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2010/11/04

先住民族の参加という点から保護地域に関するCOP10の評価

COP10における作業部会の会合決議案は、科学技術助言補助機関(SBSTTA)で作成されたものであり、その中で取り上げられ今回の会議に提起されていたのは次のような点である。
1)持続的な資金供給
2)気候変動
3)効果的なマネージメント
4)海洋保護地域
5)保護地域の費用・便益の評価
6)作業計画 第二部門(ガバナンス、参加、公平、利益配分)に関する事項 (注1)
7)国別報告書の形式に関して

 この中で、先住民族に主として関連するのは6)作業計画 第二部門(ガバナンス、参加、公平、利益配分)に関する事項であった。

注1)保護地域に関しては、2004年開催のCOP7において、4つの作業計画が定められており、 この中の第二部門の目標2.2で、「先住民族・地域共同体及び関連ステークホルダーの関与を確保し、また強化すること」と定めており、「2008年までに国内法及び国際的な義務への合致及び関連するステークホルダーの参加の上で、先住民族・地域共同体の権利の尊重、責任の認識に基づき、保護地域の管理、設置における完全かつ効果的な参加」をターゲットとしている。
http://www.cbd.int/protected/pow/learnmore/intro/?prog=p2

 上記6)に関して、決議案28項で「先住民族及び共同体保護地域(IICAs)の承認と、支援のための適切なメカニズムを開発すること、そのために特に、共同体の土地と資源への権利を法的に承認し・・・、そのメカニズムはICCAsが長年維持してきた慣習的なガバナンスのシステムを尊重し」と記載されていたものの、最終的にはCOP9文書(第6項a-e)(注2)を踏襲する形となり、「共同体の土地と資源への権利」、「慣習的なガバナンスのシステム」といった文言は削除され、先住民族及びコミュニティ保護地域は、共同管理(co-manegement)及び民間保護地域と併記される形となっている。

注2)http://www.cbd.int/doc/decisions/cop-09/cop-09-dec-18-en.pdf
 しかしCOP9の時点で「国内法及び適応可能な国際的な義務に合致する中で、保護地域のガバナンスにおいて、先住民族・地域共同体の権利の完全な承認と尊重の上で、十全かつ有効な参加に基づく効果的プロセスを確立する」と記載されており、それは繰り返されている。

 残念ながらCOP10における議論のプロセスにほとんど参加することはできなかったが、Earth Negotiacions Bulletinを見ても、今回は保護地域に関する言及は少なく、大きな議論は引き起こされることはなかったように思われる。保護地域に対する先住民族の参加という点では、COP7で作業計画を定めたものの、格段の前進はなく、COP10においてもCOP9の記載を繰り返すにとどまっている。先住民族保護地域の確立はまだ難しそうである。

開発と権利のための行動センター
青西靖夫

●10月27日にパナマのクナ民族のオネル・マサルドゥレ(Onel Masardule)さんに、COP10の結果を聞きました。

 保護地域に関して課題として残っているのは、保護地域に関する先住民族の参加を定めた作業計画の履行や、各国の報告書の内容に先住民族からの参加(評価)を入れていく点などです。これまでのCOPにおいてAkwé:Kon(アクウェ:コン) ガイドラインの採択など、先住民族の要求が実現してきたこともありますが、まだまだ足りません。
 保護地域に関して、締約国が報告書の作成する際に先住民族が参加できるようにしていくというのは、より正しい報告書を作成させていくために不可欠です。
 補償の問題もあります。保護地域の設置による先住民族へのネガティブな影響に対する補償は明確にされていません。私たち、先住民族は正当な補償を求めていかなければなりません。
 先住民族の参加については、まず保護地域の設置が検討される際には、先住民族に対する自由で事前の情報に基づく協議が行われ、合意を得るべきだと考えます。また先住民族が独自の保護システムを有していることを認めることが必要です。国家保護地域システムが、「保護」にだけ焦点をあてるのとは異なり、私たちは、保護地域は、文化的、環境的、精神的な視点を含め、より総合的なシステムで管理されるべきと考えます。

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