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2008/08/29

ブラジルにおけるアグロ燃料/FIAN報告書

 食糧への権利の確立のために活動するNGO、FIANがAgrofuels in Brazilという報告書を刊行。アグロ燃料を促進するブラジルの政策が、食糧への権利、労働者の権利、また環境へどのような影響を及ぼしているかを検証。

 エタノール生産を支えるサトウキビ農園の労働者の状況先住民族の土地への権利との関係、食糧価格の問題などが検証されている。

Agrofuels in Brazil

 http://www.fian.org/resources/documents/others/agrofuels-in-brazil


 またFIANでは既に「ラテンアメリカにおけるアグロ燃料と食糧への権利-現実と脅威」という報告書も刊行している。
 Agrocombustibles y derecho a la alimentacion en America Latina-Realidad y amenazas
 Transnational Institute&FIAN(2008.5)  
http://www.fian.org/recursos/publicaciones/documentos/agrocombustibles-y-derecho-a-la-alimentacion-en-america-latina/pdf

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2008/08/27

金沢文庫芸術祭(9/14)に参加します

 皆様へ
 開発と権利のための行動センターの青西です。

 9月14日、横浜 海の公園で「金沢文庫芸術祭」が開催されます。
 このイベントに「先住民族広場」というスペースが設けられ、様々な団体が参加してのワークショップ・展示なども行われます。
 開発と権利のための行動センターは下記2団体と共同で出展します。
 ・グァテマラ生産者支援ネットワーク「みるぱ」
 ・ティナラク織の会「カフティ」(フィリピン支援)
 またこのイベントには「マヤナッツ」のグアテマヤさんも出展されます。

 一日海辺でのんびり話をするのはいかがでしょうか? 

9月14日(日) 午前10時から 海の公園にて 
京浜急行金沢八景駅もしくはJR根岸線新杉田駅からシーサイドラインに乗り換え、海の公園柴口駅下車。
イベントの詳細は
http://www.bunko-art.org/KanazawabunkoArtFes10th/Home.html

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2008/08/23

ペルー:アマゾン地域の一方的な開発に歯止め

 8月20日、アマゾン地域における民間企業の投資促進を狙った法律に反対して抗議行動を展開していたアマゾン地域の先住民族組織は、法1015と法1073を廃止することで議会と合意に達し、 実力行使を停止。その後22日には議会で廃止を定めた環境委員会の報告が採択されました。
 これに対して大統領は「歴史的な過ち」であり、コミュニティを貧困の中にとめおくことになると非難しているとのこと。

 法1015、法1073は、法26505がシエラ・コスタ・セルバごとに定めていたコミュニティの土地の取得やその他の利用に関する手続きを一本化し、かつ簡略化するものでした。この改変によって、セルバ、シエラでは、コミュニティ・メンバーの総会による三分の二の同意を必要と定めていた手続きが、半数以上の同意とされ、なおかつコミュニティの総会とされていた規定が、コミュニティの土地所有者という曖昧な規定に変更されていました。
 しかしこうした法に反発した先住民族組織が8月9日から抗議行動を展開し、道路封鎖、水力発電施設などを占拠していたものです。

 自由化の促進、自由貿易協定のために、議会が行政府に対して関連法の立法権限を与えた枠組みの中で定められた法が、先住民族の権利を脅かしており、このほかにもいくつかの法が問題とされています。

 開発と権利のための行動センター
 青西

 ペルーの状況は普段フォローしていませんので、不正確な点などありましたら指摘頂ければと思います。
 参考資料
Perú: Lucha de los pueblos indígenas amazónicos logró triunfo en el Congreso(08/08/22)
http://www.servindi.org/archivo/2008/4531 
Perú: Indígenas amazónicos suscriben acta de acuerdo con el Congreso de la República(08/08/20)
http://www.servindi.org/archivo/2008/4509#more-4509
Triunfo de tribus amazónicas
http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/latin_america/newsid_7574000/7574110.stm

