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2010/04/24

気候変動民衆会議・合意文書 全訳

ボリビアのコチャバンバで開催された「気候変動および母なる大地の権利に関する世界民衆会議(Conferencia Mundial de los Pueblos sobre Cambio Climático y los Derechos de la Madre Tierra)における最終文書

「民衆合意」4月22日ボリビア [1]

母なる大地は傷つき、人類の未来は危機に瀕しています。

「コペンハーゲン合意」と言われる文書が私たちに示しているのは、地球の気温上昇が2度以上になることによって、私たちの母なる大地に引き起こされる被害は取り返しのつかないものになる可能性が50パーセントあるということです。
 20パーセントから30パーセントの種は絶滅の危機にさらされるでしょうし、広範な森林が影響を受け、干魃や洪水が地球上の様々な地域を脅かすことでしょう。砂漠が拡大し、極地やアンデス、ヒマラヤの氷河の溶解が進むでしょう。多くの島嶼国が消滅し、アフリカでは3度以上の気温上昇を被ることになるでしょう。同時に世界の食糧生産は減少することで壊滅的な打撃を受け、地球上の広大な地域において人々の生存が危機に瀕し、既に10億2000万人を超える世界中の飢餓人口が急激に増加することなるのです。
 
 「先進国」と言われる諸国の政府や企業は、一部の科学者集団と共謀して、気候変動の原因である資本主義システムを問うことなく、単なる気温上昇の問題として議論させようとしています。 私たちは産業革命以来加速化された、人間と自然の従属と破壊に基づく、家父長的な文明モデルの終着的な危機に対峙しているのです。
 資本主義システムは、競争と進歩、際限なき成長という論理を私たちに押しつけてきました。生産と消費に基づくこの制度は、限りない利潤を求め、人間を自然から切り離し、自然に対する支配という論理を築き、すべてを商品へと転化してきたのです。水も大地も、人の遺伝子も、伝来の文化も、生物多様性も、正義も、倫理も、先住民族の権利も、死も、そして生命そのものも商品としてきたのです。
 資本主義のもとで、母なる大地は単に原材料の源と見なされ、また人間は生産手段あるいは消費者と見なされてきました。そこでは人は、人そのものとしてではなく、所有するもので値踏みされてきたのです。
 資本主義は、蓄積プロセスと、領域と自然資源の管理のために、強力な軍事産業を必要とし、人々の抵抗を抑圧し続けてきました。地球の植民地化のための帝国主義的システムなのです。

 人類は大きな選択を迫られています。資本主義の道を続け、略奪と死を選ぶのか、自然との調和と命の尊重という道へ踏み出すのでしょうか。
 人間と自然との間の調和、人々の間での調和を再び成り立たせる新しいシステムを、生み出すことが求められているのです。しかし人々の間の公正なしには、自然との調和もありえません。
 世界中の人々に対して、日々の生活と「善き生き方/Vivir bien」という提案の中で確認されてきた、先住民族の知識や知恵、伝統的な実践の、回復と再評価そして強化を提起します。母なる大地を生きるものと考え、私たちはその母なる大地と、不可分の、相互に依存した、補完的そして精神的な関係を保っているのです。

 気候変動に対峙するためには、母なる大地を生命の源と認め、次のような原則に基づく新しいシステムを生み出していく必要があります。
*すべてのものと、そしてまたすべてのものの間での調和と均衡
*補完性、連帯、公正
*集団としての幸福と、母なる大地との調和の上での基本的な必要性の享受
*母なる大地の権利と人権の尊重
*すべての形態での植民地主義、帝国主義、介入主義の排除
*すべての人々、そして母なる大地との間での平和

 私たちが支持するモデルは、破壊的な際限なき開発ではありません。それぞれの国々は、人々の基本的な必要を充足するために財やサービスを生産する必要があります。しかしそれはこれまでの豊かな国々が目指してきた開発の道を続けるものではありません。その道は地球が5つもなければならないものであり、地球の許容量を越えているのです。現在でも既に再生産可能な地球のキャパシティを30%以上も上回っています。こうした母なる大地からの過剰な搾取のリズムでは、2030年には地球が2つも必要となるのです。

