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2010/11/29

12/18 南米勉強会:エクアドル

第二回 エクアドルの石油開発と先住民族
いま何が起きているか、現地調査からの報告
12月18日(土) 午後2時から 会場:JICA地球ひろば 303号室

講師:長田顕泰(東京大学大学院/青年海外協力隊OB)
エクアドルでの協力隊活動を経て、「同国アマゾン地域の石油開発と先住民の生活への影響」をテーマに研究中。2010年6月から8月まで、同国の石油鉱区にてフィールド調査を実施した。11月にも1カ月間の調査を予定している。

会場:JICA地球ひろば 東京都渋谷区広尾4-2-24
地下鉄 日比谷線 広尾駅下車(3番出口)徒歩1分
http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html

第三回 「社会自由主義-ブラジルの開発政策」
(申し訳ありません) 講師の都合により日程を変更します。

3月18日(金)夜 会場未定
講師:小池洋一(立命館大学経済学部教員)
アジア経済研究所での30年近い研究生活をへて現職。現在日本ラテンアメリカ学会、ラテン・アメリカ政経学会、ブラジル中央協会、アジア太平洋資料センター(PARC)理事を兼務。最近の著作に『図説ラテンアメリカ経済』(共著)、『地域経済はよみがえるか-ラテン・アメリカの産業クラスターに学ぶ』(共編著)など。現在のテーマは、国際価値連鎖と開発、参加型予算、アマゾン環境、日本の労働市場と日系人など。


第 回 ペルーの先住民族と石油開発(仮題)
日時未定
講師:原毅彦(立命館大学教員)
会場:未定

各回資料代:500円
以降 全六回の予定。ペルー、ブラジル、ボリビアなどを取り上げていきます。

ちらし pdf ecuador%2020101218%20leaf.pdfecuador 20101218 leaf.pdf

主催:開発と権利のための行動センター
日本ラテンアメリカ協力ネットワーク
先住民族の10年市民連絡会
ATTAC Japan(首都圏)


資料準備の都合から出来る限り事前連絡をお願いします。
連絡先:開発と権利のための行動センター
e-mail: cade-la@nifty.com
ブログ:http://cade.cocolog-nifty.com/

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12月7日モラレス大統領来日・市民集会

満員御礼

すみません、会場に入りきれないということで参加受付は終了しました。

12月7日 モラレス大統領来日・市民集会

地球は売り物ではない!

ボリビアからの提案

ボリビアから先住民族出身のエボ・モラレス大統領が来日するのを機に、東京で市民集会を開催します。500年にわたる侵略・植民地主義に対する先住民族の抵抗の歴史からモラレス大統領の「資本主義か、マザーアースか」の呼びかけの意義を考え、メキシコのカンクンで気候変動枠組み条約締結国会議、COP16が開催される中で、あらためて中南米の民衆そしてボリビア政府が呼びかける気候変動への取り組み-コチャバンバ合意について考えてみませんか。

日時:12月7日(火)夜6時半から8時半

発題者
●ゲバラからモラレスへ-モラレス大統領誕生の意義  太田昌国
●気候正義とコチャバンバ合意  秋本陽子(ATTAC Japan首都圏)
●モラレス政権と先住民族運動  青西靖夫(開発と権利のための行動センター)

資料代:500円

会場:コチャバンバ・東京店(アンデス・フォルクローレ音楽館)
   3階スペース http://www.cochabamba.jp/
住所 〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-13-4
地図 http://www.cochabamba.jp/?info=1
交通 地下鉄「新御茶ノ水駅」B3出口、または
   「淡路町駅」「小川町駅」A7出口から2分

主催(11月29日現在)
・ATTAC Japan(首都圏)
・開発と権利のための行動センター
・地球の子ども新聞
・ティナラク織の会「カフティ」
・ジュビリー関西ネットワーク
・日刊ベリタ
・アジア太平洋資料センター
・ピープルズ・プラン研究所
・先住民族の10年市民連絡会


連絡先 090-6308-8014(開発と権利のための行動センター 青西)
    Eメール cade-la@nifty.com

※会場のスペースに制限がありますので、参加希望の方はご連絡ください。定
員を上回る場合にはお断りすることがあるかもしれません。予めご了承くださ
い。

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2010/11/25

生物多様性の破壊に対して、市場を利用した解決策を認めない!

ビア・カンペシーナは名古屋におけるCOP10について次のような評価を行っている。
-ジオ・エンジニアリングと自殺技術に対するモラトリアムを評価
-生物多様性の商品化を進めるTEEB(生態系と生物多様性の経済学)はボリビアの代表団によって強く反対されていたが、生態系サービスの経済的側面についての取り組みは進められていく方向であり、今後世界銀行とも連携していくとのことであり、これはビア・カンペシーナとしては受け入れられない。
-REDD+が進められている。先進諸国は排出量を削減しないまま、モノカルチャー植林を進めるものであり、農地収奪につながるとして、農民運動が強く批判しているものである。しかしオーストラリア、カナダ、フィンランド、フランス、ドイツ、日本、ノルウェー、スゥエーデン、スイス、イギリス、米国などが支援する方向を打ち出した。
-ABSについては、コミュニティとの事前同意が機能しないであろう。特許保持者がその発明の根拠を明示することを拒否したからである。このことは地域住民がその利益を要求することを不可能にしており、別の仕組みを必要とする。
-保護地域は、生物多様性を守ってきた先住民族や農民の排除につながってきた。それによって生物多様性の減少に歯止めをかけようという愛知ターゲットは満足できるものではない。
-生物多様性の中心的な守り手としての小農民や先住民族の役割は住民に認識されなかった。
-市場による解決を拒否し、家族農業や先住民族による持続的な農業を支援することが生物多様性を守るための道である。

The CBD did not stop the commercialization of biodiversity(2010/11/12)
http://viacampesina.org/en/index.php?option=com_content&view=article&id=967:the-cbd-did-not-stop-the-commercialization-of-biodiversity&catid=22:biodiversity-and-genetic-resources&Itemid=37


ビア・カンペシーナの声明文(一部)
¡No a las “soluciones” a la destrucción de la biodiversidad basadas en el mercado!
http://viacampesina.org/sp/index.php?option=com_content&view=article&id=1085:campesinos-y-campesinas-defienden-la-biodiversidad-y-alimentan-al-mundo&catid=22:biodiversidad-y-recursos-gencos&Itemid=37 
No market-based ‘solutions’ to biodiversity destruction!
(英文、仏文あり)

生物多様性の破壊に対して、市場を利用した解決策を認めない!

国際的農民組織<ビア・カンペシーナ>は名古屋で開催された生物多様性条約締約国会議に参加しました。アジア、ヨーロッパ、北米の農村からやってきた私たちは、地球上の自然資源を商品化しようとする激しい動きを告発し、拒否します。環境危機に対して、実現可能な解決策は存在します。地域コミュニティの手による生物多様性の管理、小農や農民世帯による持続的な農業を通じて、人類の文化的多様性は、多様性を守っていくことができるのです。

自然の私有化と生物多様性の喪失は共に進んでいる。
 
国連は2010年を「生物多様性国際年」と定めましたが、生物多様性条約は生物多様性の破壊をくい止めるという目的を達成できずにいます。生物多様性の私有化と商品化という流れの中で、このことは驚くほどのことではありません。生態系サービスの経済学を通じて、企業やそれを支援する政府は、種子や森林、動物そして農村の行われてきた実践に対して市場での価値を与えようという戦略を提起しています。それらを投資や交易、投機の対象にしようとしているのです。これは最悪の人権侵害であり、環境の権利の侵害です。

農民、その実践や種子というものは、何千年にもわたって育まれ、その多様性が更新されてきたということはよく知られています。またアグロ・フォレストリーの実践や漁業や牧畜を通じて、自然/野生の生物多様性も守ってきました。しかしこうした資源が私有化され、農民がそのテリトリーから排除されるにつれて、生物多様性は失われてきたのです。最近の100年で農業における75%の遺伝的多様性が失われてしまいましたが、これは種子産業の発展に加えて、同時期に進んだ農民の急速な減少と直接結びついています。自然資源を確保し、市場で取引するために、産業界は様々な手段を用いて、農民や地域コミュニティによる、農民の手による種子の多様性の再生産と農業実践の継続を妨げてきたのです。

コミュニティから自然資源を奪い去ることによって、各地で環境破壊、人間性の破壊が引き起こされてきました。工業的な農業は大量の水や殺虫剤、除草剤、化学肥料を利用し、種子企業によって売られる種子は、土壌を疲弊させ、炭素を保留する力を失い、有機質は人工物に代替されてきました。輸送手段、農業機械、化石燃料そして化学肥料は気候変動の原因となっています。自然が産業に組み込まれる中で、農業コミュニティは種子や家畜の系統へのアクセスを失っただけではなく、そのテリトリー、土地や水そして沿岸の資源などへのアクセスを失ってきたのです。土地や生態系を失うことで、数え切れない数のコミュニティが食料主権を失い、貧困に陥り、また栄養もない工業的な食料に代替されてきたのです。世界市場向けのアグロ燃料など、産業向けの原材料生産のための土地収奪によって、私たち農民、そして小規模な食料生産者は私たちの土地から追い出されつつあります。何千年にもわたって生物多様性を育て、守ってきた私たちは、「保護地域」の名のもとに資源へのアクセスを禁止されています。その一方で、大企業は、「持続的だ」と偽るユーカリやパームのモノ・カルチャーの砂漠から資源を獲得しつつあるのです。

農民や先住民族のコミュニティの多様性、またその知識は現在の危機に立ち向かうためにとても重要なものです。こうした伝統的な知識は、地域でコントロールされ、利用者によって生み出された革新や技術によって日々豊かにされ、またコミュニティの人々の自由な利用に委ねられてきたのです。こうした知識は私有化されるべきではありませんし、その利用が禁止されるべきでもありません。数多くの政府の支援を受けて、一握りの多国籍企業の利益のために、私たちが何千年も守り続けてきた欠かすことのできない資源、土地や水、生物多様性が奪われつつある一方で、公的文書や公的な発言の中で、私たち、農民男性、そして農民女性が、生物多様性の守り手として、道具のように位置づけられることを拒否します。名古屋におけるCBDにおいて、またカンクンにおける気候変動枠組み条約締約の交渉の中で、私たちはこうした基本的な権利を尊重することを要求します。

