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2008/05/29

グアテマラ:農村部の若者の問題と地域の動き

 開発と権利のための行動センターの青西です。現在、グアテマラにてプロジェクトの調整、関連調査を行っています。行動センターのこれまでの活動とは直接の関係はありませんが、サン・フアン・コッツアルで聞いた話を紹介します。
 
 San Juan Cotzalでの問題と若者グループの活動 1 (2008/5/27 インタビュー)
 
グアテマラのキチェ県北部、イシル地域は36年間にわたる内戦の被害がもっとも大きかった地域の一つです。しかし再びこの地域を暴力が支配しようとしています。地域における”マラス”の問題です。
 グアテマラでは近年”マラス”といわれる、若者たちの暴力集団が問題となっています。マラスは中米各国にも広がっていますが、都市部だけではなく、グアテマラの農村部でも問題が広がっています。
イシル地域のサン・フアン・コッツアルでも多くの若者がマラスとして徒党を組み、グループ間での抗争での殺害事件、参加していない若者への脅迫、商店主へのゆすり・たかりなどの問題が起きています。村人はこの問題を語るときには声を潜め、あたりに目をやり、地域に恐怖による支配が再び広がっていることを感じさせます。

 サン・フアン・コッツアルの女性は次のように語っています。
 若者の暴力の問題はとても心配です。どうしていくか考えなくてはなりません。サン・フアン・コッツアルには二つのグループがあり、町のなかにグループの縄張りがあり、対立を続けています。3時、4時になると若者が集まり始めます。危なくて外に出られません。
 こうした若者グループができたのはもう15年ぐらい前になります。首都へ働きに行ったあとに、こうしたグループを組織し始めたのです。でも昔は、素手や棒でけんかをしているぐらいで、死者は出ませんでした。今はピストルが出てきます。流れ弾で死んでしまった人もいます。また小さい子どももこうしたグループに巻き込まれているのです。
 村の中でどうにか問題を解決しようという呼びかけもありましたが、人は集まりませんでした。みんなが動かなければ解決できる問題ではありません。自治体の首長も、選挙前には対策を取るといっていましたが、まだ何もしていません。

 政府広報の記事によると、2つのグループに計325人の若者が参加しており、それに対して警官は7名しかいないとのことです。また警察側は「支援がありません。村の住民は怯えて告発せず、また脅されています。人的にも足りない中でなにもできません」と語っています。
http://dca.gob.gt:85/archivo/080402/nacion_pagina_5.html  

 内戦の中で、政府軍はこの地域をはじめとして、グアテマラ中に恐怖の種をまき散らしました。政府軍による村人たちに対する拷問、処刑、虐殺。こうした歴史が現在の問題につながっていることを否定することはできないでしょう。数多くの命が失われただけではなく、多くの人々が村を追われ、また多くの子どもたちが親を失い、村落社会の、そしてまた家族の結びつきが分断されてしまったのです。


San Juan Cotzal 2 若者たちの活動

 こうした状況の中で、若者たちの教育や参加の機会を拡大し、問題の解決に取り組んでいこうというグループもあります。Coordinadora de Jovens Mayas Cotzalence por la Paz(マヤ・コッツアルの若者たちの平和のためのコーディネーター)もそうした団体の一つです。
 コナビグア(連れあいを奪われた女性たちの会)が2000年にこの地域で開始した、若者たちの社会参加を進めるための研修に参加した者たちを中心にこのグループが作られました。
 社会的な問題への意識を高め、社会的な公正、男女平等、地域の自然の保全などに取り組んでいける地域社会の将来のリーダーを育成することを目指しています。若者が、自分の生活する地域や自治体あるいは県そして国や国際的な活動に積極的に参加していけることを目指しているのです。
 またここでは「学びながら教えること」に取り組んでいます。活動の中で学んだことを、また他の若者に教え、実践することをモットーにしています。他の機関と連携して、製パンや理髪など若者が手に職をつけ、収入を得られるようにするための研修活動にも取り組んでいます
 更に親の世代に対しても、先住民族の権利を認めているILO169号条約や先住民族の政治参加の強化につながる分権化法などについての研修も行っているとのことです。