Informe Socio Jurídico sobre Decretos Legislativos Vinculados a Derechos de Pueblos Indígenas.
http://www.servindi.org/pdf/Ibis_Inf_SocioJuridico2008.pdf
ANÁLISIS  DE  LOS  DECRETOS  LEGISLATIVOS  QUE  AFECTAN  A  LOS  PUEBLOS  INDÍGENAS,  EMITIDOS  POR  EL  PODER  EJECUTIVO  EN  VIRTUD  A  LA  LEY  No.  29157 
http://alainet.org/images/150808-%20Caaap_Analisis_de_los_Decretos_Legislativos.pdf
INFORME JURÍDICO:ANÁLISIS DE LA CONFORMIDAD CONSTITUCIONAL DEL USO DE LAS FACULTADES LEGISLATIVAS OTORGADAS POR EL CONGRESO AL PODER EJECUTIVO MEDIANTE LA LEY N° 29157
http://www.servindi.org/pdf/Eguiguren_Analisis_DL_.pdf

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2008/08/22

ラテンアメリカ水法廷

 ラテンアメリカの水に関係する紛争解決を目的として設置された国際的な取り組みである「ラテンアメリカ水法廷」が9月にグアテマラで開催されます。これは市民社会による、独立した、国際的な取り組みで、既に2000年からコスタリカ、メキシコで4回の法廷を開き、42のケースを扱ってきました。
 (これまでの評決は次のサイトから) 
  http://www.tragua.com/es/index.php?option=com_content&task=view&id=72&Itemid=53

 グアテマラでは9月8日から12日に法廷が開かれ、グアテマラ、サンマルコス県の鉱山開発による水系汚染についての告発の他、パナマのボンジック川におけるダム建設、ブラジルのマデイラ川におけるダム計画などの訴えが審議されます。

 開発と権利のための行動センターでは、実施中のプロジェクトにおいても、キチェ県でダム開発問題を抱えるイシル民族の組織の支援にも取り組んでおります。
 またこのブログでもこれまでにダム開発の問題を取り上げてきており、パナマのダム開発問題、マデイラ川のダム開発問題などについても記事を掲載してきました。
 カテゴリー<ダム開発>から
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat7897563/index.html
 
 更に今年からはパナマのナソ民族の支援にも取り組みはじめたところであり、今回のパナマのからの参加者の経費支援も行います。是非ご協力ください。ナソ民族支援についての詳細はこちらのサイトから

「今動けば、ナソ民族の未来は変わるかもしれない!」
  http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/07/post_4f31.html
 またこちらのサイトにも情報を掲載しております。
 http://homepage3.nifty.com/CADE/campaign/panama/naso.htm

  開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/08/18

ボリビア:ベニ県で政府機関の事務所占拠(080822)

  「自治」推進派の若者グループが暴力的にベニ県の教育事務所を占拠。自治憲章に基づいて、県知事に権限が引き渡されるべきだと主張しているとのこと。またこの事件で3名の農民が若者グループに襲撃されて負傷したとのこと。

 サンタクルス県の人権組織は、コスタ知事、コミッテ・シビコの代表マリンコビッチなどを暴力事件などの犯罪行為を引き起こしているとして告発。法のもとでの処罰を要求。またマス・メディアが情報を歪めているとして非難。


ボリビア:ストライキそして衝突(080820)

 「自治」推進派の知事が8月19日に呼びかけた「パロ・シビコ」(市民スト)は、平和的な意思表明とはならず、各地で現政権支持派と「自治」推進派の暴力的な衝突を引き起こしているようです。特にサンタ・クルス県の県都では、参加を強要するサンタ・クルス青年同盟(UJC)のメンバーが「パロ・シビコ」への参加を拒否している市民に暴行を加える事件が続発しているようです。
 また県都の都市部を除くと「パロ・シビコ」はほとんど実施されていないとの報道もあります。

 「自治」推進派は、高齢者年金用に振り分けられた炭化水素税の30%を県財政に戻すことを求めてこのストを呼びかけたとしていますが、政府側は石油価格高騰もあり、県の税収は増加していると反論しています。

