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2010/09/30

自然も森林も先住民族も売り物ではない:モラレス大統領の手紙

Carta de Evo Morales:
La naturaleza, los bosques y los pueblos indígenas no estamos en venta
http://www.servindi.org/actualidad/32804#more-32804
自然も森林も先住民族も売り物ではない。
世界の先住民族に向けて

私はREDD(*注)、あるいはREDD+.REDD++というメカニズムの設立を通じて、自然、特に森林を商品としようとする動きを深く憂慮しています。
世界中で毎日サッカースタジアムにして3万6千個分の森林が消滅しているのです。毎年1300万ヘクタールの森林が失われているのです。このペースでは今世紀の終わりには森林は消滅してしまいます。

森林は生物多様性の最も重要な源であります。もし森林破壊を続けるなら、何千という動植物が永久に失われてしまうでしょう。アクセス可能な淡水の4分の3も森林地帯から生み出されているのです。ですから森林が劣化すれば、水質も悪化してしまうのです。森林は洪水、エロージョン、自然災害を防ぐ役割も果たしています。材木やその他の林産物も生み出しています。森林はいまだ発見されていない治療薬の成分や生薬の源でもあります。森林は大気の肺でもあります。温室効果ガスの18%は森林破壊から生み出されているのです。

 我々の母なる大地における森林破壊を止めることは最も重要なことなのです。

 現在、気候変動についての交渉が続いていますが、森林の破壊と劣化を防ぐことが不可欠であることは、すべての人々が認識していることです。しかしそのために、森林を商品にしようという提案がなされています。そうした意見を進める人々は、価格と所有権を有するものだけが保護され、世話をされるという間違った議論に基づいています。
 
 そうした人たちは、森林が持つ機能、つまり二酸化炭素を吸収する能力だけに注目し、炭素市場で取引できる証書やクレジット、炭素権を発行しようというのです。これによって「北」の企業は、二酸化炭素の排出をその国での削減するか、「南」の国で生み出されたREDDクレジットの購入をするかを、経済的な利点から選ぶことができるというのです。例えば、一つの企業が一トンの二酸化炭素を削減するのに、「開発された国」では40ドルから50ドルを投資しなければならないので、「開発途上国」で10ドルから20ドルでREDD証書を購入することを選ぶだろうというのです。これでの二酸化炭素の排出を削減したと言うためにです。

 このメカニズムを通じて、先進国は二酸化炭素の排出を削減するという義務を、開発途上国に、「南」の国に移転することができるというのです。再び、「南」の国々は、「北」の国々に資金を供与することになります。「北」の企業は、「南」の森林による炭素クレジットを購入することで、膨大な資金を節減することができるのです。

 これは排出削減という約束に対する罠であるだけではなく、森林からはじまる自然の商品化に道を開くものでもあります。森林がその二酸化炭素吸収能力から価格をつけられ、クレジットや炭素権という名称で、他の商品と同様に世界中で売り買いされることになるのです。更にREDDクレジットの購入者の所有権に影響がでないことを確実にするために、様々な規制が定められ、最後は国の主権も、森林に対する先住民族の権利も奪われていくのです。 こうしてこれまではなかった自然の私有財産化という新しい時代が始まっていこうとしています。これは水に、生物多様性に広がっていくことでしょう。これらを推進者は「環境サービス」だと言っています。

 一方、私たちにとって資本主義が地球温暖化の原因であり、森林破壊、母なる大地の破壊の原因であることは明らかです。推進者たちは、「グリーンな経済」だと名付けて、自然を商品とすることで資本主義を拡大しようとしているのです。
 こうした自然の商品化の提案への支援を得るために、金融機関や政府、NGO、財団や「専門家」たち、仲介企業などは、森に生きてきた先住民族やコミュニティに対して、自然の商品化による利益の一部をちらつかせています。
 
 しかし自然も、森林も先住民族も売りに出てはいないのです。

 何世紀にもわたって、先住民族は森を守ってきました。私たちにとって、森林は物ではないのです。誰かが値段をつけたり、私物化したりできるものではないのです。私たちは森林を、炭素という物差しで測定可能なものに貶めることを受け入れることはできません。また自然林を、単一樹種のプランテーションと混同することもできません。森林は私たちの住まいなのです。植物も動物も、水も、大地も、澄んだ空気も、人間も、みなが生きている大きな家なのです。

