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2008/09/25

ブラジルにおけるアグロ燃料モニタリング報告書他

1)ブラジルのNGOであるCentro de Monitoramento de Agrocombustíveis - Repórter Brasil がブラジルのアグロ燃料の動向、環境や社会への影響を調査した報告書、第二巻を刊行。今回の報告書はパーム、綿花、トウモロコシ、ジャトロファについて取り上げています。(現在ポルトガル語版のみ)
 第一巻では大豆とヒマを取り上げています。こちらはスペイン語版、英語版も発行されています。
  ダウンロードは下記サイトから可能です。
"O Brasil dos Agrocombustíveis - Palmáceas, Algodão, Milho e Pinhão-Manso - 2008"

-El Brasil de los Agrocombustibles Impactos de los Cultivos sobre la Tierra, el Medio Ambiente y la Sociedad Volumen 1 – Soja e ricino
-Brazil of Biofuels Impacts of Crops on Land, Environment and Society Volume 1 – Soy and castor bean

http://www.reporterbrasil.org.br/agrocombustiveis/index.php

2)Birdwatchers (“La Terra Degli Uomini Rossi”)
 2008年のベネチア映画祭に、ブラジルのバイオ燃料生産の拡大に脅かされる
guaraní-kaiowá民族を取り上げた映画が出品されていたとのこと。
 関心のある方はこちらのサイトへ 
La amenaza del biocombustible para los indígenas en el Festival de Cine de Venecia http://www.survival.es/noticias/3657 
映画の公式サイト http://www.birdwatchersfilm.com/news/
Guarani Survival Fund http://www.birdwatchersfilm.com/news/?page_id=166&lang=en 
開発と権利のための行動センター
青西

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2008/09/24

バハ・カリフォルニアにおける観光開発が地域社会に高い負荷をかける

 9月22日付けのホルナーダ紙は、バハ・カリフォルニア・スルにおける観光開発が地域社会や環境に大きな影響を与えていることを伝えています。
 この記事によると観光開発による人口増加が、水需要を急増させていること、米国からの移住者などを含め、高所得層と地域住民の間の格差が増大していることなどにより、社会紛争が起こる可能性があると伝えている。
 水資源の限られたこの地域では、54%の住民が不十分な水供給な状態にある一方で、観光開発によって多くのゴルフ場が作られ、既に半島の北西部に21のゴルフ場があり、今後、24の計画があるという。また廃水処理の未整備の問題もある。
 更に観光開発とそれに伴う人口増加、米国からの移住者の増加によって、格差の著しい町が形成されつつあるとのことである。メキシコの環境NGO、CEMDAは観光開発によるマングローブ破壊などに対して法的措置を求めている。 
Auguran conflictos sociales en el noreste por los recursos naturales
En una región donde llueve una semana al año se construyen complejos con campos de golf
http://www.jornada.unam.mx/2008/09/22/index.php?section=sociedad&article=049n1soc
詳細はCentro Mexicano de Derecho Ambiental (Cemda) http://www.cemda.org.mx/

 このブログでは過去にコスタリカにおける観光開発、特に長期滞在者向けのコンドミニアム建設による環境への影響について報告している。
中南米 環境関連 1)コスタリカ 観光客の増加と環境への影響(08/06/26)
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/06/post_1e6f.html
中米における観光開発を巡る問題-パナマ・コスタリカ (07/10/25) 
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/10/post_a8a4.htm

開発と権利のための行動センター
青西

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チリ、ILO169号条約正式批准

 先住民族の権利に関する国際条約であるILO169号条約(正式名:独立国における原住民及び種族民に関する条約)を、9月15日チリが正式に批准。
 これは上院で3月4日に可決されたのち、動きが見えなかったものですが、正式な批准がなされたということでお伝えします。
 チリ国内では一年間の準備期間をおいて正式に発効するとのことです。また懸案事項となっていた「解釈宣言」は付属していないとのこと。

 10月17日追記:10月2日に法令236によって公布が宣言され、2009年9月15日に発効することとなった。公布を宣言する法令に条約を制限するような条項がはいるのではないかという話もあったが、「解釈宣言」あるいはそれに類似する条項は一切伴っていない。
http://www.servindi.org/archivo/2008/4818
 開発と権利のための行動センター
 青西
 
 関連記事:
ブログ
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/01/ilo169_85f6.html
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/03/ilo169_e4cd.html#search_word=チリ
 
 現地報道
 Chile ratifica Convenio 169 de la OIT
Tratado internacional sobre los pueblos indigenas entrara en vigencia el 15 de septiembre de 2009, segun dio a conocer hoy el gobierno a traves de los ministros Jose Antonio Viera Gallo y Paula Quintana.
  http://www.lanacion.cl/prontus_noticias_v2/site/artic/20080922/pags/20080922165113.html

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2008/09/21

グアラニ民族関連情報

このブログでいくつかボリビアのグアラニ民族の状況についてお伝えしてきましたが、参考資料等を紹介していないのもありましたので、ここでまとめて紹介します。

ブログ記事:米州人権委員会調査報告:グアラニ民族(ボリビア)
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/06/post_3a8c.html
 米州人権委員会(CIDH)が6月9日から13日にかけてグアラニ先住民族の置かれた状況に関する調査を実施。
 CIDH プレス・リリース
http://www.cidh.org/Comunicados/Spanish/2008/26.08.htm(西語)
http://www.cidh.org/Comunicados/English/2008/26.08eng.htm (英語)

ブログ記事: ボリビアにおけるグアラニ民族の状況
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/05/post_de85.html
 参考文献
Acceso a la justicia e inclusiòn social:el camino hacia el fortelecimiento de la democracia en Bolivia,CIDH-OEA,2007
http://www.cidh.org/pdf%20files/BOLIVIA.07.ESP.pdf
Contemporary form of slavery in Bolivia, Bhavna Sharma, Anti-Slavery International,2006
http://www.antislavery.org/homepage/resources/PDF/Contemporary%20Forms%20of%20Slavery%20in%20Bolivia.pdf
Enganche y Servidumbre por Deudas en Bolivia, OIT, 2005
http://www.ilo.org/dyn/declaris/DECLARATIONWEB.DOWNLOAD_BLOB?Var_DocumentID=4845
Los barones del Oriente El poder en Santa Cruz ayer y hoy、.Soruco Ximena 他、Fundaciòn Tierra, 2008
http://www.ftierra.org/sitio/
 新聞記事
Cautivo Guarai en el Chaco, La Prensa,2006.11.26, Dominical

