一方的な開発に対して先住民族の権利を擁護するために(グアテマラ)
一方的な開発に対して先住民族の権利を擁護するために
グアテマラでは現在、各地で多国籍企業による鉱山開発、水力発電ダム開発計画などが進んでいます。水力発電ダム中には、地球温暖化の対策としてCDM(クリーン開発メカニズム)の枠組みで計画されているものもあります。更に石油価格高騰の中で、水力発電への注目は高まっています。
キチェ県においても、イシル地域のチャフルにおけるシャルバル・ダム開発計画、イシュカンのシャララ・ダム開発計画、サン・フアン・コッツアルのパロ・ビエホにおけるダム計画などが進められつつあります。
こうした状況に対して、先住民族組織も、先住民族の権利を擁護するという視点から様々な活動が行われています。
現在、コナビグア(連れあいを奪われた女性たちの会)では、EUの援助も受けながら先住民族の権利を促進するための情報提供と対応力を強化するためのプロジェクトを実施しています。
このプロジェクトのコーディネーターであるホルヘ・モラーレスさんの話を紹介します。
<プロジェクトの概要>
このプロジェクトでは先住民族の集団的権利について、国連宣言やILO169号条約などを利用して研修を行うとともに、権利の侵害について、調査を行い、告発するという活動をしています
特に問題なのは、ダム開発や鉱山開発に際して、地域の先住民族コミュニティに対して全く情報が提供されていないことです。また開発に先立って先住民族と協議をすることが定められているにもかかわらず、協議が行われていません。
私たちは、生存するという権利だけではなく、自然資源や、長年にわたって居住してきた領域に関する権利も有するのです。そうした権利について情報を提供していく活動を大なっています。
<協議について>
開発に先立って先住民族と協議をすることが定められているにもかかわらず、協議は行われていません。グアテマラで2番目に大きいダムとなるシャララ・ダムでは、19の村が水没し、2万人が移転を強いられるにもかかわらず、政府は協議を実施していないのです。
まず協議が行われなくてはなりません。それは単に「はい」か「いいえ」かを言うものではなく、交渉であり、対話でなくてはなりません。まずどのように影響がでるのか、自然資源や社会的、文化的な影響を明らかにし、影響がある場合、文化や自然資源に破壊的な影響がある場合、どうするのか、それをコミュニティが決めていなくてはなりません。
協議とは、対話であり、まず意見を聞き、様々な考えをだし、交渉し、そして合意を形成することでなくてはなりません。
<脅迫>
以前は国家が、軍を使ってい行っていた抑圧を、今は多国籍企業が人を雇って行っています。リーダーに対して脅迫や暗殺予告を行い、そうかと思うと2週間後には甘い話を持ちかけて分断を図るのです。今は国家に対してだけではなく、企業や、それらの別動隊に対峙していかなくてはなりません。
またコミュニティが分断され、不穏な空気が広がっています。
<公共事業を餌に>
企業は、学校を作る、保健所を作る、道路を整備すると持ちかけてプロジェクトを進めようとします。国や自治体も、鉱山や水力発電を受け入れなければ、何もしないと脅かすのです。しかしそれは本来別の話なのです。国は学校や保健サービスや道路を整備する義務を負っていて、それは開発プロジェクトを進めるための条件ではないのです。
コミュニティに対してこうした点についても情報を提供することを進めています。
(5月28日、グアテマラ・シティで行ったインタビューから抜粋))
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キチェ県のイシル地域では、いまだに和平協定が履行されていないことに対して、地域の諸団体が異議を申し立てています。内戦の原因となった社会経済的な問題に真剣に取り組むことなく、また先住民族の権利に関する国内法・国際法を遵守することなく、一方的に「開発」プロジェクトを押しつけるようなことを進めれば、大きな反発を招くことが予想されます。
開発と権利のための行動センター
青西
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