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2008/10/31

行動センターも参加します:川の全国シンポジウム-淀川からの発信-

 2008年11月2日(日)、3日(祝)に、京都大学 百周年時計台記念館 百周年記念ホール(京都市左京区吉田本町)で行われる「川の全国シンポジウム-淀川からの発信-」のポスターセッションに開発と権利のための行動センターも参加します。
 今回はパナマの話を主として紹介する予定です。 
 行動センターの理事青西も11月2日は1日中会場(のどこかに)いる予定です。
 関心のある方はこちらのサイトをご覧ください。
http://kawasympo.s294.xrea.com/index.html#top 
  
 開発と権利のための行動センター

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2008/10/30

パナマの先住民族、集団的土地所有の権利を求めて米州人権委員会に提訴

 10月28日、パナマの先住民族の代表は、国が先住民族の土地への権利を脅かしているとして、米州人権委員会に対して申し立てを行った。
 28日の公聴会にはパナマの7つの先住民族、ノベ民族、ブグレ民族、クナ民族、ナソ民族、ブリブリ民族、エンベラ民族、ウォウナン民族を代表して、ナソ民族からフェリクス・サンチェス、ウーゴ・サンチェス、ノベ民族からはフェリシアーノ・サントス、エルネスト・ロペス、そしてウォウナン民族からレオニデス・キロスが参加した。
 
 公聴会において、先住民族の代表は、パナマには人口の12%の先住民族が居住しており、5つのコマルカ(先住民族テリトリー)が認められているが、残りの民族及びコマルカ外に住む先住民族に対して集団的な土地所有、コマルカが認められていない問題を訴えた。
 先住民族は土地への権利が侵害されていることに加えて、先住民族の土地におけるコンセッションの問題、政府による先住民族の政治組織への介入、警察の専横といった問題を取り上げた。
レオニデス・キロスは土地権侵害の問題として次のように訴えた
1)憲法127条において集団的土地所有が認められているにもかかわらず、その権利が十分に保証されていない。
 クナ、ノベ、ブグレ、エンベラ民族、ウォウナン民族に対して5つのコマルカがあるが、ナソ民族、ブリブリ民族は先住民族はコマルカを認められていないこと。また多くの先住民族がコマルカの外に置かれ、こうしたコミュニティに対しては集団的な土地所有が認められていないこと。ウォウナン民族のケースであれば16コミュニティのうち4つのみがエンベラ-ウォウナン・コマルカ内に位置するが残りは外にあること。
2)土地所有権確定の担当機関として農地改革局が指定されているが、これは個人所有地を確定してきた機関であり、先住民族の集団的な土地所有を確定するにはふさわしくない。
3)入植者による先住民族の土地への侵入
 非先住民である入植者が、国の中央地域からやってきて、土地に侵入し、森林を破壊し牧草地にして、大地主に売却している。政府はこうした入植者の権利を認めても、先住民族の権利を認めていないのである。 
4)先住民族は、自分たちの土地を守ろうとするだけで、テロリスト、ゲリラと言われてきた。
 パナマの先住民族は、権利の尊重を求めてきたが、政府は何もせず、その間にも暴力の被害を受けてきた。

ナソ民族の代表である、フェリックス・サンチェスは、土地のコンセッション、先住民族の文化の侵害、政治機構への介入、警察による暴力といった問題を訴えた。
1)水力発電、鉱山開発、観光にはコンセッションが必要であるが、これらが、先住民族の同意なく与えられ、開発が進められている。ノベ民族、ナソ民族などテリトリーにおいて多国籍企業に対して水力発電開発のコンセッションが与えられた。
2)鉱山開発、健康被害や生命への危険性
3)ボカス・デル・トロの島嶼部における観光開発による土地からの先住民族の排除
4)先住民族の土地権利の保全が急務である。
5)国家は、先住民族の政治機構に介入し、影響力を行使している。例えばナソ民族の伝統的なプロセスを無視して代表を押しつけようとしている。
6)水力発電ダム建設会社が先住民族の自由な通行の妨害
7)警察による弾圧。また開発側のみの擁護をし、先住民族を弾圧している。
 
 更に先住民族を代表して次の点を要請した。
1)現地において権利を侵害されている先住民族の状況について早急に調査を行うこと
2)パナマの先住民族の状況について調査を行い、報告書を作成すること
3)先住民族の土地権を尊重し、保証すること
4)チャン75ダムに脅かされるノベの状況に対して予防措置を取ること。

 パナマ政府はこれに対して、パナマ政府は先住民族の権利を尊重し、コマルカを設置するとともに、現在集団的土地所有を認めるための法案411について審議をしているところであり、先住民族の代表である議員も参加していると反論。
 更に人口で10%でしかない先住民族に対して既に22%の土地がコマルカとして登記されているのだと述べている。
 またダム開発に関しては、県レベルではなく、国の電力供給の15%を担えるものであること、現在の住民は1968年頃にその土地に生活しはじめたのであり、伝統的に居住していたわけではないと反論。また森林保護区として設定されているのであり、このダム計画地域の土地は、集団的土地所有地とも個人所有地とも登記はできないとしている。手続き的にも法に定められた環境影響評価等の活動を、住民の参加に基づいて実施してきているし、移転に関しても住民の合意を得て、近隣地に行っていると述べている。
しかし先住民族側は、コロンブスによる侵略以前からこの土地に住んでいたことをあらためて表明。1983年に設定された森林保護区についても、先住民族の同意なく押しつけられたものであり、法案411も先住民族との協議なく作成されたと反論している。またナソ民族は32年前からコマルカを要求していることをあらためて主張している。
<この公聴会の音声はは米州人権委員会の次のサイトよりダウンロードできる> http://www.cidh.org/Audiencias/seleccionar.aspx
 
 今回のCIDHへの申し立てに関しては、現在次のように考えている。
1)法案411については現在の法案の正確な文面がつかめていないのではっきりしないが、先住民族組織側としては、土地だけではなく、政治的な自治権の確立という点で法案411の問題を捉えているようである。その点でコマルカとして設定するのとは大きな違いが出てくるものと思われる。
2)この法案はこれまでのナソ民族によるコマルカの要求を妨げる、封印するものとなりえるものであり、先住民族の自治権を侵害している。
3)森林保護区としての制定が集団的土地所有も制約するということになると、ナソ民族のテリトリー確立はほぼ不可能となり、ダム開発だけではなく、自然保護区と先住民族の権利という問題も提起されることとなる。
4)警察による暴力的な弾圧、協議のあり方の問題についてはパナマ政府からは正確な反論はなされていない。

 CIDHによる調査が行われることを期待するとともに、先住民族のテリトリーの承認と自治権の確立が必要とされている。

 開発と権利のための行動センター
 青西

 開発と権利のための行動センターでもナソ民族の動きを支援するとともに、パナマの先住民族組織の動きとも連携をはじめています。こちらのサイトもご覧ください。
http://homepage3.nifty.com/CADE/campaign/panama/naso.htm
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/07/post_4f31.html

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2008/10/29

中米各地で広がる水害

 停滞する前線の影響で、グアテマラやホンジュラスなど中米各地で洪水、浸水などの被害が広がっています。
 残念ながら開発と権利のための行動センターでは状況を追えていませんが、いくつかの海外メディアの記事などへのリンクを紹介します。
 BBC-Mundo
"La peor tragedia desde el Mitch" (Honduras)
 http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/latin_america/newsid_7696000/7696446.stm
Guatemala en emergencia (Guatemala )
http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/latin_america/newsid_7694000/7694398.stm
ACT Alert: Intense rains, Central America
http://www.alertnet.org/thenews/fromthefield/222031/122519043443.htm
Honduras and Central America: Floods OCHA Situation Report No. 4
http://www.reliefweb.int/rw/rwb.nsf/db900SID/KSAI-7KU2GT?OpenDocument&rc=2&emid=FL-2008-000198-BLZ

