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2007/10/18

世界食糧デーとバイオ燃料

世界食糧デーとバイオ燃料

 10月16日は世界食糧デーでした。それにあわせていくつかの報道がなされていますので紹介します。

1)食糧への権利のための国連特別報告者であるジャン・ジグレール(Jean Ziegler)がバイオ燃料に関してモラトリアムを要請
http://www.swissinfo.org/spa/portada/detail/Jean_Ziegler_pide_moratoria_en_biocarburantes.html?siteSect=105&sid=8307635&cKey=1192178989000&ty=st
 この報道によると食糧への権利のための国連特別報告者は、トウモロコシやその他の穀物を利用したバイオ燃料生産は食料価格を高騰させるとともに、世界の飢餓を深刻化させる危険があるため、食用作物を利用したバイオ燃料生産に5年間のモラトリアムを求めているとのことである。
 この期間に、経済的権利や環境に対するバイオ燃料のインパクトを評価するとともに、第2世代のバイオ燃料への技術開発に投資すべきと考えている。またこの第二世代バイオ燃料は穀物価格の高騰を避け、飢餓を避けるために、非食用作物、農業廃棄物、作物残渣などを利用して生産されるべきであると述べている。
 また50リットルの自動車のタンクを満タンにするためのバイオ燃料は約200キロであり、これは1人分の一年間の食糧に相当するとのことである。さらにブラジルにおけるサトウキビ生産について、サトウキビの拡大が食糧生産コストを引き上げているとともに、10ヘクタールの食糧作物生産が7-10人の雇用を創出する一方で、サトウキビ生産では雇用は一名に過ぎないとののことである。
 
2) 増え続ける飢餓人口
 同じくジャン・ジグレールは世界食糧デーに際して声明を発表し、食糧への権利を侵害されている人々の数が減少していないこと、飢餓に苦しむ人口は1996年以降増え続ける傾向にあり、その数は8億5千万に上ると推測されている。5秒に一人世界で飢餓や栄養不良で10才以下の子どもが死んでいっているという。しかし世界はこれまでになく豊かになり、世界中の人口の倍の人数が食べるだけの食糧が生産されているという。
 また国際機関にも不一致があり、FAOが食糧への権利を確立するために取り組んでいる一方で、IMFや世界銀行、世界貿易機関などが反対にその権利を切り崩していると批判している。また各国の政策も、世界食糧サミットで食糧への権利を認めているにもかかわらず、ネガティブな影響のある貿易政策を採用している国があると述べている。
 さらに、女性や先住民族など脆弱な状況に置かれている人々の排除や差別、食糧システムへの多国籍企業の野放図な権力、砂漠化、武力紛争そしてバイオ燃料といった問題を提起している。トウモロコシや小麦、砂糖、パームオイルなどを燃料にしようなどというひどい思いつきは、惨事を導くことになると述べ、食糧と燃料の競争を生み出すリスクがあり、このことは開発途上国における食糧・土地・水価格の高騰をもたらし、貧困と飢餓を残すことになると批判している。

http://www.unog.ch/80256EDD006B9C2E/(httpNewsByYear_en)/6173E6CDDA0EBBECC1257376002FB352?OpenDocument

以下 世界食糧デーとは関係ありませんが、バイオ燃料関係の情報です

3) Oil Palm. From Cosmetics to Biodiesel :Colonization Lives On 2006年9月発行
 まだ目を通していませんが。(英語、スペイン語)
http://www.wrm.org.uy/plantations/material/BookOilPalm2.html
  
4) ナショナル・ジオグラフィック 10月号 
シリーズ「地球の悲鳴」 バイオ燃料 実用案にもお国柄
ブラジルでいち早く取り入れられ、いまや世界中の注目を集めるバイオ燃料。地球温暖化を緩和できるのか。各国での研究の最前線をレポートする。
 http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0710/feature01/index.shtml

5) Global Bioenergy Partnership (GBEP) なるサイトができています。中身未確認
  http://www.globalbioenergy.org/
 
開発と権利のための行動センター
青西

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» ゴミからバイオ燃料 [ももログ]
つい先日、大阪地域で廃木材などからつくられたバイオ燃料が販売開始されました。 原油高騰が続くなか、WTIは最高値更新して1バレル86$台に・・・ トウモロコシやサトウキビなどの穀物を原料としたバイオ燃料は小麦やオレンジなど、私たちの身近な食生活に影響を与えています。何故バイオの原料が穀物だけなのか?収穫が済んだ後の、植物の葉や茎ではできないの? と思ってました。現在、研究にコストと時間がかかるも... [続きを読む]

受信: 2007/10/18 23:32

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