ブログ記事:ボリビア:土地を巡って、政府職員や先住民族と大地主などが衝突  http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/04/post_4fc8.html
 参考文献
Nº  17/08 CIDH DEPLORA SITUACIÓN DE COMUNIDADES CAUTIVAS EN BOLIVIA
http://www.cidh.org/Comunicados/Spanish/2008/17.08sp.htm
Relator Especial de la ONU manifiesta su preocupación sobre recientes acontecimientos en Bolivia.10 de abril de 2008
http://www.unhchr.ch/huricane/huricane.nsf/view01/A3C99C660A7865F1C1257427005C04FF?opendocument
Comunicado del Relator Especial de las Nacione Unidas sobre los derechos humanos de los pueblos indígenas con motivo de su visita oficial a Bolivia 6 de diciembre de 2007
http://www.unhchr.ch/huricane/huricane.nsf/view01/979C00F41AE72858C12573AD002B38C2?opendocument
Report of the Special Rapporteur on the situation of human rights and fundamental freedoms of indigenous people, Rodolfo Stavenhagen 
PRELIMINARY NOTE ON THE MISSION TO BOLIVIA (25 November to 7 December 2007)
http://daccessdds.un.org/doc/UNDOC/GEN/G07/151/47/PDF/G0715147.pdf?OpenElement

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先住民族の権利に関する特別報告者:ボリビアにおける先住民族に対する暴力を強く非難

 9月18日、 国連の先住民族の権利に関する特別報告者であるジェームズ・アナヤ氏はパンド県での暴力事件他、先住民族組織などに対する暴力を非難する声明を発表しました。[1]
  パンドにおける虐殺事件については既にこのブログでも紹介していますが、先住民族組織への弾圧もひどいものです。9月10日に襲撃されたCIDOB(ボリビア東部先住民族連盟)の事務所では26年にわたる活動の記録が失われ、[2]13日に襲われたCPESCの事務所は廃墟状態になっています。[3]  CEJISの事務所も9日に襲撃されました。CEJISに至っては、度重なる襲撃の対象となっています。
 また北東部のベニ県、リベラルタにおいては15日の段階で、複数のNGOに対して、退去しなければ何が起きても保証はしないとの脅迫が行われている。

[1]Relator Especial de la ONU denuncia acciones anti-indígenas en Bolivia
http://www.unhchr.ch/huricane/huricane.nsf/view01/AD5A29C2FC38A1CDC12574C80036683C?opendocument
http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/media.aspx(英語)
[2]http://cipca.org.bo/index.php?option=com_content&task=view&id=1130&Itemid=1
[3]http://www.laprensa.com.bo/noticias/20-09-08/19_09_08_poli10.php
[4]http://www.servindi.org/archivo/2008/4640#more-4640
[5]http://www.bolpress.com/art.php?Cod=2008091607

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2008/09/18

CALASより

CALASのユリ・メリニ所長への襲撃事件を受けて開発と権利のための行動センターでも連帯を示すレターを送付しました。

以下CALASからの連帯への感謝状です。

事件の詳細はこちら>>>http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/09/ngo-d5a2.html

CALASが作成した事件に関する現地報道の切り抜きはこちら

「20080916_reporte_de_noticias_dr. Yuri Giovanni Melini.pdf」をダウンロード

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2008/09/16

ボリビア:凄惨な虐殺事件を経て遂に対話再開(080917改)

  9月11日、ボリビア県北東部、ブラジルと国境を接するパンド県のポルベニールにおいて、モラーレス政権支持派の農民グループの県都への侵入を阻止しようとした「自治」派の武装集団が、農民グループを襲撃。少なくとも15人の死者と37人の負傷者、106人の行方不明者がでているとのことである。(数字は9/15現在[1])
 その後、 12日になり、政府はパンド県に戒厳令を宣言。軍が増派され、展開した。しかしパンド県の県都コビッハを管理下に置くのにも2日程かかったようであり、農村部でどの程度治安が回復されているのかははっきりしない。与党支持派の多い、ポルベニールのフィラデルフィアでは村役場が14日未明に焼き討ちにあったとのことである。[2]
 政府は、今回のパンドでの襲撃を農民に対する虐殺事件とみなし、パンド県の県知事レオポルド・フェルナンデスを告発する方針を示している。[3]しかし、フェルナンデス知事は虐殺事件は政府側が仕組んだものだと語っている[4] 「自治」派の各県知事は、一時はフェルナンデス知事への支持を表明し、パンドへ向かうという報道もなされたが立ち消えとなっている。その後火曜日になり、フェルナンデス知事は軍に拘束され、ラ・パスに移送されたとのことである。

 一方、政府との対話に前向きであったタリハ県のコッシオ知事は、タリハ県での衝突やパンド県の事件の後、12日夜から政府との交渉に入り、「自治」推進派知事を代表して、政府との対話再開に向けて動いている。日曜日にも第2回目の交渉が行われ、対話再開のための基本合意締結に向かっている。その後、現地時間16日対話再開に向けて合意。木曜日からコチャバンバで対話が開始されることとなった。[7] またサンタ・クルス県、ベニ県、タリハ県、チュキサカ県では、「自治」推進派による道路封鎖解除が宣言されている。[5]サンタ・クルス県のチャコ地方での道路封鎖も解除。
   更に「南米諸国連合(Unasur)」の緊急首脳会議も15日に開催され、ボリビア政府を全面的に支持する宣言が採択された。また宣言は暴力行為の停止を求めるとともに、政府関連機関の返還、パンドにおける虐殺事件を強く非難するとともに調査のための委員会設置、ボリビア国家の統一、領土の不可分、対話の再開と法の尊重に基づく解決、対話に同伴する委員会の設置などの条項を含んでいる。[6]
 
  多数の農民の血が流れて、やっとボリビアは対話への道に戻りつつある。

[1]http://www.abi.bo/index.php?i=noticias_texto_paleta&j=20080915201443&l=200809120060_Cuerpos_de_campesinos_sin_vida_son_exhibidos_en_una_camioneta_en_Cobija._(El_Deber).
[2] http://www.laprensa.com.bo/noticias/15-09-08/15_09_08_poli4.php
[3] http://www.abi.bo/index.php?i=noticias_texto_paleta&j=20080915201310&l=200809100027_(archivo)
[4] http://www.la-razon.com/versiones/20080915_006396/nota_249_670969.htm
[5] http://www.la-razon.com/versiones/20080915_006396/nota_249_670979.htm
[6] http://www.abi.bo/index.php?i=noticias_texto_paleta&j=20080915233826&l=200809150031_Bachelet_y_Morales_en_la_reunión_de_Unasur_(Presidencia_de_Chile/ABI).
  [7]http://www.erbol.com.bo/noticia1.php?id=1&identificador=577&bdatos=notiportada1 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/09/13