 グアテマラの状況も一週間あまりお伝えするのが遅くなりました。
 雨が続いたグアテマラ北部では、洪水、浸水などの被害が広がっています。ペテン県、イサバル県、アルタベラパス県などを中心に、水没、洪水などの被害を受けています。農作物などにも甚大な被害が出ている模様であり、収穫期の作物が失われているようです。ペテン県では、23日には河川氾濫、浸水で消滅しかかっている村もあるという報道もなされています。
http://cerigua.info/portal/index.php?option=com_content&task=view&id=5049&Itemid=31
Cinco mil afectados deja depresión tropical No. 16  
http://www.prensalibre.com/pl/2008/octubre/21/271166.html
En Petén e Izabal llevan 8 días entre el agua y el fango  
http://www.prensalibre.com/pl/2008/octubre/24/271970.html
Destinarán fondo millonario para emergencia en Petén  
http://www.prensalibre.com/pl/2008/octubre/24/271960.html
Lluvia deja 45 mil afectados  
http://www.prensalibre.com/pl/2008/octubre/25/272251.html
Comunidades afectadas por la lluvia deberán esperar por asistencia  
http://www.prensalibre.com/pl/2008/octubre/28/272699.html

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/10/26

コロンビア続報:大統領との対話に向けて

 追記:10月27日
 詳細は不明ですが、26日にウリベ大統領と予定されていた対話は成立せず。
 先住民族組織側は、当初予定された会場で、メディアの扱いなどに慣れた政府側のペースで限られた参加者の中で対話が進むのを好まず、公開の場での討論を求めたたが、予定時刻には大統領は現れなかったようである。
 ウリベ大統領は11月2日にポパヤンで対話を行うことを提案している。

 10月25日
10月21日に、カウカ県のピエンダモを出発したデモ隊は25日、金曜日カリに到着しました。26日、カリにて大統領と対談の予定。
 未整理ですが関連情報をいくつか
-コロンビアの国際連合人権高等弁務官事務所は政府と先住民族の対話を歓迎する声明を発表。
 更に平和的な抗議行動の権利を尊重すること、先週来の暴力的な弾圧について遺憾の念を表明。
http://www.hchr.org.co/default.php3

-警察が先週、マリア、ピエンダモでの運動を弾圧した際に、実弾射撃を行っていたことが判明。政府は当初否定していた。
 CNNのニュース報道の後、大統領が正式に認める。(ビデオもあります)
http://edition.cnn.com/2008/WORLD/americas/10/23/colombia.shooting/index.html
-コロンビア軍が若者の誘拐、殺害事件に関与していたことが判明
http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/latin_america/newsid_7690000/7690482.stm
 社会運動を「テロリスト」として非難してきたウリベ大統領ですが、足元から続々と実は身内に「テロリスト」が浸透していた事実が判明しているとも言えます。
 <その他>
-コロンビア、デモ行進などの写真が掲載されています。
   http://www.elpais.com.co/paisonline/multimedia/galerias.php
 
 関連先住民族組織のサイト
 Asociación de Cabildos Indígenas del Norte del Cauca - ACIN - CXAB WALA KIWE  http://www.nasaacin.org/
  Consejo Regional Indígena del Cauca CRIC
  http://cric-colombia.org/inicio.htm
 La Organización Nacional Indígena de Colombia - ONIC
http://www.onic.org.co/

日刊ベリタ掲載記事(081025) 

 コロンビア南西部のカウカ県、ピエンダモを出発した先住民族の大規模なデモ隊は2万人近くにふくれあがり、10月25日にコロンビア第2の都市、カリに到着する予定である。先住民族組織の運動に対し、「テロリストが浸透している」として、否定的なコメントを行ってきたウリベ大統領は、遂に対話を受け入れることを表明。26日、カリにて先住民族組織の代表と対談を行う予定である。

 コロンビア各地の先住民族組織は10月12日、コロンブスのアメリカ大陸「発見」の日にあわせて大規模な運動を展開。先住民族組織は、コロンビアの102の民族のうち18民族が消滅の危機にあること、先住民族に対する暗殺事件が頻発し、今年だけで57人、ここ6年間で1240人が殺害されていること、40万人の土地を持たぬ先住民族がいること、これまでの政府との合意事項が履行されていないこと、自由貿易協定への反対、さらには先住民族の権利要求の声が犯罪扱いされ、「テロリスト」扱いされる問題などを取り上げていた。

 カウカ県のピエンダモでは、先住民族組織側はパン・アメリカン・ハイウェイを封鎖。これに対して政府の治安部隊が14日から15日にかけて暴力的な弾圧を行い、1人が死亡、銃撃によるものを含め100人以上の負傷者がでる事態となった。大統領はこの衝突に対して「テロリストが浸透しているのだ」と非難し、負傷した警察官の人権を訴えていた。しかし政府側は実弾は使用していないと説明していたものの、CNNによって警官が銃撃を加えているビデオ映像が公開された後、大統領は警察側が銃撃を加えた事実を正式に認めた。しかし今回の一連の抗議行動の中で、これまでに少なくとも4人の先住民族が死亡しているが、政府側は銃撃との関係、またその責任を否定している。

 コロンビアでは、様々な社会運動が「テロリスト」あるいは「ゲリラ」との烙印を押され、弾圧の対象となってきたことに抗議の声が広がっており、先住民族組織も対話事項の一つとして基本的人権の尊重と、こうした非難への償いを要求している。

(2008/10/25)

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/10/24

「イシルの若者たちの活動支援」の報告

 6月23日に掲載しました「イシルの若者たちの活動への支援」のお願いについて報告します。
 キチェ県のイシル地方、コッツアルで活動するCONJUPAZ(Coordinadora Integral de la Juventud Maya Cotzalense por la Paz :マヤ・コッツアルの若者たちの平和のためのコーディネーター)のためのPC支援について報告します。
 第一期を8月末で締めましたが、皆様のおかげで計800ドルの寄付金を頂くことができました。その資金によって9月17日、デスクトップのPC一台とプリンターを購入しました。現地からの写真等はまだ届いていませんが、ここに報告させて頂きますとともに、ご協力に感謝します。

 現在12月末までを目標に第二期の寄付金を集めておりますのでよろしくお願いします。
 終了=第一期:目標額10万円 
    (デスク・トップ一台、プリンター、USBメモリー)
 第二期:追加目標額 10万円 (ラップ・トップ一台)
 詳細はこちらへ  
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/50657/41620039

  また現地から来ております、購入機材の詳細はこちらのサイトで確認できます。キャンペーンページの報告にレター(スペイン語)へのリンクを貼っています。
  http://homepage3.nifty.com/CADE/campaign/cotzal.htm

 今後とも現地の状況など伝えていきますのでよろしくお願いします。 

 開発と権利のための行動センター
 代表理事 青西靖夫

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2008/10/23

コロンビア国内で広がる先住民族デモへの支持

 エル・リベラル紙の報道によると、国内の数千人の女性がカリに向かう先住民族のデモ隊に合流するとのことである。
 デモへの参加は、先住民族女性への連帯と擁護のためであり、また過酷な状況に置かれている農民やアフリカ系住民の女性たちへの連帯、また人権擁護のために活動しているリーダー達の命を守るためであると伝えている。
 さらに、政府が先住民族の運動に対して、また全ての抗議が、政府によってテロリストであると言われることへの抗議であり、その証拠を公にするためであると語っている。[1]
 このほかにも公務員組合等が木曜日から全国でストライキに入るとのことである。[2]
[1]   http://edition.cnn.com/2008/WORLD/americas/10/22/colombia.shooting.video/index.html#cnnSTCText 

 CNNは警察が抗議行動に対して銃撃を加えている様子を撮影したビデオを公開
  http://edition.cnn.com/2008/WORLD/americas/10/22/colombia.shooting.video/index.html#cnnSTCText


