バイオ燃料の方向性を考える。
バイオ燃料の方向性を考える。
バイオ燃料の話しを少しずつ読みながら思うところがあります。バイオ燃料の話しはどこにその基盤をもって話されるべきなのか。地政学的な話しでもなく、エネルギー供給に関わる安全保障でもなく、補助金にかかわる利権でもなく、新しい有望なビジネスチャンスや投資先としででもなく・・・それは限られた資源へのアクセスをより公平にするという大きな目標を設定した上で語られるべきではないでしょうか。世代間の公正のために、そしてまた現世代におけるより公正な資源へのアクセスのために。
1)石油を燃やす、燃料として消費する総量を削減するための取り組みとして、バイオ燃料の導入すること。今後消費量を上昇させないという意志のもとにバイオ燃料の利用を検討する必要がある。
2)仮にバイオ燃料が安価に供給できる態勢が整い、同時に石油価格も低下傾向をみせたとしても、燃料消費の総量を抑制するという方向を維持すること。特に大量消費国は厳しいコントロールが必要でしょう。
3)石油価格が上昇したときに、低所得国への安定供給を確保することを念頭にバイオ燃料の価格、国際取引のルールを設定すること。
4)エネルギー資源の価格と穀物価格のリンクを抑える。
5)食糧の安全保障、食糧の安定的供給に影響を与えるバイオ燃料生産を抑制する。
6)水、森林、土壌の劣化に結びつくような、自然環境にネガティブな影響を与えるバイオ燃料生産を規制すること。
将来の世代に対して、未来に生まれてくる命に対して、世界中に石油を燃料として燃やし続ける自動車を売り続け、原材料として、また燃料資源としての石油に依存した産業社会のモデルを示し続けてきた先進諸国の、そして私たちの責任は重い。
開発と権利のための行動センターとしては、バイオ燃料開発などに関わる地域社会への影響、環境への影響を今後も随時フォローしていきたいと思います。
開発と権利のための行動センター
青西靖夫
以下これまでのブログでのバイオ燃料関連ニュース
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/04/post_20cd.html
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/04/post_9208.html
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