COP10:生物多様性と気候の商品化の高まり

洪水、干魃、土壌浸食、環境汚染、生物多様性喪失など私たちは深刻な環境危機に直面しています。気候や生物多様性、またその他の環境問題について別々に取り組んできた国際機関は、やっとそれらの課題に対して統合的に取り組んでいこうとし始めています。しかしこれは、バイオ・マスや生態系サービス、炭素市場などの名目で地球上の諸資源を商品化していこうとする者たちが、協調して取り組んでいくための機会にもなっています。名古屋においては、生物多様性と気候変動の問題がより密接に取り上げられましたが、2009年のコペンハーゲンにおける気候変動会議で取り上げられたような市場を利用した解決策が、CBDのような他の機関にも移されつつあるのです。

アグロ燃料・REDD, TEEB(生態系と生物多様性の経済学)

アグロ燃料は土地への投機を引き起こす一方で、炭素排出の減少には何ら役立っていません。第一世代と呼ばれるアグロ燃料は、トウモロコシやサトウキビ、オイル・パーム、ジャトロファのモノ・カルチャーに依拠していますが、これらは膨大な農地と水、化学的投入物を要求します。いわゆる第二世代は、牧草や樹木、遺伝子組み換え藻類などによるものですが、これらは作物だけではなく、すべての植物由来物質を脅かすものです。エネルギー効率が低いだけではなく、遺伝的汚染を通じて、私たちの食べ物や野生種を危険にさらすものです。どちらも生み出されるエネルギーよりも、その生産によりエネルギーを必要とします。こうした作物のための大面積を確保するために森林を破壊することを考慮すれば、アグロ燃料は大気中に大量の二酸化炭素を放出するものとなります。いくつかの政府による高い補助金によって、アグロ燃料はうまみのある「グリーン・ビジネス」となっているのです。

REDD(森林の劣化と減少による排出の削減)も気候と生物多様性の商品化を加速するものとなっています。ヨーロッパの汚染産業は排出量を削減するという義務を回避して、REDDを通じて、ブラジルやインドネシアなど遠い南の国々の森林による排出権を購入しようというのです。REDDによっては排出量の削減はなされず、モノ・カルチャー林業が生物多様性を脅かすばかりです。また農民による農業や先住民族は土地やテリトリーから排除されることになるのです。これはCBDのもと、「保護地域」で引き起こされているのと同様の問題です。

名古屋では多くの政府の支援を受けて、企業によって、生物多様性の私有化、商品化が積極的に進められました。TEEB(生態系と生物多様性の経済学)に関するプログラムもその一つで、土地や動物、種子、水など、農業コミュニティの土地やテリトリーそのものである、自然のそれぞれの要素の市場で評価に道を開くものです。育苗の複雑さや、生態系、気候パターン、土壌肥沃度など、すべてを「生態系サービス」という言葉に矮小化し、排出権クレジットと同様の取引の対象としようというのです。こうした見方は、企業や政府によって支持されているだけではなく、IPBES(生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)によっても支持されています。このプラットフォームは生物多様性を金銭的に評価しようとする科学者によって支えられています。

新しい技術について
(略)

真の解決のために:ローカルコミュニティが、その土地とテリトリーを管理し、生物多様性を保護し、回復できるように。生命の私的占有を止めろ!

生態系と生物多様性の市場を通じての評価という動きは、生命を商品化し、投資対象とし、新しい投機対象とするという目的で、積極的に進められています。ビア・カンペシーナはこうした見方を拒否します。生物多様性は生物の自由な再生産に依拠するものです。再生産と利用が管理されるような、産業界の私有財産となるべきではありません。今日、すべての生物が、様々な形で、部分であったり、遺伝子であったり、その特性であったり、という形で占有されようとしています。更に、その再生産のための技術や知識も、産業のための知的所有物とされようとしています。こうした産業界による所有権の要求は正統なものではありません。農民や地域コミュニティが、共有の富として、生態的な実践や自然の耕作を通じて生物多様性を守ってきた営みを妨げるものなのです。土地や水、種子の私的な占有は、何百万という家族の生存と食料主権を危険にさらし、地球の命を脅かすものなのです。

産業界は販売している製品に利用されている生物的資源の由来について情報を提供することを拒んでいます。それらの資源の利用について、地域コミュニティやその他の関係者の承認を得たり、利用に関する条件を明らかにすることを避けようとしているのです。これは知的所有権の問題だけではなく、家畜の系統などについても義務とされているものです。生物資源の利用は、使用に関する合意と地域コミュニティが要求するであろう補償なしに行われてはなりません。植物や家畜の品種、また多くの生態系は、それを守り育ててきたコミュニティがなければ存在することはできません。生物資源へのアクセスと使用は常にコミュニティによって定められた集団的な使用権の対象であり、私的所有権の対象ではないのです。また産業界や無責任な政策は、これまでに生物多様性や気候、環境に対して引き起こしてきた被害に対して責任を負う義務があります。

地球が直面する深刻な環境危機への真の解決策は、私的所有でもなければ、生命に対する破壊的な技術でもありません。私たちは、特許や品種保護、また私たちの多用な種子を禁止し、種子会社による均一化された種子を優遇するような形での、私たちの共有の富に対する所有権の要求を拒否します。1960年代以来、農民は190万もの品種を生み出してきました。しかし「緑の革命」以来の企業的育種家は8千種の、健康な食品とは言えない品種を生み出してきたに過ぎません。私たちの品種は世界の7割の人口に健康な食品を提供し、土壌を守り、健康な生態系を維持してきたのです。生物多様性の喪失と環境危機への真の解決策には、自然/野生生態系と農業生態系を維持しつつ、生態的に安定した形での地域での食料生産を確立する、食料主権の実現が含まれなくてはなりません。そのために政府は、食料輸入を管理する権利を行使しなければなりませんし、コミュニティは地域の食料生産を管理する権利を行使しなければなりません。食料主権は、企業や市場のニーズではなく、農村や先住民族コミュニティの権利を生物多様性保全の中心に据えるものなのです。

私たちの自然資源を私物化し、コントロールしようとする攻撃的な企てをやめること!私たち世界の農民、農村男性、農村女性は、モンサントもデュポンもバイエルもまたその他の多国籍種子企業も必要とはしていない。何千年も私たちは、私たちの種子を守り、育て、また交換し、順応させて、豊潤な生物多様性を生み出してきたのです。森林や海洋、草原の生態系に対して地域による管理を行い、自然/野生の生物多様性も維持してきたのです。
私的所有と生物多様性の保全の間の根本的な矛盾は、数セントの利益分配で解決する問題ではありません。私たち、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、そしてアジアの農民は、こうした補償をはっきりと拒否します。わずかばかりの補償の約束と、私たちの自治、資源、健康、そして環境を取引することはできません。それはバイオ・パイラシーを正当化するだけなのです。生物多様性を保全するために、農業コミュニティは土地とその自然資源、テリトリーに対するコントロールを回復しなければなりません。エコロジカルな農業コミュニティのコントロール下にある生態系こそが、真の保護地域と言えるのです。

政府は生物多様性を通じて更なる利益を得ようとする企業の圧力に対して抵抗すべきです。生物多様性の喪失に回する懸念という言辞は、自然の産業化というモデルに大きな変化を引き起こすまでの、緑の資本主義というビジネスを確立するまでの単なる悪意のある宣伝に過ぎないのです。これは生物多様性の保全からはほど遠い、生命を脅かすものなのです。CBDの締約国政府は農業コミュニティの土地と水に対する権利を守らなければなりません。また国連の種子協定に記されているように、農民が自分たちの種子を守り、再播種し、また交換するという権利を守らなければなりません。400人以上の科学者によって書き上げられ、58カ国によって承認されているIAASTDの勧告にあるように、農業コミュニティとそれらが生産する食料を強化すると言うことは、気候危機や食料危機、エネルギー危機に対抗する戦略なのです。生物多様性を保持し、土壌中の有機物を豊かにし、化石燃料に由来する投入材を必要としない農民の種子利用に基づく、世界中の小規模な生産者による多様な品種に対するコミュニティによる管理を、生物多様性条約は、はっきりと支援すべきです。

生物多様性の破壊は、森林や草原、湿地などを含め、農業生態的な実践に基づいて農業生物多様性と自然/野生生物多様性を維持してきた農業コミュニティの破壊の結果なのです。生物多様性の保全のためには、農業コミュニティがその土地を耕し続けられるようにしなければなりません。企業の利益ではなく、エコロジカルな農業に取り組む若者世代の関心こそが生物多様性を守るのです。農業に取り組む若者たちが、生き続け、耕し続けられるということ、そのためには土地や水、種子、伝統的な知識へのアクセスが保持され、テリトリーと生態系への地域による完全な管理が実現しなくてはなりません。

名古屋において、ビア・カンペシーナは次のことを要求します。


*産業界による生物多様性の占有をやめること!地域コミュニティによる土地、自然資源、水へのコントロール、そのテリトリーにおける持続的な農業こそが生物多様性の保全への最良の手段であり、そのことは何千年にわたって示されてきたのです。
*TEEBSやIPEBSが推進する、生物多様性に市場での価値をつけようという政策を拒否します。生態系サービスに対する市場での価値を優先する政策は生物多様性を破壊するものであり、新しいうまみのある商売を生み出すだけです。REDDやREDD+のようなその他の市場によるメカニズムを拒否します。
*危険かつ無責任な技術的解決を正当化する政策を拒否します。「自殺技術」に対するモラトリアムを継続し強化することを求めます。また構成的生物学(合成生物学)とジオ・エンジニアリング(大規模な人為的地球環境操作)に対してモラトリアムを適用すること。
*生命体、その部分あるいは派生物に対する特許、また認証の要求を拒否します。現存の所有権への要求をキャンセルすること。
*コミュニティの同意を保障するために、すべての商品に利用されている生物的資源の起源について明らかにすることを義務化すること。生物的資源、伝統的技術やその革新また知識へのアクセス及び利用は先住民族と地域共同体の情報に基づく合意が必要とされる。
*工業型のアグロ燃料を拒否します。アグロ燃料の新しいプランテーションに対してモラトリアムを適用するとともに、エネルギー消費量の相当な削減を促進すること。
*地域の共有資源とテリトリーに対する管理に関する農民の主権を強化し、持続的な実践を通じて生物多様性を維持すること。
*食料主権を強化すること。それこそが生物多様性を守り、世界の大半の人々に食料を提供し、栄養を与え、生物多様性の破壊と気候変動に立ち向かうためには不可欠です。
(訳 開発と権利のための行動センター 青西)

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2010/11/24

COP10報告会情報

メーリングリストを通じて様々な方からCOP10の報告会情報をいただいております。
一挙紹介します。参加費等すべての情報を掲載してはいませんので、詳細はそれぞれのサイトで確認ください。

<東京>
11/25 18:00 生物多様性と開発・人権~NGO連携の課題と今後の取組み
   主催:JANIC 会場 早稲田奉仕園
   http://www.cbdnet.jp/archives/3887/

