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2010/03/26

グアテマラ:先住民族の権利確立を求める国連諸機関の勧告

人種差別撤廃に関する委員会、また国際労働機関の専門家委員会から、相次いで先住民族の権利確立を求める勧告が公表されている。
 人種差別撤廃に関する委員会の第76回会議では、先住民族の土地からの排除が続いていることを指摘するとともに、協議の適切な実施を勧告している。また国際労働機関の条約履行に関する専門家委員会は、鉱業法など既存の法律を、ILO第169号条約と整合させること、先住民族の社会的・文化的・経済的な統合を保障することが政府の義務であることを鑑みて、誠実な対話を行うために早急な対策を取ること、関連する活動(サカテペケスにおける鉱業開発など)を即刻停止し、先住民族の参加の下で、対話と評価を行うことなどを求めている。
 
 ILOの専門家委員会の勧告の内容についてはあらためて分析したいと考えているが、ここでは人種差別撤廃に関する委員会の勧告の一部を紹介する。

参考資料
1) OIT: Aseguran que se viola el Convenio 169, Instan a suspender excavaciones mineras
http://www.lahora.com.gt/notas.php?key=63777(La Hora 2010/3/10)
2) Informe de la Comision de Expertos en Aplicacion de Convenios y Recomendaciones
http://www.ilo.org/global/What_we_do/Officialmeetings/ilc/ILCSessions/98thSession/ReportssubmittedtotheConference/lang--es/docName--WCMS_123426/index.htm
3) CERD/C/GTM/CO/12-13 (2010/3/16)
Examen de los informes presentados por los Estados partes de conformidad con el artículo 9 de la Convención
http://www2.ohchr.org/english/bodies/cerd/cerds76.htm

<人種差別撤廃に関する委員会は2010年3月8日に開催された委員会において、グアテマラの状況に関する見解を採択したが、ここで一部を整理して報告する>

1)司法へのアクセス
 先住民族の司法へのアクセスが困難であることを憂慮する。これは特に、先住民族の法的システムの承認と適用の欠如と、(現行の)司法手続きにおける十分な通訳の不足と二言語の担当官の不足によるものである。
 そこで先住民族の伝統的司法システムを国内の司法システムの中で承認し、また人権に関する国際法の基準に基づき、先住民族による伝統的な司法システムを尊重することを勧告する。更に、司法手続きにおける通訳や二言語の弁護士、担当官といった適切なシステムに先住民族がアクセスできるよう保証すること。
2)政治への参加
 政治プロセスへの参加、特に議員としての参加、政府機関の中での先住民族の参加、特に女性の参加が限られている問題がある。
 先住民族、特に女性の意思決定への参加を保証するために国家が尽力することを勧告。
また意思決定への参加という点で、都市・農村開発審議会法の適切に履行すること。 
3)自然資源へのアクセスとILO169号条約
 自然資源の開発を巡って、先住民族との緊張が高まっていることを憂慮する。特に歴史的に先住民族の土地であったところからの排除に憂慮する。これは土地が適切に登記されていたとしても起こっていることである。そのテリトリーにおける自然資源の開発に先立って、協議を受ける権利が尊重されていない。また伝統的な土地所有あるいは占有形態が国内法で認められておらず、行政的にも対応していない。
そこで開発プロジェクトや自然資源の採掘に先立って、自由な合意を得るための協議を行うために、ILO169号条約及び先住民族の権利宣言に基づき適切なメカニズムを設置すること。また先住民族組織より提案されている先住民族への協議に関する法の採択プロセスを進め、また鉱業法にも事前協議に関する条文を入れる改正を行うこと。
4)移転が必要とされるケース
 例外的な事例として、先住民族の移転とその補償が必要とされる場合には、ILO169号条約の16条、2項及び先住民族の権利宣言の第10条の規定を尊重し、移転の理由に関する全面的な理解と自由な同意に基づき、また正当かつ公平な補償及び基本的なサービス、水や電気、学校、保健サービスなどが整えられた移転地を確保すること。  
5)水へのアクセス
グアテマラに存在する38の流域の90%で水系の汚染が見られ、このことが上水への適切なアクセスを妨げている。このことは特にサンマルコス県、ウエウエテナンゴ県、キチェ県、ソロラ県で見られる。更に、下水の不備は、それによる病気の発生も引き起こしており、先住民族コミュニティが特に影響を受けている。
 委員会は、特にこれらの県における上水へのアクセスを早急に保証するための対策を取ることを求めるとともに、水の汚染を防ぎ、汚染を監視するための適切な制度を整えるとともに、汚染が見られる水系においては、適切な処理を行うことを勧告する。また全てのコミュニティにおける上水へのアクセスを保証する国内法の整備を勧告する。
6)識字
 2004-2008年にかけて、国家統合識字戦略が実施されてきたが、農村部ではいまだに61%が非識字者である。更に女性の場合には87.5%が非識字であり、43%が小学校を終えるに過ぎない。
 この非識字率を引き下げるために、短期・中期・長期的な対策を取るとともに、和平協定の先住民族合意に定められている教育改革の履行を勧告する。 

このほか、人口センサスにおける先住民族の把握改善、人種差別の扇動や行為を罰すること、保健サービスへのアクセスの改善などが勧告されている。

開発と権利のための行動センター
青西
 

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2010/03/24

パナマ:ダム建設の危機にさらされるナソ民族とラ・アミスタ国際公園

 コスタリカとの国境に近い、パナマ西部のボンジック川流域では、メデジン公企業体によってダム建設が進められつつある。3月10日には、パロ・セコ保全林内での事業認可がなさた。またこのパロ・セコ保全林は、ユネスコの世界遺産にも指定されているコスタリカとパナマをまたぐラ・アミスタ国際公園の緩衝地帯でもある。
 こうした中、3月22日の「世界水の日」に向けて、パナマのナソ民族が声明を発表した。

(開発と権利のための行動センターでは、2008年9月に開催された「ラテンアメリカ水法廷」へのナソ民族の参加を支援しました。)

