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2008/01/31

最近のニュースから(食料価格、バイオ燃料他)

 最近のニュースから(食料価格、バイオ燃料他)
 まずCDB(生物多様性条約)のサイトでで登録できるニュースブリーフからの情報 http://www.cbd.int/
1)ハイチで食料価格の高騰から、粘土をビスケット状にして食べている人が増えているとのこと。(2008/1/30)
なお伝統的にこの粘土は妊婦などが食べていたものであるとのことです。
 ニュースソースは
 http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2008/01/30/whaiti130.xml
 写真は
http://www.telegraph.co.uk/core/Slideshow/slideshowContentFrameFragXL.jhtml;jsessionidYDSGD40NZLDZ5QFIQMFSFF4AVCBQ0IV0?xml=/news/2008/01/29/haiti/haitipix.xml&site=News

2)フランスはバイオ燃料政策見直しへ(2008/10/30))
 食糧ー植物性の油脂原料から第二世代の研究へ向かう方向性が示唆されている。
http://uk.reuters.com/article/environmentNews/idUKL2940666220080129?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0&sp=true
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その他
3)FAOは食料価格の高騰が貧困層に与える影響に警告を発している。(2007/12・・・少し前になりますが)
 上記1に関連して、自然災害の影響なども加わり、貧困国で食糧供給に問題が出ている。
 FAO関連文書  
http://www.fao.org/docrep/010/ah877e/ah877e00.HTM
http://www.fao.org/giews/english/shortnews/highprice071211.htm
 
http://www.fao.org/newsroom/en/news/2007/1000733/index.html -----------------------------------------------------------------------------
4)World Rainforest Movement
  http://www.wrm.org.uy/index.html ウルグアイに本部を持つ国際団体である世界熱帯雨林運動のニュースレター  Issue 126 - January 2008
 生物多様性条約の技術会議に向けて、外来侵入種である外来樹種の問題を提起しています。(大規模植林に利用されているユーカリや松、アカシアなど)
 更に、遺伝子組み換え樹種の禁止を呼びかけています。
 ちなみにこのニュースレターも英・西で受け取ることができます。
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5)メキシコの農民のデモ隊が首都に到着
 400台のトラクターを連ね、NAFTAの見直し、食糧主権などを求めていた「フランシスコ・ビジャ農民抵抗運動」のデモ隊がメキシコシティに到着。
 http://www.adital.com.br/site/noticia.asp?lang=ES&cod=31484
http://www.sinmaiznohaypais.org/

http://www.jornada.unam.mx/ultimas/2008/01/30/arriban-al-df-contingentes-que-protestaran-contra-el-tlcan

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6) GRAIN のスペイン語ニュース   Biodiversidad では生物多様性条約の履行などに絡めて、種子の保全、遺伝子組み換え樹種の問題などを取り上げています。紹介のみ
 http://www.grain.org/biodiversidad/?cat=1&type=all

開発と権利のための行動センター
青西

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2008/01/29

ボリビアにおける先住民族の権利(国連特別報告官)

 少し前の記事になりますが、国連の先住民族の権利に関する特別報告官であるロドルフォ・スタベンハーゲンが2007年11月25日から12月7日にかけて、ボリビア政府の招きにより、先住民族の状況を調査するためにボリビアを訪問しました。
 その訪問の最後に行った記者会見でのコメント及びボリビアのラ・プレンサ紙2007年12月26日付に掲載されていたスタベンハーゲン氏へのインタビュー記事を紹介します。原文は1)と2)のサイトです。
 だいぶ長くなってしまったのでpdfファイルも付けておきます>>>こちら

1)12月7日にボリビアで行われた記者会見での文書
 http://www.constituyentesoberana.org/3/destacados/dic2007/racismobolivia.pdf
2)ラ・プレンサ紙記事
http://www.laprensa.com.bo/noticias/26-12-07/26_12_07_poli1.php
3)国連のプレスリリース  
http://www.unhchr.ch/huricane/huricane.nsf/view01/979C00F41AE72858C12573AD002B38C2?opendocument
  
1) Reflexiones y conclusiones de Rodolfo Stavenhagen, Relator Especial sobre los Derechos y las Libertadas Fundamentales de los Pueblos Indígenas, presentadas en conferencia de prensa en la Cancillería de la República de Bolivia el 7 de diciembre de 2007
  ここではポイントのみに絞って紹介します。

-ボリビアは多民族国家であり、人口の62%が先住民族である。36の先住民族(Pueblos o naciones indigenas)がおり、高地にアイマラとケチュアが集中し、東部低地には数多くのより小さいコミュニティが存在する。
-ボリビアでは2005年に歴史上はじめて先住民族の大統領が選出された。
-最初の政策として、先住民族担当省を廃止した。先住民族への対応は横断的な課題となり、大統領府がコーディネートしている。またモラーレス大統領は大臣や副大臣を含め、先住民族の政府機関への任命を促進した。
-2007年10月には先住民族の権利宣言を国内法として定めた。また立憲議会の新憲法草案では先住民族の自治の枠組みで先住民族の権利についての条項が多々盛り込まれている。
-植民地期から続く先住民族の人権の侵害はいまだ続いており、適切な対策が必要とされている。
-オルロ及びポトシにおける鉱山開発による環境汚染が先住民族コミュニティの生活に影響を及ぼしているとの告発を受け取った。
-少し前まで大農園のもとで囚われの生活を送っていたグアラニのコミュニティも訪問した。いまだ2000近くの家族がそうした状況に置かれているとのことであるが、最近政府がグアラニの家族を解放する政策をとったのは正しい方向性である。
-高地ではミニ・フンディオあるいはスルコ・フンディオ(訳注:小規模土地所有からSurco/畝サイズまで小さくなっているという意味)のコミュニティは政府の地域開発の政策の受益者となっている。
-東部低地ではこれまでの政権の経済政策の恩恵を受けて、巨大な私的所有が形成され、林業、畜産、商業的農業生産を行っているが、この政策によって先住民族の人権侵害、コミュニティとの対立が生み出された。
-土地所有権の確定プロセスとコミュニティの土地登記は先住民族コミュニティの伝統的な土地を回復させる事が出来たが、いまだ不十分である。
-先住民族人口の社会開発、人間開発指数は、非先住民族人口と較べて未だ低いレベルにおかれている。
-これまでの政権で二言語通文化教育の規定が定められているが、いまだ不十分である。
-司法の場における先住民族の不利益が見られる
-関係当局や非先住民族社会の中での先住民族女性に対する差別の告発が多々ある。
-最近のスクレでの衝突におけるマスメディアの報道にも先住民族に対する人種差別的表現を確認した。
-ボリビアの政治的紛争が人種差別の現出につながることを憂慮している。人種差別は人類の害悪であり、人権の原則に反するものである。
-先住民族の社会運動は、その権利や参加において近年その成果を上げつつある。しかし抑圧や暴力の告発を先住民族組織のリーダーから受け取っている。
-立憲議会の場も先住民族に対する人種差別表現の舞台となっているとの苦情を聞いている。
 La Paz, 7 de diciembre de 2007