 世界中のすべての人々が、森林破壊を防ぐために共に働くことが最も重要なことであり、これは先進国の義務でもあり、森林破壊を防ぐために経済的に貢献するということは気候債務、環境債務の返済の一部でもあります。しかし、商品化を通じてではありません。森林の保全に貢献している先住民族や地域のコミュニティ、開発途上国を支援し、資金を提供する方策はいくらでも存在するのです。

 先進国は、気候変動に取り組むよりも何十倍もの公的資金を、防衛や戦争につぎ込んでいます。金融危機の時期ですら、軍事費を維持、増大させてきたのです。コミュニティのニーズや幾人かの先住民族出身のリーダーや「専門家」の野心を利用して、先住民族を自然の商品化に巻き込もうという動きを受け入れることはできません。

 すべての森林保全のメカニズムは、先住民族の参加と権利を保障するものでなければなりません。しかしREDDにおいて先住民族の参加があったからといって、森林に値段を付け、炭素市場で売り買いすることを受け入れることはできません。

 先住民族の兄弟たちよ、私たちを混乱させないように願いたい。REDDの炭素市場メカニズムは自発的なものだと言う者がいます。売りたい人が売ればいいので、望まない人は外れていればいいと。しかし私たちは、私たちの同意に基づいて、母なる大地を売りたい人は売り、他の者は手を組んで見ているという仕組みを作り上げることを認めることはできません。

 森林を矮小化し、商品化しようというこうした見方に対して、私たち先住民族は、世界の社会運動や農民たちとともに、「母なる大地の権利と気候変動に対する民衆会議」の提案を携え闘って行かなくてはなりません。

1) 二酸化炭素吸収源としてだけではなく、森林のすべての機能と可能性を取り入れた 森林の総合的管理。また森林をプランテーションと混同しないこと。
2) 森林に対する総合的な施策における開発途上国の主権の尊重
3) 先住民族の権利に関する国連宣言、ILO169号条約他国際法に定められた先住民族の権利の全的な履行、テリトリーの権利の承認と尊重、森林保全における先住民族の知見の適用と再評価、森林利用における先住民族の参加
4) 先進諸国による開発途上国や先住民族への、森林の総合的管理のための資金供与。これは環境債務、気候債務の支払いの一部である。森林の商品化に結びつく、いかなるインセンティブや炭素市場メカニズムを設置しないこと。
5) 森やその他のものによって構成される母なる大地の権利を認めること。母なる大地との調和を再び取り戻すためには、自然に値段をつけるのではなく、人間だけが生命と再生産の権利を有するのではなく、自然そのものが生命と再生の権利を有することを認めることにある。母なる大地の存在なくしては人類は生きてはいけないのです。

 先住民族の兄弟たちよ、世界中の農民や社会運動の仲間とともに、コチャバンバの結論がカンクンで取り入れられるように活動していきましょう。私たちの先祖が何世紀にもわたって守り、伝えてきた母なる大地を尊重と先住民族の団結を維持しつつ、上記の5つの原則に基づく森林に関する活動メカニズムを進めていきましょう。


Evo Morales Ayma
Presidente del Estado Plurinacional de Bolivia

注:REDD Reducción de Emisiones por Deforestación y Degradación/Reduced Emissions from Deforestation and forest Degradation

開発途上国における森林の破壊や劣化を回避することで温室効果ガス(二酸化炭素)の排出を削減しようとすること、またはそのプロジェクト。

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2010/09/18

「責任ある農業投資への原則」の限界

 APECで「責任ある農業投資への原則」に関連する宣言を出す方向でとりまとめているという報道が9月5日付けの朝日新聞のサイトに掲載された。[1]この原則は、昨年から日本政府が世界銀行や国連食糧農業機関(FAO)などと制定に向けて取り組んできたものである。[2]
その数日後、世界銀行は、「世界規模で広がる農地への関心-持続可能で公平な利益を生み出すことができるか」という報告書を公表した。[3]

