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2010/03/03

アフリカの水と大地を奪うバイオ燃料

 地球の友-ヨーロッパとアフリカの地球の友グループが行った調査報告書が2010年2月に刊行される予定となっている。(3月3日現在、まだWEB上には掲載されていないようである)この報告書の一部を整理した報告がスペイン語にていくつかのサイトに紹介されているので一部抄訳の上、整理して報告する。[*]

 アフリカでアグロ燃料(バイオ燃料)のための土地囲い込みが進む

GRAINの報告書[1], del Relator Especial de Naciones Unidas para el Derecho a la Alimentación Olivier De Schutter[2]の報告書、Instituto Internacional para el Medio Ambiente y el Desarrollo[3] (IIED)の報告書などでも既に取り上げられているが、この「新植民地化」とも言える現象が深化する中で、テリトリーの<外国化>、コミュニティの排除などが進みつつあり、これは<反農地改革>の不気味なプロセスともと言える。

 地球の友の調査報告書<Africa: up for Grabs. The Scale and Impact of Land Grabbing for Agrofuels>[4]がこの2月に刊行され、WEBサイト上でも公開されるはずであるが、この調査ではアフリカ大陸におけるアグロ燃料(バイオ燃料)の生産による土地囲い込みの広がりとそのインパクトについて、またヨーロッパ系の企業が果たしている役割に焦点をあてて分析している。(3月3日現在、まだWEB上には掲載されていないようであるhttp://www.foeeurope.org

 Angola, Camerún, la República Democrática del Con-go, Etiopía, Benin, Ghana, Kenia, Mozambique, Nigeria, Sierra Leona, Tanzaniaといった諸国の状況を調査している。報告書によると土地の囲い込みはそれぞれの状況や国内法などによって、土地購入、借地、契約栽培の3つのタイプが存在する。
 アフリカにおける土地の重要性は「それは単なる経済的な資産や環境的な資産というのではなく、社会的・文化的なそして存在に関わる資源である。社会的なアイデンティティや宗教的な生活の組織、文化の生産と再生産における重要な要素である」ということにある。[5].
 2006年以来アフリカでは900万ヘクタールの土地が買われ、そのうちの少なくとも500万ヘクタールがジャトロファ、オイル・パーム、甘み種のソルゴーなどアグロ燃料を生産するために利用されていると思われる。しかしモザンビークだけでも480万ヘクタール(農耕可能面積の9分の1)が求められているというので、数字はもっと大きいものであろう。
 アフリカ諸国の政府は、土地が失われ、コミュニティが土地を奪われているという事態を認識し、またこうしたプロジェクトが国内向け食料需要を充足する能力に対して引き起こす影響を憂慮している。更に海外投資家による土地購入、<金融商品化>という問題が加わっている。[6].

 誰が背後にいるのか:公的な情報は限られているが、多くの場合に民間企業が背後にいることは間違いないであろう。しかしそれ以外にアフリカ諸国の政府、国営企業、投資会社などが存在している。
 アグロ燃料(バイオ燃料)が近年の土地獲得の重要な原動力となっている。ヨーロッパ連合による<再生可能資源>からできた燃料を混合するという政策が忌まわしい役割を果たしている。保証された市場と安価な土地と労働力へのアクセスが、ヨーロッパ企業にとって、アグロ燃料を魅力ある儲け話にしているのである。
 バイオ・テクノロジー関連企業もアフリカにおけるアグロ燃料推進に関心を示している。遺伝子組み換え品種への市場を開発することを狙っているのである。アフリカの作物開発に1億2千万ドルを差し向け、遺伝子組み換え品種にも特別の基金を設けようというFundación Bill y Melinda Gates や「アフリカの緑の革命のための同盟:AGRA」という重要な仲間も見つけている。

 インパクト:開発のためにはエネルギーへのアクセスが重要であるが、引用されているFAOの調査[7]によるとエチオピアでも、ガーナでも、マダガスカルでも、そしてマリでもいかなるアグロ燃料用の作物も国内消費にはむけられず、輸出されているとのことである。 
 政府や企業は、<マージナルな土地>だけを利用し、水の消費やエロージョンも少なく、地域内ので消費や雇用、経済開発、温室効果ガス削減に貢献すると喧伝しているが、実際には逆の状態である。