当ブログの関連記事
-ボリビアで先住民族に土地引き渡し
  http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/11/post_3098.html
-先住民族の権利宣言採択に関連して中南米より
  http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/11/post_806a.html

2)  “Los indígenas sufren seis tipos de abuso en Bolivia”
  http://www.laprensa.com.bo/noticias/26-12-07/26_12_07_poli1.php

2週間の視察でボリビアの先住民族の状態をどのように見ましたか?

 繰り広げられている政治的な紛争によって非常に心配な状況にあります。不安定な展望の中で、発言は非常に暴力的なものとなり、お互いに斥けあう状況は危機的なものです。
 先住民族の状況については、こうした対立が先住民族に対する差別的な感情を表出する機会となっていることを心配しています。多くの証言を聞きましたし、先住民族の立憲議会の議員、女性に対しても、殴ったりという身体的な暴力を振るっている映像もみました。私が受けた多くの苦情は先住民族と活動している市民組織からのものでした。経済的・政治的な権力構造と結びついている一部の地域住民が、人種差別的な見方を持って、民主主義と尊厳のための闘争を続けている社会運動を貶めようとしているのです。こうした要素は民主的な共生という全ての国々に必要とされている原則に反するものであり、政治的な差異を、受け入れがたいレベルの問題としています。こうしたものは民族的な差別、人種的な差別と結びついています。先住民族ですからと、異なる言語を話すからと、肌の色が異なるから、身に纏うものが異なるからという理由による差別なのです。21世紀において、民主的な社会にこうした差別が許容される場所はありません。
 
—この国の最大の問題は何だと考えますか?

 場所ごとに問題は多様でした。土地問題については大きな遅滞があるようです。土地所有権の確定手続きはまだ問題を解決出来ていません。いまだに存在する、東部や北部アマゾン地域における大規模なラティフンディオの存在は、伝統的テリトリーと平等な土地所有を要求する先住民族コミュニティとの間に紛争を引き起こしています。先住民族は歴史的な要求として、また日々の生存のために、そうした権利を要求しています。そこで日々の尊厳ある生活のために生産し、稼がなくてはならない先住民族と大地主、大牧場主、企業家、林業家との間に紛争が起きています。こうした紛争は近年増加しつつあり、早急な解決が必要とされています。現政権は、利潤のためではなく、生存のための手段として土地を求めている先住民族の積み重なる要求を満たしうる現実的かつバランスの取れた解決を探していると信じています。大半の先住民族は大きな貧困レベルの中に生きており、生存のために、食べていくために土地を必要としています。他の雇用の機会は限られています。ですからこうした要求があるのであり、その要求は対応されなくてはなりません。
 更に、先住民族の文化的アイデンティティーは歴史的に土地と、アンデス先住民族のいうパチャママと結びついています。土地は文化の一部です。高地では、「こんな土地は何の役にも立たないから」、土地を離れるようにと言われますが、人々にとってそこが自分たちの土地であり、その土地を良くするための支援を求めるのです。一方、土地が豊かな東部では、開発のための政策が求められます。
 二つめの大きな問題は鉱山開発による被害で、オルロやポトシで見られるものです。そこでは環境の悪化が鉱山近郊のコミュニティの生活に被害を及ぼしています。金鉱山近くの村を訪問しましたが、そこの先住民族は、多国籍企業に採掘権が認可され、川が汚染されてしまいましたが、何も省みられていないと訴えていました。一方、鉱山側は社会的な投資でコミュニティを支援する計画があると言っています。これまでの被害を把握し、将来の被害を避けるために尽力する必要があります。ボリビアでは鉱山は歴史的にも重要な経済活動であり、また今日、国際価格の高騰から、鉱山業への関心は非常に高くなっています。しかし環境を破壊し、先住民族の利益を軽視した鉱山開発を続けることは出来ません。先住民族の権利を尊重しなければなりませんし、また先住民族が鉱山開発に参画していくということも考えなくてはならないでしょう。

-農村部での大地主による侵害の告発があるとの話ですが、この問題をどう見ますか?

 先住民族の社会運動に対する抑圧があります。運動のリーダーは大地主側の暴力を受けています。事務所が焼かれ、コンピューターが盗まれ。責任者は先住民族が組織することを好ましく思わない一部の反対勢力です。人権擁護者がその職務を遂行する権利を有することは国連の国際的な規範にも定められています。こうした権利を侵害することも、民主的な共生に害を与えるものです。

—先住民族と多国籍企業との間の緊張関係についても警告していましたが?