パナマ:侵略をうけるナソ民族のテリトリー

 現地からの報告の翻訳です。
「植民地主義のもとにおかれるナソ民族」(08/09/13)

 残念なことに今朝は「Buenos dias」と言うことはできません。私の、ナソ民族は、今、メデジン公企業(EPM)の操業によって深刻な危機に直面しているからです。
 私たちが先祖から引き継いできた土地を奪い取ろうとする、この厭わしく、恥知らずの犯罪者たちは、強引に私たちナソのテリトリーのボノ村に、重機やその他の機械設備を持ち込み、工事を継続しようとしているのです。これは非常に深刻な状況です。EPMは私たち先住民族の人権とテリトリーを侵害しているのです。強い圧力をかけて、私たちが受け継いできたものを奪い去るための歩を進めています。
  
 その一方でこの9月9日、グアテマラのアンティグアでの水法廷において、この企業の責任者たちは、政府、ナソ民族リーダー及びそのアドバイザーと歩み寄るプロセスをとるという決定に署名をしているのです。アンティグアで、9日に署名をし、同意内容を履行することを約束しておきながら、その2日後には、その約束を反故にする行為を取っていることは許し難いことです。

 しかし私たちはこの企業が行っている圧力に対して決して屈しません。私たちの権利を守るために最後まで訴えていきます。ナソ民族は、パナマ政府に対して、この企業に対して、私たちの権利と受け継いできたものをもてあそぶことを許さないということを示していきます。私たちが受け継いできたもの、テリトリーは、取引の対象ではないし、売り物でもありません。安い商品の取引ではなく、私たちの生活そのものなのです。

 エリセオ・バルガス(Eliseo Vargas Jr /Fundación Naso)

 *Empresas Publica de Medellín はラテンアメリカ水法廷の支援で結んだ合意を破っているだけではなく、「パロ・セコ保全林」の利用許可も得ていません。この企業はナソのテリトリーを侵害しているだけでなく、パナマの環境法にも違反しています
  (Alianza para la Conservación y el Desarrollo 付記)

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2008/09/12

「きれいな開発」の名で資金を探すダム建設が世界遺産を脅かす

 パナマの環境NGO、ACD(保全と開発のための連携)は、パナマで建設が進められつつある新しいダムは、CDM(温暖化対策のための京都議定書に基づく「クリーン開発メカニズム」)による資金を受けようとしているが、地域では環境破壊と人権侵害を引き起こしていると告発している。

 米国のAES社によって建設が進められつつある「チャン-75」ダムは、CDMに基づくクレジットを得るための申請を行っているが、環境破壊を引き起こすものである。
 パナマの環境NGO、ACDのオスバルド・ホルダンは「このダム建設は環境を破壊し、地域に住むノベ先住民族の人権を侵害するものである」と告発している。
  またこのダムは「世界ダム委員会」の基本ラインを踏襲したものではなく、更にパナマのボカス・デ・トロに位置する「アミスター生物圏保護区」内にある「パロ・セコ保全林」内に建設されつつあるという。つまりユネスコによって登録されている世界遺産でもあり、コスタリカ、パナマの二ヶ国にまたがる「アミスター国際公園」を脅かすものとなっている。この公園のコスタリカ側、パナマ国境近くでは最近になって3種の新しい両生類も発見されている。
 このダムは、回遊性の魚種やエビ類に深刻な影響を及ぼすとともに、ジャガーやバクまたオウギワシなどにもネガティブな影響を引き起こす可能性がある。

 更にダムはノベ先住民族の人権を侵害している。パナマの環境行政当局であるANAMは影響を受けるノベ民族の同意を得ることなく建設を認可している。このダムによってノベ民族の1000人の自給農民が移転を強いられ、独自の生活を破壊されることとなる。AES社はノベ先住民族の抗議に対して、脅しや賄賂そして警察による弾圧まで、様々な方法で対抗し、ノベ農民に土地を明け渡すよう圧力をかけている。
 「チャン-75ダムはCDMが環境に対して破壊的なプロジェクトへの補助金として利用されている証拠である」とカーボン・トレード・ウォッチのオスカー・レイエスは述べている。「これは二つの重大な喪失の舞台である。他の地域の産業が環境を汚染し続けるためにパナマの民族そして環境が危機にさらされている」(ACD 08/08/06)

Represa que amenaza sitio Patrimonio Mundial de la Humanidad en Panamá-busca dinero como "desarrollo limpio" (ACDから整理)

追記:パナマのチャン-75ダムに脅かされるノベ民族についてはカルチャル・サバイバルがハガキ・キャンペーンを行っています。
http://www.culturalsurvival.org/programs/panama/panama-letter.cfm

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2008/09/11

ペルーにおける鉱山開発と紛争

 JOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)のサイトは「ペルー鉱業を巡る争議の動向-ペルー・オンブズマンによる社会争議レポート(2008年7月)より」という興味深い報告を掲載しています。これはペルーの人権オンブズマン事務所(Defensoria del Pueblo)の社会紛争局が定期的に発行している報告書を鉱業による紛争を中心にまとめたものです。 http://www.jogmec.go.jp/mric_web/current/08_63.html
 また原文の資料は鉱山開発だけではなく、ペルーでどのような争議が、どのような地域で起こっているかを概観することができます。
  http://www.defensoria.gob.pe/conflictos-sociales/home.php

 またペルーにおける鉱山開発とそれに関わる社会問題、環境問題、住民運動などは次のサイトからも情報を得ることができます。
  http://olca.cl/oca/mineras.htm
  http://www.conflictosmineros.net/al/html/modules.php?name=News&new_topic=19