 一方、これまで野党としてモラーレス政権に圧力をかけ続けていた「ポデモス(podemos)」が解体。国家選挙裁判所は政党としての資格要件を失ったとしています。また民族革命運動党(MNR)も連立を解消。(La Razón 080819) ポデモスの議員の一人は既に政府との対話路線を取ることを宣言。(ABI 080819)

 また先住民族組織は新憲法承認に必要な国民投票に関する法を8月26日までに採択するように圧力。(El Deber 080818)
 
 サンタクルスの「自治」推進派であるコミッテ・シビコの代表は、道路封鎖も呼びかけているようですが(La Razón 080819) 、もともと農民組織の道路封鎖によって経済的損害を受けていると告発してきた側による道路封鎖の呼びかけは、「自治」派の孤立を現しているように思えます。強硬派は斥けられ、対話に向かう可能性を感じます。

 開発と権利のための行動センター
 青西

ボリビア:信任投票のあと(080818)

 エボ・モラーレス大統領、各県知事の罷免/信任を問う国民投票は開票率99.99%における公式結果が発表され、大統領は67.41%という高い支持を受けました。大統領への支持が最も高かったのはポトシ県の84.87%。最も低いサンタ・クルス県でも40.75%の支持を受けています。また「自治」推進派であるサンタ・クルス、ベニ、パンド、タリハ県の知事も信任されました。一方、ラパス県とコチャバンバ県の知事は罷免されました。
 この投票の後、大統領は「自治」推進派に対話を呼びかけ、14日首都で対話がなされましたが、歩み寄りは見られず、「自治」推進派は19日にストライキを実施する方向とのことです。 
http://www.la-razon.com/versiones/20080815_006365/nota_249_652441.htm
http://www.presidencia.gov.bo/prensa/Noticias.asp?id=200808141&p=5
http://www.cne.org.bo/ 
 サンタ・クルス県では8月15日、ボリビア石油公社の敷地を占拠し、障害者年金の引き上げを要求していた障害者団体が排除されたことをきっかけに、警察と障害者団体、サンタクルス青年連合(UJC)などの衝突が起き、警察側がコントロールを失い、警察署から排除されかねない状況に陥りました。負傷者は出たようですが、銃撃等はなされていないようです。
 政府側は右派が障害者団体を利用して、暴力行為を煽っているとみなし、一方の自治推進派は警察を県知事の管理下に置くと息巻いています。また政府側は軍の展開は否定しています。
 
 このような状態が続けば、高い大統領の支持率を背景に、より強硬な手段を求める圧力が高まることが要求されます。新憲法案のより迅速な承認を求める動きもあります。またモラーレス政権は、これまでの変革への取り組みとその中での対立の中でも、公権力による暴力を最小限に抑えてきていると思われますが、国家権力の遂行のための暴力の発動を要求する声も高まってくる危険があります。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/08/14

アマゾン東部における石油・ガス開発の拡大

 近年、多様な生物多様性を保持し、また多くの先住民族が居住している東部アマゾン地域で、広範囲にわたって石油や天然ガスの開発が進められようとしています。特にエクアドルやペルーでは石油やガスの開発計画地区はアマゾン地域の3分の2を占めるに至っているとのことです。
 この点についてPLoS OneのサイトはOil and Gas Projects in the Western Amazon: Threats to Wilderness, Biodiversity, and Indigenous Peoples(2008/08/13)という報告書を公表しています。この報告書では既存のデータに依拠して、アマゾン地域でどの程度石油やガス開発が計画されているかを地図上に配置しており、その規模の大きさが一目で把握でいます。また報告書では道路建設の影響の大きさを指摘するとともに、地下資源開発政策の見直し、先住民族の権利の尊重の必要性などを指摘しています。
Oil and Gas Projects in the Western Amazon: Threats to Wilderness, Biodiversity, and Indigenous Peoples  (2008/08/13)
http://www.plos.org/press/pone-03-08-finer.pdf
 