リーダーは次のように語っています。
 多くの若者たちが、どこに向かっているのか、将来の見えない日々を送っています。どこかで人生が終わるにしても、より尊厳のある生活を送っていくために取り組んでいく必要があると考えています。これ以上暴力や問題を生み出すのではなく「平和」のために活動していく必要があると考えています。もっと若者たちのスペースを広げていく必要があるのです。 
 
 この地域では若者の暴力が広がっています。5年前ぐらいからひどくなっています。多くの若者が死んでいます。2007年から2008年の今までに70人から75人ぐらいが死んでいます。イシル地域の中でもこの地域がもっとも深刻な状態です。誰が殺したのか、どう死んだのかわかりません。悲しいことにその中で多くの孤児が生み出されています。15年先には更に問題は複雑になることでしょう。どうやってこうした子どもたちの生活を支えていくのか?暴力を防がないことにはどうにもなりません。そのためには真剣な取り組みが必要ですし、様々な支援が必要です。
 私たちの文化とアイデンティティを救う必要があります。このままでは20年先には私たちの地域のアイデンティティを持った若者はいなくなってしまうでしょう。

 
 
 Coordinadora de Jovens Mayas Cotzalence por la Paz(マヤ・コッツアルの若者たちの平和のためのコーディネーター)では地域での若者に対する活動を広げていくために、1台から2台のパソコンを必要としています。パソコンは中古でもいいとのことですが、現地で新品でも1台6万円程度から購入できると思います。 
 開発と権利のための行動センターでも支援の可能性について検討していく方向ですが、有志の方でご寄付頂ける場合にはcade-la@nifty.comあるいはYHY13002@nifty.comまで一報頂ければと思います。
(6月20日までグアテマラ滞在の予定で、地方に出ることも多いので、すぐにご返事できないかもしれませんがその点ご了承ください)

追記(6/23) 開発と権利のための行動センターでも正式にキャンペーンを展開していくこととなりました
詳細はこちらへhttp://homepage3.nifty.com/CADE/campaign/cotzal.htm
 開発と権利のための行動センター
 青西 
 (帰国後に加筆する予定です)

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2008/05/22

ボリビア:グアラニ民族の状況

ボリビアにおけるグアラニ民族の状況

 4月13日に、政府職員やグアラニ民族組織の一行が、グアラニ・コミュニティの一つを訪問しようとしたところ、大農園主とその取り巻きの武装グループなどと衝突になり、多数の負傷者がでた事件について報告した。
 →ブログ記事カテゴリー「ボリビア」より探してください。

 この背景についていくつか関係資料などを含め紹介する。

 グアラニ民族は現在10万弱の人口であり、ボリビア南部、サンタ・クルス県、チュキサカ県、タリハ県にまたがるチャコ地方を中心に居住している。しかしグアラニ民族のうち少なくとも600家族あるいは7000人近くが農園主に隷属した状態-奴隷に類する状態に置かれているのである。ILOの報告書は「1950年代の農地改革までボリビアに存在していた半封建的な関係」への類似を、米州人権委員会(CIDH)の報告書は「債務によって隷属状態に置かれており、奴隷制に類似した状態」と指摘している。

グアラニ民族の農園労働者は長時間の過酷な労働に曝され、服従しない態度を見せれば体罰を受けることもある。賃金を物納で受け取り、あるいはわずかな現金を受け取っても、農園主を通じて高価格の日用品を購入することで債務に縛られる。債務がある限り農園に縛り付けられる。時には債務の支払いを通じて、他の農園主に引き渡される。子どもは学校へ行くために、農園主のもとで働かされ・・・

 これに対して「奴隷」など存在しないという声もある。先日も野党議員による「調査」が行われ、存在していないという報告を提出しているようである。しかし前述の事件の発生が示しているように、明らかに自由を奪われている先住民族が存在しているのである。法に認められた権利の履行、そのための行政当局者とのコンタクトが暴力的に妨害される、農園外部とのコミュニケーションが農園主側のバリケードなどによって妨げられることなど自体がグアラニ民族の基本的な権利が侵害されていることを示している。

