« グアテマラ情報:メールマガジンから | トップページ | パナマにおける豪雨でナソ民族に甚大な被害 »

2008/11/27

コロンビア 先住民族運動・人権状況(081127)

1:コロンビア 先住民族運動(MINGA)
 11月24日、一ヶ月半に及んだコロンビアの先住民族の運動、ミンガは休止した。
 伝統的な共同作業を意味する「ミンガ」の名の下に、コロンビアの先住民族は共通の目的を持って歩き続け、訴え続けた。今回のミンガでは自由貿易への拒否、テロの中止と人権の尊重、土地からの排除を進めるような政策の中止、これまでの合意の履行、そして民衆そして民族を尊重した国作りのための計画を生み出すことを目的としていた。
 そしてこのミンガの中で、国内の様々な人々が、歩きながら対話を進め、共通の理解と未来への方向性を生み出してきたのである。
「...歩みを進める中で、景色は心を奮い立たせ、私たち民族の声を一つにし、考えを研ぎ澄まし、全ての人々のための国という夢に命を与えてきた。...ミンガは言葉と思いを満たして、そして高い尊厳を持ってそれぞれの土地を回ってきた。目を見つめ合い、手を取り、怯えを打ち破り、他者への思いを認めることが可能であることを示すために。専横と権威主義そして人権侵害をはねつけるために、違いを認め合い、夢と声を一つにしてきた。歩みは精神を生き返らせ、人々は権利を取り戻し、道を開き、権力によって否定されてきた大学も開かれ、夢と抵抗のために宿泊場所を提供した」
「男も女も、すべての土地の人々が、知識を奪われ、文化を奪われ、そして母なる大地を奪われることを拒否している。またこの歩みは、国家による暴力の被害者の声も伴ってきた。その中には母なる大地の解放のプロセスにその命を捧げた先住民族の警護者も含まれている...」
「ミンガは、現在の政府が人々のものではないことを、その経済政策がコロンビア人の犠牲の上に多国籍資本を優遇するものであることを、ここにあらためて確認する。政府は憲法に定められた原則に取り組むこともないままに、権利を要求する人々をテロリストと名指しし、マスメディアを使って人々の声を封じ、嘘と脅迫によって世論をそらしてきたのである。」
「コロンビア民衆のために権利の保障を要求するという役割が私たちにあることを自覚し、また真に民主的な国家の構築を関わっていくことを約束しながら、私たちの土地へ、住まいへと戻っていこう。私たちが言葉を交わしながら歩き続けることを可能としてくれた人々や組織への思いと喜びとともに。」
「ミンガは間違いなく続いていく。国が必要としている構造的な変化は、自由とアイデンティティーの尊重を願う人々が共に、組織して動くことによってのみ可能なのだ。」
http://www.onic.org.co/actualidad.shtml?x=35560 

 コロンビアの先住民族組織は、10月に開始されたミンガの一環として11月10日から首都ボゴタへの行進を開始し、20日に首都ボゴタに到着した。首都では政府との交渉やフォーラムなどを通じて諸セクターとの対話を深めた。

