« バイオ燃料:ミンダナオ、FAO他 | トップページ | 特別セミナー:地域の元気で温暖化を防ごう!高知県梼原町 »

2009/02/15

温暖化対策に関係する問題:メキシコ他

1:CDMの風力発電に土地を追われるメキシコ農民
 1月22日、メキシコ、オアハカ州のフチタン近郊の村ラ・ベントサで風力発電基地の落成式が行われた。[1]この風力発電プロジェクトは地球温暖化対策であるCDM(クリーン開発メカニズム)に登録されているBii Nee Stipa と思われるが、[2]これに対して地域の先住民族の権利を侵害するものだという抗議が続いている。 
 ベントサの農民、テウアンテペク人権センター、フチタンの土地とテリトリー防衛会議などの声明文によると、こうした抗議行動は既にここ何年か続いているもので、土地賃貸の契約はだまされたものであり、このプロジェクトは人々が抱える経済や教育、保健などの問題解決にはつながらない上に、この「開発」プロジェクトで土地は使えなくなり、以前の農民経済に基づく生活より悪化していると訴えている。またこのプロジェクトは十分に情報に基づく協議を経たものではなかったと告発している。[3]

  詳細はよくつかめないが、京都メカニズムが、開発途上国への投資を進め、そのうまみを前に、プロジェクトが十分な協議を踏まえることなく、拙速に進められてきた可能性は否定できないであろう。 
 
[1]http://espanol.news.yahoo.com/s/ap/090123/latinoamerica/amn_tec_mexico_molinos_de_viento
[2]http://cdm.unfccc.int/UserManagement/FileStorage/XEK8BO20M4YPQF3CA1TWZSG67RLNVU
  http://cdm.unfccc.int/UserManagement/FileStorage/B4JV3YNUKHFXF3Y98B4JFJLP6J3LSK
[3]http://www.rmalc.org.mx/principales/manifiesto_parque_eolico.htm
[4]その他関連サイト http://tierrayterritorio.wordpress.com/

2:CDMとダム開発の問題 
 国際的なNGOであるInternational Riversはこれまでも、CDM、特にCDMによるダム開発の問題を取り上げてきていますが、そのサイトではAP発の次の記事を紹介しています。
 China dams reveal flaws in climate-change weapon(2009/1/25)
 http://www.internationalrivers.org/en/node/3780
  http://news.yahoo.com/s/ap/20090125/ap_on_re_as/china_s_golden_dams

3:インドネシアにおける森林管理と農民の土地からの排除
 国際的な農民組織、ビア・カンペシーノはエコシステムの復元という名目で農民が土地から排除されたケースを指摘し、現在検討が進められているREDD(森林減少と森林劣化による排出の削減)も同じような帰結を引き起こすのではないかと懸念を表明している。上記のケースでは大手NGOとローカルNGOが組織したコンソーシアムが、エコシステムの回復のために100年間にわたる一定地域の利用権を認可されたものだという。しかしそこから農民や先住民族が排除され、土地を去ることを認めた文書に署名するように脅迫されたという。
  ビア・カンペシーノは、森は地域住民の手によって持続的に管理されるべきであり、地域の生産を強化し、人々が利用している資源の管理を進めるべきであると提起し、カーボン排出量の取引の中で方向を見失わないように警告している。
 http://www.viacampesina.org/main_sp/index.php?option=com_content&task=view&id=653&Itemid=1
  http://www.viacampesina.org/main_en/index.php?option=com_content&task=view&id=654&Itemid=1

 ちなみにREDDについてはCIFORから次のような報告書が出ている。(紹介のみ)
 Moving Ahead with REDD-Issues, Options and Implications
   http://www.cifor.cgiar.org/publications/pdf_files/Books/BAngelsen0801.pdf


 <思うところ>
 CDMだけの話ではなく、国際社会からの援助資金にしても、民間からの資金にしても、それらは外部から、外部者のスピードに基づいて計画され、投入され、さらに一定期間に結果を出すことを求められる。それが地域に生活してきた人々とマッチすることがないということを十分考えなくてはならない。現場で作業を進めるコンサルタントやプロジェクトを(契約で)実施するNGOは最初から、ドナーや企業との契約期間があってその間に作業をしなくてはならない状況に置かれる一方で、地域の住民にはそのような時間は本来なんの意味も持っていない。
 こうした状況でそもそも誠意ある協議などできると考えることが難しい。外部者がそもそも進めたいという意向をもってやってくるのと対照的に地域の人々にはふってわいた話でしかない。対応しなくてはならない地域の人にとっては、まず何の話かわからないのだから(関心を持ってきた話ではないので、当然「やりたい人」との情報ギャップが大きい)、十分な情報を得るのに1年とか2年とかあるいはもっとかかるであろう。(お金をもらって、仕事としてその分野の本読んだり、視察ばかりできるわけではなく、例えば田畑をみなくてはならないのだから・・・)
 その上で、地域の人たちで相談して、結論を出していく。また1年かかるのか、2年かかるのか?孫子の代まで心配して、決定しなくてはならないのだから、それぐらいの時間をかけて何ら不思議はないであろう。契約期間が終われば、その土地に二度と足を踏むこむことなどない人たちとは大きな違いである。その一方で、3週間で「協議までしてこい」というコンサルタント契約もあるわけで、これがマッチするわけもない。
 先住民族との協議、地域住民との協議、という場合には、その内容だけではなく、その時間を十分尊重することが必要である。
 開発と権利のための行動センター
 青西

|

« バイオ燃料:ミンダナオ、FAO他 | トップページ | 特別セミナー:地域の元気で温暖化を防ごう!高知県梼原町 »

ダム開発」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

農村開発」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/50657/44065372

この記事へのトラックバック一覧です: 温暖化対策に関係する問題:メキシコ他:

« バイオ燃料:ミンダナオ、FAO他 | トップページ | 特別セミナー:地域の元気で温暖化を防ごう!高知県梼原町 »