 2005年のILOの報告書が書き記すように、「大農園主と地方当局者との権力関係が、囚われているグアラニ農民が政治的な支援を受けることを妨げ」、大農園主は地域の政治権力を握り、また中央政府も何もしてこなかったのである。大農園主=地域の権力者たちは、問題とされているその姿を改めてさらけ出しているにことにすら気づいていないようである。
 
農園内で囚われ、債務によって奴隷状態に置かれている農民がいることは、2005年のILOの報告書や2007年のCIDHの報告書によって明らかになったわけではない。法務・人権省も1999年には調査を行っている。しかしその調査報告書は内部の機密文書とされていたとのことである。(2005:ILO)

 こうした状況に風穴を開けたのがエボ・モラーレス政権である。2007年10月には省庁間審議会が設置され、労働条件の改善、土地供与などを含んだ行動計画が策定される。また農地改革省も、2008年に入って正式に先住民族テリトリーの確定に向けて手続きに入った。十分な社会的機能を果たしていない土地の収用を可能とした改正農地改革法などをそろえ、政治的な意志を持って動き出したモラーレス政権に対してあわてふためいているのが、地域の権力者たちである。

 しかしながら実施しているのは昨年公表されたCIDHの報告書にある勧告と並べてみても大きく異なるところはない。CIDHは「強制労働と隷属状態を根絶するために、土地所有権の承認と登記のプロセスを強化すること、農村部における労働権と社会的な権利に関するすべて柔軟な対応を排除すること」、「奴隷と類似の隷属状態と強制労働に関して、このような状況に置かれている人数や家族数の把握も含め、早急に調査を実施すること」などを勧告している。

 当たり前のことがやっと動き出した。単にそれだけの話に過ぎない。こうした中でアルタ・パラペティにおける衝突が起きたのである。土地を失うことを恐れる大農園主の暴力の前に、コミュニティに入っての調査もできない状況にある。そしてこうした反動的な大農園主の動きとサンタ・クルス県の「自治」はつながっている。旧態依然とした大土地所有制度を保持し、地下資源へ権益を確保するためには「自治」しかない。
 軍政期、特に1970年代のバンセル政権期に進められた土地分配が現在のサンタ・クルスの経済エリートの経済的な基盤を確立したといわれているが、この当時1万ヘクタールを超える土地が個人を対象に分配されている。このような中で生み出された経済構造を維持していくためには、「自治」しか残されていないのである。

 
 参考文献
Acceso a la justicia e inclusiòn social:el camino hacia el fortelecimiento de la democracia en Bolivia,CIDH-OEA,2007
Contemporary form of slavery in Bolivia, Bhavna Sharma, Anti-Slavery International,2006
Enganche y Servidumbre por Deudas en Bolivia, OIT, 2005
Los barones del Oriente El poder en Santa Cruz ayer y hoy、.Soruco Ximena 他、Fundaciòn Tierra, 2008

 新聞記事
Cautivo Guarai en el Chaco, La Prensa,2006.11.26, Dominical

サンタクルスの「自治」について次の記事などもどうぞ
En busca e un gobierno propio "Dueño de Santa Cruz", el Juguete rabioso, 6 al 19 de febrero 2008, (Fundaciòn Tierraのサイトからダウンロード可能)
4M ¿Nace un nuevo estado?, Pulso, 2008.05.11(自治推進派、反対派などが異なる視点からの分析をしている)

 開発と権利のための行動センター
 青西

(現在グアテマラにおり、インターネット上でのリンクサイトや過去の新聞記事についての情報が提供できないので、後日追記、修正します)

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2008/05/19

生物多様性条約締結国会議に向けての動き

 バイオ燃料問題、食糧価格高騰問題などのさなか、現在ドイツのボンにおいて第九回の生物多様性条約締結国会議が開催されています。
 そこに向けて様々な動きがあるようですが、追いきれませんのでサイトの紹介のみ  http://biotech.indymedia.org
 次のようなニュースにアクセスできます。関心のある方はどうぞ。
Agrofuels during the CBD in Bonn
 http://biotech.indymedia.org/or/2008/05/7078.shtml
"Round Table set to certify damaging soy"      
Tuesday, 22 April 2008  
New report published by groups from Europe, the US and South America
http://www.aseed.net/index.php?option=com_content&task=view&id=555&Itemid=1

