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2008/09/16

ボリビア:凄惨な虐殺事件を経て遂に対話再開(080917改)

  9月11日、ボリビア県北東部、ブラジルと国境を接するパンド県のポルベニールにおいて、モラーレス政権支持派の農民グループの県都への侵入を阻止しようとした「自治」派の武装集団が、農民グループを襲撃。少なくとも15人の死者と37人の負傷者、106人の行方不明者がでているとのことである。(数字は9/15現在[1])
 その後、 12日になり、政府はパンド県に戒厳令を宣言。軍が増派され、展開した。しかしパンド県の県都コビッハを管理下に置くのにも2日程かかったようであり、農村部でどの程度治安が回復されているのかははっきりしない。与党支持派の多い、ポルベニールのフィラデルフィアでは村役場が14日未明に焼き討ちにあったとのことである。[2]
 政府は、今回のパンドでの襲撃を農民に対する虐殺事件とみなし、パンド県の県知事レオポルド・フェルナンデスを告発する方針を示している。[3]しかし、フェルナンデス知事は虐殺事件は政府側が仕組んだものだと語っている[4] 「自治」派の各県知事は、一時はフェルナンデス知事への支持を表明し、パンドへ向かうという報道もなされたが立ち消えとなっている。その後火曜日になり、フェルナンデス知事は軍に拘束され、ラ・パスに移送されたとのことである。

 一方、政府との対話に前向きであったタリハ県のコッシオ知事は、タリハ県での衝突やパンド県の事件の後、12日夜から政府との交渉に入り、「自治」推進派知事を代表して、政府との対話再開に向けて動いている。日曜日にも第2回目の交渉が行われ、対話再開のための基本合意締結に向かっている。その後、現地時間16日対話再開に向けて合意。木曜日からコチャバンバで対話が開始されることとなった。[7] またサンタ・クルス県、ベニ県、タリハ県、チュキサカ県では、「自治」推進派による道路封鎖解除が宣言されている。[5]サンタ・クルス県のチャコ地方での道路封鎖も解除。
   更に「南米諸国連合(Unasur)」の緊急首脳会議も15日に開催され、ボリビア政府を全面的に支持する宣言が採択された。また宣言は暴力行為の停止を求めるとともに、政府関連機関の返還、パンドにおける虐殺事件を強く非難するとともに調査のための委員会設置、ボリビア国家の統一、領土の不可分、対話の再開と法の尊重に基づく解決、対話に同伴する委員会の設置などの条項を含んでいる。[6]
 
  多数の農民の血が流れて、やっとボリビアは対話への道に戻りつつある。

[1]http://www.abi.bo/index.php?i=noticias_texto_paleta&j=20080915201443&l=200809120060_Cuerpos_de_campesinos_sin_vida_son_exhibidos_en_una_camioneta_en_Cobija._(El_Deber).
[2] http://www.laprensa.com.bo/noticias/15-09-08/15_09_08_poli4.php
[3] http://www.abi.bo/index.php?i=noticias_texto_paleta&j=20080915201310&l=200809100027_(archivo)
[4] http://www.la-razon.com/versiones/20080915_006396/nota_249_670969.htm
[5] http://www.la-razon.com/versiones/20080915_006396/nota_249_670979.htm
[6] http://www.abi.bo/index.php?i=noticias_texto_paleta&j=20080915233826&l=200809150031_Bachelet_y_Morales_en_la_reunión_de_Unasur_(Presidencia_de_Chile/ABI).
  [7]http://www.erbol.com.bo/noticia1.php?id=1&identificador=577&bdatos=notiportada1 開発と権利のための行動センター
 青西

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