 多国籍企業と先住民族との緊張も高まっています。ホヤの金鉱山では、近隣のコミュニティーとの問題を確認しました。またブラジル、ペルー、ボリビアに影響を与える恐れがあるアマゾン地域のマデラ川流域における水力発電計画を巡る紛争も高まりつつあります。この巨大な建設計画では、三カ国の先住民族が打撃を受けるのです。ガスや石油の採掘でも同じような事件が発生しつつあります。これらは政府と社会に対して、一つの挑戦を提起するものです。それはいかなる開発プロジェクトであっても、先住民族が存在していくための諸権利の尊重していくことを要求しているのです。先住民族は発展を望んでいないのだと、断言する人もいます。しかしそうではありません。先住民族も発展を望んでいるのです。ですが、その決定に参加し、利便を享受することを望んでいるのです。巨大な多国籍企業にとっての発展と、先住民族コミュニティが望むものは同じものではありません。国の発展について語るときには、まず最初にその国の住民の権利を考えなくてはなりません。何千キロも離れた多国籍企業の本社の利益ではないのです。このことは、人権と参加の保障に基づく持続的な開発を考える際の基盤です。これは国連がボリビアで、そして他の全ての国で進めつつあることなのです。

—ボリビアでは、世界でも唯一の経験が進みつつあります。しかしエボ・モラーレス大統領が就任して2年になりますが、問題は続いています。ボリビアの先住民族に関する国連の報告官としての提言は?

 問題は複雑ですが、まずボリビアの人々が自らその解決策を見いだすことが必要です。私の使命はボリビアにおける先住民族の状況を調査することに限られています。私たちは先住民族がこの変化のプロセスに積極的に参加していることを確認しました。国や県、そして地方の組織との集まりにおいても、現政権によって代表されていると感じている人々の声を聞くことが出来ました。もちろんいくつかの違いもあるでしょうし、あれこれ不満もあることでしょう。しかし皆、このプロセスにアイデンティファイして、前に進もうとしているのです。
 しかし同時に、反対勢力の態度にひどくやりこめられているようにも感じています。こうした論争の中で、先住民族を貶め、プロセスから排除しようする行為の一環として人種差別が現れ、ひどい言葉で先住民族の参加を意味のないものと見下しています。こうしたことは被害を受ける側と害を及ぼす側だけではなく、ボリビア社会全体にとって嘆かわしいことです。単に民族性から、また征服以前から何世紀にもわたって使ってきた自分たちの伝統的な言語を用いているからといって、他の住民から貶められるというのは非情なことです。こうした国の見方は変えられなくてはなりません。政治的な違いというのはどこにでもあるのです。ですからこそ選挙があり、議会があり、裁判所があるのです。それが平和的な移行を可能にするのです。しかし紛争に伴う言葉による暴力にはとても心配になります。人々を統合するのではなく、更に分離していくのです。人種差別への闘い、政治的参加、公共サービスへのアクセス、住民としての権利の承認、こうした権利への闘いの中で、先住民族への尊重についてより根本的に取り組んでいく必要があります。
 たとえばコカの葉について考えてみれば、コカインや麻薬商人への対策としてコカを禁止しようという国際的な枠組みがあります。しかし文化的なコカの葉の使用は、麻薬商人と何も関係がないのです。先住民族にとってコカは伝統的に用いられてきたものであり、象徴的、儀礼的な意味を持つとともに、日々の生活でも利用されてきたものです。コカは誰にも害を与えてこなかったし、既に科学的に証明されているように、コカの葉を噛むということは何も害を引き起こしません。しかし、国際条約はその使用、流通、生産面積を制限しているのです。その一方で人口は増加し、コカを医薬品として利用し、流通させようというプロジェクトもあるのです。しかし現在の麻薬取引と結びつけた国際環境は、コカを生産し、消費してきた人々の必要性を省みることはないのです。この問題が、当初コカ生産者の擁護者であったエボ・モラーレス大統領の登場に結びついているのです。この問題は社会的、文化的なプロセスであり、そのように解釈されるべきであり、犯罪や治安の問題として考えられるべきではありません。ほかにも様々な先住民族の必要性や要求、文化がボリビア国家の本質的な要素であると認められる必要があります。差異があれば、それは民主主義の枠で解決されなければなりません。

—エボ・モラーレス大統領はボリビアの「先住民族問題」を解決することなく、平和で、皆のための持続的な開発を保障する国を得ることは出来ないと言っています。しかし「他の国」は彼のプロジェクトは全てのボリビア人、特に反対勢力を含んでいないと言っていますが、この紛争をどのように見られますか?

 いくつかの先住民族組織の中には、逆差別の態度を持っているところもあるかもしれません。私たちを貶め、差別するのであれば、私たちも彼らを拒絶しますと。ですが、ボリビアの主要な先住民族組織のリーダーと対話の中で、「私たちは復讐心を持ってはいない、一つの国を、包摂的な国、皆のための国を、求めているのです」、「長い間私たちを貶め、差別してきた人々を含め、平和に共生できる国を求めているのです」、「彼らは私たちを必要としていますし、私たちも彼らを必要としている」という声を幾たびとなく聞きました。「先住民族は対話を求め、紛争を解決するメカニズムとして立憲議会を必要としている」、と言っています。

-ボリビアでは既に法律となっている先住民族の国連宣言に定められている「自決権」について、国連憲章に定める国家の領域的統一性の原則を破らないようにするにはどうすればいいのでしょう?(「自決権」の「」は訳者による)

 これは「自決権」をどう解釈するかによるでしょう。「自決権」とは普遍的な概念で、単に、ある個人、社会的グループ、家族、氏族、民族が、どのように生き、組織し、また自然資源との関係を定める、という自由を有するということです。この原則は、国家にこうした生き方を尊重することも要求しています。現在の複雑な世界の中で、様々な利害があります。移民や、都市化の進むところがあり、水力発電や観光開発、空港などの巨大プロジェクトがあり・・・こうした中にもテリトリーと「自決権」の行使は関係してきます。ですから多くの場所で、またボリビアでも、「自決権」はローカルな自治の形で行使されるとものだと話されています。
 「自決権」の要求は分離主義であり、「自治」は国の一部を奪い取り、他に行くことだと考えられていて、実際に世界のいくつもの場所でそれは起きましたし、起きつつあります。国家がそれに対して憂慮するのは正当なことだと思います。誰も一つの国が分裂することは望んでいないでしょう。私たちは既にコソボやユーゴスラビアで深刻な虐殺を招いた紛争を目にしているのです。誰もそのようなものは望んでいないでしょう。先住民族もサンタ・クルスの人々もボリビアでそのようなことが起こることを望んではいないでしょう。ですが、先住民族の人権として自治の権利は存在するのです。先住民族はその決定の主体であることを望んでいますし、同意なしに、何をすべきかを言われたいとは思っていません。
 誰かが地域的な自治あるいは県レベルの自治を要求し、別の者が自治体レベルの自治を要求すれば、先住民族は先住民族としての自治を要求するでしょう。これからは、どのように自治を行使するか、そのことがどのような法的・政治的・経済的・地理的な意味を持つのかを見定めていく必要があります。私たちはメキシコでサパティスタ運動の生起以来、それを見てきました。そこは交渉しなければならないものなのです。それはロシア人形のような現象です。一つを開ければ次のが出て、そこからまた次、と続くのです。最終的にそれぞれは自分の回りの1メートル四方の自治になってしまいます。
 しかし自治は共生という問題を解決してはくれません。自治や自決権は寛容と他者への尊重の中で、平和的、民主的な共存という基本原則の枠組みの中で行使されなければなりません。もしこの原則が受け入れられたならば、自治は大きな問題を伴うことなく行使されることでしょう。

