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2007/10/11

グアテマラ 鉱山開発問題のその後(071011)

グアテマラ 鉱山開発問題のその後

 今回、グアテマラを訪問した際に、サンマルコス県のサンミゲル・イシュタウアカンやシパカパで採掘が進む露天堀のカナダ資本の金鉱山であるマルリン鉱山についてもインタビューを行ってきました。そのインタビューを整理して報告します。

1)現地の先住民族組織であるアフチモルは次のように鉱山開発に関わる問題を整理してくれました
-井戸の水量低下、水の枯渇
-排水池の汚染水によるとおもわれる家畜や鳥の死亡
-周辺住宅における振動等による壁面のひび
-汚職の蔓延(鉱山会社が政治家や地域のリーダ-を買収していくことによる)
-暴力事件の拡大
-コミュニティ内の対立の深化(鉱山で雇用されている人、されていない人)
-地域のアイデンティティーの崩壊、先住民族差別(鉱山の職場内で先住民族言語を利用できないなど)

2)地域の鉱山開発に関するレポート(Foto -Reportaje :La Mina Marlin,COPAE 2007.8)ではひびの入った家屋の写真を紹介しているが、鉱山近郊の57の家屋で壁面へのひびなどが発生しているという。しかし鉱山側は全く補償を行う態度を見せていない。更には 鉱山開発によって家のすぐしたまで岩盤が削り取られている状態も報告されている。
Sm1_2
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 また鉱山の側の公共道路には次のような看板が掲示されている。「鉱山工事中につき危険:自己責任とリスクで運転するように」。
Sm3_2


 ・・・・このような横暴が許されるものであろうか?地域住民に対する暴力であり、立ち退かせるための脅迫であある。また企業側は危険防止に果たすべき責任すら負わず、企業の私有地の如きである。グアテマラ政府は、住民の実力行使を批判するために「法治国家」なる表現を多々利用するが、このサンマルコスで起こっている事態は「無法地帯」そのものではないだろうか。

 以下ここまでの関連情報
 関連情報は次のサイトからどうぞ(英語・スペイン語)
http://www.resistance-mining.org/english/index.php
開発と権利のための行動センターのスペイン語情報提供サイト
http://homepage3.nifty.com/CADE/Espanol/mineriaindex.html
次のサイトは日本語です。(ジェームス・ロドリゲスのブログ)
http://mimundoj.blogspot.com/2007/09/blog-post.html
写真はFoto -Reportaje :La Mina Marlin,COPAE 2007.8より。ダウンロードは次のサイト
http://www.resistencia-mineria.org/espanol/fotos/fotoreportaje-marlin-0807.pdf


3) 鉱山問題を扱う、カトリック教会サンマルコス教区の「平和とエコロジー委員会(COPAE)」の活動
 現在 COPAEでは4つの活動を中心的に行っている
―水系汚染に対する環境モニタリング
―調査・コミュニケーション
―法的支援
―抵抗と連携
―(開発のためのオータナティブ)

1)水系汚染モニタリング
 最終的にメキシコ湾まで流れこむ、鉱山周辺の河川の水質モニタリングを行っている。自然資源・環境省(MARN)が行うべき業務であるが、脆弱であり、まったくできていない。実施しようという政治的意思も欠如している。企業はお抱えの環境モニタリング会社を通じて、地元住民による環境調査を組織しているが、試料は企業の手に渡り企業の分析室において分析されるのであり、中立性、信頼性を欠いている。
 水系への影響はすでに出ている。アルミや銅、鉄といった金属の検出量が国内外の規定を上回っている。髪が抜けたり、家畜や鳥が死んだというケースも報告されている。汚染がないという方がそもそもありえない。
 今後水質モニタリングのデータをコミュニティに渡し、住民が適切な情報を持つことを支援していく。また科学的な分析のベースラインを作っていくことを目指している。
「国際的な環境モニタリングの専門家の来訪を期待している」
2)調査・コミュニケーション
 コミュニティ出身のレポーターを養成し、鉱山開発に伴い、何が起きているかを報告してもらう。そういう情報に基づいてビデオやポスターを作成。また今後、ラジオでの放送も始める。
 これ以外に専門的な調査も別途行う。

3)法的支援
企業に対して、損害に対する責任をもとめる訴え、また国際的な司法機関にこの問題を提訴するといった活動の実施。

4)抵抗と連携
 孤立した運動を展開するのではなく、鉱山開発の問題を抱えるグアテマラのウエウエテナンゴ県やイサバル県とも連携することを目指している。またコミュニティの強化に取り組み、住民による協議を進めるといった活動も行っている。

まとめ
 開発と権利のための行動センター
 青西
 

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