しは今回の大会での議論に寄与すると思いますか?
 
 私はこれまで参加してきた国際的な集まりではこのテーマを訴えてきました。先住民族にとって自然資源の利用という視点からもこの提案は重要なものと考えています。私たちは海に焦点を当てています。なぜなら他の物が私的所有権に委ねられてきたように、いずれ海も同じ局面に立たされるでしょう。こうした点で私たちはこのテーマにおける先駆者になっていると思います。
  

 今回の会議のスローガンは「抵抗から政治力へ」となっていますが、今日、抵抗と政治力のどちらに近いと思いますか?

 先住民族は大きく前進してきましたし、これまで十分に抵抗を続けてきました。これからはどのように政治的な権力を確立し、それを適切に運用するかが重要でしょう。
 以上


チリのマプーチェのおかれた状況については、2003に発表されたロドルフォ・スタベンハーゲンの報告書が参考になります。
国際連合人権高等弁務官事務所の次のサイトから
http://www.ohchr.org/spanish/issues/indigenous/rapporteur/#countryもしくは直接したのアドレスからダウンロードできます。
http://daccessdds.un.org/doc/UNDOC/GEN/G03/170/94/PDF/G0317094.pdf?OpenElement

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