—ノーベル平和賞受賞者のリゴベルタ・メンチュウはボリビアで、先住民族の国連宣言は国家の義務ではありませんので、次の目標はこの文書を条約にすることだと言っていましたが、このプロセスをどう考えますか?

 国際的なシステムの中に二種類の文書があります。宣言は、誠実な意図のもとで行われる表現です。先住民族宣言で行われたように国家は総会にて署名をします。宣言は、注意深く交渉され、権利でだけではなく義務も定めた条約へと変化することが出来ます。条約は議会で批准される必要があります。批准されれば、拘束力を持ち、国家はその規則を遂行する義務を担うことになります。一般的には宣言は拘束力を持たないとされています。しかし人権に関しては別です。人権はその他の全ての利益に優先するのです。これは人権のための文書であり、全ての国連加盟国は人権に関する国際法を遂行する義務があります。先住民族に関する宣言は既に国際法文書なのです。こうした点から、全ての国家は人権に関わる国際的約束事の一つとして、この宣言を引き受けていく、法的ー技術的、政治的、道義的義務を負っているのです。
 ボリビアは、世界で初めて、この宣言を採択し、国内法に転換しました。ボリビアは国際条約を待つのではなく、議会でそれを批准しました。ボリビアは道を示したといえるでしょう。批准することも、宣言を国内法にすることもできるのです。これによって国家はそれを遂行する義務を有します。この先、どのようにそれを履行し、適用していくのかは容易いことではないでしょう。しかし現実のものにするための法的整備、制度的変更のための規範的なプロセスへ道は開かれたのです。他の国がこのボリビアの例に続くことを期待しています。

—世界には3億7千万人の先住民族がいますが、グローバリゼーションの中での先住民族グループの脆弱性の問題をどう考えますか?

 これは大きな、永続する挑戦です。世界的な動きは世界中の先住民族にとって好ましい方向に向かっているとは言えません。炭化水素資源の開発、鉱山開発、巨大プロジェクト、ラテンアメリカや東南アジア、アフリカの先住民族に残されたテリトリーへの侵略など。先住民族の手にわずかに残されたものが、日々失われていく危険があるのです。この危機に対して、近年先住民族の権利回復運動は大きな力を持ってきました。先住民族の権利宣言もこうした運動の成果であり、また先住民族の権利の擁護のための重要な文書となります。しかしボリビアで進みつつあるような政治的参加も不可欠です。先住民族と他の住民セクターや政府との連携も。もし政治的な意志が存在しなければ、全ての人権規約に批准したところで、先住民族に利益をもたらすことはないでしょう。

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アマゾン地域の大規模水力発電計画と先住民族

 ブラジル・アマゾン地域に計画されている巨大水力発電ダム計画がブラジル、ボリビア、ペルーの先住民族の生活に被害をもたらす危険性が指摘されている。
 ブラジルのRio Madeira(Rio Madera)に計画されている水力発電ダム計画に、ボリビアの先住民族組織が反対の声をあげています。ボリビアの先住民族組織は米州人権委員会に予防措置を求めて提訴。
 まだ詳細を調べていませんので、サイトの紹介のみ

1)  Pronunciamiento de la región Amazónica de Bolivia en torno a las represas proyectadas sobre el Rio Madera
  http://www.constituyentesoberana.org/info/?q=rio-madera-inundacion-agua
2) Bolivianos protestan contra las represas en el Río Madera
 http://www.portaldelmedioambiente.com/2007/12/19/bolivianos-protestan-contra-las-represas-en-el-rio-madera/
3) Pueblos campesinos de la Amazonía boliviana demandan al Gobierno de Brasil
 http://www.biceca.org/es/Article.636.aspx
4) Brasil: desplazados por la represa
 先住民族に焦点を当てたものではありませんが、移住を強いられる人々へのインタビュー ビデオ
 http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/multimedia/video/newsid_7154000/7154146.stm

関連情報へのアクセスとして次の2つのサイトが重要です。
●  FOBOMADE Foro Boliviano sobre Medio Ambiente y Desarrollo
    http://www.fobomade.org.bo/index1.php
    次の文書もあります。
El Norte Amazónico: Entre el aislamiento y la globalización
    http://www.fobomade.org.bo/rio_madera/doc/libro/rio_madera_bolivia_.pdf

 BICECA
    米国のBank Information Center のプロジェクトとして、南米地域インフラ統合イニシアティブ(IIRSA)などの巨大プロジェクトのモニタリングを行っている。(英語での情報もあります))
    そのサイトでRio Madeiraの情報も集約されている。(下記サイトからBibliotecaのリンクに入る)
Megaproyecto: Conjunto de Sub-proyectos Complejo Rio Madeira
http://www.biceca.org/es/Project.Overview.138.aspx
またComunicados de Prensaに諸団体の声明文もあり。
 http://www.biceca.org/es/PressReleases.aspx


