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2010/04/27

「責任ある国際農業投資」ガイドラインは是か非か II

 もう少し内容を検討してみようと思っていた矢先に、次のような声明文が送られてきました。「農民や市民社会組織は、ウィン・ウィンを語る土地収奪の世界銀行の提案を告発する」、「社会運動は農地収奪に関する世界銀行の戦略を告発する」というものです。

 ビア・カンペシーナやFIAN、ランド・リサーチ・アクション・ネットワーク、GRAINといった国際組織が、現在の農地収奪の動きを止めるための動きを展開しているものです。
 この動きは4月25日に開催された「責任ある農業投資に関するラウンドテーブル」とそれに引き続く、世界銀行による農地問題に関する国際会議に向けて行われています。
 
 私たちの政府が主催しているラウンドテーブルについて、他の国々の市民組織が反対の声を上げている。しかし私たちはラウンドテーブルについての情報を持ってもいなければ、反対している声を十分に聞くこともできていません。
 この状況は改善しなくてはならない、と思っています。

<とりあえずの現状分析>

1)日本の外務省のサイトにはこのラウンドテーブル開催についての情報は掲載されていないようである。
2)米国の国務省のサイトには、ラウンドテーブル開催情報が23日付で掲載されている。
Roundtable Discussion on Responsible Agricultural Investment (RAI)
http://www.state.gov/r/pa/prs/ps/2010/04/140749.htm
3)世界銀行のAnnual Conference on Land Policy and Administration
http://go.worldbank.org/IN4QDO1U10
4) 社会運動、農民組織のサイトではラウンドテーブル開催に触れている。
4月12日付け
GRAINによって運営されているサイト
Food crisis and the global land grab:Japan, US and AU to host “Roundtable on Responsible Agricultural Investment”

http://farmlandgrab.org/12065
(このサイトには外務省サイトに掲載されていない文書も外務省文書も掲載されている)
ビア・カンペシーナのサイト:Farmers and civil society groups denounce World Bank proposal for win-win land grabbing
http://viacampesina.org/en/index.php?option=com_content&view=article&id=912:farmers-and-civil-society-groups-denounce-world-bank-proposal-for-win-win-land-grabbing&catid=23:agrarian-reform&Itemid=36
Land Research Action Networkのサイト STOP LAND GRABBING NOW!!
Say NO to the principles of “responsible” agro-enterprise investment promoted by the World Bank

http://www.landaction.org/spip/spip.php?article499
FIAN のサイト:Farmers and civil society groups denounce World Bank proposal for win-win land grabbing
http://www.fian.org/news/press-releases/farmers-and-civil-society-groups-denounce-world-bank-proposal-for-win-win-land-grabbing

(いくつかのサイトではメーリングリストも運営しているので、関心のある方は登録すれば、情報を受け取ることができる)

<取り得る対応>
1)外務省に対して、より適切な情報開示を要求する。
2)日本で継続的に農地収奪の問題についてフォローしていく態勢を検討する。
現状では農業情報研究所 http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/
アフリカ日本協議会の奥の奥に隠れているアフリカの食料・農業問題のサイト  
http://www.arsvi.com/i/2-food.htm
この辺が現状では重要な情報源なのかと思います。
(他にも重要な情報源がありましたら教えてください。)
 その上で、ネットワークと発信基盤の強化が必要だと考えます。
3) その次に、ネットワークを基盤にアクションの検討



STOP LAND GRABBING NOW!!
Say NO to the principles of “responsible” agro-enterprise investment promoted by the World Bank La Via Campesina FIAN Land Research Action Network GRAIN
Monday 12 April 2010
http://www.landaction.org/spip/spip.php?article496&lang=es
(一部抜粋整理)

農地収奪は農村コミュニティや人々の食料への権利や食料主権への深刻な脅威である。世界銀行はこうした事態を前に、投資が成功するように7つの原則を定めようとしている。

問題点
-現在進みつつある、民間セクターによる土地の買い上げはリスキーである。世界銀行も開発途上国の農地が海外の投資家によって買い集められている大きな流れについて調査を終えたばかりである。しかし世界銀行は、これまで広がっていなかった地域における世界的なアグリビジネスの広がりと民間資本の流入は望ましいものであるとみなしている。
-こうした動きが土地私有化の大きな動きと、土地権の移行を伴うため、世界銀行は、社会的な反発のリスクを下げるためにいくつかの基準を設けようとしている。
-しかし農地収奪を正統化するものに過ぎない。企業がコミュニティの土地を支配していくプロセスであり、許されるものではない。
-規制緩和や貿易条約を通じて、ここ10-15年の間、農地収奪は進んできた。
-食料危機において、政府や投資家による農地収奪が進んだ。
-小農民の手から農地や森林が奪われ、貧困や飢餓が進んでいる。
-人々の自己決定権、食料主権を脅かしている。
-世界銀行は、土地、そして土地に対する権利を、資本が高い見返りを得るための基本的な財とみなしている。土地は作物を生産するだけではなく、新エネルギーの材料、そしてまた水を確保する方策でもある。
-世界銀行や企業は土地を経済的な側面からのみ評価して、生態的・社会的・文化的価値を認めていない。
-農地収奪は、コミュニティの土地への権利を否定し、生活様式を破壊する。
-生態系を破壊し、気候変動を深化させる。
-経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、国連の先住民族の権利宣言を侵害している。
-「農地改革と農村開発に関する国際会議」(the Internatiuonal Conference on Agrarian Reform and Rural Development、CIRADR)の最終宣言文及び「開発のための農業科学・技術国際アセスメント」(IAASTD)の勧告を無視している。

要求
-農地収奪は早急に停止すること
-土地と自然資源への公平なアクセスを確保するために、コミュニティの手に土地を維持するとともに、農地改革を実施すること
-小農民による農業、小規模な漁業・放牧を強く支援すること
-食料主権とローカルな市場に向けて農業政策を転換すること
-コミュニティが土地や水、生物多様性をコントロールするような農業システムを促進すること
-企業や政府などの土地(放牧地、沿岸地、森林、湿地なども)へのアクセスを制限すること。

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