この報告書は食料危機とその後に続く金融危機で、農業分野への投資が再発見され、開発途上国における農地獲得の動きが拡大していることに対して、開発のための機会となるのか、不公正を存続させ、資源の劣化、そして紛争を引き起こすだけに終わるのか、この両者を検証し、リスクを減らすための助言を行うには情報が不足しており、その情報ギャップを乗り越え、議論のために重要な情報を提供することを目指しているとしている。(実際にはこの報告書は、農地獲得を含め開発途上国に対する民間からの農業投資は貧困削減と開発のために重要であるというポジションに立って、その上で何をしていくべきかという視点から書かれたものとなっている。)
 
 しかしながらこの報告書で明らかにされたことは、問題を把握し、検討するための十分な情報は存在していないし、存在していたとしても開示されていないということである。世界銀行は、国際NGOであるGrainが中心となって農地取得問題に関する報道等を整理しているFarmlandgrabのデータベースに情報を整理し、その上で14カ国をのみを対象に、政府からのデータ収集を試みている。しかしながらほとんどの国で世界銀行ですら的確に情報を収集することは出来ていないのである。情報自体の欠如、データベースの未整備、開示への拒否まで。つまり、この報告書は当初の目的を達成することはできなかったのである。
 その中でも明らかにされたことは、脆弱な土地管理、コミュニティの土地権利の承認、保護の失敗、大規模な投資を管理する能力の欠如、投資側の不適切な計画、投資を適切に位置づける開発戦略の欠如などによって、大規模農業投資は成果を上げることが出来ていない一方で、「地方の人々はしばしば資源を失う一方で、ほとんど利益を享受していない」ということである。(P. xv)

 こうした状況を前に、世界銀行は「情報へのアクセスを増大させ、規制を執行させるための方策を整え、政策や規制に関する開かれた議論を可能にすることが不可欠である」としている。[4] つまり、現時点で開発途上国における大規模な土地取得や農業投資から持続的で公平な利益を生み出す基盤が存在していないことが報告書で明らかにされていると理解すべきである。Grainが指摘するように、「投資家は脆弱な政府や地方のコミュニティの法的な保護の欠如をいいことに、人々を土地から排除している」というのが大規模な農地取得の現実でなのである。[5]
 
現時点では、政府には農業投資を適切に開発政策に位置づけ、農地取得を管理するキャパシティは存在せず、農民や先住民族の既得の土地や資源に関する権利も把握すらされておらず、また情報が適切に開示されていない以上、事前の情報に基づく協議が実施できるわけはなく、契約実施のモニタリングも監査もできない、これが現実なのである。

 それにも関わらず、日本政府が世界銀行などと共に進めていこうとしているのが、下記に記す「責任ある農業投資への原則」である。「責任ある農業投資」を実現し、かつその履行を保証、監視していく基盤がないことが明らかになっているにもかかわらず「自発的な」行動原則を定めようというのである。
 原則を推進する日本政府は、自国企業に対して土地取得プロセス、協議プロセスから環境影響評価まですべての関連情報の開示を求めることができるのだろうか?日本企業はすべての情報を自発的に開示するのだろうか?日本政府は「責任ある農業投資」が実現可能なまでに国内法制・行政制度が整っている国をリストアップできるのであろうか?日本政府はAPEC加盟国に同じことを要請できるだろうか?
 自発的に、原則の履行に積極的に踏み込んで前例を作る意思がなければ、自発的な行動原則など意味を持つことはないであろう。

 とりあえず必要なことはいつになったら実現されるかわからない「責任ある農業投資」の実現を待つのではなく、大規模に広がる「無責任な農業投資」、資源の略奪、土地の略奪を防ぐことである。
 
[1]途上国の「土地争奪」防ぐルール案 APEC向け調整
http://www.asahi.com/international/update/0905/TKY201009050275.html
[2]「責任ある国際農業投資」ガイドラインは是か非か
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2010/04/post-1c76.html
[3]Rising Global Interest in Farmland
http://siteresources.worldbank.org/INTARD/Resources/ESW_Sept7_final_final.pdf
[4]Joint Notes Rising Global Interest in Farmland and the Importance of Responsible Agricultural Investment
http://siteresources.worldbank.org/INTARD/Resources/Joint_Issues_Note_54_v6.pdf
[5]World Bank report on land grabbing: beyond the smoke and mirrors
http://www.grain.org/articles/?id=70

