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2008/01/16

グアテマラ新大統領就任

グアテマラ新大統領就任

 1月14日、グアテマラの新大統領アルバロ・コロムが就任しました。
 その就任演説が次の政府サイトに掲載されています。
  http://www.guatemala.gob.gt/noticia.php?codigo=371&tipo=1
 そこから一部抜粋、抄訳を行いました。

 グアテマラに新しい時代が、ついに変化と変革の時代がやってきたのです...50年間ではじめて社会民主主義にむけての変化の時代がやってきたのです...  グアテマラは魔法の国です。この108千平方キロを23の民族、23の文化、23のビジョンで共有しています。また農業、林業、観光、工業、民芸、文化、水力などでも大きな潜在力を有しています。政治を行うとは、選択し決定することではありますが、私は、為政とは奉仕すること、連帯の意識をもって適切に奉仕すること、謙虚さを持って奉仕することだと確信しています。
 変化ははっきりとした優先度を持って始まります。持たぬ人たちのためです。国家的統一を維持し、すべてのグアテマラ人の平等は維持しつつも、今日から、貧困な者たち、そして機会を持たなかった人たちの特権が始まるのです。これはこの9年間の希望のための計画の中で生み出された約束なのです。持たぬ者に与えることで、皆がより多く持つことができ、国は潜在力をより享受することができるのです...
 グアテマラはこうした変化にふさわしい国です。そうしたポテンシャルを持っています...私はこの背中に歴史を感じています。50年間の様々な取り組みの重み。そこにはいまだ傷口から血を流し続けている邪悪な戦争も含まれています。25万人がこの戦争で失われてしまったのです。非寛容、不平等、差別、連帯の欠如、こうしたものをこれから直していかなくてはなりません...
  (以下、取り上げられている事項を箇条書きにしています)
---生産性プログラムでは、雇用創出、国内外からの投資促進、企業家が社会的責任を果たしながら投資を進めることが重要。
---司法制度の強化。統合的治安対策。警察の領域的な展開の見直し。しかし治安対策、司法制度強化も、社会開発政策の成功無しには成果は見込めない。空腹を抱え、機会を奪われた人々がいる限り社会的な平和を得ることは難しいと考えている。
---国民対話。国民対話を進め、その後教育や財政、農村開発、先住民族などのテーマごとのテーブルを設置する。
---農村部の小規模生産者、都市の中小企業の支援を進める。
---ペテンのミラドール遺跡を中心としたプロジェクト推進(メキシコとの2ヶ国公園プロジェクト) 
---安定的財政政策の確立
---違法蓄財に対する処罰を法制化
---老人、子ども、障害者などを守るための尊厳法の促進
---連帯プログラム:女性、子ども、障害者、若者などの支援。
   全ての農村部の子どもが学校に行けるように。
   働く女性、母子家庭の支援
         無料の保健と教育サービスの提供
---環境問題、温暖化への取り組み
---先住民族:民族の調和、異なるコスモビジョンや文化の尊重。
---和平協定の履行、人権の尊重
---私的所有権への深い尊重
 
  全ての人に機会を。
 真の統合と和解を。グアテマラには23の顔があり、私はマヤの顔を持つ社会民主主義を目指しています。


1月21日 追記 
 アルバロ・コロム大統領は新大統領は就任式の演説において、貧困層のために、先住民族のために、機会を奪われてきた者のための政治を行うことを強調しています。しかしマヤの顔をもった社会民主主義という話をしていたにもかかわらず、先住民族の閣僚は文化大臣のみという現実に、コニックなどの先住民族組織からは疑問の声も呈されています。先住民族女性組織からもより公平な参加を求める声が出ています。
 更にはこの唯一の先住民族出身大統領へのインタビュー記事が掲載されていましたが、企業家であり、ここ14年間ヨーロッパに居住していたというヘロニモ・ランセリオ氏の発言からは、グアテマラの最大の挑戦である多文化・多言語社会の構築に向ける意気込みを感じ取ることも残念ながらできません。
 一方、企業家偏重、投資の重視も危うさを感じさせるものがあります。選挙戦に資金的バックアップをしていたというアレッホス家はいくつもの要職につき、また企業家との集まりにおいては、イシュカン地域のダム建設を進めている投資家に非常に好意的な発言を行っています。更に新環境大臣は、就任早々、温暖化対策の一環として水力発電ダムの建設を進めることに積極的な発言をしています。
(既にミラドールの遺跡公園計画には、環境団体などから疑念の声がでていますが・・・)
 コロム政権が「社会的?」な顔を持った民間資本重視の「合理的」開発主義路線を走りすぎて、「マヤの顔」や「参加」という手間と時間のかかる新しい「民主主義」の構築を軽視することがないことを願うものです。
 
 開発と権利のための行動センター
 青西

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