<関連情報>
Nasos intensifican protesta por concesión hidroeléctrica(La Prensa 2010/3/23)
http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2010/03/23/hoy/nacionales/2132365.asp
Resolucion de Gabinete No.89 (2010/3/9)
http://www.asamblea.gob.pa/APPS/LEGISPAN/PDF_GACETAS/2010/2010/26488-A_2010.PDF
開発と権利のための行動センター関連情報
http://homepage3.nifty.com/CADE/campaign/panama/naso.htm

以下 声明文を二本掲載してます。
1)ボンジック・コミュニティによる声明
2)政府はPILAを危機に (環境保護団体等の声明)


1)ボンジック・コミュニティによる声明
ボンジック・コミュニティ
ナソ・テリトリー
2010年3月22日
Resolución No. CB-02

 去る3月15日、内務・法務省の先住民族政策局長であるホセ・イサック・アコスタは、リカルド・マルティネリ大統領に率いられる現政権は、ナソ民族との間で「抱えていた」
全ての問題は、満足される形で解決したと発表した。それに対して、今日、「世界水の日」に際して、ナソ民族は世界の人々に対して、私たちの立場を明らかにした決議文を公表するものである。

以下のことを鑑みて、
1:2004年末から、ナソ民族は、パナマ政府の関与と思惑のもと、多国籍企業(EPM:メデジン公企業体)によって、人権とテリトリー、そしてそこに存在する自然資源を体系的に侵害されてきた。
2:当初から、我々は当時のマルティン・トリホス政権に対して、この問題を告発してきたが、問題解決への政治的意志も、社会的な感受性を示すこともなかった。
3:現在のリカルド・マルティネリ大統領の就任以来、様々な手段を用いて、我々は告発を続け、また解決を求めてきた。しかし我々の要請を聞くどころか、我々が受けたのは、虐げと逮捕、脅迫、抑圧でしかなかった。
4:残念ながら、内務・法務大臣、ホセ・ラウル・ムリーノによる専横、傲慢、果ては人種差別まで思い知らされてきた。それは法務(justicia)大臣と言うより「不正義」のために存在し、パナマには伝統的な権利は存在しないと公言し、EMPとの交渉を仲介するどころか、ナソ民族を、古くからの先祖の命を育んでくれた、私たちのこの土地への侵略者だというのである。
5:2008年の末、ボカス・デ・トロ県が気候不良の中で自然災害に襲われていた不安定な時期に、政府は法72条の施行し、ナソ民族のコマルカ(自治区)を設立するという願いを踏みにじり、我々を実験動物のように、わずかばかりの一条項に、ナソ民族を押し込めたのである。
6:これまでにも4回にわたって、ナソ民族の抱える問題について、対話の席に着き、ナソ民族の希望に沿った合意を探ってきた。しかし常に、ムリーノの傲慢さと差別が立ちはだかってきた。
7:そして2010年3月10日に、行政府は政令をもって、自然保護区-パロ・セコ保全林における水力発電事業に対して20年にわたる認可を与えたのである。この保全林は、ラ・アミスター国際公園(注:ユネスコの世界遺産にも認定されているコスタリカとパナマ両国をまたぐ自然保護区(略称PILA))の緩衝地域でもあり、「保護」どころか破壊するためのものでしかない。しかしこの政令においても、パロ・セコ保全林やPILAの設立以前から、我々ナソ民族が昔から生活してきたことには一言たりとも触れていない。本来、ナソ民族のテリトリーの中での事業において我々に協議をする義務があるにも関わらずである。
 我々は次のように決議する
1:自然とともに昔から生活してきたナソ民族を排除したまま、我々の自然資源を奪うために、パナマ政府とEMP、そしてナソ民族から追放された人物(ティト・サンタナ)をもっての共謀を許すことはできない。
2:中央政府が押しつけようとする集団的土地所有に関する、法72条を断固として拒絶する。早急にナソ民族のコマルカの設立に関する法案の審議に戻ることを要求する。これはナソ民族の熱望する計画であり続けている。
3:我々は、全ての人々の協力を得て、国内の法的機関や国際的な人権機関など、すべての手段を通じて、ナソ民族に対する人権侵害とテリトリーの侵害について訴えていくものであり、それを放棄することはない。
4:ナソ民族のリーダーたちが被るかもしれない、迫害、脅迫,脅迫などに対して、リカルド・マルティネリ政権及びEPMの責任を追及するものである。


2)政府はPILAを危機に (人権団体 環境保護団体等の声明)
 EPMの代表団を受け入れて2週間後に、マルティネリ大統領と閣僚は、環境省(ANAM)に対して、EPMとの契約を承認。これによって、EPMはラ・アミスタ国際公園の保全に不可欠なパロ・セコ保全林の2000ヘクタールを利用して、ボンジック川に水力発電施設を建設することが許可されたのである。
 この政府の決定は3月13日に公表されたが、これは保全林に対する永続的な被害とともに、これまでこのダム建設に反対して闘争を続けてきたナソ民族のコミュニティにとっての癒やされぬことのない傷となるものである。
 テリベ・エコロジカル水力発電と勝手に名乗っている、EPMは数ヶ月前から保全林に入り込んでいた。これは許可なく活動を行っていたことを意味する。さらには開発派につき、コミュニティから認められていないティト・サンタナ(王)と結んだ合意すら履行していない。そこでは8割の雇用者をナソ民族とすること、工事は昼間のみに行うこと、テリベ川への橋の設置、保健面での改善のための10万ドル相当の投資など、環境省によって承認された環境影響評価をもとに作られた約束すら履行されていないのである。
 こうしたことは、ナソ民族の伝統的な生活を脅かし、正統な権威を無視するものであり、さらに騒音によって日々の生活を妨げ、テリベ川そして支流のボンジック川の景観を大きく改変し、環境の劣化を引き起こすものである。更に環境問題の告発プロセスにおける環境省や裁判所、地方検察、その他の国家機関における職権乱用、そして対策の欠如を告発するものである。

HUMAN RIGHTS EVERYWHERE / COMUNA SUR
CENTRO DE INCIDENCIA AMBIENTAL
JUSTICIA, PAZ E INTEGRIDAD DE LA CREACIÓN (Misioneros Claretianos de Centroamérica)
VOCES ECOLÓGICAS
Más información: info@comunasur.org
En la comunidad de Bonyik: Adolfo Villagra (6569-2844)