11/26 18:30  COP10報告会「生物多様性と先住民族」
   主催 先住民族の10年市民連絡会
      明治学院大学国際平和研究所(PRIME)
      COP10先住民族ニュース取材班
   会場 アイヌ文化交流センター(八重洲口)
   参加費 500円
   http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2010/11/1126cop10-9882.html
  
11/29 19:00 遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)
    に関する名古屋議定書とその課題
   主催:A SEED JAPAN
   会場:東京ウィメンズプラザ(国連大学隣)
   http://www.aseed.org/abs/abs_2010_11_29COP10follow_houkoku.html 

11/29 18:30 COP10でのTEEBーDAY報告会
   共催:生物多様性条約市民ネットワーク、IUCN日本委員会、
      世界銀行東京事務所
   会場:世界銀行情報センター1F(PIC東京)
http://www.cbdnet.jp/wp-content/uploads/5683f686954e8bd95ac993ef013f1ccb1.pdf

<東京外 諸県>
11/27 「COP10と生物多様性交流フェア展示の報告から、四国のこれからを考える」
日 時:平成22年11月27日(土)13:00~16:30
会 場:高松市生涯学習センター「まなびCAN」大研修室
高松市片原町11-1 ℡:087-811-6222
http://4epo.jp/modules/eguide/event.php?eid=1583
問い:四国環境パートナーシップオフィス
担当:松本、黒河、八束
香川県高松市寿町2-1-1 高松第一生命ビル新館3F
TEL:087-816-2232 FAX:087-823-5675
Mail:4epo@4epo.jp


11/29 「生物多様性条約COP10で、何が話し合われ、何が決まったのか?」
    鹿児島大学海洋センターセミナー
日時:平成22年11月29日(月)18時半頃から20時半
http://www.japanhotspot.net/connect/events/000636.html
場所:鹿児島大学水産学部大会議室(1号館の2階)
※ 鹿児島市下荒田4-50-20
  電話099-286-4111(学部代表電話)
http://www.fish.kagoshima-u.ac.jp/fish/admin/map.html
Mail:i_eco2@yahoo.co.jp 

12/2 「COP10報告会in大阪」
主催: 財団法人公害地域再生センター(愛称:あおぞら財団)
日時:平成22年12月2日(木)18時半頃から20時半
http://aozorabsw.exblog.jp/13656635/
場所: あおぞらビル F3会議室
  大阪市西淀川区千舟1丁目1番1号
  (Tel) 06-6475-8885 (Fax) 06-6478-5885 
アクセス:JR東西線御幣島駅地下道⑪番出口すぐ
http://www.aozora.or.jp/access.html
Mail:webmaster@aozora.or.jp

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11/26 COP10報告会「生物多様性と先住民族」

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       COP10報告会「生物多様性と先住民族」
  生物多様性条約名古屋会議(COP10)における先住民族の主張

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 2010年10月に名古屋市にて開催された生物多様性条約の第10回締約国会議(COP10)では白熱した議論が繰り広げられました。この名古屋会議では、遺伝資源へのアクセスと利益配分のルールを定めた「ABS名古屋議定書」や、生態系を保全するためのポスト2010年国際目標「愛知ターゲット」などが採択されました。議定書には、先住民族の伝統的知識も利益配分の対象にすることも盛り込まれました。また、先住民族・地域共同体の文化的知的遺産を尊敬するよう定めた倫理的行動規範も採択されました。

 COP10には、世界の7つの地域(アジア、太平洋、北米、中南米、アフリカ、ロシア、北極圏)から「生物多様性に関する国際先住民族フォーラム(IIFB)」の代表団が参加し、日本からはアイヌ民族や琉球・沖縄民族も参加しました。準備会議(10月15~17日)から本会議(10月18~29日)にかけて、180名ほどの先住民族が活発な議論、交渉、交流を行い、生物多様性保全のためのさまざまな取り決めの実施・評価にあたり、先住民族からの主張の重要性をアピールしました。

 名古屋会議では、特にIIFBの議論に立ち会うために有志による取材班が結成され、精力的な取材が行われました。先住民族の視点からみた生物多様性に関するホットな報告会を行います。奮ってご参加ください。


●日時:2010年11月26日(金)午後6時30分~8時30分

●会場:アイヌ文化交流センター
    東京都中央区八重洲2-4-13 アーバンスクエア八重洲3階
    東京駅八重洲南口より徒歩4分
    地図→ http://www.frpac.or.jp/prf/c_map.html

●報告者:青西靖夫、木村真希子、細川弘明(COP10先住民族ニュース取材班)

●資料代:500円
*予約不要。どなたでも参加できます。

■主催
先住民族の10年市民連絡会
明治学院大学国際平和研究所(PRIME)
COP10先住民族ニュース取材班

■連絡先
先住民族の10年市民連絡会 
Tel/Fax:03-5932-9515  
E-mail:postmaster@indy10.sakura.ne.jp

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2010/11/18

ホンジュラス:オイルパームを巡って繰り返される農民虐殺

 11月15日未明、ホンジュラスのコロン県に位置するエル・トゥンバドール農園において、農民グループが武装した農園ガードマンに襲撃され、6人が殺害され、複数が負傷するという事件が発生した。
 事件の詳細については、情報が錯綜しているところがあるが、農民組織側が、本来自分たちの手に引き渡されるべき農園の占拠を行ったところ、AK-47やM-16などで武装した200名にのぼる農園ガードマンが現れ、発砲を開始し、農民を追い回したようである。
 警察は事件のあった昼過ぎに現場に現れたという。
この襲撃事件に対して、農民組織は政府の農地改革庁に対して農地紛争の早期解決、事件の真相究明を要求するとともに、警察や軍が武装グループを放任しているとして告発している。

 エル・トゥンバドール農園は80年代には、ニカラグアのサンディニスタ革命政権に対する抵抗勢力であり、米国の支援を受けて組織されていたコントラの訓練基地として利用されていた土地である。その後国有地となったが、90年代初頭に非正規にオイル・パーム生産農園に組み込まれていた。
 しかし国有地として登記されていたこの土地については、農地改革局と農民組織との間で土地供与について既に合意がなされていたのである。それにもかかわらずこのような暴挙がなされた背景には、地域に君臨する大地主であり、パーム・オイル企業を率いるミゲル・ファクセの存在があり、今回の事件もミゲル・ファクセの武装集団が行ったと指摘されている。
 政府の農地改革局は一貫して土地が本来国有地であり、農民に引き渡されるべきものであり、ミゲル・ファクセによって違法に占拠されていると主張し、政府側とミゲル・ファクセとの対立も続いている。 
 現在、政府は地域の武装解除を進めているとのことである。

次のサイトの記事を参考にした。
http://voselsoberano.com/v1/index.php?option=com_content&view=frontpage&Itemid=1
http://www.rel-uita.org/agricultura/palma_africana/masacre_y_barbarie_en_bajo_aguan.htm
http://viacampesina.org/sp/index.php?option=com_content&view=article&id=1087:honduras-nueva-masacre-en-el-aguan&catid=19:derechos-humanos&Itemid=40
下記の他、プレンサ紙の記事も参考にした
http://www.laprensa.hn/Apertura/Ediciones/2010/11/16/Noticias/Honduras-Suben-a-5-los-campesinos-muertos
行動センターの記事:ホンジュラス:土地紛争・人権侵害・RSPO
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2010/07/rspo-1bba.html

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炭素市場の外に「先住民族REDD」を

ペルーの先住民族の連合体(AIDESEP)による声明文「先住民族のテリトリー、権利、協議なしには、REDD、林業、石油、環境サービスへのコンセッションはあり得ない。(2010/10/28)」の一部訳である。声明の中心は現在議論されている森林法に関するものであるが、そこから一部を抜粋した。

  炭素市場の外に「先住民族REDD」を 
 国家や企業、またいくつかのNGOなどからも先住民族に対して、REDDのプロジェクトや政策を、問題を省みることなく、支持するようにという圧力が加えられている。有望な将来のみが語られ、世界各地でREDDによって引き起こされている紛争が分析されることもない。コミュニティが受け取る利益は限られている一方で、仲介業者たちが膨大な利益を手にし、森林に対する厳しい管理によってそれまでの生活様式が妨げられ、REDD契約の交渉のために第三者が土地に侵入する。同時にモラルもなく、多国籍企業は大地をそしてアマゾンを破壊し、汚染し続け、その後始末にはほとんど金を支払わない。こうした「炭素市場」は母なる大地を私有化する一つのモデルであり、地球の自殺の縁に追い込む行為である。
 アマゾンの先住民族による領域管理は、森林や生態系のサービスを生産的に保全するために有効なことを示してきた。そこで私たちは、異なる国際的な協力や異なる形のREDDを提案する権利を有している。それは「先住民族REDD」である。
 *まず前提として先住民族のテリトリーの権利を確立すること
 *169号条約や国連宣言に定められた先住民族の権利を尊重し、保障すること
 *炭素市場の外に置き、排出の削減に取り組む
 *利益の配分における公平性の確保。植民地支配に反対
 *仲介業者を排除した先住民族との直接の交渉
 *炭素に関連するテーマについての先住民族の強化
 *先住民族による森林の管理
 *モノカルチャー林業の排除
 *COICAによる提案の支持
 *REDDに関して、原則的な条件、権利は交渉の対象ではない。 

 2010年5月に議会で合意された事前の情報に基づく協議
 森林、REDD、環境サービスに関連する政策は、ILO169号条約を履行し、「事前の情報に基づく協議」を受けなくてはならない。協議は、「情報提供の公聴会」でもなければ、「作業グループ」でもない。そこにはそれぞれの先住民族がその提案を持ち寄り、組み入れていくスペースがなければならない。情報と議論、交渉、十分な時間と空間、これらが必要とされるのである。それぞれのアマゾン先住民族と協議を行うということは、AIDESEPに参加する63の地域の先住民族連合のそれぞれと協議を行うということになるであろう。そこには自分たちの森林の投機を求めているコミュニティの男性や女性のリーダーが参加することとなる。
提案:森林法、環境サービス、REDDプロジェクトに緊急性があるというのであれば、2010年5月19日に議会で承認された先住民族への協議に関する法律を承認すること。協議は上記の法律に示された原則と手続きに則って行われること。必要な場合には、その会議はそれぞれの地域組織にて行われること。(AIDESEPであれば63の組織が存在する)
 国際社会に対して私たちの提案と、マラニョン川における石油汚染に反対し、母なる大地を守るために裁判にかけられようとしている先住民族の正義の闘いへの連帯を求める。
翻訳まとめ 開発と権利のための行動センター 青西