 人間が一つの構成要素に過ぎない、相互に依存したシステムの中では、すべてのシステムの中での不均衡を引き起こすことなく、人間の権利だけを要求することは不可能です。人権を保障し、自然との調和を取り戻すためには、母なる大地の権利を認め、その権利を有効に適用していくことが必要とされます。
 そのために、私たちは「母なる大地の権利のための世界宣言」の制定を呼びかけます。
 その案では次のような権利を書き記しています。
*生命への権利、存在する権利
*尊重される権利
*人間による改変から自由に、そのサイクルと生命プロセスを続ける権利
*自律性と相互性を有する、異なるものとして、アイデンティティーと統合性を維持する権利
*生命の源としての水への権利
*清浄な空気への権利
*統合的な健康への権利
*汚染、毒性廃棄物、放射性物質からの自由の権利
*生命の統合性と健康的な機能を脅かすような、遺伝的改変を受けない権利
*この宣言に定められた権利が、人間の活動によって侵害された際に、早急かつ十全に回復される権利


 気候変動枠組条約の第2条、「気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極的な目的とする。」という規定を有効なものとするためには、温室効果ガスの濃度を安定化させることが必要だというのが共有されている見方です。私たちの見方では、共通するが異なった歴史的な責任という原則に基づいて、先進諸国に対して、量的な目標について約束することを求めます。それは大気中の温室効果ガスの濃度を300ppmに、つまり地球の平均気温上昇を最大摂氏1度の範囲に収めることを求めるものです。
 条約の究極的な目標に基づく、地球の気候系の均衡のための私たちの見方を支持し、短期的に目標を実現できるような排出量削減の大きな目標を先進諸国が約束するためには、人々の支援、運動、そして様々な国々の支援による早急な行動が必要とされることを強く呼びかけます。 
 「長期協力行動」に関する共有された見方は、気候変動に関する交渉を、単に温度上昇や大気中の温室効果ガス濃度の限度設定に限定されるべきではないというものです。それは、資金調達、技術、適応策、能力開発、生産や消費様式、そして自然との調和を取り戻すための母なる大地の権利の承認などを含めた、統合的かつ均衡のとれたものとして理解されなくてはなりません。
 気候変動を引き起こしてきた主たる原因である先進諸国は、歴史的かつ現在における責任を担い、すべての範囲における気候債務を認め、また引き受けなければなりません。それが気候変動の正当で、有効かつ科学的な解決への基盤となるのです。この考え方から私たちは先進諸国に対して次のことを要求します。

*これまでに排出されてきた温室効果ガスによって占められている大気中の空間を、開発途上国に対して解放すること。これは排出されてきたガスの吸収と削減による大気の脱植民地化を意味する。
*制約された大気空間で生きることによって生じる開発機会の喪失に対して、開発途上国への技術移転の必要とその費用を負担すること
*気候変動によって引き起こされてきた何百万という移民の責任を受け止め、移民に対する制約的な政策を排除し、移民に対して尊厳ある生活を保障し、またその国におけるすべての権利を認めること
*気候変動の影響による適応のための債務を引き受けること。過剰な排出によって引き起こされる被害を予防し、最小化し、また対応するための手段を提供すること
*こうした気候債務が、母なる大地へのより大きな債務の一部であることを認め、国連において「母なる大地のための世界宣言」を採択し、またそれを適用すること