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ハイチ:米州開発銀行は債務取り消しで合意

 米州開発銀行は3月22日、ハイチに対する債務、478百万ドルを取り消すことで合意したとのことです。更に、2,000百万ドルを復興のために今後十年をかけて贈与するとのこと。日本政府も、米州開発銀行総会にて、債務取り消しを支持する発言を行っている。
 こうした資金がどう使われていくのか、今後重要なポイントになる。
 
 青西
関連サイト
BBC-Mundo BID condonará millones de la deuda de Haití
http://www.bbc.co.uk/mundo/economia/2010/03/100322_haiti_deuda_bid_zuluaga_terremoto.shtml
BID aprueba histórica expansión de capital, paquete financiero para Haití 
http://www.iadb.org/am/2010/pages.cfm?lang=es&id=6805&type=pr 
(英語・スペイン語)
日本国政府 財務省 米州開発銀行総会演説
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/idb220322.htm 

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2010/03/09

震災後のハイチの状況について

 2月3日から2月24日にかけて、震災後のハイチを取材したフォトジャーアナリスト、佐藤文則氏の報告会が、3月7日横浜市栄区の「あーすぷらざ」にて開催されました。
 長年ハイチでの取材活動を行ってこられた佐藤氏が、震災前の状況との比較なども交えながら,ハイチにおける震災の状況を報告されました。
 
 ここでは、緊急援助の動向と復興にむけての歩みに焦点を当てて、報告及び質疑応答の中からいくつかのテーマをまとめて報告します。

<ローカル・エコノミーの確立>
 援助物資が広範に出回ることで、地域住民の経済、ローカル・エコノミーが壊れてしまうことが問題となってくると思います。貧困住民の多い、シテ・ソレイユでも多くの住民が基本食糧を確保する一方、食堂の営業が成り立たなくなっています。

<現地で必要とされているもの>
 現地で必要とされている資材は大型のテントです。しかしこうしたテントは既に在庫が枯渇しており、入手まで1ヶ月なり待たなくてはならない状況だと聞いています。援助機関では、テントの代わりにビニールシートを配布すると行ったことを行っています。

<トイレ>
簡易トイレはかなり設置されるようになり、だいぶ数は増えてきました。

<ハイチの医療状況>
 現在は、震災での傷病と一般的な傷病の患者数は半々ぐらいだろうという話を聞きました。もともと医療状況が悪かったところで、薬代などもかからずにただで医療サービスが受けられるという点で、過去と比べてもいい状況にあると言えるかもしれません。しかしそれがいつまで続くかはわかりません。病院の再建など医療体制の確立も必要でしょう。

<必要とされる被災民の状況把握>
 テント暮らしも半年ぐらいが限度でしょうから、仮設住宅も必要になるでしょう。既に作っている動きもありますが、何十万という人に住居を提供するというのは不可能でしょう。そのために調査をして、被災状況を調査して、具体的な状況を把握することが重要だと思います。ハイチ政府も家族構成や家の状況などを聞き取り調査を行っているようです。
 被災した方でも,余震による崩壊などを恐れて、テント村で生活している人も多いので、戻れる人には戻れるような支援というのが必要だろうと思います。

<米軍の存在>
 米軍の存在については議論もあるようですが、 米軍については、私自身は今回だけは、どうしようもなかったのではないかと考えています。大量の重機や援助物資や人員をスムーズに輸送・移動できるのは、軍のような組織しかありません。ただ、引き際が重要になってきます。今のところ市民は歓迎していますが、しかし駐留が長引いてくると歴史的な反感が出てくるのではないかと思います。

<国連やNGOの支援>
 国連・NGOも存在感を示しています。しかし多数のNGOが活動しているので、調整作業が大変なようです。またNGOなどもテントで生活するというような状況で支援しているようです。一所懸命がんばっているようです。

<援助物資の分配>
 テント村にいるから、食糧援助が受け取れる、というような状況ではありません。不公平な分配が行われています。受け取れる人もいれば、受け取れない人もいるという状況です。受け取るためのカードもあるのですが、それがどこでもらえるのかがわからない、またいつ、どこで援助物資を分配するという情報が、全員に行き渡らず、委託を受けているのであろう現地のNGOが、身内主義というか、家族や友人に優先して情報を流しているという状況があるようです。こうしたことは、どこの国でも起こりうることでしょうが、より公正に分配できるようなシステムが必要です。

<ハイチ政府>
 ハイチ政府の動きは残念ながらよく見えてきません。CNE(Centre national déquipements:公共事業局)のトラックが瓦礫撤去に動いているのを見かけるぐらいです。それ以外は存在感はありません。
 首相も先日、援助がどのように動いているか把握できていないという発言をしていました。国際社会も、これまでのハイチ政府の汚職がひどいと言うことなどもあり、あまりお金を渡したくないようで、実際にハイチ政府が受け取っているのは10%ぐらいではないかという、話も聞いています。首相も、いったいどれだけの資金がNGOに流れているのかもわからず、フラストレーションを溜めているのだと思います。
 国民の中にも大統領のリーダーシップが欠けるという声もあります。しかし政府に対する非難というのはいつでも起こるわけですし、またハイチの政治機構の脆弱さというのは長年の問題ですから、ここで単に非難するだけではなく、とりあえず顔を立て、そしてサポートすることが重要だろうと思います。

<ハイチの人たちの対応>
 ハイチの人たちは政府に文句を言いますが、最後には自分たちだけでどうにかしてしまいます。長年そうやって生きてきて、ハイチ政府というのもそこに甘えてきたところがあるように思います。
 
<これからの再建にむけて>
 国際社会に加えて、ハイチ人自身の力が必要ではないかと思います。もちろん一般の人は、日々の生活だけでも大変なので、政治家やインテリ層が一緒に集まり、話し合いをしていくことが重要だと思います。
 今回の不幸な出来事をバネに、単に地震からの復興だけではなく、ハイチという国の再建に向かう、いい機会として利用されることを祈っています。

 まとめ:開発と権利のための行動センター
     青西靖夫

フォトジャーナリスト 佐藤文則さんのサイト
http://www.k2.dion.ne.jp/~satofoto/

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2010/03/05

3/17&3/19&3/23 債務、貧困、気候変動~変革が進む南米エクアドルは 地球規模の課題にどう取り組むのか- ジュビリー・エクアドルのデルファ・マンティージャさんに聞く