 JOGMECのような機関が、地域の社会紛争に目を向け、争議の原因などに注意深くなることも重要ですが、「商売にならない側」が、儲けにはつながらなくても、各地の社会問題や環境問題について、情報を収集し、発信していく力を高めていくことが重要であろうと考えます。そうした情報が企業に対して社会的責任を問う際の基礎ともなっていきますし、国際的な政策への提言にもつながっていくものと考えます。
 海外では、様々なNGOが調査・研究、情報の発信を行っていますが、日本ではその部分が、資金的な裏付けもなく、非常に弱いように思います。

 開発と権利のための行動センター
 青西 

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ボリビア:サンタ・クルスに広がる暴力

 9月9日、サンタ・クルスでは、農地改革局他、複数の政府機関事務所や政府系のメディアが「自治」推進派の暴力集団に襲撃されました。軍は事務所を警護していたものの、火器の使用を制限されており、対抗できなかったよう。また先住民族運動、農民運動を支援してきたNGOである法的研究・社会調査センター(el Centro de Estudios Jurídicos e Investigación Social :CEJIS)の事務所も襲撃されました。

-米州機構のインスルサ事務局長は10日、ボリビアで起きている暴力事件に対して深い憂慮と拒絶を示し、あらためて対話を呼びかけました。市民グループによる政府機関の占拠や破壊行為は、明らかな挑発行為であり攻撃である、と非難をするとともに、ボリビア当局と警察の慎重な振る舞い、政府の明確な指示に基づく武器の使用の制限が、更にひどい結果を避けることを可能にしている、と明確に述べています。
  http://www.oas.org/OASpage/press_releases/press_release.asp?sCodigo=C-336/08
-CEJISはこの襲撃事件に対して、抗議し、また人権団体に対して、連帯を求めています。
  http://www.servindi.org/archivo/2008/4640#more-4640
-アンデス先住民族コーディネーター(CAOI)も、暴力行為を強く非難し、国際社会、先住民族組織、人権組織に対し、ボリビアの状況に注意を払い、改革の動きをとどめるようなクーデターが起きないよう行動を取るとともに、ボリビア民衆と連帯していくことを求めています。
  http://www.movimientos.org/enlacei/show_text.php3?key=12974

 暴力行為や人権侵害を野放しにするだけではなく、あえて暴力的な衝突を狙って挑発し、また都合の悪い情報を発信するものを弾圧し・・・もう、民主主義を深めるための「自治」などという仮面すら脱ぎ捨てたのでしょう。これが「自治」推進派の真の姿と言えます。取り巻きの暴力集団が、邪魔なNGOやジャーナリストを排除する、独裁「自治」政権を目指しているだけと言えるでしょう。
 開発と権利のための行動センター
 青西

 追記:(08/09/14) パンド県のトレス・バラカスにおける「自治」派の武装集団と農民グループの衝突は、少なくとも16人の死者、30人以上の負傷者が出たようであり、政府側は農民に対する「虐殺」であると非難している。更にその後、このパンド県に戒厳令が出され、軍が増派されている。

 一方12日夜、タリハ県のコシオ知事と政府との対話が開始され、日曜日、再度会議がもたれる予定とのこと。

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ハイチにおけるハリケーン被害について

 最近、ハイチの状況については全く追えていないので、いくつかリンクのみ紹介

1)08/9/10 外務省:ハイチ共和国におけるハリケーン・ハンナ及びアイク被害に対する緊急援助について
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/h20/9/1183267_915.html
2) 08/9/10  JICA:ハイチ共和国におけるハリケーン「ハンナ」及び「アイク」被害に対する国際緊急援助について
 http://www.jica.go.jp/activities/jdrt/2008/080910.html
3) 08/9/10  Democracy Now!: Haiti Struggles with Humanitarian Disaster in Aftermath of Deadly Storms
 http://www.democracynow.org/2008/9/10/haiti_struggles_with_humanitarian_disaster_in 
4)08/9/06 Partners In Health: "I have never seen anything as painful":Paul Farmer writes from flood ravaged Haiti
  http://www.pih.org/inforesources/news/PEF_hurricane_letter.html
5)08/9/10  Concern Worldwide:Haitian relief intensifies
  http://www.concern.net/news-and-features/world-news/a1000297/Haitian-relief-intensifies.html
6)08/9/08 Oxfam GB: Hurricanes in Haiti
  http://www.oxfam.org.uk/oxfam_in_action/emergencies/hurricanes_haiti08.html
7)08/9/09 :American Red Cross: Red Cross Witness to Destruction in Haiti,Back-to-back storms take a heavy toll on island nation
  http://www.redcross.org/article/0,1072,0_312_8147,00.html
8)08/9/09 :世界の医療団:ハリケーン「グスタフ」「ハンナ」による被害者への緊急支援 
  http://www.mdm.or.jp/news/news_detail.php?id=231

*ちなみに9月5日に正式にハイチ新首相に就任したミッシェル・ピエール・ルイ氏は、1993年に市民団体の招きで来日しています。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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アグロ燃料生産がラテンアメリカの人々にもたらす影響他

 1)ラテンアメリカにおける破壊に油を注ぐ
 地球の友インターナショナルは9月10日、'Fuelling Destruction in Latin America'という新しい報告書を刊行。この報告書はブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、コロンビア及び中米(コスタリカ、グアテマラ、エル・サルバドル)におけるアグロ燃料生産の拡大が、環境や地域の人々にどのような影響をもたらしているかを報告したものである。
 報告はアグロ燃料の急速な広がりが、それぞれの国に存在してきた社会問題、環境問題、人権問題を深化させることにつながる一方で、アグリビジネスや投資家に利益をもたらしていると結論づけている。
   http://www.foei.org/en/media/archive/2008/real-price-of-agrofuels-revealed
  http://www.foei.org/en/publications/pdfs/biofuels-fuelling-destruction-latinamerica

2)アマゾン地域での森林破壊が続く
 Environmental News Network(ENN)のサイトは9月5日、ブラジルアマゾンにおける森林破壊が
続いているという記事を掲載。新しく公表された衛星写真の分析によるとこの一年間において8147平方キロの森林が伐採されたとのことである。
  Deforestation Escalates in Brazilian Amazon
  http://www.enn.com/ecosystems/article/38100