 経済的な補償のみに焦点を与えるのではなく、修復的司法の適用、この地球の生命共同体を構成する人々や仲間の統合性を回復することが必要とされます。

 先進諸国の温室効果ガス削減に関し法的拘束力を持つ唯一の取り決めである京都議定書を廃止しようとする一部の国の取り組みを残念に思います。
 先進諸国は、法的に義務づけられているにもかかわらず、排出を削減するどころか、1990年から2007年の間に11.2%も排出量を増加させてきたことを世界に向けて指摘します。
 米国は、その見境なき消費によって、温室効果ガスの排出量を同じ期間に16.8%も増加させてきました。それは年間一人当たり20~23トンの二酸化炭素を排出したことになり、第三世界の一人当たり排出量の9倍に当たり、サハラ以南のアフリカの住民と較べれば20倍にもなります。
 「コペンハーゲン合意」は、一部の自発的な約束に基づくもので、先進諸国に不十分な削減を認めるものです。この正統性を欠く「コペンハーゲン合意」を断固拒否します。これは母なる大地の統合的な環境を脅かし、摂氏4度近くの気温上昇につながるものです。
 年末にメキシコで開催される気候変動会議において、2013年から2017年の第二期間の約束として、京都議定書の改定案が採択されなければなりません。そこでは先進諸国は、国内排出量を1990年比で少なくとも50%削減することを約束すべきです。そこには温室効果ガスの実質的な削減の不履行をごまかすような、炭素市場やその他のシステムを含めずにです。
 温室効果ガス削減のために、京都議定書のシステムを維持しつつ、まず先進諸国全体としての目標を定め、その次にそれぞれの国での取り組みを比較検討の上で、個別に差し向けていくことが必要です。
 米国は、京都議定書を批准しなかった唯一の附属書I国として、世界の人々に対して大きな責任を持っています。京都議定書を批准するとともに、その経済規模に応じた排出量削減を履行すべきです。
 人々は気候変動の影響を前に、等しく防衛する権利を有します。気候変動に対する「適応」という概念を拒否します。それは先進諸国の歴史的な排出によって引き起こされた影響を忍従させるものと理解できますが、そもそも地球の危機を前にその生活スタイルや消費スタイルを適合させるべきは先進諸国なのです。私たちは気候変動の影響に立ち向かっていくことを強いられていますが、適応はプロセスであり、押しつけられるものではありません。適応は、異なる生活のモデルのもとで、調和的に生きていくことが可能であることを示しながら、気候変動の影響に対峙していくためのツールでもあるのです。
 気候変動に立ち向かっていくための資金メカニズムの一つとして、私たちの国家の主権のもとで、透明かつ公正に管理される、「適応のための基金」を設置することが必要です。この基金のもとで、開発途上国における影響とコストを評価し、その影響から生じる必要性を明らかにし、また先進諸国による支援が登録され、モニタリングされなくてはなりません。これに加え補償メカニズムも必要です。引き起こされた、また引き起こされる被害による損失、極端なあるいは漸進的な気象現象による機会の喪失や回復、生態容量を超えた場合や、「善く生きる」権利を差し止めることによる影響から生じるであろう追加的なコストを補償するものです。
 いくつかの国家によって開発途上国に対して押しつけられた「コペンハーゲン合意」は十分な資金を提供しないだけではなく、人々を分断し、対立させるものです。緩和策をもって、適応への資金へのアクセスを条件づけようというものです。更に国際的な交渉の場において、開発途上国を気候変動への脆弱性をもって分類し、論争を引き起こし、分裂や不公平を生み出すものなのです。

 地球温暖化を止める、地球を冷やすという、人類にとって大きな課題は、農業を根幹から変換することを通じてのみ実現されるでしょう。農民や先住民族による持続的な生産モデル、あるいはエコロジカルな伝統的実践やモデルに基づく農業に移行することによって、気候変動問題の解決に貢献し、また食料主権を確立することができます。食料主権は、人々が自分たちの独自の種子、大地、水、食料の生産をコントロールする権利であり、母なる大地との調和に基づく生産を通じて、十分かつ多様で栄養的な食料へのアクセスを、地域的文化的に適切な形で保証するものであり、またそれぞれの国や民族のもとので自立的な(参加的・共同体・分かち合いに基づく)生産を深化させるものです。
 気候変動は既に農業や世界の先住民族や農民の生活様式に大きな影響を引き起こしつつあり、またその影響は今後更に深刻なものになっていくでしょう。

 アグリ・ビジネスは、グローバル化した資本主義的生産の社会・経済・文化的様式と、食料への権利を実現するためではなく、市場向けに食料を生産するという論理から、気候変動の主要な原因の一つとなっています。その技術や流通、政治面での手法は、気候危機を深化させ、地球上の飢餓を増加させるだけです。ですから、私たちは自由貿易協定や連携協定を拒否するとともに、生命に関連する知的所有権の適用、農薬や遺伝子組み換えといった現在の技術パッケージ、その他の誤った解決策(バイオ燃料やジオ・エンジニアリング、ナノテク、自殺遺伝子)などを拒否するのです。これらは現在の危機を深化させるに過ぎません。

 また資本主義のモデルが、インフラなどの巨大プロジェクトを押しつけていることを告発します。搾取的なプロジェクトをもってテリトリーを侵略し、水を民営化し、商品化し、先住民族や農民を排除した土地を軍事化し、食料主権を侵害し、社会・環境的な危機を深化させているのです。

 すべての民族、生物、そして母なる大地の、水へのアクセスを享受する権利を尊重することを要求し、また水への権利を基本的な人権と認めるボリビア政府の提案を支持します。

 気候変動枠組み条約の交渉において利用されている森林の定義が、プランテーションを含んでいることを受け入れることはできません。モノカルチャーは森林ではありません。ですから、交渉のために、自然林、ジャングル、地球の多様な生態系を認めた定義を求めます。

