グアテマラ:村の平和を取り戻すために
グアテマラ北部のキチェ県のサン・フアン・コッツアルではここ数年、マラスと呼ばれる若者の暴力集団が大きな問題となっていました。敵対する二つのグループが村の中で銃撃戦を展開するだけではなく、村民の殺害事件、教員への恐喝、強盗事件など日常生活は暴力に脅かされていたのです。
しかし昨年の7月(あるいは8月)に発生した強盗事件をきっかけに、一つの村で犯人を捕まえるために山狩りが組織され、捕まった犯人の一人に激しい暴行が加えられました。この事件をきっかけに村々で「市民治安委員会」の結成が始まりました。ある村では15人ほどが捕まり、「Justicia Maya」という名目でむち打ちなどを受けたということです。
別の村では体罰を用いず、一週間の免責期間を定め、その間に武器を引き渡し、グループを抜けることを呼びかけたところ、8名ほどが出頭したとのことです。
サン・フアン・コッツアルの街では周辺村落の人びとの圧力で「市民治安委員会」が組織され、またマラスの解体が進んだと言うことです。
現在、コッツアルの村々では「市民治安委員会」が組織され、村の治安維持を行っています。警察は汚職にまみれ、人々から見放され、司法制度も信頼されていないこの国で、人々は自分たちの生活を守っていくために、コッツアルの人びとは自分たちの手で社会を守っていく道を選んだと言えるでしょう。
地域によってはむち打ちという暴力的な手段を選んだところもあり、また共同体への労働奉仕を強いたところもあります。
更に関連するまた殺人事件に対して、村の会議で裁いたケースもありました。コミュニティのリーダーが連夜、会議を行い、事件への対応を協議しました。最終的に、検察には訴えないことを文書で書き記し、死者への補償金を支払うことで問題の解決を図ったということです。
「市民治安委員会」の組織化に対しても、内戦期の「自警団」による弾圧を振り返って、否定的な思いを持つ人も多々いるようですし、過去の歴史の中で暴力的な振る舞いに慣れてしまっている人びとが、「市民治安委員会」の中で暴力的な行為を振るうということもあり、問題は続いています。
しかし住民は警察より自分たちの方が信頼できると述べています。あるリーダーは「理想的ではありませんが、(「市民治安委員会」を組織するのは)仕方がないのです。今後、非暴力による紛争の解決、平和的な対話や交渉という文化を育てていかなければなりません」と語っていました。
ちなみに犯罪組織を抜けた若者たちは、今村で農業に従事しているといいます。何人かは出頭せずに都市に逃げ出したとのことですが、出頭した若者たちは、今度は都市に出ていけば裏切り者として殺される危険があるということです。
内戦の歴史を背負うイシル地域には、コミュニティも家族もずたずたにされた中で生まれてきた、育ってきた子どもたち、そして若者たちがたくさんいます。戦争孤児、片親を知らぬ子ども、親から認知されないなど、差別を受けてきた子どもたちも数多いといいます。そうした子どもたちがまた親になり、子どもを育てる年代に入っています。
暴力グループが解体されても、貧困は続き、若者には自分たちの開発の機会も十分に存在していません。未来に向けて若者たちが、様々な機会を得て、社会に参加していくこと、平和的な文化を育むことがとても大切です。
*今年7月に行った複数のインタビューの話をまとめたものです。
注)現行法では、コミュニティで犯罪者を裁くと言ったことは認められてはいません。しかし現実には上のような事態は進みつつあり、警察や司法当局がコミュニティの判断に介入することもないのです。
先住民族の慣習法の採用などを含め、早急な司法制度改革が不可欠です。
しかし昨年の7月(あるいは8月)に発生した強盗事件をきっかけに、一つの村で犯人を捕まえるために山狩りが組織され、捕まった犯人の一人に激しい暴行が加えられました。この事件をきっかけに村々で「市民治安委員会」の結成が始まりました。ある村では15人ほどが捕まり、「Justicia Maya」という名目でむち打ちなどを受けたということです。
別の村では体罰を用いず、一週間の免責期間を定め、その間に武器を引き渡し、グループを抜けることを呼びかけたところ、8名ほどが出頭したとのことです。
サン・フアン・コッツアルの街では周辺村落の人びとの圧力で「市民治安委員会」が組織され、またマラスの解体が進んだと言うことです。
現在、コッツアルの村々では「市民治安委員会」が組織され、村の治安維持を行っています。警察は汚職にまみれ、人々から見放され、司法制度も信頼されていないこの国で、人々は自分たちの生活を守っていくために、コッツアルの人びとは自分たちの手で社会を守っていく道を選んだと言えるでしょう。
地域によってはむち打ちという暴力的な手段を選んだところもあり、また共同体への労働奉仕を強いたところもあります。
更に関連するまた殺人事件に対して、村の会議で裁いたケースもありました。コミュニティのリーダーが連夜、会議を行い、事件への対応を協議しました。最終的に、検察には訴えないことを文書で書き記し、死者への補償金を支払うことで問題の解決を図ったということです。
「市民治安委員会」の組織化に対しても、内戦期の「自警団」による弾圧を振り返って、否定的な思いを持つ人も多々いるようですし、過去の歴史の中で暴力的な振る舞いに慣れてしまっている人びとが、「市民治安委員会」の中で暴力的な行為を振るうということもあり、問題は続いています。
しかし住民は警察より自分たちの方が信頼できると述べています。あるリーダーは「理想的ではありませんが、(「市民治安委員会」を組織するのは)仕方がないのです。今後、非暴力による紛争の解決、平和的な対話や交渉という文化を育てていかなければなりません」と語っていました。
ちなみに犯罪組織を抜けた若者たちは、今村で農業に従事しているといいます。何人かは出頭せずに都市に逃げ出したとのことですが、出頭した若者たちは、今度は都市に出ていけば裏切り者として殺される危険があるということです。
内戦の歴史を背負うイシル地域には、コミュニティも家族もずたずたにされた中で生まれてきた、育ってきた子どもたち、そして若者たちがたくさんいます。戦争孤児、片親を知らぬ子ども、親から認知されないなど、差別を受けてきた子どもたちも数多いといいます。そうした子どもたちがまた親になり、子どもを育てる年代に入っています。
暴力グループが解体されても、貧困は続き、若者には自分たちの開発の機会も十分に存在していません。未来に向けて若者たちが、様々な機会を得て、社会に参加していくこと、平和的な文化を育むことがとても大切です。
*今年7月に行った複数のインタビューの話をまとめたものです。
注)現行法では、コミュニティで犯罪者を裁くと言ったことは認められてはいません。しかし現実には上のような事態は進みつつあり、警察や司法当局がコミュニティの判断に介入することもないのです。
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