Amazon rainforest threatened by new wave of oil and gas exploration(ガーディアン紙 2008/08/13)
http://www.guardian.co.uk/environment/2008/aug/13/conservation.forests/print 

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/08/13

持続的バイオ燃料に関するラウンドテーブル他

1)持続的バイオ燃料に関するラウンドテーブ
 スイスの研究機関や自然保護団体を中心に、「持続的バイオ燃料に関するラウンドテーブル」が設置され、持続的なバイオ燃料の基準策定のためのバージョン・ゼロが、8月13日公表されました。
 このラウンドテーブルの運営委員には世界自然保護基金や国連環境計画などの自然保護団体の他、石油・燃料関連企業、トヨタなども参加しているようです。
 バージョン・ゼロは次のサイトからダウンロードできます。(英・西・仏)
http://cgse.epfl.ch/page65660.html
http://cgse.epfl.ch/webdav/site/cgse/shared/Biofuels/VersionZero/Version%20Zero_RSB_Std_en.pdf
 また関連してWWFもプレス・リリースを公表しています。
http://www.panda.org/news_facts/newsroom/index.cfm?uNewsID=143461
 
 追記08/08/26
 Worldwatch Instituteが次のような記事を掲載しています。
Roundtable Reveals International Biofuel Standard
 この記事の中で、上記のラウンドテーブル以外にも様々な取り組みがあることを紹介しています。
 http://www.worldwatch.org/node/5870 
 いずれにせよ認証を受け、差別化された商品も流通するという仕組みではなく、認可されたものしか売れないという状況でなければ、燃料に関しては機能しないように思いますが。

2)イギリスのバイオ燃料の8割は環境基準を満たさず
 イギリスの再生可能燃料機構(RFA)は最初の月刊報告書を刊行。2008年4月15日から5月14日分の報告によると、イギリスで利用されるバイオ燃料の8割が環境基準を満たしていないとのこと。また温室効果ガスの削減について42%を達成しているとのことであるが、この報告では間接的な影響を組み込んでいないとのことであり、今後間接的な影響も考慮していく方向とのことである。
 報告を見ると、現時点においても、過去の土地利用が不明、生産国が不明というバイオ燃料も多いようであり、世界的なバイオ燃料生産を把握し、適切な管理制度を構築することの難しさが浮き彫りにされている。

  開発と権利のための行動センター
 青西
Renewable Fuels Agency releases its first data on UK biofuels (080807)
http://www.dft.gov.uk/rfa/news&pressreleases/news.cfm?cit_id=199&FAArea1=customWidgets.content_view_1
Monthly report, April May 2008
 http://www.dft.gov.uk/rfa/reportsandpublications/rtforeports.cfm
80% of British biofuels are unsustainable(080812)、NewScientist.com news service
  http://environment.newscientist.com/channel/earth/energy-fuels/dn14518-80-of-british-biofuels-are-unsustainable.html

 

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2008/08/12

グアテマラ:先住民族組織の要求

8月9日の先住民族の日に向けて、グアテマラの先住民族組織、農民組織が政府に対する声明を発表

 西部地域民族審議会、農業プラットフォーム、エンクエントロ・カンペシーノ、ワキッブ・ケフは次のことを要求する。(2008/8/08)
1)先住民族、先住民族コミュニティのテリトリーを尊重し、鉱物資源の探査・採掘のためのライセンスまた大規模な水力発電ダムの計画が損害を与えるものであることを宣言すること。
・国家は、(鉱物・森林・水資源といった)自然資源の探査や開発に関するライセンスの供与に先立ちコミュニティの決定を取り上げ、尊重するために、先住民族への協議に関する法と細則の策定を、農民や先住民族運動とともに開始すること。それによって国家は、ILO169号条約及びその裁定299に定められた先住民族の土地所有権及び占有権を保証する必要な対策を取ること。
・これまでに27の自治体において実施された、そして今後各地で実施されるであろうコミュニティによる協議の結果を尊重し、それを遂行すること。
 また次の点を早急に要求する(抄訳)
a)200以上の鉱物資源探査・採掘ライセンス及び申請の停止。ここ3年間に認可された14県における45のコンセッションの早急な破棄
b)サンマルコス県サンパブロにおけるイシュピル川の50年間にわたる利用を認めた省令2008-121の破棄及びサン・ラファエル・ピエ・デ・ラ・クエスタ、キチェ県のサン・フランシスコ・コッツアル、サン・ペドロ・シャクバルにおける水力発電計画を認めた省令の破棄
c)水力発電計画に影響を受けているサン・マルコス県サンフランシスコ及びサンパブロの土地占有権を認めること
d)チキムラのリオ・グランデにおいて民間企業に水力発電ダム建設の免許を与えないこと
e)河川の切替えのない水力発電計画の推進、また国家の資金との共同出資で、影響を受けるコミュニティを代表する組合と自治体を通じて管理すること。
f)鉱物資源のライセンスのモラトリアム。