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/09/05

グアテマラ:環境活動NGO代表銃撃

 9月4日朝、グアテマラの環境NGO、CALAS(環境・社会のための法的アクション・センター)の所長であるユリ・メリニ氏が銃撃され、重傷を負うという事件が起きました。開発と権利のための行動センターとしては、環境問題、社会問題の解決のための正義を求めてきた活動家に対する暴力事件に対して深い憤りを覚えるとともに、このような事件が繰り返されないことを強く願うものです。 
 環境に対する権利の確立を目指し、ユリ・メリニ氏は環境問題に関して積極的な発言を続け、6月にはCALASが提出した鉱山法に対する違憲審査請求が認められ、現行の鉱山法のいくつかの条項が違憲であることが宣言されたばかりでした。
 また8月29日には政府広報誌であるDiario de Centro América紙において、環境活動家への脅迫が続いていることを告発したばかりでした。

 開発と権利のための行動センターではこれまでも様々な活動でCALAS、そしてユリ・メリニ氏と協力し、アドバイスを受け、情報交換をしてきました。今月開催されるラテンアメリカ水法廷においてもCALASそしてユリ・メリニ氏は重要な役割を果たしていました。
 既にグアテマラ政府自ら、そしてまた環境団体がこの事件に関して声明を発表していますが、日本からも必要な動きを取っていく方針です。

 開発と権利のための行動センター
 代表理事 青西
 
アムネスティ・インターナショナルもこの事件に対して緊急行動を行っています。参考にしてください。(英文)
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=1888&sel_lang=english

 関連記事
Gobierno repudia atentado contra líder ambientalista
http://www.guatemala.gob.gt/comunicado4908.pdf
AMENAZAS A AMBIENTALISTAS
http://dca.gob.gt:85/diariopdf/080829.pdf
Consideran que ataque fue por su activismo "Atentan contra activista ambiental Yuri Melini, director de CALAS"
http://www.lahora.com.gt/notas.php?key=36256&fch=2008-09-04
Director de Calas resulta herido en ataque armado  
http://www.prensalibre.com/pl/2008/septiembre/04/261666.html
Repudian ataque contra director de Calas  
http://www.prensalibre.com/pl/2008/septiembre/04/261730.html
Alta comisionada adjunta de la ONU condena atentado contra Melini  
http://www.prensalibre.com/pl/2008/septiembre/04/261789.html

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2008/09/04

グアテマラ:鉱山開発問題の動向

 グアテマラにおける最近の鉱山開発関係の動向を整理する。グアテマラにおける鉱山開発は不透明なところがあるものの、見直しに向かうのではないかと思われる。

1)エストールにおけるニッケル開発
 グアテマラ東部のイサバル県エストールにおけるニッケル鉱の採掘権を有していたスカイ・リソーシーズ社は、やはりカナダ系のHudBay Minerals社に合併され、エストールのフェニック・プロジェクトもHudBay社の元に入った。スカイ・リソーシーズ社は米国の金融危機などから投資を先送りにしてきたため、この合併で開発が動き出すのかどうか定かではない。[1]
[1] HudBay Minerals toma el control del proyecto Fénix(el Periódico 08/08/20)http://www.elperiodico.com.gt/es/20080820/economia/66608/

2)アルタ・ベラパス県のカアボンにおけるニッケル鉱などの開発
 上のエストールに隣接するアルタ・ベラパス県のカアボン、セナウ、パンソスにおいては、マヤニッケル社による資源探査に対して住民の抗議行動が高まっている。BHP Billiton社の子会社であるマヤ・ニッケル社に対して、操業を中止して、この地域から出ていくように要求しているとのこと。[2][3]
 6月23日付けのペリオディコ紙は、この地域におけるマヤ・ニッケル社の探査事業が、法に定められた環境影響評価を実施していないことを告発している。環境・自然資源省(MARN)はこの探査に関して、マヤ・ニッケル社に罰金を科しているが、企業側は対抗措置をとっているとのことである。記事では環境団体の声を引用して「罰金を科すというのは歴史的な行為である」と指摘している。[4]
[2]Pobladores de Santa María Cahabón se oponen a minería(Cerigua 08/07/11)http://cerigua.info/portal/index.php?option=com_content&task=view&id=1650&Itemid=2
[3]Se agudizan tensiones entre pobladores y compañías extractivas(08/08/29) http://www.noalamina.org/mineria-argentina-articulo1572.html
[4]Empresa minera acusada de operar sin Estudios de Impacto Ambiental(el Periódico 08/06/23) http://www.elperiodico.com.gt/es/20080623/investigacion/58638/

3)脅迫を受ける環境・自然資源省大臣
 これまで非常に弱い立場に置かれていたMARNであるが、コロム政権下、フェラテ大臣を迎えて積極的な行動を取りつつある。上に挙げたマヤ・ニッケル社に対する罰金もその一つである。
 フェラテ大臣はプレンサ紙のインタビューの中で、環境影響評価を強化し、法を公平に適用していくと発言している。しかしその一方で、直接の脅迫も受けていることを明らかにしている。また現行の鉱山法について、見直す必要があることを明確に発言している。[5]
[5]Luis Ferraté: “Debo proteger la vida de todos”(Prensa Libre 08/08/03)http://www.prensalibre.com/pl/2008/agosto/03/253102.html

4)鉱山法に対する違憲判決
 憲法裁判所は6月19日、鉱山法の第19条、第20条、第21条、第 24条, 第27条, 第81 及び第75条が違憲であるとの判決を下している。この判決では、第19条、第20条にある、影響緩和策、環境影響評価に対して30日以内に承認しない場合には、自動的に承認されたものとみなすという点、第75条における排水に対する責任の曖昧さ、第81条における廃棄物や騒音を「可能な範囲で」避けることとしている規定などを違憲と判断している。[6]
 違憲審査を請求したグアテマラの環境団体CALAS(社会・環境に対する法的アクションセンター)はこの判決を「歴史的な先例であり、特定の利益よりも公共の利益が優越することを、また環境に対する権利がグアテマラ社会の生活と健康のための優先的なものであることを明確にしている」と評価している。[7]
[6]Expediente 1491-2007, Corte de Constitucionalidad
[7]El Comunicado de CALAS EN FIRME SENTENCIA DE INCONSTITUCIONALIDAD DE ARTÍCULOS DEL DECRETO 48-97 “LEY DE MINERÍA” DE LA REPÚBLICA DE GUATEMALA(08/06/20)