債務、貧困、気候変動
変革が進む南米エクアドルは地球規模の課題にどう取り組むのか
ジュビリー・エクアドルのデルファ・マンティージャさんに聞く

日 時 3月17日(水)15:00~17:00 
会場:明治学院大学 白金校舎 本館4階 1404教室
http://www.meijigakuin.ac.jp/campus/shirokane/
*通訳有り。参加費無料
*事前申込み不要、どなたでもご参加いただけます。
主催:明治学院大学 国際平和研究所

日 時 3月19日(金)18:30~20:30
場 所 ニコラ・バレ修道院(JR四ッ谷駅麹町口すぐ)
    東京都千代田区六番町14-4
    麹町口エスカレーターを上がり道路を挟んだ左斜め前のビル
参加費 800円(通訳あります)
共 催 ATTAC Japan(首都圏)
    カトリック聖コロンバン会
    開発と権利のための行動センター
    日本ラテンアメリカ協力ネットワーク(RECOM)
    アジア太平洋資料センター(PARC)
    地球の子ども新聞
    ナマケモノ倶楽部
協 賛 日本カトリック正義と平和協議会
    スローウオーターカフェ
    ニュー・インターナショナリスト・ジャパン
    現代企画室

連 絡 jubilee.ecuador.tokyo@gmail.com
チラシpdf版です。
20100319ecuador.pdf20100319ecuador.pdf

※院内集会もあります!
 3月19日(金)11:00~12:00
 衆議院第二議員会館第3会議室
 ※10:45から議員会館入り口で入場券をお渡しします

南米のエクアドル共和国では2007年1月に発足したラファエル・コレア政権のもと、さまざまま改革を進めてきました。マンタ米軍基地の継続使用の拒否、水や食料へのアクセスを基本的人権と定めた新憲法の制定、先住民を苦しめ環境を破壊してきたアマゾンにおける石油開発の中止、世界銀行・IMFを通じた「先進国」や多国籍企業による経済的支配からの離脱、従来の多国籍金融機関とは異なる地域発展と統合のための「南の銀行」への参加など、人口1300万の小さな国の人びとの挑戦は、地球の裏側の日本をはじめ世界各地で注目されています。

なかでも2008年12月にコレア大統領が発表した対外債務の一部支払い停止は、歴史的・政治的な結果として貧困を強制されてきた「途上国」と呼ばれる国の人々を勇気づけました。この債務の支払停止は、エクアドルに課せられた債務が、「貸し手」である豊な国や多国籍金融機関の都合で貸し付けられたり、借り手の側の国のごく一部の人(たとえば独裁者)にしか恩恵をもたらさかった融資によって作られた「不公正な債務」であるという政府の監査委員会の報告書に基づいたものです。「貸した以上に引き剥がす」という債務問題が解決されない限り、エクアドルをはじめとする世界の貧困問題は解決されません。

3月21日、22日に大阪で開かれる「おおさか社会フォーラム」のスピーカーの一人として来日するデルファ・マンティージャさんは、途上国債務の帳消しに取り組む「ジュビリー・エクアドル」で活動し、対外債務に影響を受けた農民への社会的補償や、「多様な民衆女性総会」のメンバーとして、ジェンダー的立場から女性の経済的権利の承認についての取り組みをされています。

改革を求めるエクアドルの人々の熱意に押し上げられ誕生したコレア政権ですが、アマゾン地域の先住民の権利の承認や経済改革の方向性をめぐり、社会的な緊張が広がっていることも伝えられています。債務・貧困、気候変動、環境破壊など地球規模の課題について、一進一退を繰り返しながら変革を進めてきた南米エクアドルで活動する社会運動はどう考え、いかに取り組んできたのか。変革へのヒントをつかむためのこの市民交流会にぜひ参加を。

●デルファ・マンティージャさんのプロフィール

26年間、社会運動に参加。教員や若者、女性、農民など、市民を結びつけるプロセスを支援し、社会的・文化的・環境に関する補償を求めるために権利の強化に取り組む。現在、対外債務に影響を受けた農民に対する「社会的補償」に取り組む。「異なる統合」というイニシアティブにおける「人権・民主主義・開発のためのインターアメリカン・プラットフォーム」のエクアドル代表。「多様な民衆女性総会」のメンバーとして、女性の経済的権利の承認のためにジェンダーの視点から政治的な取り組みを進めている。債務と権利のラテンアメリカネットワークのメンバー。

<関西>
3月21日・22日 :「おおさか社会フォーラム」
*おおさか社会フォーラム公式ブログ
http://osaka.socialforum.jp/
 なお、ジュビリー・エクアドル代表は、1日目の全体集会と2日目の「金融危機と脱グローバル化」「気候変動・生物多様性」の二つのワークショップでも報告される予定です)*に世界的に注目が集まっている国・南米エクアドルからNGOの代表が来日、参加されます。

(NGO「ジュビリー・エクアドル」代表による現地報告会)
  ■■小さな国エクアドルの大きな挑戦■■
☆貧困問題の根本的な解決に向け「不正な債務」の返済拒否を宣言した国エクアドル
☆地球温暖化防止のためアマゾンの石油開発を中止し、その補償を先進国に認め> させた国エクアドル
☆先進国の経済支配から脱するために、世界銀行・IMF(国際通貨基金)の代表を国外追放した国エクアドル
☆平和な地域をつくるため米軍基地を撤去した国エクアドル
☆新憲法で、水と食料へのアクセスを基本的人権として認め、マザーアース(地球の権利)を明記した国エクアドル
エクアドルのコレア政権は今、貧困・飢餓問題や地球環境問題の根本的な解決、先進国による軍事的・経済的支配からの自立をめざして斬新な政策を次々に取り入れ、果敢な挑戦を繰り広げています。この「小さな国エクアドルの大きな挑 戦 」について、エクアドルから来日されるNGOジュビリー・エクアドルの代表の方からお話をうかがいます。

