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2007/11/17

先住民族の権利宣言採択に関連して中南米より

先住民族の権利宣言採択に関連して中南米より

1) 11月7日、ボリビア大統領エヴォ・モラーレスは、先に国連で承認された「先住民族の権利に関する国連宣言」に定められた46の条文を国内法と同等の位置づけとすると定めた法-3760を公布。ボリビアはこの宣言を国内法に取り入れた世界最初の国となる。

    モラーレス大統領は「この宣言を境に、先住民族の運動は抵抗から権力へ転換していかなくてはならない。しかしその権力とは党派でも個人的、地域的なたものではなく、コミュニティを基盤に生きていく力を生み出していくためのものである。そしてすべての人々の問題の解決に取り組むためのものでなければならない。国連が私たちに与えた使命、私たちの使命は、全ての人々のために働き、生活を守る責任である。」と語っている。

http://www.presidencia.gov.bo/prensa/marc_vpr.asp?id=200711065
http://www.fondoindigena.org/notiteca_nota.shtml?x=16224

2)「宣言から先住民族条約へ」 

 米州機構における先住民族宣言制定のためのワーキング・グループの議長を務め、現在駐エクアドル・グアテマラ大使を務めているフアン・レオン(マヤ・キチェ民族)へのインタビュー記事を一部抜粋しました。 (インタビューアーはオスバルド・レオン)

http://alainet.org/active/19988&lang=es

 まず最初の国際法として評価することが重要だと考えます。ILOの169号条約もありますが、この宣言を前に影は薄くなったと言えるでしょう。全ての条文を読んでみると、いくつかの条項、テリトリーの一体性とか、国家の政治的一体性などは権利を制約するものとなっていますが、42から43の条文が先住民族の権利に有効だと言えるでしょう。しかし先住民族が独自の国家を設立する決定をしようという時には、この宣言ではなく、他の法に則って行えばいいのです。

 第3条において民族の自決権について言及していることは一つの強みだと言えるでしょう。先住民族を「民族」として承認したことは、先住民族が、国内における闘争を通じて、それを実効的なものにしていく機会を与えるものだといえるでしょう。というのも宣言は一般的な枠組みに過ぎず、私たちの(個別の)問題を解決するものではないからです。しかし宣言は組織やリーダーや権威が向かうべき方向を定める枠組みや活動地点となるでしょう。今後、国内規範において先住民族としてのステータスを承認すべく、それぞれの国の闘争を行っていくことが最も重要なこととなるでしょう。

 最終的に宣言の中に盛り込まれたものに、自然資源に関する、管理、占有、利用などの諸権利があります。先住民族が国家に対して、これらの権利を承認するように頼むのではなく、先住民族がこれらの権利をどのように宣言していくか。これは私たちのものだ、国連の先住民族の権利宣言はそう言っているのだ、ということをどう表明していくか。これからの新しい動きは、国家に頼むのではなく、自分たちで自分たちのものであることを宣言していくことになるでしょう。

 先住民族の代表がこれから話し合わなくてはならないのは、私たちがこの宣言で止まってしまうのか、強制力を持ちうるようにな、条約に向けて歩みを進めるのか、という点にあると思います。条約であれば全ての国家と先住民族に対して、その履行と、政府が履行しているかどうかの監視するメカニズムを確立するための機会を提供することとなります。
 これまでのプロセスに参加してきたリーダーとはまだ対話をしてはいませんが、このまま多くの時間が過ぎてしまうことがないように願っています。道を開いてきた動きがあり、対話と交渉の経験があり、政府の代表も先住民族の権利について知り、理解し、まだそのプロセスから離れてしまってはいません。ですから先住民族のための法的枠組み拡大のためのプロセスが続くことを願っています。いま、小さな前進があり、条約は、次のさらに大きい歩みに向かうものなのです。
 
 国連における宣言採択は、米州機構における宣言の水準を同じレベルまで上げることを容易にするでしょう。しかし、もしそれができないのであれば、政府や先住民族はこのプロセスを続けるのか、あるいは凍結し、国連の宣言の利用することにするのか、決断しなければならないでしょう。諸政府の見解は知りませんが、先住民族の代表は、米州機構における今後の挑戦は国連の宣言の内容を多くの部分で向上させていくことにあると語っています。しかしもしそれが内容的に下回るのであれば、このプロセスを中断した方がいいと考える人もいるでしょう。

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