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2008/06/20

米州人権委員会調査報告:グアラニ民族(ボリビア)

 米州人権委員会(CIDH)が6月9日から13日にかけてグアラニ先住民族の置かれた状況に関する調査を実施。

 CIDHの調査団は債務による隷属、強制労働などについての証言を得るとともに、CIDHによる2006年11月の調査の時点より状況が悪化していることを把握。「グアラニ民族が置かれている隷属状態や強制労働は、歴史的にボリビアの先住民族や農民コミュニティが被ってきた、また被り続けてきた差別の極端な表出であると見なされる」と記している。
 またCIDHは政府の農地改革法履行への努力を認めるとともに、この法律の履行に対して、政治的・経済的に多様なセクターからの抵抗があること、更に暴力事件や拷問が行われたという話についても言及している。 その上で、政府に対して、農地改革法に基づき、先住民族の伝統的な土地・テリトリーを認め、登記の手続きを進めることを求めている。

 またいくつかの大農園が状況を改善したケース、またテリトリーの要求を前に、正当な補償も、生活の基盤のないままに農園から排除されたケースにについて、あるいはコミュニティに生活している場合でも、近隣の所有者からの圧力などで組織を作る自由や移動の自由が制限されていることを指摘している。

CIDHの調査団は紛争の舞台となったアルト・パラペティ地域も訪問し、公道における自由な移動が制限されていること、権利回復を要求する中で迫害、脅迫されている事例、またリーダーが自由にコミュニティを訪問できないなどの問題を取り上げている。
 グアラニ民族の家族が、極貧状態の中での強制労働など隷属状況に置かれ、更にはむち打ちや作物の焼き払いなどの懲罰を受けていることを指摘している。

 CIDHは国家制度の不在が免責状況を生み出し、また継続させることになっているとして、基本的な人権の行使を保証するために国家制度のプレゼンスを高めることを求めている。またボリビア国に対して、先住民族のコスモ・ビジョンや文化的アイデンティティと両立しうる政策を先住民族と協議の上で定めることを求めている。

 CIDHは「ボリビアが批准している国際法や米州人権条約において完全に禁止されてる強制労働や、奴隷に類似する債務による隷属状況がボリビアにおいて存在すること」を認め、嘆き、政府に対して根絶のために早急な対策を取ることを求めている。

 CIDHプレス・リリースより整理

 CIDH プレス・リリース
 http://www.cidh.org/Comunicados/Spanish/2008/26.08.htm(スペイン語)
 http://www.cidh.org/Comunicados/English/2008/26.08eng.htm(英語)

 BBC-Mundo Servidumbre en Bolivia  http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/latin_america/newsid_7454000/7454285.stm

 ちなみにこの報告に関し、「自治政府」がどのようなコメントを出しているのかはまだ把握していない。
 
 開発と権利のための行動センター
 青西

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