日時:2010年3月23日(火)午後6時30分~9時30分
場所:ひと・まち交流館京都 3階 第5会議室(京阪「清水五条」下車、市バス
「河原町正面」下車) (アクセス)
http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html
現地報告:デルファ・マンティーラさん
(債務・貧困問題の解決をめざすNGO「ジュビリー・エクアドル」代表)
参加費:500円
(あなたも一緒にこの報告会を作りませんか?共催・協力団体を募集中!)
呼びかけ団体:
 ジュビリー関西ネットワーク
 途上国との格差と貧困を考えるジュビリー滋賀
連絡先:muchitomi@hotmail.com(京都)
    njrbf977@ybb.ne.jp(滋賀)


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2010/03/03

アフリカの水と大地を奪うバイオ燃料

 地球の友-ヨーロッパとアフリカの地球の友グループが行った調査報告書が2010年2月に刊行される予定となっている。(3月3日現在、まだWEB上には掲載されていないようである)この報告書の一部を整理した報告がスペイン語にていくつかのサイトに紹介されているので一部抄訳の上、整理して報告する。[*]

 アフリカでアグロ燃料(バイオ燃料)のための土地囲い込みが進む

GRAINの報告書[1], del Relator Especial de Naciones Unidas para el Derecho a la Alimentación Olivier De Schutter[2]の報告書、Instituto Internacional para el Medio Ambiente y el Desarrollo[3] (IIED)の報告書などでも既に取り上げられているが、この「新植民地化」とも言える現象が深化する中で、テリトリーの<外国化>、コミュニティの排除などが進みつつあり、これは<反農地改革>の不気味なプロセスともと言える。

 地球の友の調査報告書<Africa: up for Grabs. The Scale and Impact of Land Grabbing for Agrofuels>[4]がこの2月に刊行され、WEBサイト上でも公開されるはずであるが、この調査ではアフリカ大陸におけるアグロ燃料(バイオ燃料)の生産による土地囲い込みの広がりとそのインパクトについて、またヨーロッパ系の企業が果たしている役割に焦点をあてて分析している。(3月3日現在、まだWEB上には掲載されていないようであるhttp://www.foeeurope.org

 Angola, Camerún, la República Democrática del Con-go, Etiopía, Benin, Ghana, Kenia, Mozambique, Nigeria, Sierra Leona, Tanzaniaといった諸国の状況を調査している。報告書によると土地の囲い込みはそれぞれの状況や国内法などによって、土地購入、借地、契約栽培の3つのタイプが存在する。
 アフリカにおける土地の重要性は「それは単なる経済的な資産や環境的な資産というのではなく、社会的・文化的なそして存在に関わる資源である。社会的なアイデンティティや宗教的な生活の組織、文化の生産と再生産における重要な要素である」ということにある。[5].
 2006年以来アフリカでは900万ヘクタールの土地が買われ、そのうちの少なくとも500万ヘクタールがジャトロファ、オイル・パーム、甘み種のソルゴーなどアグロ燃料を生産するために利用されていると思われる。しかしモザンビークだけでも480万ヘクタール(農耕可能面積の9分の1)が求められているというので、数字はもっと大きいものであろう。
 アフリカ諸国の政府は、土地が失われ、コミュニティが土地を奪われているという事態を認識し、またこうしたプロジェクトが国内向け食料需要を充足する能力に対して引き起こす影響を憂慮している。更に海外投資家による土地購入、<金融商品化>という問題が加わっている。[6].

 誰が背後にいるのか:公的な情報は限られているが、多くの場合に民間企業が背後にいることは間違いないであろう。しかしそれ以外にアフリカ諸国の政府、国営企業、投資会社などが存在している。
 アグロ燃料(バイオ燃料)が近年の土地獲得の重要な原動力となっている。ヨーロッパ連合による<再生可能資源>からできた燃料を混合するという政策が忌まわしい役割を果たしている。保証された市場と安価な土地と労働力へのアクセスが、ヨーロッパ企業にとって、アグロ燃料を魅力ある儲け話にしているのである。
 バイオ・テクノロジー関連企業もアフリカにおけるアグロ燃料推進に関心を示している。遺伝子組み換え品種への市場を開発することを狙っているのである。アフリカの作物開発に1億2千万ドルを差し向け、遺伝子組み換え品種にも特別の基金を設けようというFundación Bill y Melinda Gates や「アフリカの緑の革命のための同盟:AGRA」という重要な仲間も見つけている。

 インパクト:開発のためにはエネルギーへのアクセスが重要であるが、引用されているFAOの調査[7]によるとエチオピアでも、ガーナでも、マダガスカルでも、そしてマリでもいかなるアグロ燃料用の作物も国内消費にはむけられず、輸出されているとのことである。 
 政府や企業は、<マージナルな土地>だけを利用し、水の消費やエロージョンも少なく、地域内ので消費や雇用、経済開発、温室効果ガス削減に貢献すると喧伝しているが、実際には逆の状態である。

*温室効果ガスの排出は増加。更に土地利用の改変が更なる温室効果ガスの大気中への放出につながる。

*水と土地が脅かされている。アフリカでは多くの可耕地が未利用に置かれ、それらが<マージナルな土地>とされている。公的には<マージナル>とされている土地は、私有化されておらず、しばしばコミュニティでの生活や生態系に重要な役割を果たしている。それは時に共有地であり、放牧や自給用作物の生産や薬用植物の採集などに使われ、また湿地や山地であったりする。土地に関する地域での諸権利は不透明で、土地登記プロセスへのアクセスも欠けているし、生産的利用のための用件も定義されていないなど、法的な隙間がある。
 重要なこと公式に誰が所有するかではなく、誰がその土地に依存しているのかという点にある。土地を巡る競争は、食料主権という課題に問題を投げかける。「食料援助に依存している国が、アグロ燃料のために豊かな土地を売るということが許されるべきなのか?」

 アフリカでは水は貴重なものであるが、アグロ燃料生産は大量の水を要求し、更に農薬類によって水系が汚染される。

*限られた雇用創出。多くのアグロ燃料向け作物は多くの労働力を要求しない。整地と収穫前の除草ぐらいである。機械化された場合には更に雇用は少ない。仮に仕事があっても報酬は低く抑えられている。

*誤った期待。ジャトロファの契約栽培に対して、ザンビアのある農民は綿花栽培のことを思い起こす。「山ほど金を稼げると言われ、トウモロコシをやめて、綿花を生産した。しかし売る段になれば、価格は安く、伝統的なトウモロコシを軽視したせいで空腹を抱えることとなった。[9].