Sin Territorios, Derechos y Consulta Indígenas no puede haber concesiones REDD, forestales, petroleras y de servicios ambientales.
http://www.servindi.org/actualidad/34447

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ペルー:開発に抵抗するアマゾン地域の先住民族

1)シャウィ民族はサンマルティン地域における、韓国系企業Ecoamerica SACによる、伝統的なテリトリーへの侵略を告発

 司法当局は韓国企業の72千ヘクタールに及ぶ土地取得を認めたとのことであるが、先住民族側はこれに対して抵抗を続けることを宣言している。
 2月の報道によると大豆やオイルパームを生産するための土地取得であるとのこと。
Perú: Juez legaliza despojo de tierras a nativos (2010/11/16)
http://www.servindi.org/actualidad/35200
Campesinos de comunidades nativas de Tnte. César López no quieren a empresas(2010/02/17)
http://www.roriente.org/?m=201002&paged=3

2)ペルーアマゾンにおける石油開発に反対する国際的なキャンペーン
 サバイバル・インターナショナルやアマゾン・ウォッチ、またペルーの先住民族組織の連合体であるAIDESPなどは、非接触先住民族の居住するアマゾン地域における石油開発に反対する国際的なキャンペーンを展開している。
 問題とされている67鉱区と39鉱区はエクアドル国境に隣接する地域であり、エクアドル側のヤスニ国立公園との間で、非接触先住民族は国境を越えて行き来していると考えられている。 
  
 日本国政府が筆頭株主である「国際石油開発帝石」が権益を有する117鉱区も、問題とされている二つの鉱区と非常に近い位置にあり、地域の先住民族組織から問題を指摘されている。更に上記の二つの鉱区のインフラ整備と関係する可能性も否めない。
 
 開発と権利のための行動センター
 青西

[1]International NGOs unite against oil giants
http://www.survivalinternational.org/news/6680
[2]ペルー共和国 ブロック117 鉱区の取得について
http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2010/20100806.pdf
開発と権利のための行動センターのブログの関連記事はこちら
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat20818096/index.html

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2010/11/17

コロンビア ワユ女性の声

   コロンビアの勉強会も11月21日と近づいてきました。
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2010/10/1121-21b0.html

ここで紹介するのはコロンビアのワユ民族女性からのメッセージです。名前も写真も出さないでほしいという話からも、コロンビアの状況の難しさを思い知らされます。

 以下、ワユ民族女性のお話です。

 コロンビア北部の先住民族女性組織「ワユ民族女性のちから」に参加しています。ここにはワユ民族の様々なコミュニティの女性たちが参加しています。
 私たちは内戦の中で苦しめられているワユ女性たちの声が聞き届けられるように、女性たちの存在が社会の中で見えるものになっていくように取り組んでいます。特にコロンビア北部のパラ・ミリタリー(違法民間武装組織)による問題やメガ・プロジェクトに起因する問題の告発を続けています。
今、パラ・ミリタリーによって、多くのワユ女性たちの人権が侵害され、命が脅かされています。人権侵害を告発することで、自分たちの命が脅かされる状況です。外に向けて、何が起きているのかを伝えること、人権を守るために司法に訴えること、特にパラミリタリーの問題を告発することは、私たちの命が狙われることになります。毎日、さらなる犠牲者が出る状況です。
 こうした中で、私たちは組織を続け、女性たちの声を伝えていっているのです。女性たちのエンパワーに取り組み、人権侵害の被害者である女性たちの声を、殺されていった兄弟、いとこ、両親、連れ合いの声を伝え続けているのです。
 愛する者を失ったことによる悲しみを毎日のように思い起こすことは、苦しいことで、誰かに伝えたいという、日々の経験の積み上げなのです。
 メガプロジェクトの問題は、世界でも最も巨大な、モンスターのような鉱山が、私たちのテリトリーで操業しています。私たちの言葉で「ジョルハ:-鉄の悪魔」とも呼ばれるこの鉱山は、私たちを汚染で苦しめ、私たちの通行を妨げ、運搬軌道が私たちのテリトリーを分断しています。コロンビア政府は、メガ・プロジェクトの前には協議が必要だといいますが、そのような協議も何もありません。

 国内難民も続いています。メガ・プロジェクトによるもの、内戦によるもの、武装組織同士の対立に巻き込まれ・・・私たちの組織でも、4人の女性が脅迫を受け、3人が国内難民となっています。コロンビアでは現政権にたてつく者はテロリスタだと名指しされ、殺されかねない立場に置かれます。私たちの組織「ワユ民族女性のちから」もそうした状況に置かれています。

 オイル・パーム・プランテーションも問題を引き起こしています。特に北部ではオイルパームは土地からの排除を引き起こす最も大きな原因となっています。土地を巡って数多くの殺害、移民が引き起こされています。パラミリタリーと結びついており、白紙の文書を持ってきて、土地を売りわたすように強要されるのです。外国資本がアイディアをばらまき、そこに国内の権力者が結びついて、取引が行われています。
 聞き取り 青西

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2010/11/16

11月21日コロンビアの鉱山開発-南米連続勉強会 第二弾- 

南米連続勉強会 第二弾 (2010-2011)
南米における環境運動と先住民族

 環境と調和した新しい社会のあり方を模索する一方で、南米諸国では鉱物資源や石油を巡って社会紛争が各地で続いています。地域住民の抵抗と闘いから考える新しい世界のあり方。

第一回 コロンビアの鉱山開発と地域住民による抵抗
11月21日(日) 午後2時から 会場:JICA地球ひろば 401号室

講師: 幡谷則子(上智大学教員)社会学、コロンビアを主とするラテンアメリカ地域研を専攻。長年都市貧困地区の住民組織化について研究をしていたが、最近は(旧)紛争地の開拓民や零細鉱山民の抵抗のいとなみについて聞き取り調査を行っている。著書に『ラテンアメリカの都市化と住民組織』(古今書院、1999年), La ilusión de la participación comunitaria: Lucha y negociación en los barrios irregulares de Bogotà 1992-2003 (Universidad Externado de Colombia, 2010)がある。 

第二回 エクアドルの石油開発と先住民族
    いま何が起きているか、現地調査からの報告
12月18日(土) 午後2時から 会場:JICA地球ひろば 303号室 

講師:長田顕泰(東京大学大学院/青年海外協力隊OB)
エクアドルでの協力隊活動を経て、「同国アマゾン地域の石油開発と先住民の生活への影響」をテーマに研究中。2010年6月から8月まで、同国の石油鉱区にてフィールド調査を実施した。11月にも1カ月間の調査を予定している。

第○回 「社会自由主義-ブラジルの開発政策」
3月中旬 会場未定
講師:小池洋一(立命館大学経済学部教員)
アジア経済研究所での30年近い研究生活をへて現職。現在日本ラテンアメリカ学会、ラテン・アメリカ政経学会、ブラジル中央協会、アジア太平洋資料センター(PARC)理事を兼務。最近の著作に『図説ラテンアメリカ経済』(共著)、『地域経済はよみがえるか-ラテン・アメリカの産業クラスターに学ぶ』(共編著)など。現在のテーマは、国際価値連鎖と開発、参加型予算、アマゾン環境、日本の労働市場と日系人など。



各回資料代:500円
以降 全六回の予定。ペルー、ブラジル、ボリビアなどを取り上げていきます。

会場:JICA地球ひろば 東京都渋谷区広尾4-2-24
地下鉄 日比谷線 広尾駅下車(3番出口)徒歩1分
http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html

主催:開発と権利のための行動センター
    日本ラテンアメリカ協力ネットワーク
    先住民族の10年市民連絡会
   ATTAC Japan(首都圏)

資料準備の都合から出来る限り事前連絡をお願いします。
連絡先:開発と権利のための行動センター
e-mail: cade-la@nifty.com 
ブログ:http://cade.cocolog-nifty.com/

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2010/11/12

ペルーの東部先住民族組織(ORPIO)が石油鉱区に対して異議申し立て

ペルーの東部先住民族組織(ORPIO)が石油鉱区に対して異議申し立て PRONUNCIAMIENTO POR LOS 14 LOTES ADJUDICADOS (2010/11/11)
http://orpio-aidesep.blogspot.com/2010/11/pronunciamiento-por-los-14-lotes.html

ORPIOはアプリスタ政権(ガルシア政権の与党APRA)が私たちの制度や法律を無視し続けることを改めて告発する。、ILO169号条約に定められた協議への権利に関する細則を定めるようにというエネルギー・鉱業省に対する憲法裁判所の判決(Nº 0022-2009-PI/TC 及びNº 05427 – 2009 – PC/TC)を無視し続けている。
 エネルギー鉱業省は、ペルー・ペトロを通じて、マラニョン、ウカヤリ、サンティアゴ、セチュラ、ウアジャゴ流域に位置する25の石油鉱区の入札を行い、10月14日に、14の権利が落札され、政府は記録的なことだと祝っているようである。

 法律を尊重している私たち先住民族は、Matses; Huitoto, Secoyas y Kichwas del Putumayo; Kichwas del Alto Napo; Kichwas y Arabelas del Curaray y Arabela; los hermanos Kukamas del Marañónの仲間たち同様、政府機関との対話を促進している。仲間たちは、彼らの土地に石油企業はいらないと言うことを明確にするためだけに、わずかなお金しかない村々からイキトスの町まで集まってきた。Matses民族の仲間は、アマゾンから二日間かけて歩いてきたのである。

 私たち先住民族組織は、法を尊重し、国の機関を尊重している。しかし私たちの権利をこれ以上蹂躙することは許さない。既に人権擁護事務所も、政府に対して協議に関する法律を早急に承認すること、協議に関する法が承認されるまではどのような法も承認すべきではないと要求している。

 バグアで起きたような社会的紛争は、野蛮なグループの気まぐれなどではない。聞く耳をもたない現政権の無能さに対する回答なのである。現政権にとっては、石油鉱区から引き出すことができる緑のドルの札束だけが重要であり、だからこそ石油録音事件(鉱区を巡る汚職についての録音流出事件)についていまだ責任者は明らかにされず、マラニョン川における流出事件についても、検察も、地域政府も、石油業者も、エネルギ-鉱業省も、責任を汚染を告発したペルーアマゾン研究機関などに責任を押しつけようとしているのである。

 もうこれ以上、私たち先住民族の権利を蹂躙するな!

