« グアテマラ:自然保護区の管理を先住民族の手で | トップページ | ペルー:バグアの教訓 »

2010/06/18

ペルー:バグアにおける先住民族弾圧から日本は何を学ぶか

 2009年6月5日のバグアにおける虐殺から一年が経った。米国との自由貿易協定との関連で強引に制定が進められた諸法律が、先住民族の権利を侵害し、自分たちのテリトリーと資源を略奪するものだとして、アマゾン地域を中心とする先住民族が立ち上がったのである。
 4月から道路封鎖などの抵抗運動が続けられたが、6月5日のバグアにおける衝突は弾圧した警察と一般市民双方で34人の死者と200人もの負傷者を生み出す結果となった。
 
 それから一年、ペルーにおいて先住民族の権利は尊重されるようになったのであろうか。議会における最も重要な成果は「先住民族への協議の権利に関する法」の採択であろう。5月19日に採択されたこの法案は、先住民族の集団的権利に影響しうる法的措置や行政措置、また開発計画やプロジェクトに先立って、合意を得るために、協議を受ける権利を先住民族に認めるものである。[1]

 しかし法案の採択後、アラン・ガルシア大統領の署名そして公布が行われないまま、期限の18日(注)が迫っている。更にガルシア大統領は、法律の公布を待たずに、水力発電所建設を含む、エネルギー協定をブラジルと締結するという暴挙にでている。[2]

 そして今、日本とペルーは「日本・ペルー経済連携協定」、自由貿易協定を締結しようとしているのである。今年11月に横浜で開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力)の首脳会議における締結が目指されている。

 私たちは、ここであらためてバグアにおける弾圧について思い返さなくてはならない。ペルーの先住民族の声にもう一度耳を傾けなければならない。

 私たちは、ペルーに生きる先住民族の状況を知ることもなく、その声に耳を傾けることもないままに、その声を聞くこともできないままに、何かの決定をしていけるほど「自由」な存在なのであろうか。

[1]http://www.servindi.org/pdf/Peru_LeyConsulta_aprobada.pdf
[2]Perú: García y Lula firman acuerdo energético en medio de protestas
http://www.servindi.org/actualidad/27014
(注 期限は21日であった。21日夜に意見書をつけて議会に差し戻した。)

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

 写真は2010年6月4日、5日バグアにて開催された追悼集会の様子
(撮影:柴田大輔)




平和がほしい! 二度と暴力が繰り返されないように!



亡命先のニカラグアより帰国したAIDESEPのアルベルト・ピサンゴ氏


|

« グアテマラ:自然保護区の管理を先住民族の手で | トップページ | ペルー:バグアの教訓 »

ペルー」カテゴリの記事

先住民族」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/50657/48660711

この記事へのトラックバック一覧です: ペルー:バグアにおける先住民族弾圧から日本は何を学ぶか:

« グアテマラ:自然保護区の管理を先住民族の手で | トップページ | ペルー:バグアの教訓 »