 地図は http://www.biceca.org/es/Project.Overview.138.aspxより転載

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/01/22

NAFTA 発効から14年

 NAFTA 発効から14年

 2008年1月で、北米自由貿易協定(NAFTA/TLCAN)が発効して14年になり、農産物に対して例外的に認められていた取り扱いが撤廃され、農産物貿易が完全に自由化されました。
 既に昨年のメキシコにおける主食であるトルティージャ価格の高騰をはじめとして、世界的な穀物価格の高騰など、農産物貿易は世界的に不安定化しています。こうした中でNAFTAの結果を改めて見直し、食糧安全保障にあり方について考えていきたいと思います。
 とはいえ、インターネットでざっと情報を探してみましたが、大変な作業になりそうなので、ぼちぼち手を付けられるところからやっていきます。
 今回はサイト紹介並びにレポートを一つ紹介の予定。

1)サイト紹介  La Jornada del campo #1 から#4
メキシコのホルナーダ紙の増補版で、昨年10月から月一回のペースで発行されています。
#1  http://www.jornada.unam.mx/2007/10/10/delcampo
#2  http://www.jornada.unam.mx/2007/11/13/delcampo.html
#3  http://www.jornada.unam.mx/2007/12/18/delcampo.html
#4  http://www.jornada.unam.mx/2008/01/15/delcampo.html

2) bilaterals.org
 このサイトは自由貿易協定に批判的な立場から様々な国や地域における自由貿易協定に関するレポートなどが投稿されています。 この中でNAFTAも取り上げています。
http://www.bilaterals.org/rubrique.php3?id_rubrique=14

3) メキシコにおける食糧主権キャンペーンサイト トウモロコシなくして国はない。
 la Campaña Nacional en Defensa de la Soberanía Alimentaria y por la Reactivación del Campo “Sin maíz no hay país y sin frijol tampoco; pon a México en tu boca”
 http://www.sinmaiznohaypais.org/
 
4)TLCANの14年とトルティージャ危機 Ana de Ita、 Catorce años de TLCAN y la crisis de la tortilla (anotado)
  http://www.ircamericas.org/esp/4721 (2007/11/11)
英語(http://americas.irc-online.org/am/4879
 このレポートでは、14年間におけるメキシコ農業の変容特に、農産物貿易の変容について整理するとともに、2007年のトルティージャ危機について分析している。
(1)TLCANによって米国との農産物貿易は拡大したが、農業セクターは期待されたほど成長していない。
(2)第一次産業就業者人口は急激に減少し、1991年の820万人から2006年の610万人まで減少。(就業者人口中の26.8%から14.6%へ減少)都市部への人口移動が発生。
(3)メキシコからの輸出の73%はトマト、野菜、豆、果物、牛で占められている。(しかし生産者数は穀物生産者と較べて少数である)
(4)メキシコの輸入産品はトウモロコシ、大豆、油糧作物、ソルゴー、小麦、米、綿花が60%を占めており、特にトウモロコシの輸入量の伸びは著しい。
(5)食品については、輸出品はビールとテキーラでそれぞれ26%と10%を占め、その他野菜や果物の加工品が続く。その一方、畜産物を始め、多様な食料品の輸入が拡大している。
(6)食料品を統制してきた国営企業が廃止されたスペースを米国資本を中心とする多国籍企業が占めている。国境の両側において米国系の多国籍企業によって穀物の取引が支配されている。
(7)外国資本の直接投資が進み、食品加工業、製粉業、食肉分野などで米国系の多国籍企業の支配が進む。
(8)メキシコの穀物の海外依存が高まり、米国の輸出先としてメキシコはトウモロコシでは日本についで第二位、小麦、大豆は第三位の位置を占めている。
(9)トウモロコシ生産農家の作付けの転換は進まず、競争力がないと見なされていたはずのトウモロコシの生産量は増加傾向にある。これは実現可能なオータナティブが欠如していることにもよるであろう。
(10)1990年の規制撤廃以降、飼料向けのトウモロコシ輸入量が増加を続ける。
(11)穀物流通の寡占化が進んだことで、トウモロコシ及びトルティージャ価格に対する企業の影響が拡大している。
(12)メキシコで消費されトルティージャの49%がトウモロコシの粉から生産されるが、この市場の73%を一社が独占し、残りに3社が参加している。またこうしたトルティージャのほとんどが大規模小売店を通じて流通している。
 

---ここまで見てきたように、自由貿易協定の中で、米国への穀物の依存、巨大企業の市場支配が強まったことがわかります。また極めて重要な食糧穀物であるトウモロコシが今後、国際市場と更に強くリンクしていくことも想定されます。メキシコではトウモロコシの生産量が維持されている一方で、増加する都市住民は国際市場に振り回されることになっていくのでしょう。
 このように自由貿易で生み出されたのは、公平な相互依存関係ではなく、力の偏在のもとで、米国企業の穀物戦略の枠組みに取り込まれた従属関係といえるでしょう。大規模生産者のトウモロコシは必要に応じて国際市場に吸い上げられ、また消費者は購買力と関係なく、国際市場の定める価格でトウモロコシを買わざる得ない時代に向かっています。
 ですが、まだまだ存在する中小のトウモロコシ生産者を基盤として食糧主権の確保を進めることも可能なのではないでしょうか。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2/16 第1回「グァテマラの和平協定11年と先住民族の権利 」

 連続学習会「先住民族・マイノリティにとって和平協定は希望か?」 ―
「グァテマラの和平協定11年と先住民族の権利 ~なぜ和平協定は履行されないのか~」
1.グァテマラ和平協定は先住民族の権利を促進したか?
2.資源開発と先住民族の権利
日時:2月16日(土)午後2時~午後4時
場所:東京麻布台セミナーハウス 中研修室
   地下鉄日比谷線神谷町駅(E1出口)徒歩3分、都営三田線御成門駅徒
   歩10分、都営大江戸線赤羽橋駅徒歩8分
地図:http://kenshu.e-joho.com/azabudai/map.html

中米・グァテマラでは1996年、36年の長きにわたった内戦が終結、計11の和平協定が結ばれました。協定は内戦中の虐殺・人権侵害の真相究明、内戦の原因ともなった著しい社会経済的不平等の是正、民主化促進などのほか、国の人口の多数派を占める先住民族の権利とアイデンティティの促進を謳い、先住民族にとっては権利回復、自治・自決を目指す絶好の好機と思われました。しかし、和平協定から11年を経たにも関わらず、その履行は遅々として進んでいません。協定を梃子に権利獲得をめざす先住民族の運動は、人種差別的な中傷キャンペ
ーンや活動家への脅迫・殺害など、あからさまな妨害を受けてきました。また, 協定後に次々と始まった資源開発プロジェクトによって、先住民族の生活そのものが脅かされる事態になっています。グァテマラの和平協定がなぜ履行されないのか、履行を阻む国内的、国際的要因とは何か。グァテマラの先住民族コミュニティへの支援を続けてきた発題者の報告を手がかかりに考えて行きます。