 先住民族運動は、私たちの土地、汚染なく健康に生きる権利を守るために強い決意である。もう石油を食べることも、飲みもしない。

 (翻訳 開発と権利のための行動センター 青西)

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2010/11/10

11/14「食と農は売り物じゃない!TPP・貿易自由化を考える」分科会

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  いらない!APEC横浜民衆フォーラム
「食と農は売り物じゃない!TPP・貿易自由化を考える」分科会
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APEC横浜では、2020年までにこの地域の自由貿易協定FTA(FTA-AP)を構築することや投資や貿易の自由化を促進すること、またビジネス環境改善などを話し合うとしています。さらに、米国の影響が強い、「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」の拡大を図ろうとする動きが強まり、日本も参加を表明します。
 TPP・貿易自由化を考える分科会は、これまでのFTA締結や投資の拡大、貿
易自由化などによって、輸出型産業だけが大企業によって重視され、地域社会が破
壊されたり、各国の食料主権が奪われたり、農民からの土地収奪がおこなれたりし
てきたこと、また知的財産権保護の名のもとで原種を含む地域の自然資源が奪われ
たりしたことを取り上げます。そしてアジア太平洋地域における人々のつながりは
どうあるべきかを考えます。

【日  時】 2010年11月14日(日) 9時30分~12時 (開場9時)
【会  場】 横浜駅西口「かながわ県民センター」4階403室
最寄り駅:「横浜駅」西口徒歩5分
       (横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2 電話045-312-1121)
【参加費】 1000円(13日の全体会と14日の全分科会に参加できる「通し券」)

<内 容>
提起
・カン・スンチョルさん(韓国民主労総事務局長)
  「韓国におけるFTAをめぐる動きと反対運動」(予定)
・山浦康明さん(日本消費者連盟)
  「成長戦略とFTA、TPPを批判する」
・青西靖夫さん(開発と権利のための行動センター)
  「農業投資が農地収奪を招く」
・大野和興さん(農業ジャーナリスト)
  「自由貿易は日本とアジアの農民・農業に何をもたらしているか」
・天笠啓祐さん(市民バイオテクノロジー情報室)
  「生物多様性を破壊するグローバリゼーション」
全体討論

【問合せ先】 日本消費者連盟(山浦)または市村まで
Tel:03(5155)4765 Fax:03(5155)4767
メール:ichimura@gensuikin.org

「いらない!APEC横浜民衆フォーラム」の内容はこちらをご覧下さい。
http://susquehanna.edoblog.net/

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エクアドル-REDD-YASUNI

 REDD+やヤスニに関して、いくつか未整理の情報がたまっていましたので、いくつかまとめて掲載します。REDD(REDD+)についてもエクアドル国内でも異なる意見があり、またコレア大統領のとらえ方とボリビアのモラレス大統領もまた大きく異なることがわかります。

1)COP10  Aichi-Nagoya Ministerial Meeting of the REDD+Partnership
http://webcast.cop10.go.jp/player.asp?id=2610&type=ondemand
(28.38~)環境大臣
・REDD+は森林、生態系の維持にとって重要である。しかし温室効果ガスの排出削減を伴わなくてはならないし、国内法に加えて、国連宣言にも謳われている先住民族の権利を尊重することが重要である。
・REDD+は気候変動対策としても、コミュニティの利益のためにも重要である。
エクアドルではREDD+のプロジェクトとしてSocioBosqueというプログラムを持っている。森林保全を担うコミュニティに対して、支払いを行っている。
・同時にYASUNI-ITTも進めている。これに対する支援にも与してもらいたい。

2)エクアドル政府広報サイト内におけるコレア大統領に対するインタビューの紹介記事
Socio Bosque puede ser candidato para beneficiarse del mecanismo REDD
Viernes, 29 de Octubre de 2010 09:00 AA Presidencia de la Repu'blica
http://www.elciudadano.gov.ec/index.php?option=com_content&view=article&id=18104:socio-bosque-puede-ser-candidato-para-beneficiarse-del-mecanismo-redd&catid=1:actualidad&Itemid=42
 このインタビューは朝日放送が行ったもののようです。(一部抜粋)
「貧しい国において自然保護を行うためには、生活の向上が明確に取り入れられなくてはならないし、そうでなければ持続的にならないということを、日本や先進諸国は十分に考慮しなくてはなりません。ソシオ・ボスケでは、保護された面積に応じて支払うのです。」
「しかしこうしたプログラムには大きな資金が必要であり、カーボンクレジットやREDDといったメカニズムが必要となります。YASUNI-ITTへの拠出金もこうした活動に利用する目的を持っています。」
「2008年憲法は、伝統的な文化、テリトリーへの権利を保障していますが、同時に地下資源はすべての国民のものであること、正統に選出された政府がその利用について決定する権利を定めています。」
「先住民族の権利、文化は尊重しますが、資源がある場合には、こうした共同体の合意を受けつつ、採掘をします。しかしその場合にも最初の受益者はそうしたコミュニティの人々でなければなりません。」
「文化や慣習を維持することと、貧困のままに生きることを混同してはなりません。極度の貧困に生きることは、Buen Vivirと呼ぶことはできません。アイデンティティーを失わずに貧困から人々を引き出すことが大きな挑戦であるのです。地下資源はそのために利用されなければなりません。(石油開発を始めた)パニャコチャにおいても9千人に対して21百万ドルが投入され、毎年この金額が、教育などに使われるのです。」
「REDDあるいは広く炭素クレジットによって受益すべきプログラムがいくつもあります。ソシオ・ボスケもそうですし、REDDには入らないものの、”回避された純汚染”というより広い考え方に立つならば、REDDに含まれてしかるべきYasuní-ITTもあります。環境のために森林を維持することで補償されるのに、石油を地下に維持し、環境を汚染しないことが補償されないというのはおかしな話でしょう。」


3)アクション・エコロヒカ:REDD+は集団的権利の喪失を意味する
(11/5)
http://www.accionecologica.org/institucional/redd-significa-perdida-de-derechos-colectivos
 エクアドルの環境団体であるアクシオン・エコロヒカは、カンクンでの気候変動会議COP16に向けて声明を発表し、REDD+に反対する立場を明らかにしている。(声明より一部整理)
 エクアドル政府は、石油に依存した開発モデルの変革を意味しているヤスニ・イニシアティブを進める一方で、REDD+の一部であるソシオ・ボスケ・プログラムを実施している。REDD+に関する国家戦略は、先住民族の権利を定めた憲法、国内法、国際法を遵守していない。事前協議はここ2年実施されていない。
 自然の商品化を進めるだけではなく、エクアドルを世界市場における環境サービスの供給者として位置づけるものである。エクアドルは不安定かつ怪しげな炭素市場にむりやり巻き込まれ、更にこの市場は多国籍金融機関や環境破壊を続ける企業に支配されている。
 REDD+はエクアドルの領域、特に先住民族のテリトリーを、国際市場に保証として差し出すものである。このことでテリトリーに対する先住民族の集団的な権利は失われる。
 ソシオ・ボスケのような計画の実施には森林管理政策の適用が必要とされ、ソシオ・ボスケの契約には伐採・狩猟などの契約違反の際には、民法、刑法上の罰則が適用され、国家は、遠隔でのセンサー他を利用して管理をする権利を有するとされている。関心は炭素を含み、汚染の許可を意味する樹木を保護することにあり、それらは、国際市場で保証書を購入した者に属することとなる。
 アクシオン・エコロヒカは、気候変動の変員は化石燃料の採掘と使用に根本的な原因があること、そこで石油の採掘燃焼をやめることが気候変動に立ち向かう方法であり、REDD+に反対し、小農民による農業や、先住民族のテリトリーに対する集団的権利の尊重を求める。

4)国連大学におけるコレア大統領講演から (9/7)
 38分から48分ぐらいの内容です。(スペイン語から作成)
 http://videoportal.unu.edu/579 
もう一つの大きな課題は、唯一の地球をどのように守っていくかと言うことです。ここにも政治の問題があります。
地球公共財の産出と保全の扱い、消費に常に価値がありつつも、アクセスが自由な財については、共同行動と経済的論理の組み替えが必要です。空気というのは私も皆さんも呼吸することが出来ます。それに対して誰も対価を払う必要がありません。私有財の場合には、リンゴを得るためには対価を払わなくてはならないし、私が取れば、他の人が取る分は減少してしまう。
 地球公共財の産出と保全の扱いには、地球的な公共アクションが必要とされます。また経済的な論理の組み替えが必要とされます。価値の創造に対しても対価が払われる必要があります。それは商品という形を取らない場合にもです。排他可能な場合には、商品化され、対価を受け取ることもできます。しかし環境はアクセスが自由であり、非排除的なので価格をつけることができません。日本でトラクターを買おうとすれば、そのために対価を払わなくてはなりません。しかしアマゾンの森林が生み出す環境がなければ、私たちの住む環境はひどい状況だったか、あるいは私たちは生存していないかもしれません。しかし私たちはその対価を受け取ってはいません。 
 もしこうした(環境という)富を生み出しているのが先進諸国であったなら、先進諸国は既に、無理矢理かあるいは筋を通して、適切な代償を受けるための徴税のシステムを作っていたことでしょう。

 京都議定書は、市場経済の非常に意味ある進歩だったと思います。環境という公共財の産出と保全のために、市場と公共アクションを実現しました。しかしそのインセンティブは不完全なものであり、不公正で、歪みを引き起こすものでもありました。植林をした国は炭素クレジットを受け取ることができましたが、森林をそのまま保全した国は炭素クレジットを受け取ることはできません。これならまず資金的には、まず伐採して、木材を売り、その後追加的な補償を受け取りながら、植林をする方がいいのです。炭素クレジットは市場で取引され、「汚染のための容量」を得るために企業が求めているのです。
 こうした理由から既に、REDDについて議論がなされ、森林を伐採しなかった国にも補償をしようとしています。しかしこれでは不十分なのです。環境という公共財を生成し、保全するためには、Contaminacion Neta Evitada:回避された純汚染に対して補償することが必要です。Contaminacion Neta Evitadaと言うコンセプトは非常に重要です。汚染をきれいにするという活動と同様に、環境汚染を防ぐ、引き起こさない不活動ということも補償の対象となるべきなのです。Contaminacion Neta Evitadaという考え方において、「環境をきれいにすること」と「環境を汚さないこと」は同意であります。
 
