« カンクンのCOP16への参加を求める先住民族の声 | トップページ | COP16 関連情報 »

2010/12/10

ボリビア:訪日後にカンクンに向かったエボ・モラレス大統領

 7日、8日と日本を訪問したボリビアのエボ・モラレス大統領は、気候変動会議を開催しているメキシコのカンクンに飛び、民衆との対話集会に参加し、また本会議においても演説を行った。
 モラレス大統領はこれまでの通り、京都議定書の継続、コチャバンバでの民衆会議の結果を取り入れることを国際社会に対して求めている。日本政府は、共同声明において、「COP16の成功に向けてエボ・モラレス大統領と協働していくこと」を確認している。
また「平和主義、民主主義、自然や環境との調和といった理念を両国が共有するとともに、人間の生存、生活、尊厳を脅かすあらゆる種類の脅威に対し、国際社会が一致して取り組んでいくことの重要性について一致した。」[1]、ことを踏まえ、日本国政府は積極的に温暖化に立ち向かうこと表明することが求められている。

 ここにCOP16におけるモラレス大統領の演説を掲載する。
http://cmpcc.org/2010/12/10/discurso-evo-morales-en-cancun-durante-cop16/

 世界の大統領そして代表団の皆様へ

 もしここで京都議定書をゴミ箱に放り込むようなことをしたならば、私たちはエコノミサイド(経済形態の破壊)エコサイド(生態系虐殺)、そしてジェノサイドの責任者となってしまうでしょう。それは多くの人々を死の淵に追いやるからです。
 私たち大統領は、民主的に選ばれた代表として、人々の訴える声に応えていく義務があります。
 私たちは世界の人々の決定に従っていかなければなりません。ここ、閉ざされたドアの内側ではなく、人々の苦しみからほとばしる思いが取り入れられていない文書を押しつけるのではなく、人々の提案に、どのようにこの地球を冷やしていくかという提案に耳を傾けなければなりません。
国連では、貧困をどのように根絶するかということについて議論が続けられていますが、最も重要なことは、この地球を冷やすことです。
 そこでこの機会に私は、第一回「気候変動と母なる大地の権利に関する世界民衆会議」の結論について話をしたいと思います。
 そこでの提案は、まず気温上昇を1度以下にするという提案です。私の考えではこれはとても重要なことです。しかし先進諸国は2度、あるいは4度の温度上昇まで認めようという声すらあります。しかし現在の0.8度ですら大きな問題を抱えているのです。気候変動の影響で年間に30万人も死亡していると言われています。これが100万人になるというのです。
2点目の提案は、自然は私たちの家であり、大地は私たちの命だということです。ですから私たちは大地を守っていかなければなりません。私たちが権利を有するように、大地も権利を有しています。そして私たちは、母なる大地を守る責任があります。

 人類は地球なしには生きていけません。しかし地球は人間がいなくても存在し続けます。階級闘争について議論する時代は終わりました。いま、共存、母なる大地との調和について、議論すべき時なのです。自然、森、母なる大地について。

 これまでの数十年にわたって、国連では人権について、市民の権利について、経済的、政治的な権利について、また近年では先住民族の権利について承認してきました。そして今の新しい世紀は、母なる大地の権利について議論すべき時なのです。その権利には、バイオ・キャパシティを再生する権利、汚染なき生命への権利、母なる大地の均衡への権利が含まれなくてはなりません。人類は、政府は、母なる大地の均衡と再生産を保障する責任があるのです。

 また法を尊重することも重要です。そこで世界の人々は賢明にも、国際気候法廷を設置することを提案しています。母なる大地の権利を踏みにじるものを処罰し、またこれは京都議定書を履行させるためにも重要です。
 
 しかし心配なことはグリーン・エコノミーです。私たちは自然を守り、森を守り、地球・大地を守るためにカンクンにやってきました。私たちは自然を商品にするためにここにいるのではないのです。資本主義の延命のために、森を炭素クレジットに、自然を商品に転換するためにここにいるのではないのです。

 森、自然は世界の人々にとって聖なるものなのです。資本主義の延命のためにあるのではないのです。

 もし気候変動の真の原因、資本主義について分析しなければ、この先いくつ議論を重ねたところで問題を解決することはできないでしょう。しかし、もし政府がやらないなら、政府がやるべきことを民衆がやらなければなりません。未来の世代のために、大統領そして諸政府に対して、歴史を築くことを呼びかけます。

 社会運動は、政策を変えていく力となって来ました。帝国主義を終わらせ、力あるものを倒し、社会運動は生命と公正、尊厳のために闘争を続けていくでしょう。世界の民衆とともにある政府が、未来の世代のために一緒に闘っていかなくてはなりません。

 私は、各国の大統領が責任を担っていくであろうと信じています。多国籍企業のためではなく、世界の人々のために、生命のために、人類のために、未来の世代のために、大地を守るために責任を担っていくであろうことを。ここにいるすべての人が、世界の人々に希望を与えることを願っています。
(翻訳・整理 青西 ビデオよりの整理)

[1]日本・ボリビア共同声明 (2010/12/8) http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201012/08nichibolivia.html

|

« カンクンのCOP16への参加を求める先住民族の声 | トップページ | COP16 関連情報 »

ボリビア」カテゴリの記事

気候変動」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/50657/50262407

この記事へのトラックバック一覧です: ボリビア:訪日後にカンクンに向かったエボ・モラレス大統領:

« カンクンのCOP16への参加を求める先住民族の声 | トップページ | COP16 関連情報 »