5) サン・マルコス県
 サン・マルコス県では鉱山開発に拒否の姿勢を示す「住民投票」が続いている。6月12日にタフムルコで、また7月4日にはサン・ホセ・オヘテナンで「住民投票」が行われている。[8]しかしながら、既に操業を開始しているマルリン鉱山の問題については動きは停滞している。家屋への被害等についても鉱山側は責任を否定したままである。こうした中サン・マルコス県の先住民族組織はラテンアメリカ水法廷において鉱山開発による水系汚染の問題を訴える予定である。[9]
[8]COPAE, El Roble Vigoroso #17, 15/07/08
[9]Guatemala: inquietud por fiebre del oro 08/08/21)http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/business/newsid_7574000/7574484.stm
[10]El Centro Pluricultural para la Democracia -CPDSotzil,Demanda contra el Estado de Guatemala y la empresa minera Montana Exploradora de Guatemala, S.A. por minería a cielo abierto y subterránea en los Municipios de San Miguel Ixtahuacán y Sipacapa http://www.albedrio.org/htm/documentos/DemandaTLASanMiguelySipacapa.pdf

 最近の動きで最も重要なものはやはり違憲判決であろう。この判決を受け、今後の新規の鉱山開発には新しい鉱山法を制定せざる得ない(はずである)。更に厳密な環境影響評価の要求は、今後の野放図な開発への歯止めとなることが期待される。しかしながらコロム大統領の積極的なイニシアティブを見ることはできない。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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開発と権利のための行動センターのプロジェクトから/地域の連携の強化

 行動センターでは、自然資源に対する先住民族の権利を確立していくことを目的に、先住民族組織の活動を支援しています。

 現在、グアテマラそして中米諸国では、鉱山開発や水力発電ダムなど様々な巨大プロジェクトが、地域に居住する先住民族の意思を問うこともなく、押しつけられるという問題が各地で起きています。これは昨年国連で承認された「先住民族の権利に関する宣言」に違反するものでもあります。
 しかしその中で、各地で地域住民の主体的な参加による運動が広がっています。地域の先住民族による協議の実施や地域の様々な団体によるネットワークの形成、国際的な運動との連携などが進みつつあります。インターネット・カフェや携帯電話など、地方都市や農村部でも、国内外の機関と直接にコミュニケーションを取れるインフラが確立してきたということも重要な要因だと思いますが、首都を拠点とするNGOや運動体の主導ではなく、問題を抱える諸地域に、様々な運動が生まれ、それらがつながりつつあることは非常に重要な動きだと思います。

  こうした中で、既にこのブログでも紹介しました「ラテンアメリカ水法廷」が9月8日~12日にかけてグアテマラ、アンティグアで開催されます。この中では次のような告発が取り上げられます。
・産業及び生活排水によるアルタ・ベラパス県のチチョフ湖の水質汚染
・エルサルバドルのトロソ川におけるダム建設によるセンスナパン水系への影響
・パナマのボンジック川及びチャンギノーラ川におけるダム建設の問題
・メキシコ、シロチィンゴにおける医療廃棄物問題
・メキシコ、マラバスコ水系の汚染
・グアテマラ、サンマルコス県における露天掘りの鉱山開発によるクイルコ水系の汚染
・ブラジルにおけるマデイラ川巨大ダム建設問題
・ウエウエテナンゴ県のサン・フアン水系の汚染
  このほかにも先住民族と環境、水、テリトリーをテーマにしたフォーラムがいくつも開催されます。

 開発と権利のための行動センターでは、こうした集まりを通じて、各地の先住民族組織が様々な経験や取り組みを共有し、問題解決に向けて取り組む力、その支えとなる様々なつながりを強化していくことが重要だと考えています。
 
 そこで今回のラテンアメリカ水法廷に向けて、開発と権利のための行動センターでは、ダム開発問題を抱えるキチェ県のイシル地域やイシュカンの地域リーダーの参加経費を支援するとともに、パナマの先住民族の代表の参加経費も支援しています。

 日本からも是非参加したいところですが、限られた予算はやはり現地の人々の参加のために向けていきたいと考えています。パナマからも現地の意向で、1名ではなく2名ということで飛行機ではなくバスを乗り継いで参加する予定です。

 是非、開発と権利のための行動センターの活動をご支援ください。
◆郵便振替口座 00230-5-131472
◆口座名 開発と権利のための行動センター
(通信欄にグアテマラと指定ください)


 また今回、日本からの参加者を送る予算がないこともあり、ちょうどグアテマラ滞在中で参加できるというような方がおられましたら報告を頂けるとうれしい限りです。

  ラテンアメリカ水法廷のサイトはこちらです、
 http://www.tragua.com

 行動センターは今年からパナマのナソ民族の支援にも取り組みはじめたところであり、是非ご協力ください。
 パナマでは今回のラテンアメリカ水法廷の報告も含め9月18日から22日にかけて、「反ダム開発全国フォーラム」も開催されます。(詳細は行動センターまでお問い合わせください)

ナソ民族支援についての詳細はこちらのサイトから
「今動けば、ナソ民族の未来は変わるかもしれない!」
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/07/post_4f31.html
またこちらのサイトにも情報を掲載しております。
http://homepage3.nifty.com/CADE/campaign/panama/naso.htm

その他、ダム開発関係の情報はブログのカテゴリー<ダム開発>からお読みください。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat7897563/index.html

  開発と権利のための行動センター
 理事 青西靖夫

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2008/09/03

ボリビア-グアテマラ-日本:見えない結び目をつなぎ直す

 開発と権利のための行動センターが助成金を受けておりますAyus:アーユス仏教国際協力ネットワークのニュースレター82号(2008/05)に掲載していただいた文章です。http://www.ayus.org/