 この論理に基づいて、エクアドル政府はヤスニ・イニシアティブを世界に提示したのです。世界でも有数の生物多様性を有するヤスニに存在する、エクアドルでも最大規模の油田の開発を放棄しようというのです。このことで生物多様性を保全することに加えて、大気中への4億トン以上の温室効果ガスの排出を防ぐことができるのです。
 そのかわり、エクアドルは国際社会に対して、Contaminacion Neta Evitadaに対する補償を求めています。なぜエクアドルに対して補償しなくてはならないのか?それは明確な経済的な論理を持っています。市場経済の論理と所有権によるものです。これはネオリベラルな経済理論によって進められてきたものです。エクアドルは石油開発をする権利を有しています。エクアドルが石油の開発を避けるならば、誰かがその補償をしなくてはなりません。
 ノーベル経済学賞を受賞したロナルド・コースの考え方に基づくもので、その権利(所有権)を有するものが補償されなければならないというものです。例えばここは禁煙ですが、たばこを吸いたいならば、他の人に許可を求めなければなりません。なぜなら他の人が吸わないようにと言う権利を有するからです。更にネオリベラリストならここで、吸うなら補償を払いなさいということでしょう。もしここが喫煙が許可されているならば、たばこを吸わない人は、吸う人にたばこを吸うなというためには、喫煙者に補償を支払う必要があるでしょう。誰が権利を持っているかによって、誰が補償を受けるべきかが変わるのです。エクアドルが他の国と同様に、石油を採掘する権利を持つわけで、それをするなというのであれば補償が必要なのです。
 まるですべてが商品みたいでやな感じですね。しかしヤスニ-ITTイニシアティブは利他的なものなのです。エクアドルは石油収益の半分しか求めていません。エクアドルにとってはITT鉱区を開発した方が経済的には望ましいのです。開発のためにはお金が必要なのです。
 しかしこのイニシアティブは、貧しい国であっても、気候変動と地球温暖化に対する重要な取り組みであり、またそれだけの負担をしていこうというものです。しかし大半の負担はエクアドル国民の肩にかかってくるのです。

 国連の前議長であり、友人でもあるミゲル・デスコト氏が語っていたように、ヤスニ・イニシアティブは、地球温暖化に対する最も明確な提案なのです。レトリックから具体的な取り組みへの第一歩なのです。
 イニシアティブが成功するためには、権力が優越する社会から、正義が優越する社会への変わっていくこと、そしてContaminacion Neta Evitadaと言うコンセプトに基づくこうした補償が一般化していくことが必要です。このことで、世界的な収入の配分に大きな変化を引き起こすことでしょう。貧しいけれども、環境サービスを生み出している国に資金が流れ込むのです。 これは慈善ではありません。正義の問題なのです。
 残念ながら、プラトンが述べたように、正義は強いものの利益でしかありません。ですから正義を得るためには、この地域の権力のあり方を変えていく必要があるのです。環境という公共財を生み出しているのが、先進国であったなら、既に補償を要求する仕組みを生み出していたに違いありません。

 しかしこれだけでは持続的な開発を実現することはできません。そのためには「開発」の概念自体を変えていかなくてはなりません。日本の生活レベルを中国のすべての人が要求したならば、地球はもう耐えることはできないでしょうし、それを支える資源も存在しません。現在の「開発」は普遍化できるものではないのです。
 これまでの伝統的社会主義の間違いは、「開発」のあり方について、資本主義と議論をしてこなかったことです。単にそれは、より早く、正当にたどり着くための方策を巡って競争してきただけなのです。消費主義、物質主義、生産主義。私たちは「開発」の概念を変える必要があり、そのためには私たちは先住民族から学んでいかなくてはなりません。

 ここから「Buen Vivir」の話などに・・・

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2010/11/09

コロンビアのワユ民族の女性たちの闘いとイベント案内

 下に案内しているシネミンガの上映するドキュメンタリーの一つにコロンビアのワユ民族女性の作品があります。この作品の制作に関わったワユ民族女性のカルメンさんは、ちょうど名古屋で開催されていた生物多様性条約締結国会議COP10に参加していました。

「日本で、私たちの抱える問題、先住民族が抱える問題について、私たちが作成したドキュメンタリーを共有できることをうれしく思います。私たちは先住民族テリトリーにおける資源開発の問題を抱えています。地域で行われている石炭開発は、環境への大きな影響を引き起こしており、私たちはこうした問題を告発しています。経験を共有し、連帯を深めていくことが大切です。(カルメン 10/29)」



 またコロンビアで開催されていた「記憶のための週間」においては、歴史的な記憶回復の取り組みの一環として、アルタ・グアヒラのバヒア・ポルテテ(Bahía Portete)における虐殺の報告が、生存者や被害者の家族から行われたという。
 2004年に発生したこの事件では、40名のパラミリタリーによって4名の女性を含む、6名が殺害されたという。リストを手に入ってきたパラミリタリーは、狙いをつけた人々を拷問し、殺害した。更にワユ民族の聖地である先祖の墓地を破壊したという。この事件をウリベ政権は、ワユ民族の家族間の対立によって引き起こされたと喧伝していた。その後ワユ民族の600名ほどが国内避難民として、土地を離れざるえなかった。
 しかしワユ民族、ワユの女性たちは植民地支配に対して、スペイン人による宣教に対して、そして政府による開発プロジェクトやパラミリタリーに対しても戦い続け、土地を守るために闘ってきた。
 現在、ワユ民族は観光開発、セレホン社(Cerrejón)による世界最大級の露天掘りの採炭、メデジン公社による風力発電基地などに脅かされている。
 先住民族のコミュニティはそのテリトリーを追われ、聖地を破壊され、こうした事態はワユ民族に破壊的な影響を引き起こしている。しかし企業がそのテリトリーで自然資源を開発したことによる利益を受けることはない。(下記文書のまとめ)
Masacre de Bahía Portete: etnocidio contra los wayúu
http://elturbion.modep.org/drupal/?q=node/2913



 コロンビアに関連するイベントが続きます。

1)11/14 コミュニティビデオ上映会
+ オンラインによる作家とのQ&A
in 東京・パリ・ニューヨーク・ポパヤン
  南米コロンビアのナサ民族と恊働制作したドキュメンタリーや、ワユ民族の女性グループが制作したビデオを、東京・パリ・ニューヨーク・ポパヤン(南米コロンビア)で時差を利用して、同日上映します。インターネットを通じて、各地とコロンビアをライブで結び、制作者との質疑応答も行います。
地球の裏側で暮らす先住民族の市民フィルムメーカーと直接話してみませんか?
http://blog.canpan.info/cineminga/archive/111

2)11/21 南米連続勉強会
第一回 コロンビアの鉱山開発と地域住民による抵抗
11月21日(日) 午後2時から 会場:JICA地球ひろば 401号室
こちら
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2010/10/1121-21b0.html

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2010/11/08

ランドラッシュに関連して:行動センターのサイトから

新潮社から「ランドラッシュ-激化する世界農地争奪戦」が発行されました。

これはNHKスペシャルの「ランドラッシュ-世界農地争奪戦」をベースとした本となっていますが、第5章が「責任ある農業投資原則」に関する章となっています。
 2009年9月に開催されたラウンドテーブルまでが、NHKスペシャルでは取り上げられていましたが、本では、NGOからの批判、食料への権利に関する国連特別報告者の批判が取り上げられ、IAASTADのレポートをオータナティブな、注目すべきものとして取り上げています。

開発と権利のための行動センターのサイトでもこの問題についてはいくつか報告してきましたので、改めてリンクを紹介します。

1)FIANやビア・カンペシーナなどの批判(2010/4)
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2010/04/ii-8c8e.html
2)「責任を持って小農を破壊しようとする『責任ある農業投資原則』」 (2010/6)
  国連特別報告者 オリビエ・デ・シュッター
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat1687545/index.html
3)なぜ我々は「責任ある農業投資原則」に反対するか(2010/10)
  ビア・カンペシーナなどによる連名の声明文
  http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat1687545/index.html
4)開発のための農業に関する知識・科学・技術に関する国際アセスメント(IAASTD報告書)の紹介とリンク(2008/04)
  http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/04/iaastd_6a84.html

5)日本政府による「農業投資原則」策定プロセスまとめ
   RAIProcess.pdfRAIProcess.pdf

  関連カテゴリーは 食料・農業・大豆

 

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土地利用者の権利を守ること

 食料への権利に関する国連特別報告者、オリビエ・ド・シューテル氏(オリビエ・デ・シュッター)の国連総会に向けての報告書にて、土地への圧力が食料への権利を脅かしていることを伝えている。

 この報告書の重要な論点の一つは、土地所有のあり方に関するものである。個人的土地所有権の確立が土地への投資を促進し、生産性を高めるとされてきた考え方に疑問を呈し、セーフティ・ネットとしての土地の役割、慣習法に基づく土地保有を重視している。


 サマリー
 土地へのアクセス及びその土地保有の保障は食料への権利を享受するために極めて重要である。この報告では、高まる土地への需要を前に、三つのグループ、先住民族、小農民及び特別なグループとして牧畜民、遊牧民及び漁民に対して、どのような影響が出ているかを検討する。人権として、土地への権利の承認を進めることを通じて、諸国家や国際社会が食料への権利の行使をどのようにより尊重し、擁護し、履行できるかを検討する。
 この報告書では、土地保有の保障が非常に重要であることは間違いないものの、個人的土地所有地の確定及び市場での取引が、そのためにふさわしい方向であるとは考えてはいない。土地保有に関する慣習法的システムの強化、および土地保有に関する法律の強化によって、土地利用者をより効果的に保護することができるであろう。数十年にわたる農地改革の取り組みの中から、食料への権利の実現には土地の再配分が重要であることも強調している。また土地への権利を攪乱し、土地の集中を引き起こし、土地からの排除を引き起こすのではない、異なる開発モデルが優先されるべきである。


第3章 土地利用者の保護

B 土地を耕作する小農民 の部分の一部抜粋

16.土地保有への保障を高めることが、小農民の土地への投資意欲を促進するとされ、土地を担保として利用することで融資のコストを削減することができるとされてきた。また植林や、より責任ある土壌や水利用によって、より持続的な農業を促すとされてきた。しかし本来の問題は、土地保有への保障が改善されるべきかどうかではなく、どのように、という点にある。古典的なアプローチは、個人的土地所有権の確立と土地登記簿の整備に基づき、これによって土地に関する取引を容易かつ安全に行うことができようになるというものであった。このアプローチにおいては、土地保有の保障というのは、市場への統合を促進するための手段と見なされており、土地所有権が法的に認められることで、土地を譲渡することも抵当に入れることもできるようになり、そこで離農することもできれば、土地への必要な投資資金を得ることもできるようになる。1970年代後半から、80年代にかけて、また近年ではエルナンド・デ・ソトの著作の影響を受けて、国際的な金融機関は、構造調整政策の一環として土地登記の整備と土地所有権の確定手続きを進めてきた。これによって良好な土地市場が、土地の有効な配分を実現し、経済成長が促進されると期待していたのである。更にこのことは、農村における貧困と食料安全保障の不備に取り組むための鍵になると考えられていた。
 