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バイオ燃料と穀物価格

 食用作物からのバイオ燃料生産の中止またはモラトリアムが食糧価格にどの程度の影響を及ぼすかについて、IFPRIが検証。米国の上院の委員会に向けた報告が公開されています。少なくとも短期的には、米国及びEUのバイオ燃料政策の見直しが必要とのこと。

Biofuels and Grain Prices: Impacts and Policy Responses、May 7, 2008
http://www.ifpri.org/pubs/testimony/rosegrant20080507.pdf 

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2008/05/17

多国籍企業による脱税行為

 5月16日付けBBC-Mundoの記事「静かなる略奪」では、英国のNGOであるクリスチャン・エイドの報告書に基づきながら、多国籍企業によるラテン・アメリカ諸国における脱税行為の問題を取り上げています。開発途上国で企業活動を行っている多国籍企業による脱税額は1600億ドルにも上ると推測されています。
 http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/latin_america/newsid_7399000/7399284.stm

 この記事では報告書のボリビアとペルーの対比に依拠して、税率を高め(更に国有化も進めている)ボリビアと、低率に抑えているペルーの二つのモデルの違いについて取り上げています。
 
 クリスチャン・エイドの報告書「Death and taxes: the true toll of tax dodging  」は次のサイトからダウンロードできます。ラテン・アメリカだけではなく、アフリカの事例も取り上げています。
 http://www.christianaid.org.uk/getinvolved/christianaidweek/cawreport/index.aspx

またこのサイトにはその他にも興味深い報告書があります。
Power and poverty
Using the examples of Nicaragua and Nigeria, this briefing paper argues that World Bank energy policy is flawed.
http://www.christianaid.org.uk/stoppoverty/trade/resources/povertyandpower.aspx

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/05/15

グアテマラへようこそ メールマガジン 第43号のご案内

 開発と権利のための行動センターも発行に協力している「グアテマラへようこそ」のメールマガジンが発行されました。
 購読はhttp://homepage2.nifty.com/Guatemala/index.htmより。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     
           グアテマラへようこそ メールマガジン 
            2008年5月15日発行  第43号
                   発行部数:241(5/15現在)
               発行:グアテマラへようこそ@ねっと
            http://homepage2.nifty.com/Guatemala/index.htm
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 グアテマラへようこそ ●目次●
●1 グアテマラと日本をつなぐ
 私のグアテマラ 白石光代
●2 イベント案内
2-1  「先住民族サミット」アイヌモシリ2008 
2-2 7月7日/ラテンアメリカの先住民族女性の今(仮題)
2-3 講演会「マヤ諸語研究への誘い」
2-4 アイヌ、ジュマ、ビルマの先住民族とともに(6月15日)
●3 情報あれこれ
3-1 明治学院大学国際平和研究所出版物
3-2 デモクラシー・ナウのサイトのグアテマラ・ビデオ

6月15日のイベントの案内

(開発と権利のための行動センターも賛同しています)

 アイヌ、ジュマ、ビルマの先住民族とともに
~首都圏のアイヌ、滞日外国人の中の先住民族との出会い2008~
日時: 2008年6月15日(日) 午後2時~5時半
場所: 明治学院大学白金キャンパス 本館2階1255教室
東京都港区白金台1-2-37(東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線
白金台・白金高輪駅/都営地下鉄浅草線・高輪駅下車、徒歩7分)
地図:http://www.meijigakuin.ac.jp/access/index.html
参加費: 800円
主催: 6・15イベント実行委員会
後援: 明治学院大学国際平和研究所
連絡先: 6.15イベント実行委員会 6.15event@gmail.com

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開発と権利のための行動センターから

 常日頃、行動センターのブログを訪問してくださりありがとうございます。

  行動センターは、グアテマラにおける先住民族の権利の尊重に基づく開発を目指して活動を続けてきました。グアテマラでは先住民族組織をカウンターパートに先住民族の自然資源への権利の確立を目指したプロジェクトを実施中です。

