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2008/09/03

ボリビア-グアテマラ-日本:見えない結び目をつなぎ直す

 開発と権利のための行動センターが助成金を受けておりますAyus:アーユス仏教国際協力ネットワークのニュースレター82号(2008/05)に掲載していただいた文章です。http://www.ayus.org/

最近、インターネットでボリビアのニュースを追いかけ、開発と権利のための行動センターのブログで発信しています。ボリビア東部の大牧場主や大農園主が、東部低地のグアラニ先住民族に対する農地解放の妨害を続けているのです。
ボリビア東部のコルディジェーラ地区では、5万ヘクタールあまりの土地が、4ほどの大農園の手に握られ、更に地下には天然ガスも眠っています。そしてそれらの農園ではグアラニ先住民族は隷属状態に置かれ、その権利も十分に保障されないままに農園労働者として働かされているのです。しかし法律に基づいて農地解放と先住民族コミュニティに対する土地登記を進めようとする政府職員は、農園主や取り巻きの武装グループに襲撃され、手続きは頓挫しています。
 日本から遠く離れたボリビアの、さらには首都からも遠く離れた地域で起きているこの事件ですが、グアテマラの人々とのつながりを通じて見過ごす事のできないものとして立ち現れてきます。グアテマラでの活動を通じて、大農園のもとで最低賃金も支払われないままに農園に縛られていたマヤ民族の農民や地下資源によって脅かされる先住民族コミュニティの土地といった問題を共有してきたことによって、ボリビアのグアラニ民族が今直面する問題も、「何ができるのか?」という問いを私たちに投げかけてきます。
  グアテマラの先住民族組織と活動する中で、あちこちの農村を訪ね、その生活や抱えている問題について話を聞き、さらには人々の真摯な取り組みに触れてきました。人々の声を聞くというのは、「プロジェクト」を実施するために必要な情報だったりもしますが、それ以上に「宿題」でもあります。人々の声や思いにどう応えていくのか?グアテマラの人々の取り組みを前に、「じゃあ私たちには何ができるのか?」、グアテマラを訪問するたびにこうした「宿題」が増えていくのです。
 開発と権利のための行動センターでは、グアテマラの先住民族組織と協議をしながら、いくつかの「プロジェクト」を実施していますが、「プロジェクト」で解決できることは、私たちが抱えている「宿題」のごく一部でしかありません。出会った人々の声を伝えること、つながりを広げていくこと、そしてそのつながりを基盤に、新しいあり方を提起し、築いていくことが必要なのだろうと考えています。

 グアテマラの先住民族が抱えている問題は、グアテマラだけではなく、ボリビアや他の国々の先住民族も抱えています。またそれに対して様々な運動があります。押しつけられる自然保護区の問題も各地から伝えられます。食糧価格高騰の問題やバイオ燃料生産の問題も、様々な形で世界がつながっていることをあらためて示しています。「同じような問題を抱えているんだ」、「実はもっとつながっているんだ」、そういう見えてこない結び目をあらためてつなぎ直していく作業が必要とされています。
 グローバリゼーションの中で、私たちは既に様々な商品を通じて世界中の人々とつながっています。しかし価格という指標だけで取引される商品による関係性を乗り越え、「思い」をつなげることを通じて、新しい世界を生み出していくことが必要なのだろうと考えています。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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