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2008/03/11

バイオ燃料:フィリピン・ミンダナオ

 PANOSのサイトによると、フィリピンで「バイオ燃料法」が制定され、通常のガソリンおよびディーゼル燃料にバイオ燃料を混合することが義務づけられたとのこと。これと並行して政府はミンダナオ島で120万ヘクタールのジェトロファ栽培を推進、また民間投資で40万ヘクタールでの栽培を見込んでいる。このバイオ燃料促進の政策を巡って、フィリピン国内で「食糧か燃料か」という点で議論がわき起こっていると伝えている。
 Food versus fuel in the Philippines (2008/30/07)
 http://www.panos.org.uk/newsfeatures/featuredetails.asp?id=1368

 上記の記事では、ジャトロファの栽培は、非食用であり、また荒廃した山地等の遊休地に植えられるのであるから、食糧との競合は起こらないと推進側は述べている。
 そこでミンダナオ島の面積(6地域計)を調べてみると、約1017万ヘクタール、うち可処分地が約413万ヘクタール、森林が約604万ヘクタール。つまり島の総面積の12%耕作地、居住地等を全て含んでいると想定される可処分地の30%に相当する面積、あるいは「森林」に含まれる面積の20%にバイオ燃料用のジェトロファを作付けするという計画ということになる。
 フィリピン統計局のデータより算出
 http://www.nscb.gov.ph/secstat/d_natres.asp 

 しかし収穫面積を見ると、米・トウモロコシ等の穀物類が約180万ヘクタール、このほかにバナナが22万ヘクタール、キャッサバが12万ヘクタール、コーヒーが8万ヘクタール、マンゴーが6万ヘクタール、ココナツが173万ヘクタールなどとなっている。これ以外にもイモ類などもあり、400万ヘクタールは既に農業的に既に利用されていると言えるであろう。
(耕作面積の統計がインターネットで見つけられなかったので、穀物類については四半期ごとの収穫面積の数値から最上位の値を利用して推計したものである)
 http://countrystat.bas.gov.ph/toc.asp?path=PX/DATABASE/FAO/DETAILS/H_LANDUSE/A_LANDU/A_LANDU.asp

 森林等に含まれている土地がどのような土地かはよくわからないが、果たしてどこから土地を確保するのであろうか?
 また仮に経済的に他の作物より収益が上がるとなったときには、アクセスの悪い山地から作付地が移動する可能性や、民間資本の参入も含め、より大規模に食用作物が転換されていく可能性は否定できない。
 
 関連情報
 Jatropha: What the public should know
  http://opinion.inquirer.net/inquireropinion/talkofthetown/view_article.php?article_id=87461
 GRAIN: Jatropha – the agrofuel of the poor?
  http://www.grain.org/seedling/?id=480

追記:軍が関与するアジアのバイオ・ディーゼル開発
 フィリピンの話に関連してインターネットで検索をしていると、どうもフィリピンだけではなく、アジア各国でバイオ・ディーゼル開発と軍が絡んでいるらしい。上記の開発計画がミンダナオであるという点で軍の戦略との関係も疑いうるであろう。ちなみにフィリピンでは2006年から軍の基地でのジェトロファ苗木生産が行われていたとのことである。
PGMA orders full-scale propagation of Jatropha plant
http://www.gov.ph/news/default.asp?i=15343
ビルマ(ミャンマー)でも
Myanmar to create biofuel plantations on 3.25 million hectares
http://biopact.com/2007/05/myanmar-to-create-biofuel-plantations.html
Military authorities to rework Jatropha project in Chin state
  http://www.khonumthung.com/kng-news/07-news-archive/feb-07-news/military-authorities-to-rework-jatropha-project-in-chin-state/

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