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2008/09/02

ボリビア情勢について

 エボ・モラーレス政権下のボリビアの状況について、グアラニ先住民族の権利回復への動き、土地改革の動きなどを中心にいくつか紹介してきました。また「自治」の動き、国民投票などの最近の動向も可能な範囲でお伝えしてきました。(これらは日本ラテンアメリカ協力ネットワーク の機関誌『そんりさ』、7月発行のVoL.114及び9月発行予定のVol.115で整理しています。)
 しかしながらブログでもいくつかお伝えしてきましたが、8月10日の信任投票以降のボリビアの動向は非常に懸念されます。もともとこの信任投票については、亀裂を深めるだけではないか、という指摘もありましたが、その指摘通りになりつつあります。政府側、そしてモラーレス政権の支持層である農民組織や先住民族組織は67%という高い支持を背景に、新憲法制定を進め、改革プロセスを推し進めようとしています。一方の「自治」推進派も、推進派の知事の信任を受けて、「自治」の既成事実化を進めるとともに、道路封鎖といった実力行使にも出ています。

 信任投票の結果は痛み分けとして理解されるべきだと考えられます。国民はモラーレス政権を支持し、また東部地区では「自治」推進派の知事への支持も表明しました。この結果を受け入れ、新憲法制定と自治の制度化に向けて対話を進めるしか道はありません。
 しかし新憲法案も含め、モラーレス政権の改革に合意していない勢力にとって、対話をして歩み寄ることで得られるものより、失うものの方が大きいと考えられます。対話よりも対立を求めている、望んでいる勢力が存在しているのです。その一方で、大統領選におけるモラーレス大統領の勝利、今回の高い信任、これらはボリビアにおいて改革が求められていることを示しているといえるでしょう。

 平和的な出口のためには、改革を受け入れ、新憲法制定というプロセスを受け入れ、その中で対話を深化させ、自治を確立するための制度形成に取り組むしか道はないように思います。強硬派を押さえ込み、対話が再開されることを希望を込めて望むものです。
 しかし対立の中で、暴力が野放しにされ、人種差別が助長される事態が続けば、ボリビア社会には癒しがたい傷が残されてしまう危険があります。
 
 日本から何ができるのか。十分な資金も人手もない中で、なかなか動きが取れませんが、ボリビアに関心のある人たちのつながりを通じて何か動くことができればと考えています。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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