*環境の悪化。機械的な農業は、森林破壊や湿地の喪失、土地の劣化、水資源の汚染と枯渇など様々な問題を引き起こす。
 更に、社会的・文化的な影響がある。カメルーンではコンゴ川流域の自然林に代わってオイルパームプランテーションが拡大しているが、森に依存するコミュニティの生活に大きな影響を引き起こしている。

結論:どん欲な外国投資がアフリカ諸国でアグロ燃料を進めている。これはEUの目標値を達成するために進んでいる。
 アフリカ社会は、自分たちの自然資源が外国企業によって、外国の利益のために開発されてきた歴史を知っている。どうして同じく外国企業に進められる今回のアグロ燃料については異なるといえるのだろうか。はっきりしていることは、既にコミュニティは社会的・環境的・文化的な影響を被っているということである。

 望ましい行動
・土地の囲い込みをやめ、アグロ燃料への需要を増加させる政策目標を撤廃する。
 アグロ燃料のための土地獲得と投資を中止する。
・ローカル・コミュニティ主導の農業者にも環境にも配慮した農業を促進する
・エネルギー消費を減少させるような持続的な社会のための投資を促進する。
・投資家にたいして、その活動によって生じる影響を考慮した明確かつ、拘束力を持つ、法的な規則を設定する。
・土地の売買・借地に先立つコミュニティに対する事前の自由な情報に基づく同意を得ること
・コミュニティや先住民族の慣習法の保護
・農業労働者の権利の、人権の保護

 以上 まとめ 青西

1 GRAIN (octubre 2008) ¡Se adueñan de la tierra! El proceso de acaparamiento agrario por seguridad alimentaria y de negocios.
Ver: http://www.grain.org/briefings/?id=214. Ver versión abreviada en Biodiversidad, sustento y culturas, núm 60.
2 Informe del Relator Especial sobre el derecho a la alimentación. Mayor capacidad de respuesta: un marco de derechos humanos para la seguridad alimentaria y nutricional mundial, p.13, septiembre de 2008, http://daccess-ods.un.org/access.nsf/Get?Open&DS=A/HRC/9/L.15&Lang=S
3 Cotula, L., Vermeulen, S., Leonard, R. and Keeley, J., 2009, Land Grab or Development Opportunity? Agricultural Investment and International Land Deals in Africa, IIED/FAO/IFAD, Londres/Roma. http://www.fao.org/docrep/011/ak241e/ak241e00.htm
4 África: crece la usurpación. Escala e impacto del acaparamiento de tierras para agrocombustibles.
5 Unión Africana (marzo 2009) Framework and guidelines on land policy in África. http:// ww.pambazuka.org/aumonitor/images/uploads/Framework.pdf
6 Ibídem.
7 Op. cit, nota 3.
8 Ustulin, E. J. & Severo, J. R. (2001): Cana-de-Açúcar : Proteger o ambiente e continuar gerando empregos. http://www.cna.org.br/Gleba99N/Set01/cana01.htm
9 African Biodiversity Network (julio 2007) Agrofuels In Africa-The Impacts On Land, Food And Forests.

* Acaparan tierras en África en pos de agrocombustibles
REDES-Amigos de la Tierra Uruguay
Grain    http://www.grain.org/biodiversidad/?id=468
Ecoportal http://www.ecoportal.net/content/view/full/91122
SERVINDI http://www.servindi.org/actualidad/22308
など

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Los Campos de la Muerte/ Killing Fields

Killing Fields the battle to feed factory farms

Los Campos de la Muerte La batalla para alimentar la ganadería industrial

 南米諸国で、大豆生産の広がりとともに、森林が伐採され、土地を追われ、農薬の被害を受ける農民たち。南米における大豆生産と工業的な畜産業との関連を問いかけるビデオがWEBにて公開されています。
 ヨーロッパ各国の言語でダウンロードできます。Quick Timeがインストールされていないとみれないようです。
 http://www.feedingfactoryfarms.org/index.php?id=3 (英語)
 http://www.feedingfactoryfarms.org/index.php?id=98 (スペイン語)


Una producción de REDES - Amigos de la Tierra Uruguay, Food and Water Watch, Amigos de la Tierra Europa y los socios del programa “Feeding and Fuelling Europe”.

Con la colaboración de Amigos de la Tierra Inglaterra, Gales e Irlanda del Norte, Food and Water Watch, Fundación Heinrich Boell y Miliuedefensie - Amigos de la Tierra Holanda.
Guionista Lucas Silva, Victor Burgos
Producción Victor Burgos
Periodista Lucas Silva
Cámara Victor Burgos
Sonido y postproducción de sonido Production Sound Edgardo Mattioli
Editores Julio Porley, Matias Porley
Gráficos Nicolas Medina
Música original latejapride
Productor Alberto Villareal
Traducción del portugués Mauro Pintos
Traducción del guaraní SOBREVIVENCIA – Friends of the Earth Paraguay
Equipamiento de ALTAMIRA
Imágenes seleccionadas cortesía de Daht Tv Traducción de ITR
Edición y producción del DVD Ecostorm
Diseño web de NTDST.STD. www.netdust.be
 

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2010/03/02

資料紹介:中南米 先住民族関連

どうもあれこれ追いついていないので、最近の先住民族関連の資料などを紹介します。

1)国際労働機関の専門委員会報告書
国際労働機関(ILO)の2010年6月の総会に向けられて「条約の履行に関する専門委員会の報告及び勧告」が公表されました。各条約の履行状況に関する専門委員会の報告をまとめたものです。
次のサイトからダウンロードできます。
Informe de la Comisión de Expertos en Aplicación de Convenios y Recomendaciones
http://www.ilo.org/global/What_we_do/Officialmeetings/ilc/ILCSessions/98thSession/ReportssubmittedtotheConference/lang--es/docName--WCMS_123426/index.htm
ちなみに2009年の報告書はこちらからダウンロードできます。
http://www.ilo.org/global/What_we_do/Officialmeetings/ilc/ILCSessions/98thSession/ReportssubmittedtotheConference/lang--es/docName--WCMS_103488/index.htm
次のサイトにスペイン語からILO107号条約と169号条約に関連する部分を抽出した文書がアップロードされています。
http://clavero.derechosindigenas.org/?p=5641