<コロンビア政府の対応に広がる反発>(081023)

1) 欧州議会の議員がコロンビアの先住民族運動への抑圧について声明を発表
   http://www.nasaacin.org/noticias.htm?x=8982
 この中で10月12日以来開始された先住民族のデモや組合運動にに対する抑圧に抗議。
 102の先住民族のうち、消滅の危機にある18民族の存続と、先住民族のテリトリーへの権利、自治権の尊重を求める運動を正統なものであると評価し、コロンビア政府に対して、軍隊による抑圧の早急な中止を要求するととともに、3名の欧州市民の理由なき追放を受け入れがたいとする声明を発表しました。更にコロンビアにおいて社会運動を抑圧するために常にテロリズムへの闘いという口実が用いられることも強く非難しています。
 
2) 不当な強制退去処分への抗議
 http://www.nasaacin.org/noticias.htm?x=8974
 コロンビアでは今回の事件、またそれ以前から、海外からの人権擁護組織メンバーなどへの圧力が高まり、今月2日に1名のドイツ人、14日には2名のフランス人が強制退去させられています。彼らは人権組織のメンバーあるいは現地状況を記録するためにコロンビアに来ていたとのことです。
 この事件について、各国の連帯組織などが声明を発表し、人権擁護活動や同伴活動を尊重し、擁護するように求めています。
 ウリベ大統領は18日、この件について、「外国人が入国規定を破り、テロリストと混ざって、先住民族の抗議を利用しているのだ」、「こうした外国人を監獄に退去ではなく、監獄に入れるべきだ、暴力をそそのかしている張本人だ」、真実をねじ曲げている」と根拠のない非難をしていました。 http://web.presidencia.gov.co/sp/2008/octubre/18/08182008.html

現況:カウカ地方の先住民族組織は、現在カリに向けて3万人とも言われる大規模なデモ行進を行っています。しかしこの過程で、警察の銃撃で二名が死亡する事件も起きています。
http://www.elliberal.com.co/content/view/18090/47/
 http://www.elliberal.com.co/content/view/18235/87/

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/10/22

ボリビア:新憲法承認のための国民投票へ

  現地10月21日、国会にて新憲法承認のための国民投票法が採択されたのに続き、モラーレス大統領はムリージョ広場に結集した大規模なデモ隊を前に、法を公布。2009年1月25日に新憲法承認を問う国民投票が実施されることとなりました。モラーレス大統領は人々とともに新憲法制定に向けた着実な前進を祝しました。
 9月11日の農民虐殺事件以降進められた対話の成果は、国会に引き継がれ10月11日から4党の代表によって新憲法案の修正に関する議論が続けられていました。この結果、全ての修正点について、与野党の合意が形成され、100カ所ほどの修正がなされたとのことです。国会では、まず制憲議会で採択された新憲法案を国会で修正するために、制憲議会の設置について定めた憲法第232条の解釈法を採択。その上で新憲法案を修正した上で、国民投票法を採択しました。大農園の土地面積上限について定める第398条については、5千ヘクタールと1万ヘクタールの2案を併記して、国民に問うこととなります。しかし土地面積に関する規定の適用は先送りする方針も同意されているようです。
 最後まで対立点となっていた再選規定については、モラレス大統領が新憲法下では1期のみに出馬するという方針を明言し、合意に達しました。また新憲法が承認された場合には、最初の総選挙を2009年12月6日に行う予定とのことです。
 更に政府側は、この新憲法案に基づく修正がなされた場合には、サンタ・クルス、タリハ、ベニ、パンドの4県の自治憲章を承認することを表明したとのこと。[1]
 
 新憲法案及び自治を巡って国が2分される深い対立を乗り越え、対話によって合意を形成したこのプロセスは、非常にすばらしいものだと思います。更に、新しいボリビアを目指す先住民族の人々の尽きぬことないエネルギー。これから先にまだまだ続いていく、新しいボリビアを生み出すプロセスが平和的に進んでいくことを願うものです。またこのプロセスから、私たちが新しい社会のあり方について学ぶべき点も多い。(青西 2008/10/22)
[1]http://www.erbol.com.bo/noticia1.php?identificador=530&bdatos=notiportada3

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/10/21

「持続可能なオイル・パーム」とコロンビアの農民リーダー暗殺

 10月14日、コロンビアのクルバラドの農民リーダーであるバルベルト・オヨ・リベラ(WALBERTO HOYOS RIVAS)が、パラ・ミリタリーに暗殺されました。オヨ・リベラはバホ・アトラト地方において、パラ・ミリタリーによって、オイル・パーム拡大のために共有地が略取されている事実を明らかにしていました。またオヨ・リベラは、パラ・ミリタリーによる2005年の別の農民リーダー殺害の証人でもあり、昨年も襲われており、今回の事件は、オヨ・リベラが米州人権裁判所の暫定処置により、内務・法務省当局による保護下にある中で起きた事件です。
 コロンビアのカトリック教会の正義と平和協議会の声明は「パームの植栽と粗放的牧畜が広がる中で、犯罪が続いています。唯一進まないのはクルバラドで引き起こされた犯罪の調査だけです。その一方で犯罪組織と企業は全ての違法行為を省みることなく、活動を続けているのです」と訴えています。[1]

 こうした中で、この10月16日、17日にかけて、コロンビアで 「持続可能なオイル・パームのためのラウンド・テーブル(RSPO)」が開催されたのです。正義と平和協議会のヘンリ・ラミレスは「この会議の開催は、生産国のコミュニティの現状について知らないことが多い世論に対して混乱したメッセージを送ることになるものです。例えばコロンビアのクルバラドでは、パームオイル事業によって、アフリカ系コロンビア人のコミュニティ共有地が暴力的に略奪され、また13の企業がパラミリタリーと結びついています。(昨日のオヨ・リベラの死で)これまでに140の犯罪が引き起こされ、13の強制排除がなされたのです」と語っています。[2]

 この「持続可能なオイル・パームのためのラウンド・テーブル(RSPO)」は「持続的な」オイル・パームの生産と利用を促進するために、国際的な自然保護団体であるWWF(世界自然保護基金)の積極的な関与の元に2004年に組織されたもので、現在256の団体が正式に参加しています。うち20団体がNGO、残りが生産者他、業界団体であり、日本の商社、企業なども複数参加しています。[3]
 今回、このRSPOの会議がはじめてラテン・アメリカで開催されることとなりましたが、数多くの環境団体がRSPOは、アグロ燃料生産に対する社会的な反発とネガティブな報道の前に、「グリーン・ウォッシュ」、見かけを取り繕うものに過ぎないとみなし、反対の声明を発表しています。
 声明ではRSPOは地域のコミュニティの権利を侵害する事業を正当化しようとするものに過ぎず、テリトリーと自然に大きな影響をおよぼす一方で、引き起こされた紛争の解決には何ら役には立たないと宣言しています。続けてこの宣言文では、オイル・パーム生産が引き起こす森林破壊、先住民族の権利の侵害、土地紛争の激化、農民の土地からの排除、食糧への権利の侵害といった問題を訴えています。[4]
 WWFはオイルパームだけではなく、大豆生産においてもラウンド・テーブルの設置に積極的に関与し、それぞれ認証制度を確立しようとしています。[5]こうした動きは温暖化対策としてEUにおいて進められつつある混合燃料政策と密接に結びつくものであり、また「企業の社会的責任」という流れとも合致することから広範な企業の支持を得られているのでしょう。しかしその一方でどちらの動きも地域の環境団体などから反発を受けているのです。
 日本では、こうしたバイオ燃料に関連するラウンド・テーブルの話もほとんど伝えられていませんが、グローバリゼーションの中で、市民社会や消費者が「認証」や「企業の社会的責任」を適切に評価するためには、市民社会のネットワークもグローバルに広がり、情報を共有することが求められています。
(2008/10/22)
 開発と権利のための行動センター
 青西