*温室効果ガスの排出は増加。更に土地利用の改変が更なる温室効果ガスの大気中への放出につながる。

*水と土地が脅かされている。アフリカでは多くの可耕地が未利用に置かれ、それらが<マージナルな土地>とされている。公的には<マージナル>とされている土地は、私有化されておらず、しばしばコミュニティでの生活や生態系に重要な役割を果たしている。それは時に共有地であり、放牧や自給用作物の生産や薬用植物の採集などに使われ、また湿地や山地であったりする。土地に関する地域での諸権利は不透明で、土地登記プロセスへのアクセスも欠けているし、生産的利用のための用件も定義されていないなど、法的な隙間がある。
 重要なこと公式に誰が所有するかではなく、誰がその土地に依存しているのかという点にある。土地を巡る競争は、食料主権という課題に問題を投げかける。「食料援助に依存している国が、アグロ燃料のために豊かな土地を売るということが許されるべきなのか?」

 アフリカでは水は貴重なものであるが、アグロ燃料生産は大量の水を要求し、更に農薬類によって水系が汚染される。

*限られた雇用創出。多くのアグロ燃料向け作物は多くの労働力を要求しない。整地と収穫前の除草ぐらいである。機械化された場合には更に雇用は少ない。仮に仕事があっても報酬は低く抑えられている。

*誤った期待。ジャトロファの契約栽培に対して、ザンビアのある農民は綿花栽培のことを思い起こす。「山ほど金を稼げると言われ、トウモロコシをやめて、綿花を生産した。しかし売る段になれば、価格は安く、伝統的なトウモロコシを軽視したせいで空腹を抱えることとなった。[9].

*環境の悪化。機械的な農業は、森林破壊や湿地の喪失、土地の劣化、水資源の汚染と枯渇など様々な問題を引き起こす。
 更に、社会的・文化的な影響がある。カメルーンではコンゴ川流域の自然林に代わってオイルパームプランテーションが拡大しているが、森に依存するコミュニティの生活に大きな影響を引き起こしている。

結論:どん欲な外国投資がアフリカ諸国でアグロ燃料を進めている。これはEUの目標値を達成するために進んでいる。
 アフリカ社会は、自分たちの自然資源が外国企業によって、外国の利益のために開発されてきた歴史を知っている。どうして同じく外国企業に進められる今回のアグロ燃料については異なるといえるのだろうか。はっきりしていることは、既にコミュニティは社会的・環境的・文化的な影響を被っているということである。

 望ましい行動
・土地の囲い込みをやめ、アグロ燃料への需要を増加させる政策目標を撤廃する。
 アグロ燃料のための土地獲得と投資を中止する。
・ローカル・コミュニティ主導の農業者にも環境にも配慮した農業を促進する
・エネルギー消費を減少させるような持続的な社会のための投資を促進する。
・投資家にたいして、その活動によって生じる影響を考慮した明確かつ、拘束力を持つ、法的な規則を設定する。
・土地の売買・借地に先立つコミュニティに対する事前の自由な情報に基づく同意を得ること
・コミュニティや先住民族の慣習法の保護
・農業労働者の権利の、人権の保護

 以上 まとめ 青西

1 GRAIN (octubre 2008) ¡Se adueñan de la tierra! El proceso de acaparamiento agrario por seguridad alimentaria y de negocios.
Ver: http://www.grain.org/briefings/?id=214. Ver versión abreviada en Biodiversidad, sustento y culturas, núm 60.
2 Informe del Relator Especial sobre el derecho a la alimentación. Mayor capacidad de respuesta: un marco de derechos humanos para la seguridad alimentaria y nutricional mundial, p.13, septiembre de 2008, http://daccess-ods.un.org/access.nsf/Get?Open&DS=A/HRC/9/L.15&Lang=S
3 Cotula, L., Vermeulen, S., Leonard, R. and Keeley, J., 2009, Land Grab or Development Opportunity? Agricultural Investment and International Land Deals in Africa, IIED/FAO/IFAD, Londres/Roma. http://www.fao.org/docrep/011/ak241e/ak241e00.htm
4 África: crece la usurpación. Escala e impacto del acaparamiento de tierras para agrocombustibles.
5 Unión Africana (marzo 2009) Framework and guidelines on land policy in África. http:// ww.pambazuka.org/aumonitor/images/uploads/Framework.pdf
6 Ibídem.
7 Op. cit, nota 3.
8 Ustulin, E. J. & Severo, J. R. (2001): Cana-de-Açúcar : Proteger o ambiente e continuar gerando empregos. http://www.cna.org.br/Gleba99N/Set01/cana01.htm
9 African Biodiversity Network (julio 2007) Agrofuels In Africa-The Impacts On Land, Food And Forests.

* Acaparan tierras en África en pos de agrocombustibles
REDES-Amigos de la Tierra Uruguay
Grain    http://www.grain.org/biodiversidad/?id=468
Ecoportal http://www.ecoportal.net/content/view/full/91122
SERVINDI http://www.servindi.org/actualidad/22308
など

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