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2007/05/20

開発と住民投票(グアテマラ)

 グアテマラにおける開発と住民投票
 
 グアテマラでは近年、地域の開発問題を巡って地域住民が様々な形で、意思決定に参加するための取り組みを進めています。
 3月16日に発行されたインフォプレス紙によると2006年には10カ所で鉱山開発に関して、「住民による協議」が進められたという。内訳はウエウエテナンゴ県で6カ所、サンマルコス県で2カ所、トトニカパン県で2カ所となっている。
 また今年2月にサンマルコス県のコンセプシオン・トゥトゥアパで64のコミュニティが参加して鉱山開発の是非を問う「住民による協議」が行われたのをはじめとして、4月にはキチェ県のイシュカンで発電ダム建設の是非を問う協議も行われている。
 
 こうした中、2005年6月にサンマルコス県シパカパにおいて実施された「住民による協議」に対して出されていた違憲審査の訴えに対して、5月15日憲法裁判所は裁定を下している。
 この判決文では、今回地方自治体によって行われた「住民による協議」に基づく鉱山開発に関する決定は、地方自治体の権限を超えているという理由に基づいて、協議の結果に基づく決議文を無効であるとの判断を下している。憲法において、地下資源は国家のもとであると定められ、その利用がエネルギー鉱山省の管轄にあるものと定められていることが理由となっている。
 しかしながら、手続き的な側面に関する違憲の訴えは退け、地方自治体法などにどが住民投票に関する手続きを適切に定めていない問題、ILO169号条約に定められている「先住民族による協議」のための法制度化が進められていないことを指摘し、議会に法の整備を求めている。
 http://www.inforpressca.com/
 http://www.cc.gob.gt/sentencias/sent2006.htm

 法の整備が必要であることは否定しないが、法を整備する中で、先住民族コミュニティの声を排除する方向に法が整備されるのではないかという懸念も持たざるを得ない。国政への参加の機会が偏在しており、十分に議会の中で決定に参加できない状況では、経済的エリート層の権限を侵さないような法律が作られる可能性は否めない。
 また先住民族コミュニティが、独自の意志決定のメカニズムを利用していく、築きあげていくプロセスも否定される可能性もある。
 しかしILO169号条約自体が、先住民族コミュニティに影響する法律を設定する際の協議を求めているのであり、先住民族コミュニティを離れた国会で法を定めるのではなく、慣習法の積み上げに基づくべきなのであろう。

 開発と権利のための行動センター
 青西

これまでの関係記事

http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/01/post_6ba0.html(住民による協議について)
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2006/11/post_29e4.html(イシュカンのダム開発について)
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/04/post_7a36.html(イシュカンでの住民よる協議)

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