その他参考サイト
Food crisis and the global land grab
http://farmlandgrab.org/
農業情報研究所
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/


開発と権利のための行動センター
青西靖夫

 責任ある農業投資への原則(案)
土地及び資源に関する権利:既存の土地及び天然資源に関する権利は認識・尊重されるべき。
 食料安全保障:投資は食料安全保障を脅かすものではなく、むしろ強化するものであるべき。
 透明性:グッド・ガバナンス及び投資を促進する環境:土地の評価と関連投資の実施過程は透明で、監視され、説明責任が確保されたものであるべき。
 協議と参加:著しく影響を被る人々とは協議を行い、合意事項は記録し実行されるべき。
 経済的実行可能性及び責任ある農業企業投資:投資事業は経済的に実行可能で、法律を尊重し、業界のベスト・プラクティスを反映し、永続的な共通の価値をもたらすも
のであるべき。
 社会的持続可能性:投資は望ましい社会的・分配的な影響を生むべきであり、脆弱性を増すものであってはならない。
 環境持続可能性:環境面の影響は計量化され、負の影響を最小化・緩和して持続可能な資源利用を促進する方策が採られるべき。

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2010/09/17

グアテマラ:石油開発に揺れるラグーナ・デル・ティグレ保護区で農民リーダー暗殺事件

 グアテマラの先住民族・農民組織であるCONICは、ペテン県の北部に位置するラグーナ・デル・ティグレで、同県の農民組織リーダーであったリカルド・エストラーダ氏が暗殺されたことを告発。
 9月12日、ラグーナ・デル・ティグレのサンタ・アメリア村において、複数の武装した男たちがエストラーダ氏に向けて発砲したとのことである。
 CONICはその声明文で次のように伝えている。
「これはアルバロ・コロム大統領がフランス資本の石油会社ペレンコに対する契約延長を決めてから最初の殺害事件である。その一方で37コミュニティの強制排除と軍の駐屯地設置を定めているのである。これはなんという矛盾であろうか。我々のテリトリーと自然の富を外国企業に引き渡す一方で、ラグーナ・デル・ティグレの土地に代々住み続けて来た貧しい家族を土地から引きはがそうというのである。これはマヤの司祭であるという顔をして、票を求めてこの土地に足を踏み入れた時に言っていたこととは大きな違いである」 
 更にCONICの声明文によると、政府による強制排除が宣言されて以来、近郊の農園主は、不服申し立てを行うために各コミュニティーに15万ケッツアルの負担金を支払うように強要していたとのことであり、エストラーダ氏はこの動きにも反対していたとのことである。[1]
 ラグーナ・デル・ティグレのコミュニティのリーダーは9月10日に、軍の展開によって、弾圧を受けるのではないかという懸念を国会議員に伝えたばかりであった。[2]

 コロム政権は、7月末に環境保護団体などが中止を求めていたラグーナ・デル・ティグレにおけるペレンコ社による石油開発免許の15年間の延長を承認。複数の環境団体がこの契約延長が違憲であると申し立てを行う事態となっている。

また9月15日より250名の軍部隊がラグーナ・デル・ティグレに展開し、国境警備や麻薬密輸、自然資源の略奪などの取り締まりを強化するとプレンサ・リブレ紙が伝えている。更にこの部隊が駐屯する6つの駐屯地の費用はペレンコ社が負担することになっているという。[3]

 コロム大統領はラグーナ・デル・ティグレの破壊の原因は、違法な牧畜や農地の拡大にあり、石油開発は関係がないと発言し、既に家畜の排除が進められている。そして夢は観光開発に向かっているようである。[4]
 
[1] 9月14日付けのCONIC声明文より
http://www.mayaconic.org/index.php?option=com_content&view=article&id=172:conic&catid=14:nacionales&Itemid=21
[2] Comunidades temen represión militar en Laguna del Tigre
http://www.prensalibre.com.gt/noticias/comunitario/comunidades-temen-laguna_tigre_0_332966919.html
[3] Batallón vigilará Parque Nacional Laguna del Tigre
http://www.prensalibre.com.gt/noticias/Batallon-Parque-Nacional-Laguna-Tigre_0_327567256.html
[4]Discurso Presidente. Consenso con comunidades de Petén para 4 Balam
http://www.guatemala.gob.gt/noticia4.php?codigo=8942 