最近、インターネットでボリビアのニュースを追いかけ、開発と権利のための行動センターのブログで発信しています。ボリビア東部の大牧場主や大農園主が、東部低地のグアラニ先住民族に対する農地解放の妨害を続けているのです。
ボリビア東部のコルディジェーラ地区では、5万ヘクタールあまりの土地が、4ほどの大農園の手に握られ、更に地下には天然ガスも眠っています。そしてそれらの農園ではグアラニ先住民族は隷属状態に置かれ、その権利も十分に保障されないままに農園労働者として働かされているのです。しかし法律に基づいて農地解放と先住民族コミュニティに対する土地登記を進めようとする政府職員は、農園主や取り巻きの武装グループに襲撃され、手続きは頓挫しています。
 日本から遠く離れたボリビアの、さらには首都からも遠く離れた地域で起きているこの事件ですが、グアテマラの人々とのつながりを通じて見過ごす事のできないものとして立ち現れてきます。グアテマラでの活動を通じて、大農園のもとで最低賃金も支払われないままに農園に縛られていたマヤ民族の農民や地下資源によって脅かされる先住民族コミュニティの土地といった問題を共有してきたことによって、ボリビアのグアラニ民族が今直面する問題も、「何ができるのか?」という問いを私たちに投げかけてきます。
  グアテマラの先住民族組織と活動する中で、あちこちの農村を訪ね、その生活や抱えている問題について話を聞き、さらには人々の真摯な取り組みに触れてきました。人々の声を聞くというのは、「プロジェクト」を実施するために必要な情報だったりもしますが、それ以上に「宿題」でもあります。人々の声や思いにどう応えていくのか?グアテマラの人々の取り組みを前に、「じゃあ私たちには何ができるのか?」、グアテマラを訪問するたびにこうした「宿題」が増えていくのです。
 開発と権利のための行動センターでは、グアテマラの先住民族組織と協議をしながら、いくつかの「プロジェクト」を実施していますが、「プロジェクト」で解決できることは、私たちが抱えている「宿題」のごく一部でしかありません。出会った人々の声を伝えること、つながりを広げていくこと、そしてそのつながりを基盤に、新しいあり方を提起し、築いていくことが必要なのだろうと考えています。

 グアテマラの先住民族が抱えている問題は、グアテマラだけではなく、ボリビアや他の国々の先住民族も抱えています。またそれに対して様々な運動があります。押しつけられる自然保護区の問題も各地から伝えられます。食糧価格高騰の問題やバイオ燃料生産の問題も、様々な形で世界がつながっていることをあらためて示しています。「同じような問題を抱えているんだ」、「実はもっとつながっているんだ」、そういう見えてこない結び目をあらためてつなぎ直していく作業が必要とされています。
 グローバリゼーションの中で、私たちは既に様々な商品を通じて世界中の人々とつながっています。しかし価格という指標だけで取引される商品による関係性を乗り越え、「思い」をつなげることを通じて、新しい世界を生み出していくことが必要なのだろうと考えています。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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グアテマラ:バイオ燃料と土地問題

内戦の終結に際して結ばれた和平協定は次のことを定めている。「入植地域、特にペテンや北部横断帯(フランハ・トランスベルサル・デル・ノルテ:FTN)において不正規に引き渡された国有地を政府は法的な対応によって回復することを約束する」。そしてこの土地は小農民への土地分配の対象となるはずであった。[社会経済及び農業に関する協定 III.B.34.(c)]
 ウエウエテナンゴ県からキチェ県、アルタ・ベラパス県、イサバル県をまたがる北部横断帯は開発地区とされたが、内戦期において、多数の政治家や軍人がFTNに違法に土地を入手したと言われている。しかし内戦の終結後もこの協定は守られることもなく、誰も土地の回復には取り組んでこなかった。 

 しかし、今この土地にバイオ燃料生産のためのアフリカ・ヤシ・プランテーションが触手を伸ばしつつある。インフォプレス紙によると、パルマ・デル・イシュカン社はアルタ・ベラパス県を中心に、2万5千ヘクタールのプランテーションを経営するための土地購入を進めているという。[1] この記事によると、70年代、80年代に土地を入手した軍人も、正式な土地権利書がないままに、企業に土地を売却しているという。また10コミュニティが土地を売却したという報告もなされている。。土地売却には、高額な価格の提示から、脅迫まで様々な手段が用いられているという。
 同時に農民側が「土地基金」を通じて入手した正式な権利書のある土地を、即座に売却するというケースもあるという。
 アルタ・ベラパス県のパンソスにおいては、エタノール向けのサトウキビ生産を拡大する農園と伝統的にその土地でトウモロコシを生産してきたケクチ農民との土地紛争が勃発し、農民が暴力的に土地から排除されるという事件も報告されている。[2]
 また環境団体の報告書によると、アフリカ・ヤシプランテーションに土地を売却した農民によるペテン県内の保護区への侵入が指摘されている。[3]


 既にこのブログでも指摘しているが、バイオ燃料原料の生産によって土地の集中/再集中が進み、土地なし農民化が進んでいくこととなる。農村部で雇用が創出されれば、そこに吸収される可能性もあるが、実際には土地なし農民は農業フロンティアに向かって移動していくこととなるであろう。そこで森林や自然保護区の土地への耕作圧力が高まることとなる。
 また農村部の土地なし農民あるいは土地なし農業労働者の増加は、土地-トウモロコシという自給基盤の喪失という点で脆弱なグループを形成することとなる。国内他地域の穀物生産量、国際価格などにも影響されるのでバイオ燃料原料への作付け転換がどの程度グアテマラ国内の穀物価格に影響を与えるのかを推測することは難しいが、食糧価格の高騰に対して、より脆弱がグループが生み出されることについて、深く検討される必要がある。
 
  正式な土地登記がなされていない点については、大農園主にとっても、小農民にとっても障害となるはずであるが、不当に国有地を占拠してきた農園主などにとっては、このバイオ燃料ブームが、土地を売り逃げるいい機会となっているように思われる。その一方で土地権の脆弱な小農民の土地は二束三文で買いたたかれるか、さもなくば、不法占拠者として排除される危険に晒される。

 また資本や情報へのアクセスが限られている小(中)農民が、バイオ燃料ブームの中で、自営商品作物生産者として確立していく可能性も限られている。土地を登記し、融資を受け、作付けのために土地を整備し、収穫時期まで待つことができる余力のある農民は非常に限られているであろう。大企業が精製工場を整備し、採算にあうだけの直接の生産量を確保し、その上で近隣の生産者との契約栽培を広げていくというケース以外には、大規模プランテーションが優越していくこととなるであろう。

 このように考えてきたときに、グアテマラにおけるバイオ燃料生産が直接的に小農民の利益になる可能性は極めて低い一方で、既存の経済構造を再強化し、不公正な開発を推し進める危険がある。
<以上>

ほとんど繰り返しのような内容ですが・・・バイオ燃料よりも「土地の再集中」という問題を見ていく必要があるのだろうと思っています。
 
[1] Inforpress centroamericano No.1767、2008/08/29
[2] Rigths Accion (080710) http://www.rightsaction.org/urgent_com/CUC_attack_071008.html
[3] Laura Hurtado,Informe de Consultoría  ¿Hacia dónde va la Reserva de Biosfera Maya? Instituto de Incidencia Ambiental,2005/07