17. しかしながら、土地所有権に関する西洋的な考え方を移転する取り組みは、数多くの問題を引き起こすこととなった。土地所有権確定手続きは、透明性を保ち、適切に監視されない限り、腐敗した官僚と共謀する、地域の有力者や海外の投資家の手に握りこまれてしまうのである。更に、こうした手続きは、土地利用者の権利ではなく、形式的な所有者の権利の承認に基づくことで、不平等な土地分配を固定化し、結果的に農地改革に逆行するものとなる。こうした状況は、特に植民地期の不平等な農業構造が残され、ごくわずかの土地エリートが大半の可耕地を所有するような国で顕著である。またこうした手続きは男性だけを優遇する危険性もある。土地保有への保障を改善する目的を持ついかなるプロジェクトにおいても、現存の不均衡を正すことを探らなくてはならない。そうした例としてはカンボジアにおける土地管理プロジェクトが知られている。

18. 個人による土地所有権確定は、コミュニティによる土地所有のような土地保有に関する慣習的な権利と対立するような場合には、紛争の火種となり、法的な不確実性を高めることとなる。土地の市場取引と結びついた個人的土地所有権は、コミュニティの土地やコミュニティが所有する資源に関する慣習的な保有形態の承認とは矛盾し、特に土地を集約的に利用しないグループや継続的に利用しないグループを不利な立場に置くこととなる。

19. 最後に、土地所有権に関する市場の設置も、望まない結果を引き起こすこととなる。こうした市場は、より効率的な利用者に土地を割り当てることになるとされているが、これは農業から十分な利益をあげることができない農村居住者に、農業から退出する道を与えるものとなる。世界銀行によると「確実で、揺らぎのない土地所有権は、市場において、より生産性の高い利用や利用者への土地移転を可能とする」と記している。しかし、生産者に対して適切な支援策が講じられない場合に、土地所有権確定が農業生産性に引き起こす影響についてははっきりしない点もある。土地取引で、土地がより有効な土地利用者に渡るのではなく、単に資本へのアクセスがあり、土地購買力が大きな者の手に渡ることも多いのである。事実、土地所有権市場の設置によって、土地が投機的な資本の手に渡り、生産から除外され、生産性が低下し、農村貧困層に土地なし農民が増加するということも引き起こされている。特に貧しい農民たちは、土地を売るように強いられ、その後手の届かない価格によって市場からは排除されてしまう。特に、不作などの影響で債務を負った場合には顕著である。つまりその他の政策と切り離されてしまうと、土地所有権確定手続きは、非生産的な効果を持ち、貧困層の脆弱性を増すこととなる。実際に、個人に対する土地所有権確定によって、土地が資本に転換することで、貧困削減に貢献することができるという考えは、いくつかの仮定に基づいている。土地所有権が担保となり、担保によって、融資が得られ、それが収入をもたらすという仮定である。しかし貧困層、土地が重要かつ唯一の社会的セーフティ・ネットとなっている人々は、融資を得るために自分の土地を担保に入れることを躊躇するものである。また土地所有権を確定することが、民間金融機関からの融資機会を大きく増加させるというのも約束された話ではない。

20. 貧困層にとって、個人的な土地所有権確定よりも、土地保有が保障されることの方が重要である。収入が低く、社会保障制度が欠如しているような場合には、農村部の貧困層にとって、土地が社会的なセーフティ・ネットとしての役割を果たし、基本的な生計手段を提供しているのである。言い換えるならば、いくつかの国での経験が明らかにしているように、土地保有の保障と土地権の承認が大きな要求に合致しているのに、同じことを個人への土地所有権確定と土地譲渡性についていうことはできないのである。反対に、土地売却を制限することで、土地を売るようにという圧力から農民を守ることができるのであり、共有地に関する利用権や、土地管理における共同体的な形式を保護することができるのである。完全な所有権のかわりに、使用権を承認する形で土地保有を保障するために、地方の土地権の記録、あるいは少なくとも土地取引を記録するための、安価でアクセスしやすい手法の利用についての経験が増えつつある。ベニンでは「 Plan foncier rural」が実施され、ブルキナ・ファソでも試されている。エチオピアでは一ドルの登録料で証明書が発給されている。マダカスカルでも法2005-19によって分権化された土地権管理が進められている。

21. 土地保有の保障に関して二つの相異なる考え方が存在している。一つは土地所有権確定に基づく土地市場の促進であり、もう一つは、生計手段を安定させるために、関係するグループの権利を拡大しようという方向である。

22-23 略

24 貧困層の法的なエンパワーメントには次の点を含めなければならない。
(a)土地からの排除に対する保護(b)公的に承認されている権利を有効に守るための手段の提供(法的支援、基本的な法的研修、弁護士補助員)(c)土地利用に関して、土地利用者の支援(d) 汚職撲滅を通じて、土地管理機関の能力強化。個人的土地所有権確定計画は、慣習に基づく利用者の権利が成文化された上で組み合わされ、また土地市場が土地集中に結びつかないようにする条件が定められている時のみ勧められるべきであること。慣習的な土地保有権を認めること。但し、これらのシステムについては詳細に分析し、必要な場合には、女性の権利、共有地の依存する利用者の利用の権利、コミュニティの最も脆弱なグループの権利に配慮するように改編されるべきである。



報告書は次のサイトからダウンロードできます。
http://www.srfood.org/index.php/en/component/content/article/1-latest-news/984-access-to-land-and-the-right-to-food

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CDMやREDDといった気候変動対策による土地紛争と食料への権利の侵害

 食料への権利に関する国連特別報告者、オリビエ・ド・シューテル氏(オリビエ・デ・シュッター)の国連総会に向けての報告書にて、土地への圧力が食料への権利を脅かしていることを伝えている。

 この中から少しずつ紹介していく

8. 気候変動を緩和し、環境を保全するためにこれまでとられてきた手法は、持続的な土地利用を促進するために土地集中を分解することよりも、技術的な側面と市場による解決を優先してきた。このことが土地利用者の権利と更なる紛争を引き起こしてきた。気候変動枠組み条約に関わる京都議定書の12条において定められたクリーン開発メカニズム(CDM)において、先進国は、開発途上国におけるガス削減プロジェクトの実施を支援することで,追加的な排出権を得ることが定められている。しかしながら、十分に保護されていない地域住民にとっては、このメカニズムから利益を得るために行われる森林プロジェクトが、人々を土地から排除する結果を引き起こしかねない。2005年に立ち上げられ、2007年にバリで開催された締約国会議において強化されてきたREDD(森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減 )に関しても、森林に居住する人々にとっての脅威となっている。国家やその他のアクターが、炭素吸収による利益を自分たちのものにしようとした際に、生計の手段として森林に依存している人々の、森林に対する慣習的権利は十分に認識されていないのである。政府はまた、野生生物保護区や国立公園などの保護地域の設置によって自然環境を守ろう取り組んでいる。しかし生態系は農業にとっても重要な役割を果たしているのである。(略)土地利用計画を含む保護のための措置は、生計のために土地に依存している人々にとっての食料への権利を考慮しなければならない。

報告書は次のサイトからダウンロードできます。
http://www.srfood.org/index.php/en/component/content/article/1-latest-news/984-access-to-land-and-the-right-to-food
Background Paperからダウンロードできる付属文書には次のような事例が紹介されています。
7.  国家森林地域設置による、地域コミュニティの排除(インドネシア)
49. 国立公園管理によって、伝統的な生計手段を禁止される(エチオピア)
51. 森林保護区によるベネ民族の土地からの排除(ウガンダ)
53. 保護区設置によるGana とGwi先住民族の土地から排除(ボツワナ)

REDDに関しては次の文書を参考文献としてあげています。
THE CASE FOR SOCIAL SAFEGUARDS IN A POST-2012
AGREEMENT ON REDD
http://www.lead-journal.org/content/10061.pdf
Seeing ‘RED’?‘Avoided deforestation’ and the rights of Indigenous Peoples and local communities
http://www.forestpeoples.org/sites/fpp/files/publication/2010/01/avoideddeforestationredjun07eng_0.pdf
The hottest REDD issues: Rights, Equity, Development, Deforestation and Governance by Indigenous Peoples and Local Communities
http://www.rightsandresources.org/publication_details.php?publicationID=904

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2010/11/06

ペルー:石油開発・自由貿易協定・先住民族

 ペルーの東部先住民族地域組織(ORPIO)の代表であり、南米のアマゾン地域の先住民族組織の連合体であるCOICAの代表でもあるエドウィン・バスケスさんがCOP10に参加するために来日していた際に、現地の状況を聞きました。
 その一部です(後日、残りは掲載します)

 日本とペルーの経済連携協定、117鉱区への日本企業の参入など、私たちの気づかないところで、ペルーの先住民族への私たちの責任は重いものになりつつあるのです。

 生物多様性条約締結国会議について

 ここでは美しいことが話されていますが、汚い部分は自分たちの国に残しています。そうした私たちの現実を明らかにしなければなりません。
 環境大臣はここにやってきて、REDDのプロジェクトを実施したい、実施には何も問題ない、先住民族に利益をもたらすものだと話をしていますが、そのペルー・アマゾンが緑なのは、そこに先住民族がいて、森を大事にしているからなのです。先住民族にとっては、そこが家であり、テリトリーであるのです。しかし大臣はここで勝手に交渉しています。私たち先住民族としては、先住民族の意見を聞き、尊重し、先住民族の権利を脅かさないように求めます。
 
 生物多様性の保全について

 先住民族は、自然を守ってきたわけで、その分野における専門家だと言えます。そうした私たちの視点からは、まず私たちの土地・テリトリーが守られなければなりません。土地とテリトリーがなければ、先住民族としては生きているとは言えません。テリトリーには魚がいて、動物がいて、畑があり、未来があり、世界観があり、文化があり、過去から未来にわたる私たち自身の存在があります。
 ですからこそ私たちの存在のためにはテリトリーの保全が最も重要なのです。

 自由貿易協定について

 日本との経済連携協定についても、ニュースでは聞いたことがあります。しかしこうした国家間の自由貿易協定の交渉は閉ざされた場所で行われており、誰も参加していません。それは米国との交渉の時も同様でした。
 先住民族のテリトリーに存在する、石油や森林、鉱物など様々な自然資源について、先住民族の存在なしに交渉しているのです。その結果、石油や、材木、鉱物などを狙う多国籍企業を優遇するだけの法律ができて、先住民族の権利が侵害され,奪われるのです。
 先住民族の権利を脅かし、テリトリーや土地への権利を脅かす協定には闘っていかなくてはなりません。
先住民族の存在はお金で換算されるものではなく、土地・テリトリーとともに総体として先住民族の存在が重要なのです。