日時:2月16日(土)午後2時~午後4時
場所:東京麻布台セミナーハウス 中研修室
   地下鉄日比谷線神谷町駅(E1出口)徒歩3分、都営三田線御成門駅徒
   歩10分、都営大江戸線赤羽橋駅徒歩8分
地図:http://kenshu.e-joho.com/azabudai/map.html
主催:ジュマ・ネット
内容:第1回「グァテマラの和平協定11年と先住民族の権利 ~なぜ和平協定は
履行されないのか~」
1.グァテマラ和平協定は先住民族の権利を促進したか?
2.資源開発と先住民族の権利
講師:
藤岡美恵子(反差別国際運動グァテマラプロジェクト/法政大学非常勤講師)
青西靖夫(開発と権利のための行動センター)
コーディネーター:中野憲志(先住民族・第四世界研究)
参加費:毎回500円(ジュマ・ネット会員は無料)
事前申込み:必要

問合・申込先:ジュマ・ネット
〒110-0015 東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル5F
TEL:03-3831-1072 Email:office@jumma.sytes.net
URL:http://jumma.sytes.net/

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2008/01/17

グアテマラへようこそ メールマガジン39号発行

グアテマラへようこそ 39号発行 新大統領就任他
 開発と権利のための行動センターでも協力しております、「グアテマラへようこそ」のメールマガジンが発行されました。
 グアテマラのニュース、HPの紹介などを掲載しています。
 関心のある方は是非こちらから購読をお願いします。バックナンバーも読めます。http://homepage2.nifty.com/Guatemala/index.htm
  グアテマラへようこそ ●目次●
●1 グアテマラ短報
1-1 アルバロ・コロム新大統領就任
1-2 パナバフのスタン被災者にやっと移転先提供
1-3 グアテマラの「穴」は日本と関係がある?
●2 イベント情報 2月16日(土曜日)
グアテマラ関係勉強会の計画
●3 情報あれこれ
3-1  織物作家の小林愛子さんのホームページ紹介
3-2  映画『線路と娼婦とサッカーボール』 上映拡大!
3-3 開発と権利のための行動センターのブログから
 本文はこのサイト左の「関係リンク」の「グアテマラへようこそ」で読めます。
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2008/01/16

グアテマラ新大統領就任

グアテマラ新大統領就任

 1月14日、グアテマラの新大統領アルバロ・コロムが就任しました。
 その就任演説が次の政府サイトに掲載されています。
  http://www.guatemala.gob.gt/noticia.php?codigo=371&tipo=1
 そこから一部抜粋、抄訳を行いました。

 グアテマラに新しい時代が、ついに変化と変革の時代がやってきたのです...50年間ではじめて社会民主主義にむけての変化の時代がやってきたのです...  グアテマラは魔法の国です。この108千平方キロを23の民族、23の文化、23のビジョンで共有しています。また農業、林業、観光、工業、民芸、文化、水力などでも大きな潜在力を有しています。政治を行うとは、選択し決定することではありますが、私は、為政とは奉仕すること、連帯の意識をもって適切に奉仕すること、謙虚さを持って奉仕することだと確信しています。
 変化ははっきりとした優先度を持って始まります。持たぬ人たちのためです。国家的統一を維持し、すべてのグアテマラ人の平等は維持しつつも、今日から、貧困な者たち、そして機会を持たなかった人たちの特権が始まるのです。これはこの9年間の希望のための計画の中で生み出された約束なのです。持たぬ者に与えることで、皆がより多く持つことができ、国は潜在力をより享受することができるのです...
 グアテマラはこうした変化にふさわしい国です。そうしたポテンシャルを持っています...私はこの背中に歴史を感じています。50年間の様々な取り組みの重み。そこにはいまだ傷口から血を流し続けている邪悪な戦争も含まれています。25万人がこの戦争で失われてしまったのです。非寛容、不平等、差別、連帯の欠如、こうしたものをこれから直していかなくてはなりません...
  (以下、取り上げられている事項を箇条書きにしています)
---生産性プログラムでは、雇用創出、国内外からの投資促進、企業家が社会的責任を果たしながら投資を進めることが重要。
---司法制度の強化。統合的治安対策。警察の領域的な展開の見直し。しかし治安対策、司法制度強化も、社会開発政策の成功無しには成果は見込めない。空腹を抱え、機会を奪われた人々がいる限り社会的な平和を得ることは難しいと考えている。
---国民対話。国民対話を進め、その後教育や財政、農村開発、先住民族などのテーマごとのテーブルを設置する。
---農村部の小規模生産者、都市の中小企業の支援を進める。
---ペテンのミラドール遺跡を中心としたプロジェクト推進(メキシコとの2ヶ国公園プロジェクト) 
---安定的財政政策の確立
---違法蓄財に対する処罰を法制化
---老人、子ども、障害者などを守るための尊厳法の促進
---連帯プログラム:女性、子ども、障害者、若者などの支援。
   全ての農村部の子どもが学校に行けるように。
   働く女性、母子家庭の支援
         無料の保健と教育サービスの提供
---環境問題、温暖化への取り組み
---先住民族:民族の調和、異なるコスモビジョンや文化の尊重。
---和平協定の履行、人権の尊重
---私的所有権への深い尊重
 