 それと並行して、グアテマラの先住民族の状況にとどまらず、中南米における先住民族の状況や社会問題、環境問題、そしてそれらに対する社会運動についても、できる限り情報を収集し、発信してきました。現地での活動を続けていく上で、私たち自身が、情報を共有していく必要もありますが、そこにとどまらず外部に向けて情報を発信していく必要を感じているからです。

 日本に生活していると中南米のニュースに触れることはほとんどありません。市場経済の広がりの中で、大豆やサケやコーヒーや鉱物資源などを通じて、また日本からの様々な商品の輸出を通じて、私たちと中南米の人々のつながりは日々強まっているにもかかわらず、情報の行き来は非常に限られていることを感じます。日本で普通に生活をして、一般の新聞を読んでいても、中南米の先住民族の状況についてのニュースを目にすることなどほとんどないでしょう。

 その一方で、インターネットを通じて、中南米から、また欧米からNGOや運動体、オータナティブメディアを通じて発信される情報は、日々増え続けています。現地の状況をウオッチングする組織があり、人々の抱える問題や権利の侵害について情報を発信し、情報を共有し、それに対する共感をもとに、活動を起こしていく。国境を越えて、人々のつながりがより深まっていく可能性が広がっています。

 しかし日本の状況はだいぶ異なるように思われます。使用言語が異なるということもあるのでしょうが、現地の状況、現地の声は非常に希薄です。大手のNGOなどのサイトを見ても、現地の社会問題などの報告やニュースは限られているようです。もともと「援助」という色が強いところはさておき、そうではないと思われるところでも、国内での活動の基盤となるであろう、現地の声、人々の声は伝わってきません。どうも、一つには「大手」は、資金源ともなりやすいのであろう、企業の社会的責任(CSR)や行政向けの活動に追われ、小さいところは、自己財源を確保するために「会報」外に情報を出しにくいという実情もあるのではないかとも思います。

 情報の発信には様々なあり方があり、インターネットで情報を発信することが全てではないのはもちろんです。しかし欧米のNGOなどが、現地組織による情報発信を支援し、また現地組織と連携して現地調査を行い、報告書を公開し、そうした情報に基づきながら、現地の運動とつながり、支援を展開しているのとは大きなギャップがあるように感じます。 

 知ることから、行動へ

 上に書いたようなことを考えながら、現地の状況とともに、関係する資料やサイトの紹介などもしつつ、このブログに記事を掲載しています。少しでも情報を伝え、パイプを太くして、そして何かしらの行動につなげていくことを目指しています。しかしながら行動に関しては、現時点では当初から行っているグアテマラでの活動に限定しています。

  今後、これまでこのブログに掲載してきたような情報をふまえ、現地での調査や報告、そして何かしらのアクションを展開していきたいと考えています。参加頂ける方、ご協力いただける方、連携して現地調査を行おうという提案などお待ちします。
 具体的には次のようなテーマを現在検討しています。
ボリビアでの現地調査:グアラニ先住民族の現状と東部地域土地問題及び住民参加型保護区管理
アルゼンチン:大豆と地域農業
パナマの自然保護区また鉱山開発と先住民族

開発と権利のための行動センターの会費・寄付金口座はこちら
郵便振替口座 00230-5-131472
口座名 :開発と権利のための行動センター 


 補足: 開発と権利のための行動センターのグアテマラでの活動
<先住民族の自然資源への権利確立のためのプロジェクト> 
A)かながわ民際協力基金をうけてのイサバル県での先住民族コミュニティによ
る自然保護区管理に向けての組織強化
B)アーユスの「パートナーシップ支援」
CONICをカウンタパートとして、上記目的に対する対応能力強化を目指しています。

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2008/05/13

8月10日に国民投票で信任を問う(ボリビア)