ちなみにこの情報も上のBaltorome Claveroのメール・ニュースから得ていますので、関心のあるかたは上のサイトを確認ください。

2)国連の経済社会局から「世界の先住民族の状況」が2010年1月に刊行されました。テーマ別の報告書となっています。現時点ではまだ英文だけのようです。次のサイトからダウンロードできます。
STATE OF THE WORLD’S INDIGENOUS PEOPLES
  http://www.un.org//esa/socdev/unpfii/en/sowip.html

3)ALAI 第452号(2010/02)
Sumak Kawsay:Recuperar el sentido de vida
ボリビアやエクアドルの新憲法にも取り入れられている「良き生き方」ということについて特集しています。
http://alainet.org/publica/452.phtml

4)アムネスティ・インターナショナルから次の報告書が刊行されています。
「生存と尊厳への闘い:コロンビアにおける先住民族に対する人権侵害」
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=759 (日本語による概要説明)
LA LUCHA POR LA SUPERVIVENCIA Y LA DIGNIDAD ABUSOS CONTRA LOS DERECHOS HUMANOS DE LOS PUEBLOS INDIGENAS EN COLOMBIA(2010/02)
Los pueblos indi'genas luchan por sobrevivir en Colombia
http://www.amnesty.org/es/news-and-updates/report/pueblos-indigenas-luchan-sobrevivir-en-colombia-2010-02-23 (スペイン語)
INDIGENOUS PEOPLES STRUGGLE TO SURVIVE IN COLOMBIA
http://www.amnesty.org/en/news-and-updates/report/indigenous-peoples-struggle-survive-colombia-2010-02-23  (英語)

5)少し前になりますが、同じくアムネスティによる短い資料 
先住民族の権利に対する歴史的な侵害は、先住民族との誠意に基づく敬意をもった対話を通じてのみ解決される。
Solo mediante el dialogo respetuoso y de buena fe con los Pueblos Indigenas de America se
encontraran las soluciones a las historicas violaciones a sus derechos
http://www.amnesty.org/en/library/asset/AMR01/004/2009/en/013effe0-8845-47d0-9123-b722e33880ff/amr010042009es.pdf (スペイン語)
Solutions to the historic violation of Indigenous rights will only be found through respectful dialogue, in good
faith, with Indigenous peoples(2009/08)
www.amnesty.org/en/library/info/AMR01/004/2009/en(英語)

6)ペルーにおける先住民族の土地所有権を巡る議論
 これまでの米州人権裁判所の判例などを引用しながら、先住民族の土地権について整理しています。
Perú: El perro glotón y su misterioso capital
http://www.servindi.org/actualidad/22625
 関連してこちらもあります。
Boletín temático Servindi Nº 66 Noviembre de 2009 - Lima, Perú
Respuestas a Hernando de Soto

http://www.servindi.org/pdf/Serv_66_DeSoto.pdf

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2010/03/01

大豆生産や鉱業に土地を奪われるアルゼンチンの農民や先住民族

 1990年代後半から、輸出向けのモノカルチャー農業の拡大や鉱業の広がりによって、アルゼンチン北東部では、土地紛争や土地を追われる農民が増えているとのことである。[1] 
 それに対抗する形で農村部への企業の展開に抵抗する小農民やコミュニティの組織も増加しつつある。アルゼンチン北部の6州におけるテリトリーを巡る紛争や環境紛争の数はこの状況の深刻さを浮き彫りにするものである。現在およそ500万ヘクタールの土地が係争中で、60万人が巻き込まれているという。この中で民間セクターや国家が農民や先住民族と対峙している。これが主要な農企業による連合体であるMesa de Enlaceの対極にある農村部の影である。
 カタルーニャ大学他の調査[2]は、大半の紛争は90年代に開始され、これはアルゼンチン北部への大豆の拡大に平行すると述べている。
 また<アルゼンチン・チャコ地方アグロフォレストリーネットワーク:REDAF>の報告書は120の紛争を確認しており、これまでに52のケースを調査してきた結果として、北部6州(サルタ、フォルモサ、サンティアゴ・デル・エステーロ、チャコ、コロドバ、及びサンタ・フェ北部)においておよそ60万人が土地あるいは環境紛争に巻き込まれているという。[3]
 「フフイ州の面積と人口に相応する人たちと面積が、このチャコ地方で土地紛争や環境紛争に巻き込まれているのである。」更にこれらの紛争の63%が2000年以降、北部への農業フロンティアの拡大と軌を一にして進んできた。
 アルゼンチン北部から、パラグアイ、ボリビアと広がるチャコ地域はアマゾンの次に生物多様性に富む地域である一方で、貧困指数も最も高い地域である。
 紛争に巻き込まれている家族やコミュニティの70%はその責任が国にあると考えている。特に土地登記の欠如が問題となっているが、この問題に対する政治的な意志の欠如、怠慢が問題とされている。また司法も偏っており、登記書を持つものを、それが怪しいものでも優遇し、占有してきた者の権利を軽視している。

「近年、北東部、北西部において油糧作物、特に大豆生産が拡大しているが、それと同時に、何千ヘクタールという森林が破壊され、伝統的な耕作物は失われ、放牧に使われてきた土地は改変され、土地所有構造も変化した」。そして「<近代的農業>が生態系の劣化と生活条件の悪化を引き起こし、小農民の移民に拍車をかけてきた」と報告書は指摘している。
 またREDAFの調査は農民や先住民族コミュニティの開発を妨げてきた政策として、土地所有権の脆弱さと農業フロンティアの拡大にともなう環境問題の二つをあげている。またアルゼンチンの人口の8割が人口10万人以上の都市に居住していることから、農村人口がその土地に居住し続けることを考慮するような政治的な意志、あるいは公共政策が欠如していると見なしている。
 