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2010/09/13

エクアドルの先住民族の権利状況

 先住民族の権利に関する国連特別報告者、ジェームズ・アナヤ氏は、国連の人権理事会に「エクアドル憲法に定められた先住民族の権利の履行状況についての前進と課題」についての報告書を提出。

 2008年憲法における先住民族の権利の承認は、非常に大きな前進であるとともに、国際的にも重要な前例であると評価。その一方で、鉱業開発における事前協議などで不充分な点があることを指摘。

 報告書は、先住民族の司法権の承認、事前協議、自然資源の開発、自発的孤立にある先住民族の状況の4つのテーマに分けられている。
 事前協議については、エクアドル最大の先住民族組織であるCONAIEとの対立にもふれ、政府に対して対立がこれ以上深化しないよう注意深く取り組み、憲法に定められている、「先住民族の集団的権利に影響を及ぼす恐れのある法制化の前に、先住民族と協議をする」という規定を実現することを求めている。
 また自然資源の採掘に関連して、先住民族の参加と事前協議なしに、こうした開発プロジェクトを進めるべきではないと明言。「先住民族のテリトリーにおける鉱業開発については、そのすべての段階において憲法第57条に定められた事前協議を行わなければならない」とした憲法裁判所の裁決を改めて引用している。
 更に既に動いている資源開発のプロジェクトについても、その権利やテリトリーに対するインパクトについて協議を行うとともに、緩和策、補償などを行うことを求めている。
 自発的孤立にある先住民族、タガエリ、タロメナニについても特別の配慮を払うことを求めている。2007年に政府はヤスニ国立公園内にタガエリ、タロメナニ民族の不可侵地域を定めたが、この地域はこの両民族の活動地域の全域をカバーしておらず、一部はアルマディジョ石油採掘区にも含まれている。そこで政府に対して、不可侵地域外にいる場合においても、憲法に定められているように自発的孤立にある先住民族を保護することを求めている。

 報告書はInforme del Relator Especial sobre la situación de los derechos humanos y las libertades fundamentales de los indígenas, James Anaya*
Adición
Observaciones sobre los avances y desafíos en la implementación de las garantías de la Constitución Política del Ecuador sobre los derechos de los pueblos indígenas**

http://www2.ohchr.org/english/bodies/hrcouncil/docs/15session/A.HRC.15.37.Add.7_sp.pdf

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ペルー:石油企業に対してテリトリーの尊重を求めるアマゾンの先住民族

AIDESEPに参加しているORKIWAM(La Organización Kichwaruna Wangurina del Alto Napo)はアンゴテロスのモンテリコにおいて、先住民族長老、リーダー、教員などが参加して開催した会議において、先住民族のテリトリーに、協議なしに、石油企業や不正規の鉱業開発者、違法伐採者などが現れていることに対して、関係諸機関に対して次のような声明を発表する。

1. 我々はロレト県の北東、マイナス郡のナポとトレス・カウサナに位置する、キチュワ民族に属するアルト・ナポ地方の32の共同体とセコヤ民族に属する一つの共同体の住民である。我々のコミュニティの大半はキチュワ後を話し、伝統的な習慣と歴史、独自のテリトリーを有している。我々が持つものはすべて先祖から引き継いだものであり、またペルー国憲法、ILO169号条約、国連の先住民族権利宣言などにある先住民族としての権利についても知っている。

2. アルト・ナポ地方で35年にわたって進められている二言語・通文化教育に対して、我々は当初から協力をしてきたことを誇りに思っている。これは我々の組織の成果である。我々はペルー・アマゾン地域における教育開発に貢献してきたのであり、これは今日、二言語・通文化教育と呼ばれるもののモデルでもある。

3. 我々の権利、キチュワ民族(nación indígena kichwa)としての権利が尊重されていないことを憂慮している。我々のテリトリーに、違法伐採業者や、不正規の小規模鉱物採掘者の存在が増え、更には石油開発業者までが現れたことを憂慮している。彼らは我々に対して事前の協議をすることなく、この流域に現れたのである。我々の生活は脅かされ、愚弄されている。政府は、我々の共同体に情報を提供することもなく、テリトリーにおけるコンセッションを認可するなど、我々のことは考慮されていないのである。

