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2009/02/13

グアテマラ:ラグーナ・デル・ティグレ国立公園における衝突 他

  1:ペテン県、ラグーナ・デル・ティグレ国立公園における農民と警察及び軍の衝突
  1月26日、ペテン県のラグーナ・デル・ティグレ国立公園において、警察及び軍と農民との衝突が起き、2名が死亡し、40名以上が逮捕されるという事件が起こった。
  ペテン県の県知事は、農民によって拘束されていた国家自然保護区審議会(CONAP)の保護管の解放のためであったと今回の介入を正当化し、「農民の大半は武装し、450ヘクタール余りの森林を破壊しての農園設置を請け負っていた」、「逮捕された40名のうち25名は土地分配を受けたにもかかわらずその土地を売却して、土地への侵入を続けている」 と語っているとのことである。[1]
  [1] http://www.prensalibre.com/pl/2009/febrero/03/292807.html 2009/02/07

  一方、農民組織は声明文において次のように告発している。
  1990年に設置されたラグーナ・デル・ティグレ国立公園に存在する37コミュニティの一つであるエル・ベルヘリトは、1月20日に焼き払われ、160家族が家を失った。翌21日、この損害に対する補償とこの地域の問題を根本的に解決するための対話を求め、この放火に関与したCONAPの2名の保護管を拘束。しかし対話は拒否され、26日朝6時、担当判事の命令もないままに、ヘリコプターや装甲車が進入し、発砲し始めた。明らかに過剰な武力の行使である。こうした軍事的介入によって、ロベルト・ディアスとフェルミン・ガルシアが死亡した。このほかにも複数の死者・負傷者がいたが、警察がどこにつれていったのか不明である。またこの26日に44名が逮捕された。
  農民組織は、農民を麻薬密売組織や犯罪者呼ばわりすること、武装していたといった指摘を拒否し、15年以上にわたってこの地に住んでいると明言。一方「保護区」というが、メキシコの伐採業者が、当局と結託して希少な木材を伐採し、考古学的遺品を略奪し、また石油企業が開発を進めていることを指摘。
「トウモロコシを作っている農民がなぜ<保護されている>という土地から追われ、迫害されなくてはならないのか」、国家の最大の責任は「国民を守ることではないのか」と問いかけている。[2]
[2] LAGUNA DEL TIGRE, AREA PROTEGIDA, PARA QUIEN? , CONIC, 2009.2.3

  ペテン県小教区ではカトリック教会はこの事件について次のような声明を発表している。
  社会司僕会と人権擁護事務所では昨年から対話テーブルの設置を助け、政府関係機関と保護区内にあるコミュニティとの対話を促してきた。しかし政府側は対話の意思を見せてこなかった...保護区内に定着した住民を、麻薬密売やテロリズム、誘拐者、不法侵入者と一概に決めつけ、無差別な弾圧を正当化することは許されない。これは過去の弾圧政策の論理となんら変わるものはない...政府自体が組織的暴力に対抗する力がないことを認めつつ、貧困な農民家族に向かっては暴力を発動するのである。ヘリコプターや装甲車を動員し、警察や軍が人々に銃口を向け、商店を略奪し、家々を焼き払い、人々を殺害する。このような行為はいかなる理由を持っても正当化することはできない。
 このような行為を許可した政府に対して、責任者の罷免、自然保護区内のコミュニティに関する対話テーブルの設置、また関係機関に対して、持続的な開発のためのオータナティブを模索することを求めるものである。[3]
COMUNICADO DEL VICARIATO APOSTÓLICO DE PETÉN ANTE LA BRUTAL INTERVENCIÓN DEL ESTADO DE GUATEMALA EN LA LAGUNA DEL TIGRE EL 26 DE ENERO 2009 (2009.1.27)
http://chiapas.indymedia.org/article_161845

 また人権団体の連合体である la Convergencia por los Derechos Humanosは、 死亡したロベルト・ディアスは軍の腹ばいになるようにという命令に従わなかったことで銃殺されたと告発。更に、複数の政府当局関係者や治安関係者、大農園主、コミュニティメンバーや偽リーダーが麻薬密売組織との関係としているとの証言が得られていると伝えている。
 人権組織は、政府に対して今回の事件に関する十分な調査、組織犯罪への対応、環境保護団体や社会組織に対して、対話を進めることなどを要請している。[4]
[4] Comunicado emitido por la Convergencia por los Derechos Humanos(2009.2.10)

2:アルタ・ベラパス県、トゥクルにおける強制排除
 2月11日、アルタ・ベラパス県のサン・ミゲル・トゥクルのロス・ピノス農園において、300人の警察の鎮圧部隊と100人の軍隊が動員され150家族が強制的に排除された。彼らは2007年3月より借地農として居住しており、当初は農園の土地を購入するという話になっていたのを農園主側が一方的に破棄したものであるという。
 この排除で1名が死亡し、複数名が銃撃によって負傷したという。農民組織は十分な調査もなされないままに、排除命令が出されたことを非難し、またグアテマラ軍が先住民族コミュニティの弾圧に関与していることを告発している。
CONIC CONDENA ENERGICAMENTE EL DESALOJO DE LA COMUNIDAD LOS PINOS, SAN MIGUEL TUCURU(2009.2.11)

 軍隊も出動しての暴力的な弾圧に対して強く抗議していく必要があると考えます。

 開発と権利のための行動センター
 理事 青西

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