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2009/02/02

生物資源略取に対抗するペルー地方政府の取り組み

 アンデス、インカ帝国の首都であったクスコでは、2009年1月6日、地方政府が生物資源略取(バイオ・パイラシー)に対抗するための条例を公布。この条例は「クスコ地方における、遺伝子資源や生物多様性に関連する農民や先住民族の知識、慣行また革新に対してアクセスする活動」に関して定めたものであり、コミュニティを基盤に生物資源略取を防ぎ、訴追するためのメカニズムを定めている画期的な条例である。[1]
 この条例では、遺伝子資源や関連知識に関する調査などを実施する際には、コミュニティの参加に基づく協議を行い、事前の十分な情報に基づく同意を得なければならないと定めている。またその利用方法は、明確に、合意もしくは契約書に記されればならず、いかなる変更あるいは第三者への譲渡に際しても新たな同意が必要とされている。
 伝統的な知識や慣行また伝統的な革新などは、コミュニティあるいは先住民族の文化的財産であることが記され、その権利を不可侵なものと確認するとともに、コミュニティがそのデータベースを作り、管理することができると定めている。更に商業利用、非商業利用とも、利益をコミュニティと分配することを定めている。
 以上のように、この条例では地域の生物資源や関連知識を、コミュニティの管理下に置き、その利用に関してはコミュニティの同意・決定を不可欠とする仕組みを定めている。 
 クスコを中心に活動するNGOであるアンデス・アソシエーションは「各国政府も、世界貿易機関や世界知的所有権機関も、先住民族の伝統的知識や遺伝子資源の保護に失敗してきた。クスコの地方政府によって施行された新しい法は、地方政府がいかに適切な法的・制度的枠組みを生み出すことができるかを示す好例である」と評価している。[2]
[1]条例の原文にはこちらからアクセスできる。
http://www.regioncusco.gob.pe/portal/contenido.php?id=211
[2] http://dglocal10.blogspot.com/2009/01/ordenanza-contra-biopirateria-en-cusco.html

 開発と権利のための行動センター
 青西(2009/1/25 日刊ベリタ掲載記事より一部修正)

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