 先住民族の権利に関する国連宣言は、気候変動に関する交渉の中で、全面的に承認され、包括的に適用されなければなりません。森林破壊を防ぎ、自然林やジャングルの劣化を防ぎ、守っていくためには、土地やテリトリーに対する集団的権利を認めることが重要な戦略と行動となります。大半の森林やジャングルは先住民族や伝統的な農民コミュニティの領域に位置しているのです。

 REDD(森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減)やREDD+、あるいは++といったバージョン、このような市場メカニズムの利用を非難します。これらは先住民族の主権を侵害し、事前の十分な情報に基づく自由な合意に対する権利を侵害しています。更に国家の主権を侵害し、先住民族の諸権利、使用や慣習、また自然の権利を侵害するものです。
 汚染している国々は、森林の維持や回復のために必要な経済的資源や技術を直接移転することが義務づけられています。またそれらは先住民族や、先住民族や農民の伝統的な組織構造の利益になるようになされなければなりません。これらは、先進諸国からの直接的かつな追加的な補償であるべきであり、炭素市場の外に置かれるべきであり、炭素のオフセットとして利用されるべきではありません。市場メカニズムに基づく、地域的な森林イニシアティブの中止を要求します。これらは、存在しない、条件づけられた結果を提案するものにすぎません。自然林やジャングルの回復には、在来の種子や果樹、植物を用い、住民によって管理・実施される世界的なプログラムが必要です。諸政府が森林コンセッションを廃止し、石油を地面の下に残すという方針を支援すること、また森林地帯における石油開発を早急に中止することを求めます。

 各国政府に対して、気候変動に対する交渉や政策、解決策の中で、先住民族の権利に関する国連宣言、ILO169号条約など、人権と先住民族の権利に関する国際的基準の承認、尊重、実効的な適用を保証することを要求します。特に諸国家に対して、テリトリーや土地、自然資源への権利が先行して存在することを法的に認め、伝統的な生活形態を可能にするとともに、それを強化し、気候変動の解決のために貢献することを要求します。
 気候変動に関連する対策の実施や計画、交渉プロセスにおいて、先住民族の権利、協議、参加、事前の情報に基づく自由な同意の権利の実効的な適用を求めます。

 現在の環境の悪化と気候変動は、危機的なレベルに達していて、その結果の一つが国内外への移民です。1995年には気候移民は2500万人だったという推計がありますが、現在では5000万人と推測され、2050年には気候変動によって引き起こされる状況によって、2億から10億人が移動を強いられると見られています。先進諸国はこの気候移民に対する責任を負うべきであり、すべての国家が気候移民という定義を定めた国際的な条約の調印に基づいて、その領域に迎え入れ、その基本的な権利を承認すべきです。

 国家や企業などの責任によって出身国や途中国、目的とした国から追い出された移民や避難民の権利の侵害に関して、明らかにし、文書化し、裁判を行い、処罰する良心に基づく国際法廷を設立すること。

 気候変動のために開発途上国の差し向けられている資金や「コペンハーゲン合意」の提案は不当に安いものであり、政府開発援助に加えて、先進諸国は新しい資金の提供を約束しなければなりません。公的な資金から少なくとも国内総生産の6%を開発途上国が気候変動に立ち向かうために提供すべきです。国防にも同等の金額を使っていますし、世界の優先度と政治的意思に深い疑念を持たせることともなった、破綻危機の投資家や銀行を救うために5倍もの資金を投入したことを考えれば、これは可能な金額です。これらの資金供与は直接に、条件なして行われるべきで、国家の主権や、影響を受けるコミュニティやグループの自己決定を妨げないものでなければなりません。
 現在のメカニズムの非効率性を鑑みますと、メキシコの会議では、気候変動枠組み条約締結国会議の権能の下で機能する、新しい資金供与のメカニズムが定められなければなりません。そこには付属書I国の資金供与の約束履行を保障するために開発途上国の代表がいなければなりませんし、締結国会議に報告を出さなければなりません。