[1]Asesinado WALBERTO HOYOS -PARAMILITARES ASESINARON A LIDER DE CURVARADO
 http://justiciaypazencolombia.org/spip.php?article182
[2] Paramilitares asesinan en Colombia líder de una comunidad campesina opuesta a los monocultivos de palma aceitera
http://justiciaypazencolombia.org/spip.php?article183
[3]http://www.rspo.org/members_list.aspx?catid=37&ddlID=39&membercat=13
[4]Declaración Internacional contra la Mesa Redonda de Aceite de Palma Sostenible
http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/44506
  下に宣言の一部整理をつけます。
[5]「責任ある大豆生産」のまやかしを拒絶する 開発と権利のための行動センター
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/04/post_0aea.html


ラテンアメリカの環境団体他は、WWFが積極的に進めている「持続可能なオイル・パームのためのラウンド・テーブル(RSPO)」に反対する声明を発表。
Declaración Internacional contra la Mesa Redonda de Aceite de Palma Sostenible

 この声明では次のような点を訴えています。
 <問題点>
-RSPOが持続性の定義に、大規模プランテーションを含めていること。
-オイルパームの継続的な拡大を正当化するためにデザインされていること。
-大規模なモノカルチャーへの転換を含んでいる、いかなるモデルも持続的とは言えないこと。
-RSPOは経済成長とパーム・オイルの市場拡大に関心を持っているが、社会・環境の持続性には関心を持っていないこと。
-RSPOは産業界に支配されており、影響を受けるコミュニティは正当に協議を受けていないこと。。
-NGOの参加はこの受け入れがたいプロセスを正当化するだけである。WWFといった巨大なNGOはこのプロセスを進めているが、これは人々の真の問題を解決するどころか悪化させるだけであること。
-RSPOの形式は、個別のプランテーションを認証することを可能とするが、このことが生産全体の総合的な評価を回避することになること。社会・環境に対して無責任な活動をしていたとしても、抜きんでたプランテーションによって「環境に責任ある」と顕示することを可能とする。こうしたことは既に森林認証でも起きていたことである。
-これは「緑の化粧」を行うだけであり、現実を偽り、否定するものである。破壊的であり、社会的にも環境にとっても持続不可能な生産様式を「責任ある」ものと見せかけるだけである。

 EUやその他の機関は、アグロ燃料のための原料生産を持続的なものとする公式の基準の策定に取り組んでいるが、オイル・パームを含め、全てのアグロ・インダストリーによるモノカルチャーは持続的なものではないし、決して持続的にはなりえない。

 熱帯諸国において、これまでにオイル・パーム産業によって引き起こされた損害は既に修復不能であるが、それにもかかわらず、この宣言において次の点を要求する。
-オイル・パームによる新たな森林破壊と土地利用の変化を停止すること。
-森林や泥炭地を破壊している生産者から供給されるパーム・オイルを買い付けている企業との商取引を中止すること。
-大規模なモノカルチャーによって被害を受けている先住民族、アフリカ系住民、コミュニティ住民の人権を擁護すること。
-大規模なモノカルチャーの押しつけによって生み出された人的、また環境への被害へ、国家や企業による人権侵害への補償を保証すること。被害者のために真相を明らかにし、法的な処罰を行い、また補償をすること。
-パームのモノカルチャーに起因するすべての土地紛争を解決し、影響を受けた先住民族コミュニティ、アフリカ系コロンビア人コミュニティの伝来の土地を即刻返還し、またILO169号条約を執行すること。
-地域のコミュニティの土地とテリトリーへの権利を尊重すること。
-被害を受けたコミュニティによる告発等に対して耳を傾け、対応し、法的な措置をとること。
-オイル・パーム生産の無差別な拡大を正当化することになる、アグロ・インダストリーのロビー、RSPOのようなケースを受け入れないこと。未来の民族、地球を犠牲に大企業の利益を保証するようなことはしないこと。
-EUその他のアグロ燃料に対するインセンティブを即刻モラトリアムに入れること。義務的混合率や免税措置また排出権取引を利用した資金提供を停止すること。

 私たちは農産物、畜産物の生産、加工、流通、消費のあり方を大胆に変換すべき時期にいる。そのために次のようなことに取り組まなくてはならない。
-小規模な農村コミュニティの破壊や気候変動につながる工業的な食糧生産の停止。
-自然資源の私有化を終えること。
-アグリビジネスを解体し、第一次産品の投機、また食糧危機に対して責任ある経済・通商政策の中止。
-真の農地改革プログラムによって、工業的農業を小農民農業、持続的な家族農業に代替すること。
-持続的なエネルギー政策の促進。エネルギー消費を押さえ、大規模なアグロ燃料に代わり、ソーラーエネルギーや風力またバイオガスによって地域的にエネルギーを生産すること。
-農民の持続的な農業を進め、また地域の食品、エコロジカルな食品の消費を進めるような政策を、地域、国、国際的なレベルで進めること。このことは補助金を受けている食糧との歪んだ競争を引き起こす補助金の全面的な廃止も含むものである。

 2008年9月28日 Udine, Italia

 この声明文は、イタリアで開催された”El Encuentro de la Red de Alternativas a la Impunidad y a la Globalización del Mercadoにおいて、コロンビアの組織からの告発を受け止めて、採択されたものとのことである。

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2008/10/20

緊急行動:コロンビアにおける先住民族組織に対する弾圧への抗議

 10月12日以来、コロンビア各地で先住民族組織によって先住民族の権利の確立を求める運動が展開されていました。しかしカウカ地方でパン・アメリカン・ハイウェイを封鎖していた多数の先住民族に対して、政府の治安部隊が、銃撃等を含む弾圧を行いました。この衝突で1名の死者と90人近くの負傷者がでています。先住民族組織は、政府側とこれまで結んできた合意事項の履行、先住民族に対する暗殺事件の問題、土地問題などを訴えていたものです。
 
 開発と権利のための行動センターでは、この事件に対して、暴力的な抑圧の停止、基本的人権の擁護、先住民族の権利の尊重を求める声明を発表するとともに大使館に対して上記の内容を求める要請書を作成しました。

 
 コロンビアにおける先住民族や農民に対する
治安部隊による抑圧に対する声明


 2008年10月17日、横浜

 日本の諸組織及び日本の市民はコロンビアのカウカ地方で発生した先住民族や農民に対する暴力や抑圧に対して深い憂慮の念を表明します。またコロンビア政府及び関係当局に対して次のことを要請します。
1)先住民族や農民に対する暴力的な抑圧を早急に停止すること
2)先住民族や農民の基本的人権を擁護するために、人権に関する国際規範に準じて、全ての必要な手段を講じること
3)ILO169号条約また国連総会で採択された先住民族の権利宣言に定められている先住民族の権利を完全に尊重すること。

 開発と権利のための行動センター
 中南米と交流する京都の会

スペイン語「081020comunicado.pdf」をダウンロード

また在日本コロンビア大使館に対して、人権の擁護を求めるハガキは次のリンクよりpdfファイルにてダウンロードできます。 「081020cartaejemplo.pdf」をダウンロード

是非ご協力ください。

 開発と権利のための行動センター

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2008/10/19

コロンビアで先住民族運動に対する弾圧 続報

 コロンビア、カウカでの衝突での死傷者の数は、死者1名、重傷者89名に上っているとのことです。http://www.nasaacin.org/noticias.htm?x=8918
 なお現地の報道によると先住民族組織による実力行使は48時間停止され、政府との対話の可能性が探られているようです。
 http://www.elliberal.com.co/content/view/17701/20/
 
