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2007/06/17

鉱山開発の是非を問う住民投票

 2007年6月13日、グアテマラ北西部のサンマルコス県イスチグアンにおいて鉱山開発の是非を問うコミュニティによる協議が開催されました。これにはイスチグアンの行政区(ムニシピオ)に属する43のコミュニティの男性・女性そして子どもたち、老人も、みな参加し、そこで鉱山開発を拒否する決定が取られました。

 住民協議組織委員会はその声明文で次のように述べています。
「マム民族は、マヤ民族の中でもその人口とテリトリーが大きい民族の一つであり、5123年以上にわたってこの土地に生きてきました。この土地で私たちはアイデンティティーを、コスモビジョンを維持してきたのです。そこには人と私たちの母なる大地のすべての要素との調和的な関係の平衡が示されています。

 この514年間の間、私たちは搾取と抑圧、差別、継続的な排除に苦しんできました。その結果として、私たちは現在のような貧困に置かれているのです。この状況は、世界銀行のような多国籍金融機関や自由貿易協定を通じて、工業化された国々の政府によって押しつけられてきた新自由主義モデルによって更に悪化しています。これはグアテマラ政府が進めている鉱山開発のような「お任せ政策」を通じて頂点に達しています。開発のための投資だ、という口実のもと、私たちのテリトリーの広大な土地の権利が多国籍企業に引き渡されているのです。

 私たちは鉱山開発が、世界中の多くの場所で我々の兄弟・姉妹に深刻な影響をもたらしていることを知っています。私たちの自然の富を略奪するだけではなく、空気、水、大地。植物、そして動物たちを汚染し続けているのです。

 エネルギー鉱山省が私たちのテリトリーにおける鉱山開発を許可したこと、そして許可し続けていることを知り、私たちは、未来の世代の福祉に対する責任を担う者として、この『コミュニティによる協議』を組織することを決めたのです。この民主的な取り組みの目的は、私たちの自治体で進められている鉱山事業に対しての、私たちの良識と自由な決定について、政府に知らしめるという権利を行使するところにあります。

 2007年6月13日、43のコミュニティが「コミュニティ協議」を実施し、そこには女性・男性そして子どもたち、老人も、みな参加しました。その協議の結果をうけ、私たちの自治体(ムニシピオ)におけるいかなる鉱山開発プロジェクトも認めないという決定を明らかにするものです。またこの機会を利用し、中央政府にたいして、非持続的な政策の代わりに、持続的な開発のためのプロジェクトを推進することを要求します。

”IYOLIN, IQANIN KYXOLX EX IXIMIN, B’ANT TI’J KYYOL EX KYNAB’L”
「話し合い、お互いに相談し、よく考え、そして合意に達し、言葉と考えをともにする。」 Pop U´j – Popol Vuh

 声明文等の原文はこちら>>>http://homepage3.nifty.com/CADE/Espanol/mineriaindex.html

 なお6月15日のインフォプレスの記事によると、この協議には総人口20324名のうち、496名の年少者を含む7561名が参加したとのことです。それぞれのコミュニティにおいて、鉱山開発に対する意見をもとめ、挙手による投票がなされ、その後決定を証明する議事録が作成され、参加者が署名をおこなったとのこと。
 なおこの地域にはモンタナ社に対して4つの探査免許が発行され、更に3つが承認待ちの状態にあるとのことです。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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鉱山法に対する違憲審査申請

グァテマラ鉱山開発問題近況

 日本でも鉱物価格の高騰の中で、世界中からレアメタルなどを積極的に確保する方向を取ろうとしているようですが、そうした鉱物がどこから来ていて、どういう状況で採掘されているのか、などちゃんと見ていく必要があると思います。
 関心のある人はこちらもどうぞ。
http://homepage3.nifty.com/CADE/guatemala/Guatemala%20indigena%20y%20medio%20ambiente.htm
http://homepage3.nifty.com/CADE/MINA2005/mina2005.html


●鉱山法に対する違憲審査申請

 6月15日のインフォプレスの記事でも紹介されていますが、グアテマラの環境NGOであるCALAS(法・環境・社会アクションセンター)が5月23日に鉱山法に対する違憲審査を求める要請を提出しています。
 記事によると憲法裁判所は6月4日(8日以内に)までに法的手続きに入るかどうかを表明しなくてはならないことになっているそうですが、いまだ何も発表していないとのことです。
 環境汚染の防止、生態系へのバランスへの配慮などを求める憲法の規定に反し、現行の鉱山法は環境面への配慮をほとんど欠いているという点が問題とされています。
 違憲審査の内容はインフォプレスの記事では次のように整理されています。
1)環境影響評価について、国家環境委員会に提出後30日以内に判断が示されなければ、それは承認されたものと見なす条項
2)地下資源の利用権がその深度等に定義がないことなど
3)水の利用に関する規定
4)廃棄物の処理など「可能な範囲で」という規定がなされていること
5)鉱山開発資材の輸入などに関する免税規定