  全ての人に機会を。
 真の統合と和解を。グアテマラには23の顔があり、私はマヤの顔を持つ社会民主主義を目指しています。


1月21日 追記 
 アルバロ・コロム大統領は新大統領は就任式の演説において、貧困層のために、先住民族のために、機会を奪われてきた者のための政治を行うことを強調しています。しかしマヤの顔をもった社会民主主義という話をしていたにもかかわらず、先住民族の閣僚は文化大臣のみという現実に、コニックなどの先住民族組織からは疑問の声も呈されています。先住民族女性組織からもより公平な参加を求める声が出ています。
 更にはこの唯一の先住民族出身大統領へのインタビュー記事が掲載されていましたが、企業家であり、ここ14年間ヨーロッパに居住していたというヘロニモ・ランセリオ氏の発言からは、グアテマラの最大の挑戦である多文化・多言語社会の構築に向ける意気込みを感じ取ることも残念ながらできません。
 一方、企業家偏重、投資の重視も危うさを感じさせるものがあります。選挙戦に資金的バックアップをしていたというアレッホス家はいくつもの要職につき、また企業家との集まりにおいては、イシュカン地域のダム建設を進めている投資家に非常に好意的な発言を行っています。更に新環境大臣は、就任早々、温暖化対策の一環として水力発電ダムの建設を進めることに積極的な発言をしています。
(既にミラドールの遺跡公園計画には、環境団体などから疑念の声がでていますが・・・)
 コロム政権が「社会的?」な顔を持った民間資本重視の「合理的」開発主義路線を走りすぎて、「マヤの顔」や「参加」という手間と時間のかかる新しい「民主主義」の構築を軽視することがないことを願うものです。
 
 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/01/15

バイオ燃料曲がり角

  バイオ燃料曲がり角
 1)地球温暖化防止のかけ声のもと、ブームとなっていたバイオ燃料振興政策もそろそろ見直しの時期を迎えたようです。
 EUの環境担当委員長 Stavros Dimas はバイオ燃料促進に起因する環境問題を軽視していたことを認め、バイオ燃料に対する認証制度の導入を進める方針を示しています。(目標値の見直しに向かうのかは定かではありませんが))
  http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7186380.stm
  http://www.guardian.co.uk/feedarticle?id=722389

 *1/24追記 ちなみにこんな記事も出ています。
Europe, Cutting Biofuel Subsidies, Redirects Aid to Stress Greenest Options
 http://www.nytimes.com/2008/01/22/business/worldbusiness/22biofuels.html?_r=2&ref=science&oref=slogin&oref=slogin

  2)英国の王立協会は1月14日”Sustainable biofuels: prospects and challenges”(持続的なバイオ燃料:展望と挑戦)という報告書を刊行。バイオ燃料の振興を適切な政策に基づいて行うこと、現行の供給可能なバイオ燃料への補助金ではなく、長期的な研究に投資を進め、より低い温室効果ガスの少ないバイオ燃料の研究に投資すべきこと、また総合的な交通手段の見直し、技術革新などの必要性などを指摘しています。
 http://royalsociety.org/displaypagedoc.asp?id=28632
 ・・・しかしアフリカにせよ、中南米にせよアジア諸国にせよ、こうした特定の国の政策や経済動向の変化に振り回されない自立的な地域経済を確立していくことが必要なのでしょう・・・

3)古い仮面をかぶった新しい顔 アグロ燃料 ポスト石油社会への移行か、帝国主義への回帰か 
Rostros nuevos con viejas máscaras. Agrocombustibles: ¿transición hacia una sociedad pospetrolera o reciclaje imperialista?
 エクアドルの「アクシオン・エコロヒカ」のサイトに掲載されている報告です。2007年6月にエクアドルで開催された集会の成果をまとめたものです。
 ここでは中南米だけではなく、アフリカの事例も紹介され、また認証制度に対する批判的な検証も含まれています。 アグロ燃料はこれまでの開発のあり方を固定化し、世界的な商品の流通を強化し、南の農村部を先進国の生活を維持するための供給地として固定化し、南のエコシステムと人々を植民地的に搾取するものである。
  http://www.accionecologica.org/images/2005/transgenicos/documentos/bionuevascarasfinn.pdf

・・・土地も水も重要な資源であるにもかかわらず、長年にわたって優良な農地からどんどんつぶし、水もまた汚染され、地域によっては枯渇し。食糧生産の基盤を担っている、この土地と水をどのように利用して、十分な食糧を生産していくのか。更には無用な森林破壊と生物多様性の破壊を防ぐこと。燃料消費はまず減らせばいいだけではないのだろうか?今の無駄を省き、無駄にされているものを有効に利用し、その上で将来的に持続的燃料供給を実現していくことを目指せばいいのではないか。  現状の車社会の維持という「欲」と商機とみて儲けようという「欲」が重なり合うバイオ燃料ブームに乗るのではなく、「捨てること」、「小さくなること」を基本に物事を考えるべきではないのだろうか?Small Is Beautiful なんて言葉はすっかり捨てられてしまったみたいだけど・・・「もったいない」は生きているのだし。(1/18追記)

開発と権利のための行動センター 青西

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2008/01/12

チリにおけるILO169号条約批准への動き(3/12追記)

 ラテン・アメリカ諸国の大半が先住民族の権利について定めているILO169号条約を批准する中で、いまだ批准していないチリにおいて、批准に向けての審議が進められています。(注1)
 現在、上院の外交委員会において承認され、近々上院での審議にかけられる見込みです。(注2)しかしこの委員会での審議の中で169号条約の35条が定めている「この条約の適用は、他の条約及び勧告、国際文書、条約又は国内の法律、裁定並びに慣行又は合意に従って関係人民に与えられる権利及び利益に不利な影響を及ぼすものではない。」(注3)という条項の適用について制限をする「解釈宣言」を承認しました。
 この「解釈宣言」では35条の適用範囲を「チリ国が批准し、効力を有する条約に限る」と定めているとのことです。  これに対して、この「解釈宣言」はこの条約の精神を損なうものであり、将来的に他の国際的な宣言、特に2007年に採択された「先住民族の権利に関する国連宣言」との関係での発展的な解釈を妨げるものであるとの批判が出されています。
以上次のサイトの情報を中心に整理しました。
   http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/38417  http://www.observatorio.cl/contenidos/naveg/navTpl.php?id=20080110052922 http://www.mapuexpress.net/?act=publications&id=1046 http://www.elmostrador.cl/modulos/noticias/constructor/noticia_new.asp?id_noticia=237447
  開発と権利のための行動センター
 青西