 背景情報として、今回の先住民族組織による運動について、先住民族組織の声を少しまとめてみました。
 グアテマラでもかって、人権侵害を訴える先住民族の人々の声は、「ゲリラだ」と抑圧され、暗殺の対象とされてきたことを忘れることはできません。

[1]Colombia: Levantamiento indígena por la vida, la dignidad, la soberanía y defensa de los derechos fundamentales y colectivos    http://www.servindi.org/archivo/2008/4820
 10月12日、コロンブスによるアメリカ大陸「発見」の日に、コロンビア各地で、先住民族による抵抗運動が開始されました。
 先住民族組織は、先住民族の権利の尊重、先住民族テリトリーの権利確立、長年にわたって続いてきた民族虐殺への司法の適用、絶滅の危機にある先住民族に対する緊急の施策、先住民族の食糧主権を脅かす自由貿易協定の拒否、これまでに結ばれてきた先住民族組織と政府との合意の真摯な履行などを求めてきました。
 コロンビアではここ6年間に1125人の先住民が暗殺され、18の民族が絶滅の危機におかれているとのことです。
.
[2]Razones de Minga de la Movilizacion Indigenas Nacional.(音声)
  http://www.onic.org.co/audios.shtml?AA_SL_Session=ce4d9606d29442dd3391536db29abe51&scrl=1&scr_scr_Mv=1
「混乱ばかりを伝えるのではなく、なぜ自分たちが立ち上がっているのか、を伝えていく必要があります。まず、私たちは幾たびと主張してきたことですが、コロンビアでは、虐殺、そして民族虐殺が進みつつあります。内戦や(麻薬対策という名目の)農薬空中散布、医薬品・食料品の遮断、先住民族の追放などによって、現在、18の民族が、既に500人の人口を下回り、消滅の危機にあります。コロンビア政府が、憲法に定められているところも守らず、これらの民族虐殺を止めるために適切な対応をとらない中で、この状況は国内的にも国際的にも憂慮されます。
 また生命のために、先住民族だけではなく、内戦で脅かされている全ての国民のために運動を行っています。
 そして先住民族の権利が、石油開発や鉱山開発などの多国籍企業の活動によって脅かされていることがあります。更に先住民族への協議という権利を侵害し、生存を脅かしています。また先住民族の権利を侵害するような関連法の制定が制定されつつあります。農村開発法や森林法が自由貿易を進めるために、制定されつつあるのです。これらの法を破棄し、先住民族との協議を進め、これまで先住民族が確立してきた権利が再び侵害されないことを保証すべきなのです。
 また40万人以上の土地を持たぬ先住民族の問題に対して、政府の真摯な対応を求めています。
 危機にある18民族の存続を確実にする計画の策定とそのための予算措置、
 平和が必要です。政府とまたすべての武装集団に対して、政治的な解決の道をとることを要求します。武力紛争が民族の消滅、コミュニティの消滅をひきおこしているのです。
  また先住民族運動を犯罪化を拒否します。私たちが自分たちの運動を展開するたびに、政府はゲリラが浸透しているといい、犯罪者だとみなそうとするのです。しかし私たち、先住民族組織は、当初から、武装グループを拒絶し、武力紛争に対して、独立した立場に求めてきました。私たちはいかなる形の戦争にも同意していません。
 人々が平和を求めている時、政府は力で蹴散らそうとするのです。力では問題を解決できません。人々を追い払うことはできるかもしれませんが、問題は解決できないのです。ウリベ政権下の6年間で1240人の先住民族が暗殺されています。政府の報告が99とか言うのは大きな間違いです。2003年のカンコアモ民族の虐殺だけでも153人の命が失われています。
 今年だけでも57人の先住民族が暗殺され、カウカでは最近一ヶ月で20人、1週間で7人の先住民族が暗殺されています。しかし私たちがこうした弾圧に反対する運動を展開すると、更なる弾圧で答えてくるのです。
 これ以上の犠牲者がでないことを願うとともに、政府が私たちの要求に対応することを求めます。(抄訳)
  Razones de Minga de la Movilizacion Indigenas Nacional.
  http://www.onic.org.co/audios.shtml?AA_SL_Session=ce4d9606d29442dd3391536db29abe51&scrl=1&scr_scr_Mv=1

[3]No más asesinatos de indígenas en Colombia!
   http://www.fidh.org/spip.php?article5946
  こちらまだ整理しておりませんが、La Federación Internacional de los Derechos Humanos (FIDH)の声明文。

 開発と権利のための行動センターでも抗議声明を出すことを検討中

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/10/16

コロンビアで先住民族運動に対する弾圧

 現地の先住民族組織などからの情報によると、コロンビアのCauca地方のラ・マリア、ピエンダモにおける先住民族と政府側の治安部隊との衝突で、既に60人以上が負傷し、1人の死者が出ているとのことです。コロンビアでは、10月12日以来、各地で先住民族による、権利の確立を求める運動が展開されていましたが、パン・アメリカン・ハイウェイを封鎖していたCauca地方の運動が政府の治安部隊による暴力的な弾圧を受けています。Caucaの先住民族組織は2004年の9月から政府に対して繰り返し要求してきた問題が一向に解決されないことから、抗議行動をとっていたものですが、それに対し、治安部隊は道路封鎖を解除するため、銃撃を加えた模様。
 即座の暴力行為の停止と基本的人権の尊重、その上での平和的な紛争解決が必要とされている。
 開発と権利のための行動センター
 青西
<先住民族組織>
Consejo Regional Indígena del Cauca CRIC
http://www.cric-colombia.org/noticias/?catid=1
Asociación de Cabildos Indígenas del Norte del Cauca - ACIN
http://www.nasaacin.org/
Colombia: Levantamiento indígena por la vida, la dignidad, la soberanía y defensa de los derechos fundamentales y colectivos.http://www.servindi.org/archivo/2008/4820

<新聞報道他>
Bloqueos y enfrentamientos en la Panamericana
http://www.elliberal.com.co/content/view/17357/87/
Entrevistas sobre la Minga de Resistencia Social y Comunitaria y los incidentes en la Finca "La María" y la carretera panamericana. Radio Nizkor,
http://www.radionizkor.org/colombia/

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2008/10/15

メキシコ:違法な遺伝子組み換えトウモロコシ生産

  メキシコにおいて違法な遺伝子組み換えトウモロコシ生産の存在が公式に確認される。
   メキシコの食品衛生安全品質管理局(SENASICA)は、9月19日、メキシコ北部のチワワ県で、遺伝子組み換えトウモロコシが違法に作付けされていたこを公式に発表。これはメキシコにおいて遺伝子組み換えトウモロコシが市場向けに違法に生産されていることを、初めて認定するケースとなった。メキシコでは「バイオセキュリティと遺伝子組み換え生物に関する法」によって、遺伝子組み換えトウモロコシの生産は現在は認められていない。[1]
  この報道に関して、メキシコのグリーン・ピースは、既に2007年12月に告発していた問題であり、これを認めるのに10ヶ月も要したことに対して、現政権がバイオセキュリティを確立する手段を欠いていること、対策の遅さがメキシコにおける遺伝子汚染の危険を高めていると指摘している。
  グリーン・ピースは昨年12月にチワワ州当局及び連邦政府に対して、違法な種子流通に対する監視を強化するように求めていただけではなく、これまでにもメキシコ各地におけるトウモロコシの遺伝子汚染について告発してきていた。
豊かな遺伝的多様性を有するメキシコのトウモロコシが危機に瀕している。 

開発と権利のための行動センター
 青西

[1]Asegura SENASICA cultivos de maiz geneticamente modificado NUM.
183/08  
   http://www.sagarpa.gob.mx/cgcs/boletines/2008/septiembre/B183.htm
[2]Reconoce Sagarpa contaminacion con maiz transgenico en Chihuahua
  http://www.greenpeace.org/mexico/news/contaminacion_transgenicos_chih

