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2008/09/12

「きれいな開発」の名で資金を探すダム建設が世界遺産を脅かす

 パナマの環境NGO、ACD(保全と開発のための連携)は、パナマで建設が進められつつある新しいダムは、CDM(温暖化対策のための京都議定書に基づく「クリーン開発メカニズム」)による資金を受けようとしているが、地域では環境破壊と人権侵害を引き起こしていると告発している。

 米国のAES社によって建設が進められつつある「チャン-75」ダムは、CDMに基づくクレジットを得るための申請を行っているが、環境破壊を引き起こすものである。
 パナマの環境NGO、ACDのオスバルド・ホルダンは「このダム建設は環境を破壊し、地域に住むノベ先住民族の人権を侵害するものである」と告発している。
  またこのダムは「世界ダム委員会」の基本ラインを踏襲したものではなく、更にパナマのボカス・デ・トロに位置する「アミスター生物圏保護区」内にある「パロ・セコ保全林」内に建設されつつあるという。つまりユネスコによって登録されている世界遺産でもあり、コスタリカ、パナマの二ヶ国にまたがる「アミスター国際公園」を脅かすものとなっている。この公園のコスタリカ側、パナマ国境近くでは最近になって3種の新しい両生類も発見されている。
 このダムは、回遊性の魚種やエビ類に深刻な影響を及ぼすとともに、ジャガーやバクまたオウギワシなどにもネガティブな影響を引き起こす可能性がある。

 更にダムはノベ先住民族の人権を侵害している。パナマの環境行政当局であるANAMは影響を受けるノベ民族の同意を得ることなく建設を認可している。このダムによってノベ民族の1000人の自給農民が移転を強いられ、独自の生活を破壊されることとなる。AES社はノベ先住民族の抗議に対して、脅しや賄賂そして警察による弾圧まで、様々な方法で対抗し、ノベ農民に土地を明け渡すよう圧力をかけている。
 「チャン-75ダムはCDMが環境に対して破壊的なプロジェクトへの補助金として利用されている証拠である」とカーボン・トレード・ウォッチのオスカー・レイエスは述べている。「これは二つの重大な喪失の舞台である。他の地域の産業が環境を汚染し続けるためにパナマの民族そして環境が危機にさらされている」(ACD 08/08/06)

Represa que amenaza sitio Patrimonio Mundial de la Humanidad en Panamá-busca dinero como "desarrollo limpio" (ACDから整理)

追記:パナマのチャン-75ダムに脅かされるノベ民族についてはカルチャル・サバイバルがハガキ・キャンペーンを行っています。
http://www.culturalsurvival.org/programs/panama/panama-letter.cfm

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