2)市場を通じてではなく、社会的視点をもった「土地アクセス」の回路を設置すること。
 略
3)互助を意味する“QO ONIN QIB´”に基づいたプログラムの設置、これに基づいて複雑な問題解決のために整合性のある公的プログラムを展開すること。
 略
 このほか、この声明では農民運動、社会運動を犯罪とみなさないこと、人権の尊重、ラミロ・チョックの解放などを要求している。
原文はこちらへ
 http://www.avancso.org.gt/archivo/1218216076.pdf

 また8月8日のデモに先だって、農民組織の一つであるCONICは8月5日、約3万2千人に上るCONICメンバーへの補助金と融資などを求めるデモを行っている。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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国連特別報告官、ダム開発に脅かされるパナマの先住民族に懸念を表明

 国連の先住民族の権利に関する特別報告官、ジェームズ・アナヤ氏は、パナマのボカス・デル・トロ県のチャンギノーラに建設中のチャン75がノベ先住民族コミュニティに引き起こす影響について懸念を表明。
「チャルコ・ラ・パバ・コミュニティのメンバーが、土地からの専横的な移転、家屋の喪失、農作物の破壊などの他、過剰な暴力の行使、女性や子どもを含め、建設に反対するメンバーの拘束などの虐待を受けていることに対して、懸念をもって注視している。また、この地域における武装警官の存在が、状況を悪化させており、チャルコ・ラ・パバ・コミュニティの成員の生活と身体的な統一性が危険にさらされていることに深い懸念を表明するものである。(中略)そこでパナマ政府に対して次の点に対して全ての必要な手段を講じることを要請する。(1)先住民族コミュニティの権利と自由を擁護すること(2)訴えられている人権侵害に関する真摯な調査の実施と責任者の処罰(3)被害者への被害の補償(4)同様の事態が起きないように必要な手段を取ること。」
 「また政治・経済・ビジネスに関係するアクターに対して、人権に関する責任を強化すべく諸機関が行っている勧告を考慮することを求めるものである。特に2007年9月に採択された先住民族の権利に関する国連宣言に政府が注意を払うことを喚起する。特にその10条において「先住民族はその土地もしくはテリトリーから強制的に移転されるべきではないこと。自由な、事前の、情報に基づいた同意無しに、また可能な場合には、帰還のオプションを含んだ、正当かつ公正な補償に関する合意なしに、先住民族の移転はなされるべきではないこと」を定めている。

 2007年の終わりに、AES・チャンギノーラ社はチャン75水力発電ダムの建設を開始したが、これはチャルコ・ラ・パバ・コミュニティ及び周辺の先住民族コミュニティの完全な水没を引き起こすこととなる。しかしこれは被害を受けるコミュニティの、国際的な基準にみあった、事前同意を得たものではない。
 2008年4月8日及び6月3日に特別報告官はチャルコ・ラ・パバの状況に関してパナマ政府に対して緊急アピールを送付している。しかしこれらの通信において表明した疑問と懸念に対して、いまだパナマ政府から返答を受け取っていないことに対して、特別報告官は遺憾に思うものである。

http://www.unhchr.ch/huricane/huricane.nsf/view01/40A49D23F8481D60C125749F003925B6?opendocument