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2008/10/13

9月11日の農民虐殺事件から一ヶ月

 これまでの記事の内容も利用しつつ、最近の動向を整理します。

 9月11日、ボリビアの北東部、ブラジルと国境を接するパンド県で、現モラレス政権を支持する農民組織の集会を阻止しようとしたパンド県知事支持者グループが、農民グループを待ち伏せ、襲撃するという事件が発生。18人が死亡。更にいまだ68名の行方不明者がいるとのことである。[1]この事件では県知事の支持者や雇われた殺し屋が農民を銃撃したとのことであり、さらには川を泳いで逃げる人々へ銃撃を加えている映像が、政府公報のインターネット・サイトにおいて掲載されている。[2] この事件の後、パンド県には戒厳令が敷かれ、軍が展開。数日間を経て、治安を回復。また16日にはレオポルド・フェルナンデス県知事も軍に拘束され、首都ラパスに移送の後収監された。

 この事件をきっかけに、現政権への反対勢力による実力行使は終結。政府と紛争の原因となってきた諸問題を解決するための対話の再開に合意し、炭化水素直接税の配分、県の自治憲章と新憲法案について協議を行うこととなった。[3]
 また「南米諸国連合(Unasur)」の緊急首脳会議が9月15日に開催され、ボリビア政府を全面的に支持する宣言が採択された。宣言は、暴力行為の停止を求めるとともに、政府関連機関の返還、パンドにおける虐殺事件を強く非難するとともに調査のための委員会設置、ボリビア国家の統一、領土の不可分、対話の再開と法の尊重に基づく解決、対話に同伴する委員会の設置などの条項を含んでいる。[4]
 
 なお国連の先住民族の権利に関する特別報告者であるジェームズ・アナヤ氏は、9月18日、ボリビアのベニ県、パンド県、サンタクルス県、タリハ県など東部諸県における暴力が、先住民族とその権利の擁護のために活動している機関を危険にさらしていると非難する声明を発表。特に11日にパンド県で発生した、準軍事組織による農民組合に対する待ち伏せ攻撃による殺害事件、また頻発している先住民族組織や支援NGOの事務所への襲撃事件を告発した。9月にはボリビア東部先住民族連盟(CIDOB)、サンタクルス先住民族調整機関(CPESC)といった先住民族組織に加え、支援組織である法的研究・社会調査センター(CEJIS)や農民支援調査センター(CIPCA)といったNGOの事務所が襲撃、破壊された。それだけではなく、暴動の中で、政府の農地改革庁の出先事務所も各地で占拠され、文書が焼失している。[5] 

 9月17日に国際機関の仲介を受けて開始されたモラレス政権と「自治」推進派の県知事との対話において、炭化水素直接税の配分と自治のあり方について協議が行われた。しかし9月末になって「自治」推進派の諸知事は自治以外の点に関しても新憲法案を見直すことを要求、それ以降対話は頓挫した。一方、双方の代表を含めた専門家会議は、炭化水素税の扱い及び自治に関して合意文書。しかし「自治」推進派は最終的に政府と合意を結ぶことを拒否。政府側はこの専門家会議の結果を新憲法案修正に盛り込んでいくことを表明。オブザーバーとして参加していた国連や米州機構の代表も、この結果を取り入れていくことを要請した。

 この対話の終了を受け、議論は国会の場に移されることとなった。11日より与党及び野党3党の代表によって組織された委員会が新憲法案の見直し点について議論を進めており、この成果が議会での審議に取り込まれるものと思われる。その後の国会審議においては、新憲法案承認のための国民投票法案についての審議に際して新憲法案の修正がなされるものと思われるが、制憲議会で定められた新憲法案をどのような手続きにおいて修正するのかなど不透明な点も残されている。

 また13日以降は、新憲法制定を支持する先住民族組織による大規模なデモ行進も計画されており、21日には5000人のデモ隊が首都ラ・パスに結集する予定とのことである。

[1] Jefe policial afirma que siguen desaparecidas 68 personas en Pando
 http://www.bolpress.com/art.php?Cod=2008101005&PHPSESSID=a879bfc371657094abd303e9dd24eb7b
[2]AgenciaBoliviana de Información
   http://www.abi.bo/index.php   
[3]ボリビア:凄惨な虐殺事件を経て遂に対話再開(080917改) 開発と権利のための行動センター
  http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/09/post-99eb.html
[4] http://www.abi.bo/index.php?i=noticias_texto_paleta&j=20080915233826&l=200809150031_Bachelet_y_Morales_en_la_reunión_de_Unasur_(Presidencia_de_Chile/ABI).
[5]先住民族の権利に関する特別報告者:ボリビアにおける先住民族に対する暴力を強く非難 開発と権利のための行動センター http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/09/post-87de.html
  
 なお、日本ラテンアメリカ協力ネットワーク のニュースレーター『そんりさ』に2回にわたってモラーレス政権の改革と「自治」についての記事を掲載しました。後日、整理して公開する計画です。

  開発と権利のための行動センター
  青西

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2008/10/12

エクアドル新憲法について(08/10/12)

 国内での報道以外にも、エクアドル新憲法の革新的な部分をいくつか見ていきたいと思います。 (少しずつ適宜追記していきたいと思います)

 Buen vivir/良き生き方
 前文において私たちが築いていくことを決意するとして、「良き生き方、sumak kawsay」が取り上げられています。これはvivir bien としてボリビアの新憲法案でも取り込まれている概念ですが、この前文では「良き生き方、sumak kawsayを達成するために、多様性と自然との調和に基づく市民の共存の新しい形を築き上げていく」ことが第一に掲げられています。
 Buen vivirが訴えるのは、他の人や自然を省みず、それらを押しのけて「よりよい生活」を求めるのではない、調和に基づく自然そして人間の共存と考えられます。
 第275条においても、開発はこの「良き生き方」の実現を保証するためと位置づけられ、「『良き生き方』は、人、コミュニティ、民族が、通文化性、多様性への尊重、自然との調和的共存に基づき、権利を享受し、責任を果たすことを必要とする」、と定められています。

 水・食糧・環境への権利
  第12条~15条では「良き生き方の権利」として水、食糧、環境そして情報についての権利が記されています。
 第12条では、水への人権が本源的なものであり、放棄することはできないことが定められ、第13条では食糧へのアクセスの権利を有すること、更には地域において、多様な文化的伝統に基づいて生産された食糧が望ましいことが定められています。

 環境に関しては、第14条で生態的に安定した、健全な環境の中で生きる権利を確認し、環境保護、生態系、生物多様性、国の遺伝子資産総体の保全、環境破壊の予防、劣化した自然空間の回復を、公益であることを宣言しています。
 更に第15条では、環境に対してクリーンな技術の利用と代替エネルギーの利用を促進、また生物・化学・核兵器の開発・生産・保持・流通・輸入・通過・保管及び利用を禁止し、核廃棄物や有毒廃棄物の領土内への持ち込みを禁止しています。加えて、健康あるいは食糧主権、生態系に影響を及ぼす恐れのある遺伝子組み換え生物も同様に禁止されています。
 
 「自然の権利」 
 第71条~第74条では「自然の権利」が規定されています。
 第71条では「生命が再生産され、実現される自然、パチャママは、総体としてその存在と維持そして再生を尊重される権利を有する」と定めています。自然自体の権利を認めるという憲法は画期的なものであり、BBCは世界で最初の憲法であると報道しています。また第15条に加え、第73条でも遺伝子資産を決定的に改変しうる生物、有機・非有機資材の導入を禁止しています。
 第395条から第415条にかけても「自然と環境」についての章がおかれ、ここでは環境に影響のある国家の決定に先立つ協議、環境への損害への対応などが定められています。生物多様性について、例外規定を設けつつも、「遺伝子組み換え作物のないエクアドル」を宣言するとともに、生物多様性に関連する集団的な知識に基づく生産物に対して、知的所有権他の権利の承認を禁止しています。また「土壌」に関しても、公益であり、国家の優先課題であると定めています。しかし環境の重視の一方で、第407条においては自然保護区であっても、非再生資源の開発に一定の可能性を残しています。
 
