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2010/09/17

グアテマラ:石油開発に揺れるラグーナ・デル・ティグレ保護区で農民リーダー暗殺事件

 グアテマラの先住民族・農民組織であるCONICは、ペテン県の北部に位置するラグーナ・デル・ティグレで、同県の農民組織リーダーであったリカルド・エストラーダ氏が暗殺されたことを告発。
 9月12日、ラグーナ・デル・ティグレのサンタ・アメリア村において、複数の武装した男たちがエストラーダ氏に向けて発砲したとのことである。
 CONICはその声明文で次のように伝えている。
「これはアルバロ・コロム大統領がフランス資本の石油会社ペレンコに対する契約延長を決めてから最初の殺害事件である。その一方で37コミュニティの強制排除と軍の駐屯地設置を定めているのである。これはなんという矛盾であろうか。我々のテリトリーと自然の富を外国企業に引き渡す一方で、ラグーナ・デル・ティグレの土地に代々住み続けて来た貧しい家族を土地から引きはがそうというのである。これはマヤの司祭であるという顔をして、票を求めてこの土地に足を踏み入れた時に言っていたこととは大きな違いである」 
 更にCONICの声明文によると、政府による強制排除が宣言されて以来、近郊の農園主は、不服申し立てを行うために各コミュニティーに15万ケッツアルの負担金を支払うように強要していたとのことであり、エストラーダ氏はこの動きにも反対していたとのことである。[1]
 ラグーナ・デル・ティグレのコミュニティのリーダーは9月10日に、軍の展開によって、弾圧を受けるのではないかという懸念を国会議員に伝えたばかりであった。[2]

 コロム政権は、7月末に環境保護団体などが中止を求めていたラグーナ・デル・ティグレにおけるペレンコ社による石油開発免許の15年間の延長を承認。複数の環境団体がこの契約延長が違憲であると申し立てを行う事態となっている。

また9月15日より250名の軍部隊がラグーナ・デル・ティグレに展開し、国境警備や麻薬密輸、自然資源の略奪などの取り締まりを強化するとプレンサ・リブレ紙が伝えている。更にこの部隊が駐屯する6つの駐屯地の費用はペレンコ社が負担することになっているという。[3]

 コロム大統領はラグーナ・デル・ティグレの破壊の原因は、違法な牧畜や農地の拡大にあり、石油開発は関係がないと発言し、既に家畜の排除が進められている。そして夢は観光開発に向かっているようである。[4]
 
[1] 9月14日付けのCONIC声明文より
http://www.mayaconic.org/index.php?option=com_content&view=article&id=172:conic&catid=14:nacionales&Itemid=21
[2] Comunidades temen represión militar en Laguna del Tigre
http://www.prensalibre.com.gt/noticias/comunitario/comunidades-temen-laguna_tigre_0_332966919.html
[3] Batallón vigilará Parque Nacional Laguna del Tigre
http://www.prensalibre.com.gt/noticias/Batallon-Parque-Nacional-Laguna-Tigre_0_327567256.html
[4]Discurso Presidente. Consenso con comunidades de Petén para 4 Balam
http://www.guatemala.gob.gt/noticia4.php?codigo=8942 

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