 パナマのダム開発問題については開発と権利のための行動センターのブログでもいくつか報告しています。

 開発と権利のための行動センター
 青西

2008/03/07:中米におけるダム開発問題など(コスタリカ・パナマ)
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/03/post_45fa.html
2008/04/11:パナマ:ダム開発に抵抗するノベ先住民族
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/04/post_7cee.html
2008/07/04:支援要請:今動けば、ナソ民族の未来は変わるかもしれない
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/07/post_4f31.html
2008/08/06:パナマ:ダム開発&鉱山開発への抗議
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/08/post_4d12.html

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ボリビアにおける信任投票

 8月10日、大統領・副大統領及び各県の県知事の信任を問う国民投票が実施されました。その結果、エボ・モラーレス大統領及びガルシア・リネーラ副大統領は63%という高い信任票を得ました。同時に現政権への反対勢力であり、「自治」推進派であるサンタ・クルス県のルーベン・コスタ知事も66%、ベニ県のエルネスト・スア-レス知事が61%、パンド県のレオポルド・フェルナンデス知事が56.3%、タリハ県のマリオ・コシオ知事が64%とそれぞれ信任されました。(数字はラ・ラソン紙による)

 この結果、モラーレス大統領に対する高い支持はあらためて確認されましたが、同時に「自治」推進派への高い支持も明らかになり、今後のボリビアの動向は安定化に向かうよりは更に混迷を深める可能性があります。
 モラーレス大統領は結果を受けて、ボリビア国民の和解と新憲法案と自治憲章を両立させる方向性での対話を進める必要性を訴えています。一方、サンタ・クルス県では「自治」推進派であるコスタ知事は、高い支持を背景に、自治憲章に基づいて法を制定し、「自治」を推進していくことを宣言しているとの報道がなされています。その中にはサンタ・クルス県の警察組織の整備、徴税機構の整備なども含まれています。こうしたサンタ・クルス県における自治の既成事実化は対話どころか暴力的な対立を引き起こす可能性もあります。

 今後、新憲法案の見直しを軸に対話を進めることしか出口はないように思われますが、民主的な手続きによってどのように現在の対立を、国家観の違いを、民族的な対立を乗り越えていくことができるのか、ボリビア国民は歴史的にも大きな課題を背負っています。

 開発と権利のための行動センター
 青西

追記(080814)

 最終的な投票結果は出ていませんが、モラーレス大統領への信任は67%近くとのことです。また反対派が多いとみなされるボリビア東部においても、大統領選の時よりも支持票が増えているとの報道もなされています。この点について、モラーレス大統領は民族を超えて、貧困層から圧倒的な支持を受けているという分析もなされています。(Prensa 080813)
  自治推進派の知事で構成されるCONALDE(民主主義国家審議会)はサンタクルスで会合を開き、政府側と対話を開始することで合意。タリハ、パンド、ベニ、チュキサカの各知事は大統領との対話のためにラ・パスに赴く方向。しかしサンタ・クルス県のコスタ知事は参加せず、代理人をが派遣する方向とのこと。(ABI 080813)
 
  8月10日、サンタクルス県のサン・イグナシオ・デ・ベラスコで働いていた6名の医療ボランティアが約40名のサンタ・クルス青年連合(UJC)のメンバーに襲撃され、暴行を受けるという事件が発生したとのこと。
  http://www.abi.bo/index.php?i=noticias_texto_paleta&j=20080812224138&l=200703190038_Rafael_Dausá,_embajador_de_Cuba_en_Bolivia_(ABI). 
 