4. 前項の点について、我々から明らかにしておく点がある。我々は「開発」への障害ではなく、開発に関して、我々の独自の優先度に基づく形で参加が保証されることを求めているのである。

5. 我々が取り組んできた努力を改めて認めるとともに、我々は国境地域にいることから、忘れ去られてきたということを認識している。歴史を振り返るならば、ゴム・ブームの際に引き起こされた末路を繰り返すわけにはいかない。コリエンテス川とパスタサの仲間たちが今被っている被害を(注:石油による河川汚染)、我々は受け入れることはできない。我々の生命の中心であるナポ川が再び石油流出で汚染されることを避けたいのである。エクアドルのキチュワの仲間たち、また少し前にマラニョン川で我々の仲間たちが被った石油被害を避けたいのである。

6. 我々、すべてのペルー人は、環境を守るために取り組んできたのである。紛争を望んではいない。我々は対話を求めているのである。政府が、我々、利害害関係者の参加の上で、開発のための責任を果たすことを求めているのである。先住民族としての権利を擁護し、我々の統合性を保障するために、協調の上で、統合的な取り組みを進めることを求めているのである。

7. 自由で、事前の情報に基づく、誠実な協議に対する権利:既に議会で承認されたこの法律に対して、共和国大統領が署名をすることを求める。この協議への権利は、アマゾンの人々との対話のためには不可欠のものである。国家の利益と、投資家の権利、そしてとりわけ我々の利益を調和させるために必要なものである。我々は引き起こされるかもしれない紛争を避けたいと願っているのである。
 我々には提案する権利がある。キチュワ民族として、我々には開発プロセスにおいて、独自の優先度を決める権利があり、我々には、独自の、経済的、社会的、文化的開発についてのコントロールを実施する権利がある。(2010.9.11)

訳:青西
Pueblo Secoya y Kichwa demandan respeto a sus territorios
http://www.aidesep.org.pe/index.php?codnota=1640 

開発と権利のための行動センターの
関連記事
ペルー:石油開発に脅かされる南米アマゾンの先住民族と自然
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2010/08/post-b765.html


http://es.wikipedia.org/wiki/Archivo:Location_of_the_province_Maynas_in_Loreto.svg
Maynas郡はこの赤いところである。



http://www.telecentros.pe/napo/ubicacion.shtml
Tres Causana は西の空色の部分
Napoはベージュの部分

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2010/09/09

ペルー:日本企業も権益を有するペルーアマゾンにおける石油開発に反発の声

 ペルー北部、アルト・ナポ地方の先住民族組織、キチュワルナ・ワングリナ(ORKIWAN)は121、178鉱区における石油開発の問題を討議するための緊急総会の開催を呼びかけた。9月5日に開催されたはずであるこの総会の結果はまだ伝えられていないが、この総会で石油開発に対する声明がとりまとめられるとのことである。
 
 ORKIWANの代表であるエンリケ・コキンチェは「私たちは石油開発コンセッションについて、国際法で定めるような協議を一度たりとも受けていない。私たちは平和に、環境との調和に基づいて生活していきたいのである。操業が開始されたら、どのような影響が出るのか疑念を持っている。私たちの生活は汚染に脅かされるであろう」と述べている。
 ペルーアマゾン開発民族間アソシエーション(AIDESEP)は、これまでペルー政府に対して、ペルーアマゾンにおいて自発的孤立を選んで生きる先住民族の権利を完全に尊重するように要求してきた。このアルト・ナポ地方にはこうした先住民族が居住していると考えられる。
そこで自発的孤立にある先住民族のテリトリーを石油開発鉱区から排除することを要求している。そこには117鉱区や67鉱区などの他、39、121、128、95などが含まれている。[1]

ここで問題とされている117鉱区は日本企業も権益を有する鉱区であり、日本からも注視していく必要がある。[2]
既にこの117鉱区における石油会社と先住民族組織との対立は、ペルーの人権事務所にも記録されており、先住民族は協議を受けていないこと、ゲピ保護区、ナポ・ティグレ保護区、及び設立予定のナポ・クラライ保護区とも重複することを告発している。しかし人権事務所のサイトによると、対話すらなされておらず、係争中であるとされている。[3]