開発と権利のための行動センター
青西

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2008/09/02

ボリビア情勢について

 エボ・モラーレス政権下のボリビアの状況について、グアラニ先住民族の権利回復への動き、土地改革の動きなどを中心にいくつか紹介してきました。また「自治」の動き、国民投票などの最近の動向も可能な範囲でお伝えしてきました。(これらは日本ラテンアメリカ協力ネットワーク の機関誌『そんりさ』、7月発行のVoL.114及び9月発行予定のVol.115で整理しています。)
 しかしながらブログでもいくつかお伝えしてきましたが、8月10日の信任投票以降のボリビアの動向は非常に懸念されます。もともとこの信任投票については、亀裂を深めるだけではないか、という指摘もありましたが、その指摘通りになりつつあります。政府側、そしてモラーレス政権の支持層である農民組織や先住民族組織は67%という高い支持を背景に、新憲法制定を進め、改革プロセスを推し進めようとしています。一方の「自治」推進派も、推進派の知事の信任を受けて、「自治」の既成事実化を進めるとともに、道路封鎖といった実力行使にも出ています。

 信任投票の結果は痛み分けとして理解されるべきだと考えられます。国民はモラーレス政権を支持し、また東部地区では「自治」推進派の知事への支持も表明しました。この結果を受け入れ、新憲法制定と自治の制度化に向けて対話を進めるしか道はありません。
 しかし新憲法案も含め、モラーレス政権の改革に合意していない勢力にとって、対話をして歩み寄ることで得られるものより、失うものの方が大きいと考えられます。対話よりも対立を求めている、望んでいる勢力が存在しているのです。その一方で、大統領選におけるモラーレス大統領の勝利、今回の高い信任、これらはボリビアにおいて改革が求められていることを示しているといえるでしょう。

 平和的な出口のためには、改革を受け入れ、新憲法制定というプロセスを受け入れ、その中で対話を深化させ、自治を確立するための制度形成に取り組むしか道はないように思います。強硬派を押さえ込み、対話が再開されることを希望を込めて望むものです。
 しかし対立の中で、暴力が野放しにされ、人種差別が助長される事態が続けば、ボリビア社会には癒しがたい傷が残されてしまう危険があります。
 
 日本から何ができるのか。十分な資金も人手もない中で、なかなか動きが取れませんが、ボリビアに関心のある人たちのつながりを通じて何か動くことができればと考えています。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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映画の紹介他:コカレーロ

 ボリビアのエボ・モラーレスを追いかけた映画「コカレーロ」
 9月15日、16日と東京で公開のようです。
 (インターネットより転載情報です。
  詳細はこちら>>http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/jp08/news/index.html

監督 : アレハンドロ・ランデス
出演 : エボ・モラレス、アルバロ・ガルシア
ドキュメンタリー / アルゼンチン・ボリビア / 94分 /
2007年サンダンス映画祭、釜山国際映画祭正式出品
公式サイト : http://www.cocalerofilm.com/
南米最貧国ボリビアでは、コカインの原料となるコカの葉は先住民にとって様々な薬効を持つ重要な民間薬。しかし90年代後半から始まったアメリカによるコカノキ栽培撲滅計画により、貧困層のコカ農民たちは収入源を失うことに。国民の55%が先住民、30%が混血でありながら、スペインからの独立以降も欧州系白人が政権、議会の主体となってきたボリビア。国内の社会格差、人種差別も激しいこの国で、コカノキ栽培地域出身、アイマラ族のエボ・モラレスは反米左派色を打ち出し、初の先住民系大統領を目指してアンデスからアマゾンまでを踏破した!

 東京家政大学 博物館の常設展でサンティアゴ・アティトランの民族衣装を展示しているとのこと。詳細はこちら>>>
http://www.tokyo-kasei.ac.jp/hakubutu/jousetsu.html

 開発と権利のための行動センター
 青西 

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2008/09/01

ボリビア:対話は進まず

 (2008/09/08追記:国民投票は延期。政府は1月25日の国民投票実施のための法案を議会に提出)
    (2008/10/22追記:国民投票は2009年1月25日に実施予定。 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/10/post-ed69.html )

 8月29日、エボ・モラーレス大統領は、新憲法案の承認のための国民投票を12月7日に実施するための大統領令を公布。
 モラーレス大統領は信任投票後、67%という高い支持率を支えに反対勢力に対して対話を呼びかけていたものの、モラーレス政権への反対派、「自治」推進派は、強硬な姿勢を崩さず、25日からは再度チャコ地方などで道路封鎖に入っていました。これに対して先住民族組織などは、新憲法制定プロセスを進めることを強く要望しており、「対話ができないのであれば、国民に決してもらう」という方向を打ち出していたモラーレス大統領が、国民投票の実施を大統領令で定めたものです。
 しかし、この国民投票実施については、法的な疑念も出されており、国家選挙議会がどのような判断を出すかも含め、まだ紆余曲折が見込まれます。

 こうした中で、29日にはサンタ・クルスなどでは与党MAS支持派とサンタクルス青年連合(UJC)などの衝突で、流血事件が発生。またビジャ・モンテでも衝突が起こったとのこと。ボリビアの人権団体はUJCによる暴力行為を強く非難しています。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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グアテマラへようこそ46号メールマガジンの紹介

開発と権利のための行動センターでも協力しております、「グアテマラへようこそ」のメールマガジン第46号が発行されました。
 内容は次のようになっています。
購読希望の方はhttp://homepage2.nifty.com/Guatemala/index.htm 
グアテマラへようこそ ●目次●
●1 イベント情報
1-1 グアテマヤ、金沢文庫芸術祭に参加します!
1-2 「みるぱ」、「開発と権利のための行動センター」も参加します!
1-3 RECOM スピーキングツアーのお知らせ
●2 グアテマラ短報(8/27作成)
2-1 公金流用事件で揺れ続けるグアテマラ国会
2-2 大規模な農民デモ
2-3 先住民族大使の任命
2-4 サンティアゴの仮設住宅のスタン被災者は203家族に
2-5 教育の権利に関する国連特別報告官、通文化教育の欠如を指摘 
2-6 UNDP、グアテマラの保健制度に関する報告書刊行 
●3 関係団体より
3-1 マヤ・イシル民族の若者たちの活動支援
3-2 ラテンアメリカ水法廷
3-3 インターネット・サイトより:「楽器を送る運動」その後
3-4  第三回アメリカ社会フォーラム

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