 8月13日、サンタクルスに事務所を構えるNGO、Centro de Estudios Jurídicos e Investigación Social CEJISの事務所に火炎瓶が投げ込まれる事件が発生http://www.la-razon.com/versiones/20080814_006364/nota_262_651703.htm

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2008/08/06

パナマ:ダム開発&鉱山開発への抗議

1)ペタキージャ鉱山開発への抗議声明(2008/7/31):一部訳
 ペタキージャ・ミネラル社は、コロンやコクレ地域の自然資源を破壊し続けている。
 (1)ペタキージャ・ミネラル社は、海外(カナダ)に豊かな鉱物資源を持ち出すために、私たちの森、川、山そしてエコシステムを破壊し続けている...これはスペインの植民地時代の略奪と何ら変わるものはない。
 (2)ペタキージャ・ミネラル社は土地、植物、動物、水、きれいな空気、こうした生活に欠かせないものの破壊し、剥奪しつつづけている。
 (3)ペタキージャ・ミネラル社は国際法、パナマ国憲法、国内の環境法や労働法に違反し続けている。しかし私たち、国民の政府は、鉱山会社を免責しているのである。法は貧者を処罰するために使われるが、金持ちや権力者には履行されないのである。

 ・私たちは、ペタキージャ・ミネラル社がその違法操業を停止するまで闘い続ける意志を持つことを確認する。
  
Comité Pro Cierre de Petaquilla
Coordinadora Campesina por la Vida
Comités Eclesiales de Base de la Costa Abajo de Colón
http://www.panamaprofundo.org/boletin/mineria/comunicado-31-7-2008.htm

2)Chan-75 ダムをCIDHに提訴したケース続報(080730)
 パナマの保護と開発のための連携(ACD)は、チャンギノーラ川におけるチャン75ダムに関する続報を発信している。
これはACDとカルチャル・サバイバルがこのダム開発計画に関して、米州人権機構に対して予防措置を求めて提訴しているものである。
 パナマ政府が、国民に対して果たすべき役割を果たさず、また移転を強いされる住民に対する補償も進んでいないことなどを指摘している。ACDによる声明では、AES-チャンギノーラ社がノベ先住民族の個々人と結んだ合意を無効とし、土地とその他の所有物に関する、個別のノベ及びコミュニティの権利を回復することを要請している。また環境影響評価を新たに実施すること、先住民族の土地の調査・確定作業を進めること、先住民族の土地を保護するため、事前の十分な情報にもとずく、自由な合意を可能とする、伝統に基づくプロセスを定めた法を制定することなどを求めている。
http://www.panamaprofundo.org/boletin/represas/nuevamente-chan-75.htm
チャン75ダム関連の写真などはこちらのACDのサイトから見ることができます。
http://picasaweb.google.com/acdpanama

3)マモニ川におけるダム建設計画への抗議(080728)
 チェポ地方のマリガリータスの住民はマモニ川におけるダム計画に対して反対の声をあげている。
 私たちの川が持つ自然の特徴を破壊するようないかなるプロジェクトに対して、マモニ川を巡って取引をすることはできない。
 関係当局に対し、このプロジェクトが進行しないことをはっきりと表明し、私たちに平和を取り戻すことを要求する。
http://www.panamaprofundo.org/boletin/represas/comite-comunitario.htm
 開発と権利のための行動センター
 青西

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食糧価格高騰に関する世銀報告書

 ここしばらく、夏休みやら他の仕事やらで更新が滞りましたが、またぼちぼちとニュースの掲載を再開します。
1)世銀報告書:POLICY RESEARCH WORKING PAPER 4682, A Note on Rising Food Prices,Donald Mitchell(2008/07)
近年の穀物価格の高騰の原因を分析した報告書。ドル安、肥料価格、燃料価格高騰などの影響もあるが、穀物価格高騰の原因の70-75%はバイオ燃料及びこれに関連する投機、在庫縮小、輸出規制によるものと分析している。
 http://www-wds.worldbank.org/external/default/WDSContentServer/WDSP/IB/2008/07/28/000020439_20080728103002/Rendered/PDF/WP4682.pdf 
2)パナマのスペシャリティ・コーヒーが保護区の森林破壊を引き起こす。
 高価格で取引されているパナマのグルメ・コーヒーの生産のために、コーヒー農園が保護区の中に違法に侵入しているとのこと。 
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSN2233936820080723
 開発と権利のための行動センター
青西

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