 先住民族の権利
 先住民族の権利については第56条から60条、及び先住民族の司法制度について第171条が定めています。こちらについてはまた後日検討したいと思います。

 開発の制度
 開発のための制度については第275条から第339条にかけて定められており、第275条では「良き生き方」の実現を保証するためと定義され、第276条では公正・民主的・生産的・連帯・持続に基づく経済システムの構築が目的の一つとして打ち出されています。それは開発の利益と生産手段の平等な分配と尊厳のある安定的な雇用の創出に基づくものとされています。、

 食糧主権
  第281条が食糧主権について定めています。全ての人及び民族に健康的かつ文化的に適切な食糧自給の達成を保障するため、食糧主権は国家の義務であり、戦略的な目標であると定められています。
 更に、中小規模生産者の促進、輸入食料への依存を避けるための政策の適用、多角化、生態的な技術また有機の促進、農民に土地、水と言った生産資源へのアクセスを可能とする分配政策の促進、農業生物多様性の保全と回復の促進、公正で連帯的な食糧の分配と流通を可能にするシステムの創出などが定められています。

  開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/10/10

エクアドルの新憲法について:報道から

  9月28日、エクアドルで新憲法案の是非を問う国民投票が行われ、64%の票で承認されました。この憲法は官報に掲載された時点で施行され、来年3月頃までには選挙が行われるとのことです。この国民投票の結果は日本の主要紙でも報道されています。まずは新憲法のポイントがどう報じられているかに限って整理してみたいとおもいます。 (最後のBBC-Mundoの記事以外は日本語です)  
 
 毎日新聞(08/09/30)
・大統領権限の強化:中央銀行の独立性を廃止し、通貨政策の権限が行政府に移行するなど
・「社会連帯経済」:「市場経済」の言葉は削除。
・外国軍の基地を置くことは禁止。
http://mainichi.jp/select/world/news/20080930ddm007030093000c.html
 日経(08/09/29)
・中央銀行を大統領の指揮下に置き経済政策の権限を政府に集中。
・石油や鉱工業、通信などの政府の管理を強める。
・貧困層を重視した社会・経済改革を後押し。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080929AT2M2900729092008.html
 時事(08/09/28)
・大統領の権限強化:大統領が判事を指名する憲法裁判所の新設。
・政府による生産性の上がらない土地の接収。
・石油・通信など基幹産業への管理強化を規定。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200809/2008092900094
 CNN(08/09/29)
・大統領の権限を強化し、コレア大統領がさらに2期連続で大統領職に就くことを認めた。
・中央銀行などの主要機関は大統領の指揮下に置く。
・大学教育の無料化。
・自宅で子供を育てる母親の福利厚生充実。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200809290016.html
 赤旗(08/09/30)
・経済体制を「社会的、連帯的」とし、市場に対する国の管理を強化。
・無償の教育や医療。
・不安定雇用の禁止。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-09-30/2008093007_01_0.html
 赤旗・主張(08/10/04))
・社会連帯を基礎に国民生活を向上させる経済をつくる。 
・「平和の領土」と宣言し、外国の軍事基地・施設の設置を認めない。
・核・生物・化学兵器の生産や保持、通過を禁止することなどを明記。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-10-04/2008100402_01_0.html
 クリスチャン・トゥデイ
・大統領の権限強化:中央銀行の独立性を廃止して金融政策の権限が行政府に移行。
・大統領の2期連続再選(1期4年)を可能とし、議会解散権、選挙の前倒し
・貧困層への再分配:主産業である石油の収益の半分以上を国家が吸い上げ再配分。
・カトリック教会は、新憲法が妊娠中絶と同性結婚を合法とする内容を含むとして批判。
・反対する野党側は「新憲法は政府の集権化を招くと指摘。同様の形態の政府が機能しないことはすでに証明されているなどと非難」
  http://christiantoday.co.jp/main/international-news-1781.html

  BBC-Mundo Ecuador tiene la Constitución más verde
・自然の権利を認める。自然自体がその存在と再生産を尊重される権利を有する。
・全ての人は当局に対して自然の権利を要求できる。
・自然はその回復を求める権利を有する。 
  http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/latin_america/newsid_7646000/7646918.stm

 ここまでの記事では先住民族の権利については触れていませんが、その点も含め、腰を据えて読む必要がありそうです。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/10/09

FAO バイオ燃料政策の見直しの必要を訴える

国連食糧農業機構(FAO)は年次報告書、 THE STATE OF FOOD AND AGRICULTURE 2008においてバイオ燃料を特集。 世界的な食糧安全保障のためには、バイオ燃料関連の政策や補助金を早急に見直さなければならないと述べている。
 報告書自体には目を通せていないが、プレスリリースでは次のような点を伝えている。
1)バイオ燃料はチャンスであるがリスクも伴う。結果はそれぞれの国に特定の文脈と政策による。
2)現在の政策は、いくつかの先進国の生産者のみを優遇するものとなっている。リスクを減少させ、チャンスをより広範に共有する必要がある。
3)世界のエネルギー供給の中ではわずかな割合でしかないにもかかわらず、原料となる農産物への需要は増加し続け、価格上昇への圧力を高めている。
4)開発途上国の農民にとってはチャンスともなりうるが、現在の補助金や流通障壁がそれを阻害している。
5)バイオ燃料の使用を進めるための化石燃料への混合政策などのインセンティブが、過度な拡大を引き起こし、経済・社会・環境への負荷を高めているので見直す必要がある。
6)サトウ(キビ)の利用など一部の作物を除いて、温室効果ガスの削減につながるわけではない。バイオ燃料生産のための土地利用の変化、森林破壊などによって、温室効果ガスが発生し、また生物多様性や土壌への脅威も広がっている。
7)温室効果ガスを減少させるという点において、研究途上にある第二世代のバイオ燃料生産が重要である。

 開発と権利のための行動センター
 青西

La FAO pide una revisión de las políticas y subvenciones a los biocombustibles
Un informe anual sopesa las oportunidades y riesgos
http://www.fao.org/newsroom/es/news/2008/1000928/index.html
Reviewing biofuel policies and subsidies
http://www.fao.org/newsroom/en/news/2008/1000928/index.html(英語) 

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2008/10/08

勇気を受け継ぐⅡ ロサ・ペレス=トフ スピーキング・ツアー   

開発と権利のための行動センターも賛同団体となっております、
「勇気を受け継ぐⅡ ロサ・ペレス=トフ スピーキング・ツアー」がもうすく日本国内各地で開催されます。このブログでは日時・会場・時間だけ紹介させて頂きます。変更の可能性などもあるようですので、詳細は日本ラテンアメリカ協力ネットワーク のHPにてご確認ください。
>>>http://www.jca.apc.org/recom/speakingtour08.html
久留米市:10月12日(日) 11:30~ 
久留米市男女平等推進センター(えーるピア久留米内)210/211号室
佐賀市:10月14日(火)14:30~ 
佐賀大学(本庄キャンパス)農学部大講義室 
広島市:10月15日(水)18:30~ 
カトリック幟町教会 カトリック会館1階多目的ホール
高知市:10月17日(金) 18:00~ 
高知大学朝倉キャンパス メディアの森6Fホール
高知市:10月18日(土)18:30~20:30 
県民文化ホール第3多目的室
神戸市:10月21日(火) 16:00~ 
神戸市外国語大学 学舎208号
西宮市:10月22日(水)10:35~11:05 
関西学院大学上が原キャンパス 法学部チャペル
京都市:10月23日(木)19:00~ 
ひと・まち交流館 京都
飯田市:10月26日(日) 13:30~15:30 
飯田市勤労者福祉センター 2F 視聴覚室
東京:10月28日(火)18:30~ 
早稲田奉仕園 You-Iホール
札幌市:10月31日(金) 18:30~ 
かでる2・7 710研修室 

