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2007/05/05

先住民族大陸会議 イシムチェ宣言

第三回アビヤ・ヤラ先住民族大陸会議
「抵抗から権利の行使へ」
イシムチェ宣言

われわれ、この大陸の先住民族の子孫はグアテマラ、イシムチェに集い、2007年3月26日から30日(注1)にかけて、第三回大陸会議を開催した。次のように宣言する。

-テオティワカン宣言(2000年メキシコ)、そしてキトー宣言(2004年エクアドル)を再確認するものである。われわれの何千年にもわたる原則、補完性、相互性、二元性、そしてわれわれの領域への権利、母なる自然、自治そして先住民族の自決のための闘争を承認するものである。そしてここに大陸におけるパチャクティク(Pachacutik:回帰)の時代の再来を宣言する。5200年にわたるサイクルOxlajuj Baq'tunが終わり、新しいBaq'tunの扉に近づきつつあり、われわれはアビヤ・ヤラを「生命に満ちあふれた大地」にするための歩みを進めているのである。

-われわれは何世紀にもわたる植民地の時代を、そして今日はグローバリゼーションと呼ばれる新自由主義的政策が押しつけられる中に生き続けている。われわれの領域からの排除と略奪は続き、先住民族のすべてのスペースと生きるための手段は奪われ続けているのである。母なる自然は貶められ、貧困と移民が続いている。それは多国籍企業と政府が共に、先住民族の主権に対して組織的に介入していることによって生み出されている。
 
われわれは新しい時代の中で必要とされる挑戦にむけて準備を進めなければならない。そこで次のように宣言する。

-この大陸そして世界の先住民族の間での連携、また先住民族と社会運動との連携のプロセスを強固なものとし、新自由主義的政策とすべての形の抑圧に立ち向かっていくものであること。

-多国籍企業による虐殺が免責されていることで、大陸の先住民族が領域を略奪され続け、絶滅に追い込まれていること、国連が「先住民族の権利宣言」の実現に消極的であること、また「世界人権宣言」の完全な履行が保障されていないことに対する責任は、諸政府にあること。

-われわれが、領域と母なる自然からの共有の富に対して、先祖伝来の歴史的な権利を有することを承認するとともに、われわれの命をかけても、その権利が不可譲、不可侵であり、差し押さえの対象ともなることも、放棄することもできないことを再確認する。

-先住民族代表の直接の参加に基づく立憲議会による、国民国家の再構築、多民族国家の構築と異文化共生社会(sociedades interculturales)へ向けたプロセスを強化すること。

-国民国家の法的枠組みで承認されていなくとも、先住民族の自治と自決に向けた取り組みを進めること。

-先住民族の主権を侵害する自由貿易協定を拒否するとともに、新しい通商協定締結の動きに監視を続けること。

-食糧主権を守っていくこと、反遺伝子組み換え闘争への決意を再確認するとともに、世界の諸民族に対してわれわれの未来を確実にするためにこの運動への参加を呼びかけること。

-コミュニケーションの民主化のため、また先住民族そして異文化共生の促進のための特別な政策の施行を求める闘争を進めること。

-援助をばらまいて先住民族コミュニティに浸透し、自治的かつ正統な組織の分断を狙う、米州開発銀行、世界銀行などの政策に対して注意を呼びかけること。

先住民族の「よい生活」(注2)のために以下の点に合意するものである。

-先住民族の領域における、収奪的産業のための鉱物、石油、森林、ガス、水などの利用権認可を中止することを国際的な融資機関や政府に対して要求していくこと。

-米国ブッシュ政権による、メキシコ国境沿いの壁建設にみられるような排除的な政策、アビヤ・ヤラ先住民族の母なる自然からの共有の富を略取しようとする政策、そして拡張主義、好戦主義的計画と行動など、を強く非難すること。

-先住民族の権利を認めない、特にILO第169号条約を批准しない、あるいはその履行を保障しない、国民国家の政府の許し難い態度を強く非難すること。

-新自由主義政府によって行われているテロリズムと見せかけ民主主義を強く非難するものである。これは先住民族の領域の軍事化を進め、すべてのアビヤ・ヤラにおける先住民族の闘争や社会運動を「犯罪化」するものとなっている。


「抵抗から正統な権利を行使する力に向って 」という言葉を実践し、夢を実現するために

アビヤ・ヤラ先住民族大陸調整機関を設置する。そして、これを継続的な関係と交流のスペースとして、先住民族の経験と提案を共有して、共に新自由主義的なグローバリゼーションに対抗して行く。「よい生活」のために、先住民族として決定的な解放のための闘争を、母なる自然、領域、水、そして生きていくためのすべての自然の財産を守る闘争を続けてゆく。

このためのプロセスとして次の行動を計画する。

-女性、子ども、若者などの参加による先住民族の闘争と組織化プロセスの強化
-アビヤ・ヤラ先住民族女性会議とアビヤ・ヤラ先住民族青少年会議の開催を呼びかける
-資本主義によって引きおこされている災害から母なる自然を守り、地球温暖化の問題を訴える先住民族大陸行進を2007年10月12日(注3)に実施するように呼びかける
-先住民族の権利を擁護し保障するための先住民族による外交活動を強化する
-われわれの兄弟であるエボ・モラーレス・アイマ、ボリビア大統領のノーベル平和賞候補を支持する
-コカの葉を処罰の対象から外すことを要求する(注4)

「われわれの過去を夢み、われわれの未来を思い出そう」
イシムチェIximche’、 グアテマラ 2007年3月30日

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注1:3月26日はマヤ暦で「13の力を持つ夜明けの精」、3月30日は「4つの力を持つ鹿の精」の日
注2:「よい生活(vivir bien)」―「人や生き物と自然、全てが均衡を保って生きていく状態」
注3:10月12日はコロンブスによるアメリカ大陸「発見」の日であるが、先住民族運動はこの日を「先住民族の日」と捉えなおしている
注4:コカの葉はアンデス地域では伝統的に薬草として用いられてきた

(翻訳: 青西靖夫・新川志保子)

原文はこちら
http://www.iiicumbreabyayala.org/news/3
http://movimientos.org/enlacei/cumbre-abyayala/show_text.php3?key=9622
また開発と権利のための行動センターのHPに、先住民族大陸の報告会に利用した資料集を掲載予定
http://homepage3.nifty.com/CADE/

開発と権利のための行動センター
青西

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