3/13 追記:3月4日にチリ上院はILI169条約を承認したとのことである。あとは大統領による批准を待つのみ。しかし問題となった解釈宣言も付随している模様。しかしこの宣言の扱いには不透明な点が残る。
http://www.observatorio.cl/contenidos/naveg/navTpl.php?id=20080312151339
http://www.senado.cl/prontus_senado/antialone.html?page=http://www.senado.cl/prontus_senado/site/artic/20080304/pags/20080304210637.html

(注1) ILO169号条約(独立国における原住民及び種族民に関する条約)
南米ではアルゼンチン、ボリビア、ブラジル、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ベネスエラが、また北・中米ではメキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、コスタリカが既に批准しています。 http://www.ilo.org/ilolex/cgi-lex/ratifce.pl?C169 地図が次のEl Centro de Políticas Públicas y Derechos Indígenas のサイトにあります。 http://www.politicaspublicas.cl/convenio169/mapa_ratificaciones.html
(注2)次の文書によりますと、チリでは既に2000年に下院にて承認されており、上院での審議を待つだけとのことです。http://www.politicaspublicas.cl/documentos/2006_a_dos_votos_del_convenio169_inf12.pdf
(注3) 訳文はILO駐日事務所のサイト掲載の訳文によります。http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/standards/c169.htm また同じく駐日事務所のサイトでILO169号条約について解説をしていますので、関心のある方はどうぞ。 http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/feature/2006-08.htm

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2008/01/11

メーリングリストでの情報発信を開始します!

 開発と権利のための行動センターでは、今年よりブログ掲載記事をはじめとして、イベント情報などをメーリングリストを通じてオープンに発信していきます。これまでは会員限定としておりましたが、今年より会員外の方にもメーリングリストへの参加を開放します。
 ブログ掲載記事の他、イベント情報なども随時提供していきます。またメーリングリストですので、参加者の方による情報提供、またメーリングリストを通じた意見交換などもお待ちしております。
 関心がありましたら、次のサイトより登録をお願いします。
(その際、名前、住所、関心について当会のアドレスまでご一報ください 
E-mail :cade-la@nifty.com)
http://groups.yahoo.co.jp/group/grupo-cade/
 
 
 開発と権利のための行動センター
 理事 青西

*なお当会の活動の継続のための会費や寄付金も集めておりますので、是非ご協力ください。
郵便振替口座  00230-5-131472 
口座名:開発と権利のための行動センター

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地球はつながっている-バイオ燃料とアマゾン

 スミソニアン熱帯研究所のニュースでは、米国におけるトウモロコシへの補助金がアマゾンの森林破壊につながっているという記事を掲載しています。
 米国におけるトウモロコシ生産(エタノール生産に向けられる)への補助金が、大豆からトウモロコシへの作目転換を招き、このことが世界的な大豆価格の高騰につながり、そしてブラジルにおける大豆生産者の耕作面積拡大、森林破壊につながるということです。更には豊かな大豆生産者は大豆輸出のための道路開発のためのロビーイングを行い、このことも土地投機や森林伐採につながっているとのことです。
 http://stri.org/english/about_stri/headline_news/news/article.php?id=736
 http://www.enn.com/top_stories/article/28859(このENNのサイトより上のサイトにさかのぼって情報を把握)
追記:1月17日のMongabay.comに上記の記事を引用する次のような記事が掲載されています。グラフもついていますので、関心がありましたら。U.S. biofuels policy drives deforestation in Indonesia, the Amazon Rhett A. Butler, mongabay.com January 17, 2008 http://news.mongabay.com/2008/0117-biofuels.html
----------------------------------------------------------------
地球はつながっています。経済活動を通じた世界的なリンクは更に早く、そして深くなりつつあります。上の記事にある大豆はブラジルで生産され、アジアに輸出されてくることでしょう。ペルーでもアマゾン地域の先住民族組織が大豆輸出のための道路建設に反対の声をあげています。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/11/post_8985.html
 EUのバイオ燃料混合政策がアフリカでの油糧作物ブームを引き起こしていることもお伝えしました。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/12/post_ca93.html

 商売になるところに、金のなるところに、資本が動くスピードがこれまでになく速くなり、地域社会が変化のリスクや、その向かいつつある方向を的確に把握し、地域の将来のために、将来の世代のために判断を下す時間が奪われつつあるのだと思います。言ってみれば地域に存在した社会資本など踏みにじり、札束で頬をたたきながら、嵐のように押し寄せそして去っていく。
 
 また一国や一地域の政策も世界的な影響を十分に視野に入れる必要があるということだと思います。

  ----------------------------------------------------------------
さて、関連する講演会などのご紹介
(詳細はそれぞれのサイトで確認ください)
1)南北北アメリカの開発と環境
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/ias/event/lecture/07/2007-3.html
日時: 2008年1月12日(土)17:00-20:00
場所: 立教大学池袋キャンパス8号館2階8202教室
講演: 「開発と環境正義-アメリカ先住民の闘い」
     明治大学政治経済学部准教授 石山徳子
    「蝕まれるアマゾン・パンタナール-農業開発の光と陰」
     立教大学文学部教授・ラテンアメリカ研究所所長 丸山浩明
 司会: 阿部珠理(立教大学社会学部教授・アメリカ研究所所長)
対象: 学生・教職員・一般    予約不要・入場無料

2)【JICA公開シンポジウム】Amazon 森林消失と気候変動
http://www.jica.go.jp/event/080125_01.html
日時:平成20年1月25日(金) 15:00~17:30(開場14:00)
会場:JICA国際協力総合研修所 国際会議場(2階、受付は1階ロビー)
主催:独立行政法人 国際協力機構(JICA)/後援:朝日新聞社
プログラム ※日本語・ポルトガル語 同時通訳付
 基調講演「取材先で見たアマゾン森林破壊の現状」
福留功男(ニュースキャスター)
講演「アマゾンの森林消失と気候変動」
ヨシオ・シマブクロ(ブラジル国立宇宙研究所(INPE)森林衛星モニタリング上
席研究員)

要申し込み 詳細は上記サイトで


 開発と権利のための行動センター
 青西

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