主催:コナビグア招聘実行委員会

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2008/10/07

チリのサケ養殖問題

  チリのサケ養殖については今年の春に二度ほどこのブログでも触れました。[1][2]
 サケ養殖業の社会・環境的な問題を訴えてきている“Sin Miedo contra la Corriente”のサイトの情報によると現在でもチリではISA:感染性サケ貧血症ウイルスの影響で減産が続き、第10州、第11州だけで今年に入って8つのサケ養殖業者が3000人を解雇。このほかにも報告されない解雇や、間接的な雇用を入れると、影響を受けている世帯は更に広がっているとのことである。また現在の状況を引き起こすことにつながった養殖業界の活動の改善、規制の強化を行うことなく、これ以上他地域への移動を認めるべきではないと訴えている。[3]
 こうした状況の中、9月22日チリのNGO、Centro Ballena AzulやFundación Terramまた国際的な環境NGOであるOceanaやWWFなどはあらためて政府に対して、チリのサケ養殖の認可のモラトリアムを要請した。パタゴニアの沿岸はその生態系からもまた文化的にも重要なものであり、保全と持続的な利用が求められているにもかかわらず、サケ養殖業は生態系の保全を保証するだけの十分な条件がないままに進められいる。養殖を推進すべきかどうか、適切に決定できる規制や制度が確立されるまで、新しい水産養殖の認可を進めるべきではないと要請している。 [4]
  開発と権利のための行動センター
  青西 

[1]オックスファム:チリにおけるサケ養殖に関するキャンペーン
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/02/post_694d.html
[2] 「チリのサケを巡る議論(08/04/03)」 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/04/post_d05f.html
[3]Crisis en la industria salmonera deja miles de trabajadoras y trabajadores cesantes
 http://www.contralacorriente.cl/archivos/29_de_agosto-Cenda.pdf
[4] Carta suspensión concesiones acuícolas
 http://www.contralacorriente.cl/archivos/Carta_.pdf
ONGs se suman a campaña internacional por moratoria salmonera en Chile  http://www.ecoceanos.cl/index.php?option=com_content&task=view&id=7054 

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中南米におけるダム開発問題

 中南米におけるダム開発が、地域社会や環境に与える影響について、また地域住民組織や環境団体による反対運動についてはこのブログにおいても何度か報告してきた。
 グアテマラで先月開催されたラテンアメリカ水法廷においても、ブラジルのマデイラ川水系やパナマのチャンギノーラ川におけるダム開発の問題が取り上げられている。
1)ブラジル、マデイラ水系のダム開発
 「カニンデ民族・環境を守るためのアソシエーション:ASSOCIAÇÃO de DEFESA ETNOAMBIENTAL KANINDÉ 」はラテンアメリカ水法廷において、南米地域インフラ統合イニシアティブ(IIRSA)の一環としてマデイラ水系に計画されているサン・アント
ニオ及びヒラウの水力発電計画がカリタナ、カリプナ、オロボム、カスパなどの先住民族への間接的な影響を適切に評価していないこと、地域住民の意思決定への参加が考慮されていないこと、広範な面積の水没、流域の漁民や農業への影響、先住民族の歴史的、文化的遺産への影響といった問題などを訴えた。
 この総発電量6.494,4 メガワットが見込まれている二つのダムは、ブラジルの電力の8%を供給する計画であり、送電設備などを含めて269億ドルのコストが見込まれている。
http://www.aneel.gov.br/
http://www.biceca.org/es/Project.Overview.138.aspx
http://www.kaninde.org.br/index.php?option=com_content&view=article&id=91:peticao-para-o-tribunal-latino-americano-da-agua&catid=38:primeira-pagina&Itemid=71

2)ブラジルにおける小規模ダム開発
 同時にブラジルでは、小規模ダムの建設も問題となっている。8月4日付のティエラ・アメリカのサイトは、シング川流域に作られている小規模ダムが先住民族に影響を及ぼすと告発している。これらのダムは小規模であるということでクリーンとみなされ、容易に建設が認可されるとのことである。しかし小規模ダムの建設が回遊性魚種の遡上を妨げることで再生産を阻害しているとシング先住民族公園に住むパウロ・カマイウラは訴えている。このことはが先住民族の食糧を脅かすことにつながっている。
 また南部のサンタカタリーナ州では、小規模水力発電がラフティングなどの観光開発の妨げになると、地元の業者の反発を招いているとのことである。
 この記事ではブラジルでは240の小規模水力発電の計画があり、このうち81は既に建設中であり、1342メガワットの電力を供給が見込まれているとのことであるが、ここで取り上げている小規模水力発電がどの程度の規模や形式のものを含んでいるのかは定かではない。
Alud de pequeñas centrales hidroeléctricas(2008/08/04)
http://www.tierramerica.info/nota.php?lang=esp&idnews=3013&olt=382

3)チリ・パタゴニア
 チリ南部のアイセン地方に計画されている巨大な水力発電ダム建設も大きな問題となっている。BBCの報道によるとパタゴニアに位置するこの地域は、豊かな自然環境を活かして、観光や農牧畜業、水産業を持続的な地域開発の柱に据えてきた。しかしここに32億ドルの投資により、3つの貯水地を有する発電所を建設する計画が持ち上がっている。さらにはこの土地で発電した電力を2000キロ離れた首都まで送電するために、自然保護区を縦断する送電線の設置が計画されている。
 この計画に対し、既に様々な社会組織が集まり「ダムのないチリ・パタゴニアを」というキャンペーンを展開している。運動家の一人はこの電力は、太陽光発電の無限のポテンシャルがある北部の鉱業開発に利用されるものであり、なぜここから電力を運ばなくてはいけないのか」と疑問を呈している。
Chile: controversia por represas    (2008/09/25)
http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/business/newsid_7608000/7608422.stm
 「ダムのないチリ・パタゴニアを:Patagonia Chilena Sin Represas」のサイトでは、送電線にによってずたずたにされるパタゴニアの景観の合成写真などを提示し、またそうしたポスターなどもダウンロードできるようにしてある。更にこのキャンペーンのサイトでは、今回のパタゴニアにおけるダム開発問題を通じて、自然への敬意をもった新しい社会のあり方を探るべきだと提起している。そこでは、「チリ株式会社」を、より相互関係と連帯に基づく社会に変換すること、自給的な社会を目指すこと、分権化そして地域ごとの多様な経済のあり方を促進することなどを訴えるとともに、パタゴニアを守ることを通じて、世界に対して過去の証と、自然への尊重と愛に基づく新しい時代の始まりを示すことができるだろうと述べている。
http://www.patagoniasinrepresas.cl/final/
 
4)パナマのダム開発
 パナマにおけるダム開発についても、既にこのブログで報告しているが、地球の友インターナショナルが支援している”Radio Mundo Real ”では、パナマの環境保護団体であるACDのルシア・ラソへのインタビューを聞くことができる。
 パナマでは経済成長に伴う電力需要に対応するために政府がダム建設を進めており、150あまりのダム開発計画があり、そのうち30程のプロジェクトが既に進行しているという。しかしこれらの計画には適切な規制がかけられていないという。6500平方キロほどの(栃木県ぐらい)のチキリ地方では現在40ほどの水力発電プロジェクトが存在し、先住民族の土地からの排除も進んでいると述べている。
Aumenta el rechazo a hidroeléctricas en Panamá(2008/08/12)
http://www.radiomundoreal.fm/rmr/?q=es/node/26082

 開発と権利のための行動センター
 青西

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