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2008/12/23

南米諸国連合、ボリビア、パンド県における農民虐殺を人道に対する罪と断罪

 これまでに何度かブログでもお伝えしてきました、ボリビアのパンド県において9月11日に発生した虐殺事件についての続報です。

 南米諸国連合(UNASUR)が任命した真相究明委員会による、ボ゛リビアのパンド県における事件の報告書が、12月3日エボ・モラレス大統領に提出された。この委員会は2008年9月11日にパンド県で発生した農民虐殺事件の真相を究明するために設置されたもの。奇しくも9月11日は35年前、ピノチェト将軍によるクーデターによって、チリのサルバドール・アジェンデ政権が倒された日である。南米諸国連合の議長を務めるチリのバチェレ大統領は、9月15日に緊急に首脳会談を開催し、アジェンデ大統領が殺害されたモネダ宮において、モラレス政権の全面的な支持、農民虐殺事件への強い非難、真相究明委員会の設置などを盛り込んだ「モネダ宣言」を採択した。 
 
 この「モネダ宣言」に基づいて、アルゼンチン人の弁護士であるロドルフォ・マタロージョを責任者とする委員会が設置され、証人からの聞き取りなどの上で報告書が作成された。[1]  
 この事件は、集会に向かうモラレス政権支持派の農民や学生が、反政府派の県知事支持者などによって足止めを受けた上に、 銃撃を受けて多数が殺害されたものである。報告書では、正確な死者数は把握できないとした上で、少なくとも20名の農民が殺害されたことを確認されている。また病院に運び込まれた負傷者が引きずり出され殺害されたとのことである。 
 更にこの行進に参加していた若い学生が県知事支持者に捕まり、耳を切り取るといった拷問を受けた上に殺されたという証言もあり、このことは検死報告でも明らかにされている。 
 こうした事件について、報告書は、組織的に農民が殺害されたこの事件を、「虐殺」であり、人道に対する罪であるという判断を下している。また当時、警察がこの殺害事件を止めようともしなかったことも告発している。 
 
  ボリビアの大手新聞や野党などはこの報告書に対して、「偏向している」、「政府よりだ」として反発をしている。しかし無防備な農民に対して一方的に銃撃を加えた事実を前に、拷問が行われた事実を前に、なすべきことは多々あるであろう。流血事件のさなかに、拘束した農民(もしくは学生)に対して、「金で買われたのだろう」と脅迫しながらマイクを向けていたパンド県庁の広報職員が、この国では望まれているジャーナリスト像であるように思われる。[2] 
 開発と権利のための行動センター
 青西

1]報告書は次のサイトに本文のみが公開されている。 
 COMISION DE UNASUR PARA EL ESCLARECIMIENTO DE LOS HECHOS DE PANDO(2008.11) 
http://www.abi.bo/abi/banner_240_240/informe_unasur.pdf
 
[2]次のサイトの映像による 
http://www.abi.bo/abi/banner_240_240/documental_pando.swf
 

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