« ハイチ:米州開発銀行は債務取り消しで合意 | トップページ | グアテマラ:先住民族の権利確立を求める国連諸機関の勧告 »

2010/03/24

パナマ:ダム建設の危機にさらされるナソ民族とラ・アミスタ国際公園

 コスタリカとの国境に近い、パナマ西部のボンジック川流域では、メデジン公企業体によってダム建設が進められつつある。3月10日には、パロ・セコ保全林内での事業認可がなさた。またこのパロ・セコ保全林は、ユネスコの世界遺産にも指定されているコスタリカとパナマをまたぐラ・アミスタ国際公園の緩衝地帯でもある。
 こうした中、3月22日の「世界水の日」に向けて、パナマのナソ民族が声明を発表した。

(開発と権利のための行動センターでは、2008年9月に開催された「ラテンアメリカ水法廷」へのナソ民族の参加を支援しました。)

<関連情報>
Nasos intensifican protesta por concesión hidroeléctrica(La Prensa 2010/3/23)
http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2010/03/23/hoy/nacionales/2132365.asp
Resolucion de Gabinete No.89 (2010/3/9)
http://www.asamblea.gob.pa/APPS/LEGISPAN/PDF_GACETAS/2010/2010/26488-A_2010.PDF
開発と権利のための行動センター関連情報
http://homepage3.nifty.com/CADE/campaign/panama/naso.htm

以下 声明文を二本掲載してます。
1)ボンジック・コミュニティによる声明
2)政府はPILAを危機に (環境保護団体等の声明)


1)ボンジック・コミュニティによる声明
ボンジック・コミュニティ
ナソ・テリトリー
2010年3月22日
Resolución No. CB-02

 去る3月15日、内務・法務省の先住民族政策局長であるホセ・イサック・アコスタは、リカルド・マルティネリ大統領に率いられる現政権は、ナソ民族との間で「抱えていた」
全ての問題は、満足される形で解決したと発表した。それに対して、今日、「世界水の日」に際して、ナソ民族は世界の人々に対して、私たちの立場を明らかにした決議文を公表するものである。

以下のことを鑑みて、
1:2004年末から、ナソ民族は、パナマ政府の関与と思惑のもと、多国籍企業(EPM:メデジン公企業体)によって、人権とテリトリー、そしてそこに存在する自然資源を体系的に侵害されてきた。
2:当初から、我々は当時のマルティン・トリホス政権に対して、この問題を告発してきたが、問題解決への政治的意志も、社会的な感受性を示すこともなかった。
3:現在のリカルド・マルティネリ大統領の就任以来、様々な手段を用いて、我々は告発を続け、また解決を求めてきた。しかし我々の要請を聞くどころか、我々が受けたのは、虐げと逮捕、脅迫、抑圧でしかなかった。
4:残念ながら、内務・法務大臣、ホセ・ラウル・ムリーノによる専横、傲慢、果ては人種差別まで思い知らされてきた。それは法務(justicia)大臣と言うより「不正義」のために存在し、パナマには伝統的な権利は存在しないと公言し、EMPとの交渉を仲介するどころか、ナソ民族を、古くからの先祖の命を育んでくれた、私たちのこの土地への侵略者だというのである。
5:2008年の末、ボカス・デ・トロ県が気候不良の中で自然災害に襲われていた不安定な時期に、政府は法72条の施行し、ナソ民族のコマルカ(自治区)を設立するという願いを踏みにじり、我々を実験動物のように、わずかばかりの一条項に、ナソ民族を押し込めたのである。
6:これまでにも4回にわたって、ナソ民族の抱える問題について、対話の席に着き、ナソ民族の希望に沿った合意を探ってきた。しかし常に、ムリーノの傲慢さと差別が立ちはだかってきた。
7:そして2010年3月10日に、行政府は政令をもって、自然保護区-パロ・セコ保全林における水力発電事業に対して20年にわたる認可を与えたのである。この保全林は、ラ・アミスター国際公園(注:ユネスコの世界遺産にも認定されているコスタリカとパナマ両国をまたぐ自然保護区(略称PILA))の緩衝地域でもあり、「保護」どころか破壊するためのものでしかない。しかしこの政令においても、パロ・セコ保全林やPILAの設立以前から、我々ナソ民族が昔から生活してきたことには一言たりとも触れていない。本来、ナソ民族のテリトリーの中での事業において我々に協議をする義務があるにも関わらずである。
 我々は次のように決議する
1:自然とともに昔から生活してきたナソ民族を排除したまま、我々の自然資源を奪うために、パナマ政府とEMP、そしてナソ民族から追放された人物(ティト・サンタナ)をもっての共謀を許すことはできない。
2:中央政府が押しつけようとする集団的土地所有に関する、法72条を断固として拒絶する。早急にナソ民族のコマルカの設立に関する法案の審議に戻ることを要求する。これはナソ民族の熱望する計画であり続けている。
3:我々は、全ての人々の協力を得て、国内の法的機関や国際的な人権機関など、すべての手段を通じて、ナソ民族に対する人権侵害とテリトリーの侵害について訴えていくものであり、それを放棄することはない。
4:ナソ民族のリーダーたちが被るかもしれない、迫害、脅迫,脅迫などに対して、リカルド・マルティネリ政権及びEPMの責任を追及するものである。