 117鉱区について

 117鉱区は、アルト・プトゥマヨとアルト・ナポに位置し、セコヤ民族とキチュア民族が生活しています。彼らはこの地域に、先住民族の存在と自然を守るために、コミュニティ保護区を設置するように長年求めてきました。また国立公園の設置も求めています。
 しかしブラジル系のペトロブラスにこの鉱区のコンセッションが行われてしまったのです。先住民族は彼らのテリトリーに、企業が侵入することを許すつもりはありません。この3月と9月にも改めて声明を発表し、改めて、一歩たりとも足を踏み入れさせないと宣言しています。
 
 日本企業が25%の権益を獲得したという話も聞きましたが、この地域には紛争が存在しているということをしっかりを考えるべきであり、権益を放棄すべきです。117鉱区は先住民族の静穏な生活を脅かしているのです。
 そもそも、このコンセッションについて協議は行われていません。コンセッションを与えた後に、企業がやってきて、若干の情報を提供したに過ぎません。これを協議と言うことはできません。押しつけられたコンセッションなのです。

 石油開発と先住民族

 ペルーのアマゾン地域では70年代から石油採掘が行われてきましたが、フジモリ政権下の1995年頃から、石油開発が積極的に進められてきました。この動きに対して先住民族は反対の立場を取ってきました。政府は石油採掘で開発がもたらされると言ってきましたが、それは嘘ばかりでした。石油開発がもたらしたのは、死と破壊、そして汚染だけです。
 2006年にはアチュアル民族が、汚染のない土地とテリトリーを求めて、油井の占拠など抗議行動を展開しました。人々は鉛やカドミウムによる健康被害への調査、健康被害に対応する保健プログラムなども要求しました。[1]
[1] ペルー:先住民、石油会社を提訴へ(2006/08)
http://www.news.janjan.jp/world/0608/0608300329/1.php
 先住民族の要求は政治的意思では実現されてきませんでした。運動によってのみ実現されてきたのです。しかし合意されたものの履行されていないものも多々あります。
現在、アマゾン地域はほとんど100%、コンセッションが出されています。これらはすべて協議を得ていないのです。政府はILO169号条約も批准しましたが、それは守られていないです。
(バグア事件に関して、割愛)
 協議のないコンセッションは続き、石油会社による汚染も続いています。これに対して、10月24日にマラニョン川で5千人の先住民族の仲間による河川(水運)封鎖が行われました。[2]政府や地方政府、企業は先住民族の要求を無視しています。汚染がないというのです。政府は、企業は開発をもたらすとして、企業と争う気はなく、企業は好き勝手にやっているのです。
 私たち先住民族は、様々な問題に対して準備しなければなりませんし、また非先住民からの支援も重要です。

[2] 補足:マラニョン川原油汚染
 今年6月に運搬船から300バリルの原油流出が引き起こされた。企業は飲料水の供給などの支援を一時的に行ったものの、中断。しかし水質が改善されていないこと、魚から汚染物質が発見されていることなどから、先住民族側が抗議行動を展開
関連記事
Reportan heridos y desaparecidos por la toma del río Marañón en Perú(2010/10/29)
http://www.elmundo.es/america/2010/10/29/noticias/1288309066.html
ORPIO Demonstrates Marañón River Pollution By Oil: Video Evidence (2010/9/28)
http://indigenouspeoplesissues.com/index.php?option=com_content&view=article&id=6836:orpio-demonstrates-maranon-river-pollution-by-oil-video-evidence&catid=53:south-america-indigenous-peoples&Itemid=75
Nativos bloquean río Marañón en rechazo a contaminación petrolera
http://diariolaregion.com/web/2010/10/26/nativos-bloquean-rio-maranon-en-rechazo-a-contaminacion-petrolera/
Peru: Thousands Of Indians Blockade The Marañón River - Require Dialogue With Companies And Authorities
http://indigenouspeoplesissues.com/index.php?option=com_content&view=article&id=7285:peru-thousands-of-indians-blockade-the-maranon-river-require-dialogue-with-companies-and-authorities&catid=53:south-america-indigenous-peoples&Itemid=75

まとめ
青西
カテゴリー「ペルー」の関連記事もご覧ください。
  

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2010/11/04

モノカルチャルな生活はとてもデンジャラス

 今回COP10に参加している先住民族の人たちからいろいろ話を聞こうと思っているのですが、みなさん忙しそうでなかなか話を聞く時間が取れません。タンザニアのマサイ民族のアダムさんとはCOP10が始まる前に話ができたので、遅ればせながら紹介します。

 私はタンザニアのマナブからきました。タンザニアでも今、土地争奪が大きな問題となっています。投資家が入ってきて、商業目的で土地を囲い込んでいるのです。この動きは2009年からひどくなり、各地で住民の排除が進んでいます。また保護区設置の名目でも土地が奪われています。MbeyaやMorogoro、Manyaraなどで土地や家畜を奪われ、失っています。
 マサイ民族、また他の遊牧民は被ってきた植民地期から土地を奪われてきました。自然保護区や大規模農業のために。最近も、保護区、都市化、軍事利用、鉱山開発、開発イニシアティブによって、土地を奪われ続けています。
 特に地方政府の役人がやってきて、私たちの土地を、家畜を奪うというケースがあります。その上に、私たちは中央政府にこの問題を訴えても、地方政府が情報をゆがめて、中央政府が信じないようにするのです。私たちは議会や、首相にも遊牧地の平和を求めて、訴えています。調査団の派遣も求めているのですが、現状は明らかにされていません。
 
 投資家たちがやってきて私たちの土地を奪っていきます。彼らは友好的でもなく、環境に対しても望ましい者たちではありません。さらに私たちを何の価値もないかのごとくに扱うのです。
 タンザニアの各地で遊牧を禁止する動きがあります。これは私たちのノマディックな生活を破壊するものです。ノマディクな生活をしてきたのに、それができなくなり、私たちは貧困になり、都市に移住せざる得なくなるのです。

 政府は私たちの生活のあり方を「プリミティブ」だとみなし、「近代化」せよというのです。「開発」といいますが、それは開発ではなく、破壊でしかありません。
 
 生物多様性条約ができても、行動計画の実施の段になると、資金がないなどという名目で実施されません。

 環境は、生物多様性の喪失を受け、人々は「近代化」の波をかぶって、「モノ・カルチャー・ライフ」を生きなくてはなりません。これは(農業の)モノ・カルチャー同様危険なものです。すべての人々を同じような生き方に導くことをできないのです。私たちは同じ人間ですが、様々な根っこを持ち、様々な文化を持っています。それぞれの文化は尊重されなければなりません。
 自然を守っていくのは、資本主義的な考え方ではできません。生物多様性を守るには、文化とともに、それぞれが、文化と結びついた、保全のための戦略を持ち、現在、そして未来の世代のために取り組んで行かなくてはなりません。
(10/15 聞き取り)
 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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先住民族の参加という点から保護地域に関するCOP10の評価

COP10における作業部会の会合決議案は、科学技術助言補助機関(SBSTTA)で作成されたものであり、その中で取り上げられ今回の会議に提起されていたのは次のような点である。
1)持続的な資金供給
2)気候変動
3)効果的なマネージメント
4)海洋保護地域
5)保護地域の費用・便益の評価
6)作業計画 第二部門(ガバナンス、参加、公平、利益配分)に関する事項 (注1)
7)国別報告書の形式に関して

 この中で、先住民族に主として関連するのは6)作業計画 第二部門(ガバナンス、参加、公平、利益配分)に関する事項であった。

注1)保護地域に関しては、2004年開催のCOP7において、4つの作業計画が定められており、 この中の第二部門の目標2.2で、「先住民族・地域共同体及び関連ステークホルダーの関与を確保し、また強化すること」と定めており、「2008年までに国内法及び国際的な義務への合致及び関連するステークホルダーの参加の上で、先住民族・地域共同体の権利の尊重、責任の認識に基づき、保護地域の管理、設置における完全かつ効果的な参加」をターゲットとしている。
http://www.cbd.int/protected/pow/learnmore/intro/?prog=p2

 上記6)に関して、決議案28項で「先住民族及び共同体保護地域(IICAs)の承認と、支援のための適切なメカニズムを開発すること、そのために特に、共同体の土地と資源への権利を法的に承認し・・・、そのメカニズムはICCAsが長年維持してきた慣習的なガバナンスのシステムを尊重し」と記載されていたものの、最終的にはCOP9文書(第6項a-e)(注2)を踏襲する形となり、「共同体の土地と資源への権利」、「慣習的なガバナンスのシステム」といった文言は削除され、先住民族及びコミュニティ保護地域は、共同管理(co-manegement)及び民間保護地域と併記される形となっている。

注2)http://www.cbd.int/doc/decisions/cop-09/cop-09-dec-18-en.pdf
 しかしCOP9の時点で「国内法及び適応可能な国際的な義務に合致する中で、保護地域のガバナンスにおいて、先住民族・地域共同体の権利の完全な承認と尊重の上で、十全かつ有効な参加に基づく効果的プロセスを確立する」と記載されており、それは繰り返されている。

 残念ながらCOP10における議論のプロセスにほとんど参加することはできなかったが、Earth Negotiacions Bulletinを見ても、今回は保護地域に関する言及は少なく、大きな議論は引き起こされることはなかったように思われる。保護地域に対する先住民族の参加という点では、COP7で作業計画を定めたものの、格段の前進はなく、COP10においてもCOP9の記載を繰り返すにとどまっている。先住民族保護地域の確立はまだ難しそうである。

開発と権利のための行動センター
青西靖夫

●10月27日にパナマのクナ民族のオネル・マサルドゥレ(Onel Masardule)さんに、COP10の結果を聞きました。

 保護地域に関して課題として残っているのは、保護地域に関する先住民族の参加を定めた作業計画の履行や、各国の報告書の内容に先住民族からの参加(評価)を入れていく点などです。これまでのCOPにおいてAkwé:Kon(アクウェ:コン) ガイドラインの採択など、先住民族の要求が実現してきたこともありますが、まだまだ足りません。
 保護地域に関して、締約国が報告書の作成する際に先住民族が参加できるようにしていくというのは、より正しい報告書を作成させていくために不可欠です。
 補償の問題もあります。保護地域の設置による先住民族へのネガティブな影響に対する補償は明確にされていません。私たち、先住民族は正当な補償を求めていかなければなりません。
 先住民族の参加については、まず保護地域の設置が検討される際には、先住民族に対する自由で事前の情報に基づく協議が行われ、合意を得るべきだと考えます。また先住民族が独自の保護システムを有していることを認めることが必要です。国家保護地域システムが、「保護」にだけ焦点をあてるのとは異なり、私たちは、保護地域は、文化的、環境的、精神的な視点を含め、より総合的なシステムで管理されるべきと考えます。

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