グアテマラ:鉱業法に関する議論・鉱山による健康被害
<鉱業法>
現在、グアテマラでは2006年8月に提案された法案3528に基づいて、鉱業法の改定についての審議が進んでいる。この法案が今年1月22日にエネルギー・鉱業委員会における審議のうえで、同意的な意見書をもって議会に報告されたことから、これに反発する議論が高まっている。[1]
原案からの改定も行われているとのことで、現在審議されている法案の正式な文面は把握できていないが、現行法にある免税措置が維持されているとのこと、ロイヤルティが3パーセントに押さえられていること、先住民族への協議についての規定に問題があることなどが指摘されている。(ロイヤルティは4.5あるいは3-7パーセントという報道もなされている)
ロイヤルティについては、ルイス・フラテ環境大臣は現行の1パーセントから少なくとも12パーセントまで引き上げるべきだと指摘している。[2]カトリック教会も、ハイ・レベル委員会で提案した12パーセントまで引き上げるべきだと反発している。[3]
先住民族に対する協議、あるいは鉱山開発に際しての住民投票については、法案3528では次のように定めるにとどまっている。
-都市農村開発審議会における代表を通じて協議を行うこと
-情報を提供すると共に、当該民族は影響を受けると思われる問題について意見を表明し、あるいは提案に対して合意を結ぶことができる
-表明された意見については、それを考慮し、技術的・合理的にその損害を特定し、その点について修正する[4]
この点について、ウエウエテナンゴやサン・マルコス県キチェ県などの先住民族組織の連合体である西部先住民族審議会は2月24日に声明文を発表した声明文の中で、この改定はILO169号条約や先住民族の権利宣言などに定められている権利を踏まえておらず、コミュニティによる協議という権利を侵害しているとし、あらためてコミュニティによる協議が拘束力を持つという、伝統的な意思決定のメカニズムと社会的組織の正統性を主張している。[5]
こうした中で、2月17日、ロサ・マリア・デ・フラデ議員は、現行法の問題を指摘し、半年間のモラトリアムを定める法案を提出した。[6]また環境大臣もそれを支持するコメントを発表。[7]環境NGOであるCALASの代表のユリ・メリニも政府公報のコラムでモラトリアムを支持。[8]更に3月19日、CALASや西部先住民族審議会などは、国会のエネルギー・鉱業委員会の議長に新鉱業法の審議について公開された審議を求めて意見書を提出。
次のような点を指摘している。
-鉱業は世界中で社会的・環境的に高い影響を与えている。グアテマラでもいくつものコミュニティやテリトリーで高いレベルの紛争をひきおこす可能性がある。
-既に50万近いグアテマラ国民が住民投票に参加し、受け入れがたい開発モデルであるという意思を表明している。
-新しい鉱業法の審議と承認のプロセスにおいては公開討論を行うように求める。
-こうした審議は影響を受けるコミュニティがアクセスしやすい場所で、また様々なフォーラムや公聴会についてより広範にマスメディアによって伝えられることが不可欠である。[9]
更にロイヤルティを最低でも10%にすること、またその使途を植林や上水整備、保健などに定めること、住民への協議を定めること、鉱山の閉鎖手続きを明確にし、20年後にその影響が残らないことを保証することなどを求めている。[10]
2008年6月に、憲法裁判所が現行の鉱業法のいくつかの条項に関して違憲であるという裁定を出していることから改正を進めざる得ない状況にあり、今後の推移を見守っていく必要がある。
[1]http://www.prensalibre.com/pl/2009/febrero/02/292313.html
[2]http://lahora.com.gt/notas.php?key=44943&fch=2009-02-26
[3]http://www.prensalibre.com/pl/2009/febrero/25/297690.html
[4]Iniciativa de ley 3528
[5]Declaración del Consejo de Pueblos de Occidente (2009.02.24)
[6]Iniciativa de ley 3988
[7]http://www.prensalibre.com/pl/2009/febrero/27/298269.html
[8]http://dca.gob.gt:85/archivo/090313/opinion2.html
[9] Convocatoria de Prensa
[10]http://www.prensalibre.com/pl/2009/marzo/20/302862.html
<鉱山による健康被害>
サン・マルコス県マルリン金鉱山周辺での健康被害の報道がいくつかなされている。皮膚に発疹ができるというものである。
Canadian mine accused of causing skin infections
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7934513.stm
上の記事は Rights Action の下記の報告を参考にしている
HEALTH HARMS IN SAN MIGUEL IXTAHUACAN WHERE GOLDCORP Inc. OPERATES AN OPEN-PIT, CYANIDE LEECHING GOLD MINE(2009.2.20)
http://www.rightsaction.org/articles/San_Miguel_022009.htm
政府公報であるDiario de Centro Americaでもこの件について報道しており、鉱山労働者の血液中にも有害物質が検出されていると報じているが、どのような対策を講じるのか政府関係者のコメントすら報道されていない。
http://dca.gob.gt:85/archivo/090311/nacional2.html
開発と権利のための行動センター
青西
現在、グアテマラでは2006年8月に提案された法案3528に基づいて、鉱業法の改定についての審議が進んでいる。この法案が今年1月22日にエネルギー・鉱業委員会における審議のうえで、同意的な意見書をもって議会に報告されたことから、これに反発する議論が高まっている。[1]
原案からの改定も行われているとのことで、現在審議されている法案の正式な文面は把握できていないが、現行法にある免税措置が維持されているとのこと、ロイヤルティが3パーセントに押さえられていること、先住民族への協議についての規定に問題があることなどが指摘されている。(ロイヤルティは4.5あるいは3-7パーセントという報道もなされている)