  5月4日のサンタ・クルス県における「住民投票」の結果は、最終的に85.6%が自治憲章案に賛成するという結果になりました。しかし反対派は違法な手続きによるこの「住民投票」に対して棄権を呼びかけていたこともあり、投票率は低下し、棄権は 37.91%となりました。
http://www.corteelectoralsc.com/computo2008/
 マスメディアは出口調査の結果から、早々に85%という数字を打ち出して報道していましたが、反対派が棄権を呼びかけているのであれば、賛成の比率が高くなるのは当然であり、本来は投票率が焦点となって報道されるべきなのではないかと思いますが、そうはならない、という点にも注意する必要があるかと思います。
 政府公報であるABIは、賛成票以外(反対票、棄権、無効票、白票)は48.95%に上ると伝えています。http://www.abi.bo/index.php?i=noticias_texto&j=20080510115241lx

 また8月10日に、大統領、副大統領及び県知事の信任を問う国民投票が実施されることとなりました。この投票では不信任票が、選出時の得票数を上回る必要があり、大統領及び副大統領は1,544,374票(53.74%)を上回る不信任票が必要であり、県知事に関してはそれぞれ異なり、サンタ・クルス県では299,730票(47.8%)が必要とされています。http://www.abi.bo/index.php?i=noticias_texto_paleta&j=20080512114035

 この信任投票案は昨年末に大統領が議会に提案していたものですが、このタイミングで反対派がコントロールしていた上院を通過したのは、憲法改正案に関する国民投票の先送りを狙っているのではないかと思われます。
 また自治憲章との関係で、この国民投票の結果がどう現実に執行されるのか
更に対立を激化させる可能性もあります。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/05/10

生物多様性条約とバイオ燃料

生物多様性条約とバイオ燃料

  この5月19日から30日に、ドイツのボンにおいて生物多様性条約の第9回締結国会議が開催される。この会議にむけて「生物多様性に対するバイオ燃料の起こりうるインパクト」という報告書が準備されている。
次のサイトの41番より各国言語でダウンロード可能。 http://www.cbd.int/cop9/doc/
UNEP/CBD/COP/9/26-”The Potential Impacts of Biofuels on Biodiversity - Matters arising from SBSTTA recommendation XII/7”

 内容的には、バイオ燃料の生産・使用の生物多様性への正負の影響は多岐にわたるので、個別に、より詳細に検証される必要がある。その上で、環境にとっても、社会経済的にも適切なバイオ燃料生産を進めるための、基準や認証を進める方向を示唆している。

 注目される点としては、第二世代のバイオ燃料原料と目される草本類や樹種が外来侵入種となり、在来種を圧倒して生物多様性を減少させる危険性に言及していることがあげられる。
  またこの報告書では認証システムについて積極的であるが、例えば大豆では認証制度について反対する声もある。

-Friends of the Earth Europe がバイオ燃料に関する報告書公表
  http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/04/friends_of_the__48ea.html
- 「責任ある大豆生産」のまやかしを拒絶する
  http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/04/post_0aea.html

 開発と権利のための行動センター
 青西

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「国連先住民族権利宣言の歴史的採択」

明治学院大学国際平和研究所の紀要である「PRIME No.27」が「国連先住民族権利宣言の歴史的採択」を特集しています。
「先住民族の権利に関する国連宣言」獲得への長い道のり(上村英明)
「国連宣言採択とアメリカ大陸の先住民運動の「転回」(小林致広)
「自然資源への権利確立を目指して-『協議』から『自決』へ(青西靖夫)
 の3本の論文が掲載されています。

 私もグアテマラの話で執筆させて頂きました。開発と権利のための行動センターの会員の方(で希望される方)には青西執筆分の抜き刷りを無料で差し上げます。
 メールアドレスはこちら cade-la@nifty.com

    開発と権利のための行動センターの会費口座はこちら
 郵便振替口座 00230-5-131472
 口座名 :開発と権利のための行動センター 

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/05/03

農業政策の見直しを求める声

1)国際的な農民運動体であるヴィア-カンペシーナ(Via Campesina:農民の道 )は「食糧危機に対する回答:農民・小生産者は世界を養うことができる」という声明文を発表。
 Una respuesta a la Crisis Global de los Alimentos ¡Los/as campesinos/as y pequeños agricultores pueden alimentar al mundo!
 http://www.viacampesina.org/main_sp/index.php?option=com_content&task=view&id=507&Itemid=1
  An Answer to the Global Food Crisis: Peasants and small farmers can feed the world!
  http://www.viacampesina.org/main_en/index.php?option=com_content&task=view&id=525&Itemid=1
 
