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2007/04/09

ペルー テリトリーと自然資源

 第三回先住民族大陸会議に関連して、大陸会議関連サイトに掲載されていた文書です。
  参考までに。
 
 ちなみに第三回大陸会議のイシムチェ宣言他の文書は4月21日の報告会に向けて準備中です。
 日本語での入手を希望される方は当報告会へどうぞ。

 開発と権利のための行動センター
 青西


ペルー テリトリーと自然資源 ルイス・ビトール

 テリトリーと自然資源は、先住民族にとっての特別な生活様式の基盤であり、歴史的要求の中心的な要素でもあります。テリトリーは先住民族にとってアイデンティティーの源であり、物質的・精神的な支えでもあり、また権利と生活の源でもあります。先住民族は植民地の間、そのテリトリーから追われ続け、そして今日においても”コンセッション”(利用権の認可)の名の下に、国家による自然資源搾取の許認可によって、先住民族は脅かされているのです。
 
 ペルーや他のアンデス諸国では、何千年にもおよぶ先住民族の存在は特定のテリトリーの占有と結びつき、その所有権のもとにある土地と自然資源を集団的に利用してきました。”農民(カンペシーノ)”や”ナティーバス(土着民)”のコミュニティが伝統的に占有してきたテリトリーという空間は、先住民族の文化的実践を現在でも維持することを可能にしてきましたし、その中で文化的多様性や多言語性が表現されてきたのです。
 
 現在、ペルーには5934の「農民コミュニティ」(沿岸部及び山間地)と1285の「土着民コミュニティ」(アマゾン地域)が存在し、アンデス・アマゾン両地域に計8'793,295 人の先住民族人口が存在すると推定されます。そのうちの 97.8%がアンデス地域に居住し、90.9%がケチュア、6.9%がアイマラ、そして2.1% がアマゾン地域に居住しています。2600万ヘクタールの土地が「農民コミュニティ」あるいは「土着民コミュニティ」に占有されていると思われます。

アマゾン地域ではLa Asociación Interétnica para el Desarrollo de la Selva Peruana (AIDESEP) y la Confederación de Nacionalidades Amazónicas del Perú (CONAP)が、アンデス地域では la Confederación de Nacional de Comunidades del Perú Afectadas por la Minería (CONACAMI), la Confederación Nacional Agraria (CNA), la Confederación Campesina del Perú (CCP) y la Unión de Comunidades Aimaras (UNCA) などの組織が重要な先住民族組織となっています。

テリトリーなしには先住民族は存在し得ない

 先住民族がそのテリトリーについて言及するとき、それは統合的な視点から語られます。
単に占有している空間としてではなく、アイデンティティーの源として、物的生活の支えとして、また精神世界の関係から、また権利とその生活の基盤として表明されるのです。テリトリーというコンセプトは、先住民族にとっての自然資源を含んでおり、同時にその擁護をしなくてはならないという優先的課題が存在します。

ペルーの先住民族、コミュニティの視点からはこう表明されます。「テリトリーは先住民族の生活空間全体であり、地理的な土地の広がり、水、地面(テリトリーに存在するすべての自然資源とともに)などによって構成されています。文化的な視点からは、私たちの文化が基盤とし再生産される空間を含んでいます。(...)しかしその上にこの空間は私たちの精神性や世界観、音楽、踊り、詩、文学などが表現される空間でもあるのです。そこで私たちの豊かさや言語的な多様性が再生されるのです。私たちテリトリーの物質的・精神的な適切な管理から、様々な権利が発生してきます」. (Propuesta concertada para incorporar los derechos de los Pueblos Indígenas y Comunidades en la Constitución Política del Perú; abril de 2003).

 このようなコンセプトに基づき、先住民族組織は「先住民族としてテリトリーへの権利を、特に自発的に孤立している民族に対してこれを要求しています。テリトリーには先祖代々のコミュニティがあり、そこには空気、水、動植物、生物多様性、知識、政治組織、教育、経済、正義、私たちの集団的知識が含まれています。そこで私たちは、私たちの権利を侵し続ける植民地的政策の継続ではなく、政府によって押しつけられたのとも異なる、自律的政府、相互性、連帯、公正、二重性、補完性、私たちの制度の再興、伝統的権威の再興に取り組めるのです」 (Declaración de la I Cumbre de Pueblos Indígenas del Perú; Huancavelica, diciembre de 2004.)

国内法におけるテリトリーへの権利、自然資源への権利

 ペルー憲法及び国内法における先住民族とコミュニティのテリトリーに対する権利は、矛盾し、様々な性格を表している。現在、国際的規範は国家にその保護を保障すべく要求しています。
 1920年憲法は、コミュニティの存在とその占有する土地に対する所有権を承認しています。1933年憲法はコミュニティの土地の保護に対して3つの性格を付与し、不可分、不可侵、債権をたてることもできないとしています。1979年憲法もこの性格を踏襲しています。
 現行の1993年憲法は、89条において、「農民コミュニティ及びネイティブ・コミュニティは、法の定める範囲において、その組織、共同的労働、その土地の利用と自由な処分権に関する、また経済的、管理的な自治を有する。土地の所有権は不可侵であり・・・」と定めています。しかし同時に、66条においては、「再生可能、また再生不可能な自然資源は国家の財産であると定め、国家がその利用の主権者である。よって組織法においてその利用と他者への認可について定めるものであるが、利用権の認可は法的規範の下での真の物権を認可するものである」としています。

 ペルー憲法は、表面の土地に対しては先住民族コミュニティの集団的所有権を承認していますが、自然資源は国家の所有物であるとみなし、分野ごとの規定もその枠組みにあります。国家は、鉱物資源をはじめとして炭化水素、森林など自然資源の利用のための利用権を許認可することができるのですが、こうしたコンセッションの範囲はコミュニティの土地を含んでいたり、かぶさっているのです。

 先住民族組織は「先住民族及び農民コミュニティに対する土地とテリトリーは不可分、不可侵、債権をたてることも、収用することもできない」ということを要求しています。
(Documento de propuesta de incorporación de los derechos de pueblos originarios e indígenas en una nueva constitución; AIDESEP, CONAP, CCP y CNA, octubre de 2004.)
 
 この文章は、第三回先住民族大陸のサイトである下記のサイトの文章を翻訳したものです。http://movimientos.org/enlacei/cumbre-abyayala/show_text.php3?key=9590
 上記サイトの文章は下記のALAIのサイトの文章を一部掲載したものです。
http://alainet.org/images/alai418w.pdf

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