 先進諸国は1990年から2007年の間に温室効果ガスの排出量を増加させてきましたが、市場メカニズムに助けられて、実質的に減少させてきたように見せてきました。
 炭素市場は、私たちの母なる大地を商品として、うまみのある取引となってきましたが、大地や水、そして生命そのものを略奪し、荒廃させるものであっても、気候変動に対するオータナティブとはなってはいません。
 最近の金融危機が示すように、市場は金融システムを規制する能力を持たず、投機家の動向や仲介業者の出現で、脆弱かつ不安定なものとなっています。このような市場に、母なる大地と人類の存続の委ねるというのは非常に無責任なあり方です。
 既存の炭素取引のメカニズムは気候変動問題を解決することができず、温室効果ガスの排出を削減させるための直接かつ現実のアクションにもならないのですから、今後、炭素市場を拡大し、促進させるための新しいメカニズムを構築しようという交渉は容認できるものではありません。

 気候変動枠組み条約の中で、技術開発と移転のために先進諸国が担ってきた約束の履行要求することは不可欠です。先進諸国から提案されている「技術ショーケース」は単に技術を取引させるもので受け入れがたいものです。技術交流に関して、参加型の管理と執行、評価のための多国籍間かつ学際的なメカニズムを構築することが重要です。こうした技術は有効かつ、クリーンで、また社会的にも適正でなければなりません。また知的所有権から解放された適正技術の台帳と融資基金の設置も重要です。特に特許は、民間による独占から、公的な所有と低コストでの自由なアクセスとされるべきです。

 知識は普遍のもので、技術という形での利用も含め、知識は私的所有権の対象とも、私的な利用の対象ともされるべきではありません。先進諸国の責任は、開発途上国と技術を共有すること、独自の技術開発や革新のために研究機関を設置すること、また、「善き生き方」のための開発や適用を促進し擁護することにあります。世界は、地球の破壊を止めるために、先住民族の原則や見方を回復し、そこから学ばなければなりません。母なる大地との善き生き方を取り戻すために、伝統的な知識や実践の回復、精神性を回復しなければなりません。


 先進諸国が気候変動枠組み条約と京都議定書の約束を遂行する政治的意思を欠くのことを鑑み、また母なる大地や人間の権利を侵害している気候や環境と関連した犯罪を予防しまた処罰するための国際的な法的機関が欠如していることを前に、国家、企業、個人が、意図的あるいは過失から、気候変動を引き起こしたり、汚染したりするのを予防し、裁き、処罰するための法的な拘束力を持つ「環境と気候正義のための国際法廷」の設置を要求します。
 
 気候変動枠組み条約及び京都議定書における温室効果ガス削減目標を遂行していない先進諸国を国際司法裁判所に告発するしようとする国家を支持します。
 
 参加国家が「気候変動と環境に関する国際法廷」の決定を遵守するように、国連の根幹からの改革を提案し、促進することを、人々に対して強く求めます。
 
 人類の未来が危機に瀕していている時に、コペンハーゲンで不毛にも目指されたような、先進諸国の一部の政府がすべての国のことを決定しようとするのを認めるわけにはいきません。決定はすべての人々の手にあるべきです。そこで気候変動に対する世界的な国民投票、住民投票の実施が必要とされています。その国民投票で、先進諸国や多国籍企業が行うべき排出量の削減レベル、先進諸国が提供すべき資金、気候正義のための国際法廷の設置、「母なる大地のための世界宣言」の必要性、資本主義システムの変更の必要性について、私たち皆が問われるべきなのです。

 世界的な国民投票のプロセスは、その成功に向けた準備プロセスの成果となるでしょう。

 この「民衆合意」の結果を実現し、国際的な活動を調整していくために、補完性の原則と、それぞれの起源や構成員の見方の多様性を尊重した、「母なる大地のための世界運動」を立ち上げ、世界レベルでの広範かつ民主的なコーディネーションと連携のスペースを築いていきたいと思います。

 メキシコにおいて、附属書第I国の先進諸国が現行の法的枠組みを尊重し、温室効果ガスの排出を50%削減すること、またこの合意に含まれる諸提案を取り入れるように世界に対して働きかけていくための行動計画を採択するものです。

 最後に、「母なる大地のための世界運動」の確立の一環として、2011年に、第2回の「気候変動と母なる大地のための民衆会議」を開催することに合意し、また年末にメキシコのカンクンで開催される気候変動条約国会議の結果に対応していきます。

[1]
Conferencia Mundial de los Pueblos sobre el Cambio Climático y los Derechos de la Madre Tierra、22 de Abril Cochabamba, Bolivia、ACUERDO DE LOS PUEBLOS
http://cmpcc.org/acuerdo-de-los-pueblos/

開発と権利のための行動センター
青西訳

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白川さんの「脱成長の経済へ――成長戦略はいらない」 http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=51 [続きを読む]

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