 この中で現在の食糧危機の要因として、自由化による小農民切り捨て、輸入農産物への依存、政府による市場管理の制度の解体、アグロ燃料ブーム、投機的資金の流入などの問題をあげている。
 また食糧価格高騰で利益を得ているのは生産者ではなく、投機家や大規模な流通業者であり、その一方で自由化の中で、農村部から都市部へ流入した、都市部の不安定な住民が現在の危機の被害者となっていることを指摘している。
 そこで今回の危機は市場では問題は解決できないとみなし、次のような方向を提示している。
(1)国の食糧経済の再建
-十分な食糧が得られるように貧しい消費者への援助に予算を優先的に振り向けること
-国内の食糧生産を重視し、世界市場への依存を減らすこと
-より集約的な農業が必要であるが、労働集約的な農業の重要性、また持続的な農業生産の推進
-トウモロコシ、大豆、米、小麦などだけではなく、「緑の革命」以来忘れ去られてきた在来の作物に目を向けること。
-適切な農地改革による土地分配
(2)国内価格を適正な水準に維持すべきこと。
-また生産者から消費者への直接的な売買を強化すること
(3)輸入規制を含め、国内市場価格を安定化させるための介入システムを整備すること。
(4)国内市場を安定化させるための備蓄システムの整備
(5)国際市場を安定させ、適切な価格に維持するための、介入メカニズム、備蓄システムの整備


2)食糧・農業問題に取り組んでいる国際的なNGOであるGRAINも食糧政策を大きく見直す必要を訴えている。
El negocio de matarde hambre:Es necesario cambiar radicalmente la política alimentaria ¡YA!
http://www.grain.org/articles/?id=40
Making a killing from hunger:We need to overturn food policy, now!
http://www.grain.org/articles/?id=39

 この中で、緑の革命、自由貿易の推進、構造調整という中で、アグリビジネスの活動の地盤が整備され、農作物が人々を養うためから、「商品」として取引されるようになってきたこと。そして今回の危機の中でもアグリビジネスは売り上げを伸ばしていることを指摘している。
 世銀総裁は今回の食糧危機に対して、「ニューディール」政策として「更なる自由貿易、技術、援助」を呼びかけているが、これに対して、こうした政策は既に何十年にもわたって行われてきたものであり、その結果として今日の食糧危機があるのだと批判し、下のような新しい農業政策の必要性を訴えている。
・小農民への土地へのアクセスを確保し、生計を立てられるようにすること
・儲けるために抽象的な国際商品市場に向けて生産するのではなく、家族や地域市場、都市住民のために生産する農民や漁民を支援し保護すること
・在来の、生産者の知識に基づく技術の促進
・食糧主権の確立

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/05/02

5月4日を前に懸念されるサンタ・クルスの状況

   追記 5/6 「住民投票」の結果
 既に日本のメディアでも報道されているが、出口調査の結果では自治憲章への賛成票が85%という数字が出されている。しかし反対派が棄権を呼びかけているので出口調査で賛成の比率が高くなるのは当然と思われる。現政権支持派の多い農村部での棄権が多いと思われるので、最終的な投票率は相当下がることが想定される。(しかしマスメディアでは既に85%の数字が踊っている)
 都市周辺部や農村部からは、衝突や投票妨害、不正投票などもあったようである。
 この投票を通じて、国内での亀裂、サンタ・クルス県の住民間の亀裂が更に深まったことには間違いがないであろう。

 Bolpressのサイトに、サンタ・クルスの新聞社であるEl Deberに掲載を拒否されたという、市民セクターからの声明文が掲載されています。ちょっと訳す時間がないのですが参考までに
Pronunciamiento de la sociedad civil al pueblo de Santa Cruz y a todo el paíshttp://www.bolpress.com/art.php?Cod=2008050420