[1]
Indi'genas quichuas rechazan presencia de petroleras en el Alto Napo
http://www.aidesep.org.pe/index.php?codnota=1636
Indígenas quichuas rechazan presencia de petroleras en el Alto Napo
http://www.cnr.org.pe/nueva_web/nota.shtml?x=4358
[2] 国際石油開発帝石株式会社 ペルー共和国 ブロック117 鉱区の取得について
http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2010/20100806.pdf
[3]La Defensoría del Pueblo Conflictos sociales activos por departamento
http://www.defensoria.gob.pe/conflictos-sociales/conflictosactivos.php?it=16

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2010/09/02

ペルーの先住民族はガルシア政権の通商協定に対して権利を守る闘いを進める

 リマのサン・マルコス大学の憲法学教授であるウエルタ・ゲレロ氏は、ボリビアで開催された憲法裁判所に関する国際セミナーにおいて、自由貿易協定の問題について発言。ペルーのアラン・ガルシア政権下で進められている米国やチリ、韓国などとの自由貿易協定が、先住民族への慈善の協議を踏まえていないことが先住民族による抗議行動を引き起こしていると指摘している。
 警察の暴力に誘発されて多数の死傷者を出した2009年のバグアの事件について言及し、この事件に対していまだ社会的な責任が明らかにされていないことを問題視するとともに、この事件をきっかけにペルーの先住民族がその権利を確立するための闘争に目覚めたと指摘。特に彼らの地域に侵入して、無差別に資源を略奪する多国籍企業によって利益を脅かされる中で、事前の協議に関する権利のための闘争を続けているという。
 憲法学者であるゲレロ氏は、ペルーは1993年に国際労働機関の条約に加盟しており、そこで先住民族に対する協議を認めてられていることを指摘し、特にこの問題が、1982年以降法的な存在感を失っていた憲法裁判所に動きを与えることになったと分析している。
 「先住民族こそが、通商協定に反対する訴訟を行ってきたが、このことが憲法裁判所という仕組みが論争に判断を下すためには重要であることを示すこととなった。」という。 
 現在、ペルーでは国際的な通商協定を調印する前に先住民族に対する事前の協議が必要であるということについて深い議論がされている。この中で「ペルーにおいては、先住民族は、その権利が尊重されることもないままに、忘れさられていたという事実が明らかにされつつある」と述べている。[1]


 この話に続いて、ペルーからは憲法裁判所が、事前協議に関する先住民族の権利を実現するための細則を定めるようエネルギー・鉱業省に対して命じる判決を下したことが伝えられている。
 更に、議会に対しても2010年5月19日に承認された形で先住民族に対する事前協議の法を公布するための手続きを進めるよう勧告。[2]


 憲法裁判所が先住民族に対する事前協議を行うこと、細則を定めること、事前協議に関する法律を定めることを求めているのである。

 今後、日本とペルーとの経済関係の深化していく中で、ペルーの憲法裁判所が求める、先住民族に対する事前協議の権利が十分に尊重されているかどうか、注視していく必要がある。私たちにはバグアの虐殺事件が二度と再び繰り返されないようにする責任がある。[3]
 
 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

[1]Pueblos indígenas de Perú asumen defensa de derechos ante acuerdos comerciales de García
http://www.bilaterals.org/spip.php?article18016&lang=en
[2] AIDESEP logró que Tribunal Constitucional ordene cumplimiento del Derecho a la Consulta de los PP.II.  http://www.aidesep.org.pe/index.php?codnota=1617
憲法裁判所の判決
EXP. N.º 05427-2009-PC/TC, LIMA, ASOCIACIÓN INTERÉTNICA DE DESARROLLO DE LA SELVA (AIDESEP)
http://www.tc.gob.pe/jurisprudencia/2010/05427-2009-AC.html
[3]8月末に韓国とペルーの間での自由貿易協定が締結されたが、現在日本とペルーも「日・ペルー経済連携協定(EPA)」締結のために交渉中である。今年のAPECに向けて協定が締結されるのではないかとも思われるが、先住民族に対する事前協議が確立されることが先決であろう。

交渉第6回会合の開催(平成22年8月31日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/22/8/0831_04.html

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