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2010/10/27

「協議」そしてそれに基づく合意

 COP10のサイドイベントなどで「自由で事前の情報に基づく合意(FPIC)」がしばしばテーマになっています。
 自分たちの権利を守るための防衛のメカニズムとして重要だった、という話がありました。そして現在においても、とりあえず大規模開発に対抗していくための抵抗手段の一つだと思います。
 しかしその反面、FPICに関する法制度化がなされても、コミュニティ側のエンパワーというか、自己決定権の拡大につながっていないという問題点も多々指摘されました。ボリビアですら!難しいという声には少々うつむいてしまいます・・・

 やはり問題は、「協議」というものが国家によって行われるべきものである、という位置づけにあるようです。多くの先住民族運動も依拠しているILO169号条約が定めているのも国家による「協議」です。この段階で、制度が外部から押しつけられるものとなってしまうのです。

 協議に関する時間が制約されていること、定められたガイドラインに従うことを強いられ、自分たちの慣習法に基づいた手続きで行えないこと、更には政府の担当機関が、開発業者のブローカーのような存在になっているなど・・・先住民族コミュニティがこうした外部の仕組みに対応しきれず、分断を引き起こされていく一方で、政府や企業は学習を続け、より狡猾になっていく。こうして自分たちの決定のあり方とは異なる手法で「協議」が実施され、「YES」を言わせるためのメカニズムとなっていることがフィリピンの事例でも報告されました。
 
 フィリピンからの参加者は、「本来、自己決定の権利を行使し、自分たちの開発計画、そして政策を定めていくことができれば、FPICはいらないのだ」と語っていましたが、本当にその通りだと思いました。そして外部者は、コミュニティの集まりに参加して、遠慮がちに、提案させていただく、という姿勢を取るべきなのでしょう。

 グアテマラではコミュニティの総会で、鉱山開発に対するNOの声が表明されていますが、こういうあり方をさらに深化させていくことが重要だと思いました。グアテマラでは協議に関する法律に関しても、コミュニティごとに異なる仕組みを詳細に定めた法律を作るのは無理だという声を聞いたことがあります。グアテマラでどのように協議の仕組みを定めていくか、あらためて関心を持って見つめていきたいと思いました。
 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫


参考:先住民族の権利に関する国際連合宣言
第3 条 【自己決定権】
先住民族は、自己決定の権利を有する。この権利に基づき、先住民族は、自らの政治的地位を自由に決定し、ならびにその経済的、社会的および文化的発展を自由に追求する。

第18 条 【意思決定への参加権と制度の維持】
先住民族は、自らの権利に影響を及ぼす事柄における意思決定に、自身の手続きに従い自ら選んだ代表を通じて参加し、先住民族固有の意思決定制度を維持しかつ発展させる権利を有する。
第19 条 【影響する立法・行政措置に対する合意】
国家は、先住民族に影響を及ぼし得る立法的または行政的措置を採択し実施する前に、彼/女らの自由で事前の情報に基づく合意を得るため、その代表機関を通じて、当該の先住民族と誠実に協議し協力する。

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