 
 懸念されるサンタ・クルスの状況

 日本から遠いボリビアの話はいまだ日本のメディアではほとんど伝えられていないようだが、1年ほど生活したことがあるボリビアのサンタ・クルスの動きが気にかかっている。サンタ・クルスで進められている自治の動きは、様々な形での暴力を発現させる危険がある。既にサンタ・クルスでは、5月4日の自治憲章承認のための「住民投票」にNOを言えない雰囲気が広がっているという。
  (一部削除/2008/07/09 日本政府は4月9日懸念を示す談話を発出)

 米州機構も、この「自治」の動きが暴力的対立を引き起こし、地域を不安定にするものであると憂慮し、政府と「自治」推進派の仲介の努力を行っているが、時は刻々と過ぎていく。
 
 サンタ・クルス県の自治の推進に対して肯定的な人々の中にも、現在の「自治」推進派のやり方に疑問を持っている人たちがいる。自治は進めたい、しかし現在の自治憲章を認めることはできない、ボリビアの憲法の枠組み、つまり憲法改正を踏まえて、正統性のあるプロセスとして自治を進めたい、そうした声が存在する。もともと2006年の住民投票で支持されたのは、憲法改正に基づく自治であったにもかかわらず、憲法改正案に不満を持つ野党右派勢力を中心として現在の「自治」の動きが進められている。そして今回の自治憲章制定プロセスには、正統な手続きを踏んだ代表選出は行われていない。つまり誰かの考えた「自治」が、あたかも自治であるかのごとくに推進されている。さらには85%のサンタ・クルス県住民がこの内容を知らないという。1)

 また「自治」の背後に、土地問題への利害があることが指摘されている。「自治」推進派の中で大土地所有者、アグリ・ビジネス関係者などサンタ・クルス県の経済エリート層が重要な役割を占めている。サンタ・クルスの大土地所有は、軍政期に違法な土地分配などをもとに強化されたものであるが、民政下においても、サンタ・クルスなどの東部出身者が農業大臣を歴任するなど、経済・政治的権力を維持している。サンタ・クルス県に本部を置き、農業政策や土地政策に関する分析を行っている「フンダシオン・ティエラ」のミゲル・ウリオステ所長は、自治憲章は、県政府、実際には県知事に土地所有の規定に関する権限を集中させるものになっていることを指摘し、「自治憲章の目的は、現在の土地所有構造と非生産的なラティフンディオを擁護することにある」と断言している。また農地法を履行し土地を分配しようとしている現政権の政治的意志が、不要に対立を煽っているような点もあるが、現在の政治的対立の主たる要因となっていると分析している。2)
  土地問題は既に自治推進派と政府機関の衝突を引き起こしており、自治憲章の承認後にも、通常業務として土地政策の遂行をしようとする政府機関と「自治」派が衝突する危険がある。農地改革推進を目指す政権と反動勢力が衝突するという、20世紀の中頃のような対立が、クーデターの代わりに「自治」の姿を取って現れている。
 さらに複雑なのは民族的な対立が懸念されることにある。自治憲章は161条で「メスティーソ」であることを持ち上げ、その後に県出身の先住民族としてチキタノ、グアラニ、グアラヨ、アヨレオ、モヘニョだけに言及している。巧妙に高地からの移民である先住民族を排除し、先住民族間を分断している。しかし自治憲章の文言以前に憂慮されるのは、暴力的な傾向を持ち、人種差別的な発言を繰り広げるサンタ・クルスの若年層のグループの振る舞いであろう。
   
  5月4日の「住民投票」を強行することで、法的な根拠を欠き、国際社会から承認される道筋もない「自治」の独走が、行き場を失って暴力的な反動を強めることになるのではないか、危惧される。

 開発と権利のための行動センターでは、将来的にボリビアで活動を展開する可能性も念頭に起きつつ、現状の注視を続けている。

 開発と権利のための行動センター
 青西
1) Nuestra AUTONOMIA soñada NO ESTA en el proyecto de ESTATUTO, Santa Cruz SOMOS TODOS
(次のサイトより)
http://ftierra.org/sitio/index.php?option=com_content&task=view&id=149&Itemid=130
2) http://www.laprensa.com.bo/noticias/30-04-08/30_04_08_poli1.php
  その他ボリビア関連記事はこちら
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat1516757/index.html 

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