2: 「開発」の障害とみなされるコロンビア先住民族(2008/11/04)
  (別のサイトに掲載した記事の転載です)
 この10月に発生したコロンビア先住民族と治安部隊の衝突の舞台となったラ・マリアにおいて、11月2日、アルバロ・ウリベ大統領と先住民族の集会が実現した。今回のラ・マリアでの集会には4000人もの先住民族が参加したが、提案に対して明確な回答がなかったとして、先住民族組織は運動を続けていく方針を明らかにしている。
 先住民族側は、人権の尊重、先住民族テリトリーの非武装化、国連の先住民族の権利宣言の採択、先住民族の権利を脅かす森林法や農村開発法などの廃止、及びこれまでの合意事項の履行などを求めていた。しかしこうした要求に対するウリベ大統領の提案は重要な部分で先住民族の要求を省みないものとなっている。
  中南米諸国で唯一、国連における先住民族の権利宣言の採択を棄権したコロンビアが、留保をつけつつもこの宣言を受け入れる方針を示したことは重要な成果であるといえる。しかし先住民族にとって重要な事項である事前協議について、ウリベ大統領は協議は構わないが、それによる遅延も拒否も認めないと明言している。更に「多くの公共事業は先住民族コミュニティも必要としているものであり、環境にも配慮して適切に行っていくが、発展のための事業を失敗させることはできない」と語っている。[1]
 今回の対話の中で、政府側は生産プロジェクトの推進から回答を開始したことをはじめとして、先住民族のテリトリーへの権利を侵害するとして廃止を求められている農村開発法についても言及することはなく、「発展」のあり方自体が問われている中で、政府側と先住民族が非常にかけ離れたところにいることが浮き彫りにされた。
 先住民族組織はこの集会の後、声明文で、次のように伝えている。
「私たちの闘争は平和的な社会的抵抗であり、私たちに命とアイデンティティーを与えてくれるテリトリー、母なる大地を守るために徐々に歩みを進めている。しかしそのために私たちは、国の経済開発の障害だとみなされている。・・・私たちの組織と要求は犯罪とみなされ、私たちは消えゆく運命にさらされている。今、私たちを開発の障害とみなす論理は、かって私たちを害獣のように扱ってきた論理と同じものである。」[2]

[1]Respuestas del Presidente Álvaro Uribe Vélez a afirmaciones de las comunidades indígenas del Cauca
  http://web.presidencia.gov.co/sp/2008/noviembre/02/06022008_i.html
[2]LAS RESPUESTAS DEL PRESIDENTE NO FUERON CLARAS PARA LOS PUEBLOS INDIGENAS!!!
 http://onic.kariva.org/minganoticias.shtml?x=35394
 
3:人権状況
 コロンビアでは、軍が若者をゲリラに仕立てて殺害した事件も明らかになっており、また人権状況の調査のためにコロンビアを訪問していた国連人権高等弁務官事務所のナバネセム・ピレイ高等弁務官も11月1日、コロンビアにおいて超法規的殺害が広がっていることに懸念を表明している。 
 またアムネスティ・インターナショナルは10月28日、国内紛争の中で、一般市民への人権侵害、人権活動家への弾圧が繰り広げられていることを告発する報告書を刊行している。 

[1]コロンビア軍幹部ら27人解任、若者らをゲリラに仕立て殺害か
http://www.afpbb.com/article/politics/2533561/3479684
[2]国連人権高等弁務官事務所 調査終了にあたっての声明文
http://www.hchr.org.co/publico/comunicados/2008/comunicados2008.php3?cod=24&cat=73
http://www.hchr.org.co/publico/comunicados/2008/comunicados2008.php3?cod=25&cat=73
[3]アムネスティ・インターナショナル報告書
LEAVE US IN PEACE!’ TARGETING CIVILIANS IN COLOMBIA’S INTERNAL ARMED CONFLICT
http://www.amnesty.org/en/library/info/AMR23/023/2008/en    (英語・スペイン語)

<人権状況参考資料として>
次のサイトに次の記事が翻訳されている
強制退去、失踪、超法規的処刑がウリベ政権下で増加(2008年10月6日)
ギャリー・リーチ
コロンビア・ジャーナル原文
 http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/col295.html

4:コロンビア砂糖労働者、主要求を勝ち取り、56日間のストライキを終了
 次のサイトに日本語での記事がありました。
http://www.iuf.org/cgi-bin/dbman/db.cgi?db=default&uid=default&ID=5487&view_records=1&ww=1&ja=1

  開発と権利のための行動センター
  青西

|

« グアテマラ情報:メールマガジンから | トップページ | パナマにおける豪雨でナソ民族に甚大な被害 »

コロンビア」カテゴリの記事

先住民族」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/50657/43240150

この記事へのトラックバック一覧です: コロンビア 先住民族運動・人権状況(081127):

« グアテマラ情報:メールマガジンから | トップページ | パナマにおける豪雨でナソ民族に甚大な被害 »