Inforpress edición 1708 publicada 15/06/2007
http://www.inforpressca.com/

  
●イサバル湖湖畔にて計画されているニッケル鉱山開発に対する環境影響評価報告書が認められ、本格的な開発が進む可能性。
70年代に開発が進められたのち、放棄されていたイサバル湖周辺でのニッケル鉱山開発が今回の環境影響評価報告書の承認で再開する可能性がでてきました。この開発プロジェクトはカナダのスカイリソース社が子会社であるグァテマラニッケル会社(CGN)を通じて進めているものですが、土地所有権を巡って地域住民と対立している上に、マナティなども生息するイサバル湖への影響などから国家自然保護区審議会(CONAP)も疑念を呈していたものです。

このブログの鉱山開発関係記事
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat4745721/index.html

開発と権利のための行動センター
青西


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2007/06/14

プロジェクト 先住民族と自然資源への権利

先住民族と自然資源への権利

 開発と権利のための行動センターでは、「グァテマラにおける『先住民族の自然資源への権利』に関わる住民組織強化およびネットワーク強化」を目的としたプロジェクトを実施しております。
 
 なぜ、今、このプロジェクトが必要なのか?
 グアテマラの人口の半数以上は先住民族です。しかし公用語はスペイン語のみ。そして国の政策や法律は地域の人々が知ることもないままに、首都で定められ、知らないままに施行されています。
 このような状況の中で、地域の人々の生活に大きな影響を及ぼす鉱山開発や自然保護区の設定が進められているのです。
 (例えば自分の生活をふり返って想像できますか?知らないうちに自分の住んでいる町の地下の鉱山開発が許可されているとか、裏山が保護区に設定されているなんて事態を?)
 
 そこで開発と権利のための行動センターでは、まず地域の人々の組織を強化するために、情報を提供し、似たような経験を持つ地域を訪問してもらうというような活動を行っています。(「参加型開発」と言われるものでは、時として地域の人々の知見、在野の知識が重要視されますが、知らないこと、新しいことに対応するには、やはり「知る」こと「知見をひろげること」が不可欠です)
 動かなければ、組織しなければ、誰も人々のところに、新しくできた法律を、地域の言葉で翻訳して伝えてくれるなんてことは期待できないのです。(日本では新聞もあり、テレビもあり、自治体の広報もあり、自治会の回覧板もあり、有線放送もあり、そしてインターネットもあり・・・)
 
 開発と権利のための行動センターでは、日本ラテンアメリカ協力ネットワーク と協力して活動を実施していた2004年よりこの分野での活動を継続しています。
 2007年からの3年間では
1)グアテマラ国イサバル県を中心とした自然資源の擁護に関する地域の先住民族グループ、先住民族コミュニティの強化
2)同一のテーマに関わる国内での先住民族組織間でのネットワークの強化
 を中心として活動を行っていきます。

 このプロジェクトは3年間の計画であり、その中で先住民族コミュニティへの研修などの他、国内外組織との経験交流など様々な活動を計画しております。活動実施のための寄付金をお願いしておりますのでよろしくお願いします。 
詳しくはこちら>>>http://homepage3.nifty.com/CADE/news.htm

寄付金口座
◆郵便振替口座:00230-5-131472
◆口座名   :開発と権利のための行動センター
  (備考欄に先住民族支援とお書き添えください)

 
 また今後、少しずつ、グアテマラにおける自然保護区と先住民族コミュニティの問題などをお伝えしていきたいと思っております。
 
開発と権利のための行動センター
代表 青西靖夫 
ご質問等はこちらまでE-mail cade-la@nifty.com

補足)開発と権利のための行動センターでは情報は出来る限り幅広く提供すべきであるという考えから、インターネット上で無償で情報を提供する方向を取っています。私たちは現地の組織を支援するために情報も集めますし、また現地の団体や地域の人たちも、多くの人々に問題を知ってもらうためにこそ、忙しい時間をさいて話しを聞かせてくれています。
 そこで、当会では「会費」を払わないと入手できない情報提供(会報)という形はとっておりません。こうした無償の情報提供も含め支援して頂く形で、寄付金や賛助会費、会費をお願いしております。
 現時点ではインターネットにアクセスできない方々と現在十分にコミュニケーションは取れない組織体制ですが、要望がありましたら郵送等での情報提供も可能です。特に今年度からは1年に1~2回、これまでの報告などの整理して文書にて提供することも計画しています。

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グアテマラの地震

グアテマラの太平洋岸低地を震源とする地震

 グアテマラの太平洋岸低地を震源とする地震が現地時間6月13日13時24分頃発生したようです。
 その後の報道などもチェックしていましたが、今のところ大きな被害のニュースは入ってきていません。
 http://www.conred.org/principal.php
 http://www.lahora.com.gt/v1/main.php#n12496
 しかしスタン台風の時も見られましたが、グアテマラでは地方の情報が把握されるのに非常に時間がかかることが多いので、しばらく被害の報道などもフォローしていきます。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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