 また「土地簒奪」の記事は2008年9月5日に発生した暴力事件から始まっている。[4]
 ゴンサレス家は、突然20人もの警官と多数のガードマンに囲まれ、サントス・ラモン・ゴンサレスは殴る蹴るの暴行を受け、髪を捕まれて20メートルあまり引きずられ、お金や農具を奪われたという。更に、キミリの警察署に連れて行かれ、二日間にわたって拷問を受け・・・最後に村を離れるようにという脅しを受けて解放されたという。
 [2]の報告書は、20万家族以上が、90年代に始まる新自由主義の熱病の中で土地を奪われ、大都市の周縁に追いやられた、ここ25年間で土地集中は深化し、農村部の社会的不平等は拡大したと述べている。
 コルドバの農民組織によると、州北部では、60%の農家が正式な土地書類を有していないという。その土地を20年以上占拠してきたことから、国内法において保護されているはずであるにもかかわらず、農業フロンティアの拡大と政策が欠如から問題が深刻化している。更に司法も放置あるいは敵意すら持っている。こうして農村に住む家族は、土地から追われた後、全く保護のない状況に、政府による保護策のない状況に置かれている。

 サンティアゴ・デル・エステーロでは300人以上の農民が、何十年も生活してきた土地からの排除に抵抗している。警察や司法は私的所有地の横領だ、執行命令への不服従だ、森林を破壊しているなどといった<罪状>をつけてくるが、それは全て、人々が以前から生活してきた自分たちの土地の上での話なのである。
「農業エリートは、とても先進的な農業モデルだと言って振興してくるが、環境を汚染し、土地を劣化させ、外部からの投入財に深く依存したモデルであり、大きな社会的な負荷を背負っている... このモデルは、この国の食糧不足の主要な原因であり、未来を担保にかけているのである。森も、地下水も、土壌も失われつつある」

 この記事以外にもアルゼンチンにおける先住民族の土地からの排除については、昨年アムネスティ・インターナショナルも2度にわたって声明を発表している。またここで取り上げられているREDAFのサイトでも大豆生産の拡大が引き起こす土地問題などのニュースや映像を伝えている。[5]

 開発と権利のための行動センター
 青西 

[1] CINCO MILLONES DE HECTAREAS EN DISPUTA Y 600 MIL PERSONAS AFECTADAS EN EL NOROESTE DEL PAIS : Los desplazados por la soja y la mineri'a(pagina / 12, 2010/02/22) http://www.pagina12.com.ar/diario/elpais/index-2010-02-22.html
このブログ記事は、このPagina 12の記事を抄訳に、記事が引用している報告書などを参照しつつまとめたものである。
[2] 1o INFORME RESUMEN EJECUTIVO "Conflictos de Tierra y Medioambiente en la region del Chaco Argentino"
http://redaf.org.ar/noticias/wp-content/uploads/2010/02/resumen-ejecutivo_completo_final_091209.pdf
...[2]報告書によると、この地域では近代的な農業の拡大の中で、土地の集中、小農民や先住民族の土地からの排除、生態系の劣化が進んでいるという。特に北東部、北西部において、大豆生産が拡大し、森林伐採が進んでいる。不在地主が関心を持ってもいなかった土地があらためて価値を持ち、そこの土地利用者も森林も全て踏みにじって<きれいに>しつつある。このことが農村からの移民の増加を引き起こしている。こうした土地紛争というのは決して新しいものではないが、この調査で扱っているケースのの63%は2000年以降に始まったものである。
 先住民族の土地に関しては、6割が登記されていないことから、不安定な状況に置かれている。特に土地紛争の影響を受けている人の76%は先住民族である。
[3] INFORME Situación de los derechos humanos en el Noroeste argentino en 2008
<Cátedra UNESCO de Sostenibilidad de la Universidad Politécnica de Cataluña,Asociación Catalana de Ingeniería Sin Fronteras (ISF Cataluña), Educación para la Acción Crítica (EdPAC) y el Grupo de Cooperación del Campus de Terrassa (GCCT)>
http://investigaccionddhh.wordpress.com/articulos-y-documentos/
...[3]報告書によるとアルゼンチンでは大豆生産が拡大し、耕作面積の5割に達しているが、その一方で100ヘクタール以下の農家の減少が続き、逆に1000ヘクタール以上の農業者(農業経営体)への土地集中が進んでいる。
 こうした中で長年にわたって土地を占有してきた農民たちと新しい企業的な農業者との土地を巡る対立が深まり、農民が排除されるケースが相次いでいる。また農薬散布による健康被害もでている。北東部のこれまで見向きもされなかった土地で、小農民は、正式な土地登記書類を持ってはいないものの、長年にわたって土地を占有し耕作してきた。しかしこうした土地が買い集められ、農民が追い出されるという事件が相次いでる。アルゼンチンにおいては、20年間継続して占有することで、所有権が発生すると法律で定められているが、実際には所有権を確定する手続きのコストが高く、小農民にとってその権利が十分に保証されていない。
「紙の上で大面積の土地が取引されていくものの、政府の誰もそれをコントロールしていない。誰が土地を売ったのかも、実際に土地引きされた面積も確認されず、また買われた土地の中に何があるのか、小学校なのか、病院なのか、川なのか、湖なのか、それもわからないままに、ただ書類が売り買いされていく」
 更に、トラクターが来て、私財もろとも、家を踏み倒していくという暴力的な排除のケースも報告されている。
 この報告書では、農地問題だけではなく、鉱山開発による環境破壊、コミュニティとの紛争、またそれぞれの事例なども報告されている。
[4]Usrpación de Tierra (pagina / 12, 2010/02/22)
http://www.pagina12.com.ar/diario/elpais/index-2010-02-22.html
[5] アムネスティ・インターナショナル
Argentina: nueva amenaza de desalojo de una comunidad indígena ...(26 November 2009)AMNISTIA INTERNACIONAL.
DECLARACION PÚBLICA. Índice AI: AMR 13/002/2009. 26 de noviembre de 2009. Document AMR 13/002/2009
Argentina: COMUNIDAD INDÍGENA BAJO AMENAZA DE DESALOJO ILEGAL (16 October 2009)
AU: 282/09, Índice AI: AMR 13/001/2009 Argentina Fecha: 16 de octubre de 2009. Urgent Action AMR 13/001/2009
http://www.amnesty.org/es/region/argentina

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