ロイヤルティについては、ルイス・フラテ環境大臣は現行の1パーセントから少なくとも12パーセントまで引き上げるべきだと指摘している。[2]カトリック教会も、ハイ・レベル委員会で提案した12パーセントまで引き上げるべきだと反発している。[3]
先住民族に対する協議、あるいは鉱山開発に際しての住民投票については、法案3528では次のように定めるにとどまっている。
-都市農村開発審議会における代表を通じて協議を行うこと
-情報を提供すると共に、当該民族は影響を受けると思われる問題について意見を表明し、あるいは提案に対して合意を結ぶことができる
-表明された意見については、それを考慮し、技術的・合理的にその損害を特定し、その点について修正する[4]
この点について、ウエウエテナンゴやサン・マルコス県キチェ県などの先住民族組織の連合体である西部先住民族審議会は2月24日に声明文を発表した声明文の中で、この改定はILO169号条約や先住民族の権利宣言などに定められている権利を踏まえておらず、コミュニティによる協議という権利を侵害しているとし、あらためてコミュニティによる協議が拘束力を持つという、伝統的な意思決定のメカニズムと社会的組織の正統性を主張している。[5]
こうした中で、2月17日、ロサ・マリア・デ・フラデ議員は、現行法の問題を指摘し、半年間のモラトリアムを定める法案を提出した。[6]また環境大臣もそれを支持するコメントを発表。[7]環境NGOであるCALASの代表のユリ・メリニも政府公報のコラムでモラトリアムを支持。[8]更に3月19日、CALASや西部先住民族審議会などは、国会のエネルギー・鉱業委員会の議長に新鉱業法の審議について公開された審議を求めて意見書を提出。
次のような点を指摘している。
-鉱業は世界中で社会的・環境的に高い影響を与えている。グアテマラでもいくつものコミュニティやテリトリーで高いレベルの紛争をひきおこす可能性がある。
-既に50万近いグアテマラ国民が住民投票に参加し、受け入れがたい開発モデルであるという意思を表明している。
-新しい鉱業法の審議と承認のプロセスにおいては公開討論を行うように求める。
-こうした審議は影響を受けるコミュニティがアクセスしやすい場所で、また様々なフォーラムや公聴会についてより広範にマスメディアによって伝えられることが不可欠である。[9]
更にロイヤルティを最低でも10%にすること、またその使途を植林や上水整備、保健などに定めること、住民への協議を定めること、鉱山の閉鎖手続きを明確にし、20年後にその影響が残らないことを保証することなどを求めている。[10]
2008年6月に、憲法裁判所が現行の鉱業法のいくつかの条項に関して違憲であるという裁定を出していることから改正を進めざる得ない状況にあり、今後の推移を見守っていく必要がある。
[1]http://www.prensalibre.com/pl/2009/febrero/02/292313.html
[2]http://lahora.com.gt/notas.php?key=44943&fch=2009-02-26
[3]http://www.prensalibre.com/pl/2009/febrero/25/297690.html
[4]Iniciativa de ley 3528
[5]Declaración del Consejo de Pueblos de Occidente (2009.02.24)
[6]Iniciativa de ley 3988
[7]http://www.prensalibre.com/pl/2009/febrero/27/298269.html
[8]http://dca.gob.gt:85/archivo/090313/opinion2.html
[9] Convocatoria de Prensa
[10]http://www.prensalibre.com/pl/2009/marzo/20/302862.html
<鉱山による健康被害>
サン・マルコス県マルリン金鉱山周辺での健康被害の報道がいくつかなされている。皮膚に発疹ができるというものである。
Canadian mine accused of causing skin infections
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7934513.stm
上の記事は Rights Action の下記の報告を参考にしている
HEALTH HARMS IN SAN MIGUEL IXTAHUACAN WHERE GOLDCORP Inc. OPERATES AN OPEN-PIT, CYANIDE LEECHING GOLD MINE(2009.2.20)
http://www.rightsaction.org/articles/San_Miguel_022009.htm
政府公報であるDiario de Centro Americaでもこの件について報道しており、鉱山労働者の血液中にも有害物質が検出されていると報じているが、どのような対策を講じるのか政府関係者のコメントすら報道されていない。
http://dca.gob.gt:85/archivo/090311/nacional2.html
開発と権利のための行動センター
青西
| 固定リンク
「グアテマラ」カテゴリの記事
- カナダの鉱業開発に関する最高裁判決と中南米での反響(2010.02.05)
- JICAのニュースレターで紹介されました(2010.02.02)
- 行動センターのプロジェクトが紹介されました(2010.01.20)
- スピーキングツアー:「 戦時性暴力の被害者から 変革の主体へ」---グアテマラ先住民族女性の声を聞く---(2009.11.25)
- 各会場の詳細です:「 戦時性暴力の被害者から 変革の主体へ」---グアテマラ先住民族女性の声を聞く--(2009.12.01)
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- ブラジル・アマゾンに更なる巨大ダムを認可(2010.02.05)
- ハイチの債務免除へ(2010.02.09)
- カナダの鉱業開発に関する最高裁判決と中南米での反響(2010.02.05)
- 緊急援助の動向他:ハイチでの大地震(1/17続報)(2010.01.14)
- ハイチへの誇りと希望(ハイチ前首相 ミッシェル・ピエール・ルイ)(2010.01.29)
「鉱山開発」カテゴリの記事
- カナダの鉱業開発に関する最高裁判決と中南米での反響(2010.02.05)
- グアテマラ:鉱山開発を拒否-クネンでの住民による協議(2009.11.04)
- グアテマラ:エル・エストールで、鉱山会社と衝突(2009.10.04)
- 鉱山開発に立ち向かうグアテマラ先住民族(2009.07.18)
- カナダの先住民族がエクアドルで鉱業振興?(2009.05.14)


コメント