2)政府はPILAを危機に (人権団体 環境保護団体等の声明)
 EPMの代表団を受け入れて2週間後に、マルティネリ大統領と閣僚は、環境省(ANAM)に対して、EPMとの契約を承認。これによって、EPMはラ・アミスタ国際公園の保全に不可欠なパロ・セコ保全林の2000ヘクタールを利用して、ボンジック川に水力発電施設を建設することが許可されたのである。
 この政府の決定は3月13日に公表されたが、これは保全林に対する永続的な被害とともに、これまでこのダム建設に反対して闘争を続けてきたナソ民族のコミュニティにとっての癒やされぬことのない傷となるものである。
 テリベ・エコロジカル水力発電と勝手に名乗っている、EPMは数ヶ月前から保全林に入り込んでいた。これは許可なく活動を行っていたことを意味する。さらには開発派につき、コミュニティから認められていないティト・サンタナ(王)と結んだ合意すら履行していない。そこでは8割の雇用者をナソ民族とすること、工事は昼間のみに行うこと、テリベ川への橋の設置、保健面での改善のための10万ドル相当の投資など、環境省によって承認された環境影響評価をもとに作られた約束すら履行されていないのである。
 こうしたことは、ナソ民族の伝統的な生活を脅かし、正統な権威を無視するものであり、さらに騒音によって日々の生活を妨げ、テリベ川そして支流のボンジック川の景観を大きく改変し、環境の劣化を引き起こすものである。更に環境問題の告発プロセスにおける環境省や裁判所、地方検察、その他の国家機関における職権乱用、そして対策の欠如を告発するものである。

HUMAN RIGHTS EVERYWHERE / COMUNA SUR
CENTRO DE INCIDENCIA AMBIENTAL
JUSTICIA, PAZ E INTEGRIDAD DE LA CREACIÓN (Misioneros Claretianos de Centroamérica)
VOCES ECOLÓGICAS
Más información: info@comunasur.org
En la comunidad de Bonyik: Adolfo Villagra (6569-2844)

|

« ハイチ:米州開発銀行は債務取り消しで合意 | トップページ | グアテマラ:先住民族の権利確立を求める国連諸機関の勧告 »

ダム開発」カテゴリの記事

パナマ」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/50657/47896100

この記事へのトラックバック一覧です: パナマ:ダム建設の危機にさらされるナソ民族とラ・アミスタ国際公園:

« ハイチ:米州開発銀行は債務取り消しで合意 | トップページ | グアテマラ:先住民族の権利確立を求める国連諸機関の勧告 »